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(短編集)

逆ソクラテス



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【この小説が収録されている参考書籍】
逆ソクラテス
逆ソクラテス (集英社文庫)

逆ソクラテスの評価: 4.38/5点 レビュー 229件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全194件 101~120 6/10ページ
No.94:
(5pt)

ささやかだけれども大切なことを、大げさにすることもなく、しかし鮮やかに描きとった絶品

あとがきに著者自身が、初めての「子供を主人公にする小説」と書いている。5篇の短篇を収めていて、表題作である1篇目は2012年、2篇目は2015年の発表で、あと3篇は書き下ろし。
伊坂幸太郎の短篇集は、最終的にすべてが繋がって……という趣向が凝らされていることが多いが、本書は控え目。それでも、そうしたリンクも埋め込まれているし、読後感を変えるレベルでめっちゃ効いてくる。他作品の登場人物も顔を出して、そっちで彼が学んだ教訓を、こっちで実践して少年たちを少し救ってくれる。

5篇とも、小学生の日常の物語。登場人物はすべての作品でほぼ入れ替わる。時代も異なる。主人公は、藤子・F・不二雄作品でよく主人公に据えられているタイプの平均よりちょい下くらいで自己主張控え目の男の子。登場人物はそのクラスメイト、転校生、担任教師に保護者という子どもの世界に限られる。すべての作品で、主人公たちが数年後〜十数年後に「あの時」を振り返る場面が挿入され、カットバックされる。子ども時代を「今」とする作品もあれば、「過去」(思い出)とする作品もある。

各篇のタイトルは「逆ソクラテス」「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」とすべてが¬(否定)構文。これをどう読みとるかは人それぞれだろう。日常をひっくり返すのではなく、視点を変える(視点が変わる)話という点は通底している。

伊坂作品らしく、どの作品もオフビートで、激しさは控え目で淡々と展開していく。作品を通じて、子どもたちが目覚ましく「成長」するようなことも、ない。
よくもまあ、こんなにもささやかなことを、ささやかなまま小説にして、しかもこんなにも鮮やかに描いたものだと思う。何を書いてもネタバレになってしまうので書けないが、本人も忘れてしまっているような子どものころにかけられた言葉が小さなトゲのように心に刺さっているような、オオゴトではないかもしれないけれど、大切なことを、大声で叫ぶのではなく、淡々と伊坂幸太郎は小説に結晶させている。
特に表題作「逆ソクラテス」がすばらしい。ベースにあるのは「モダンタイムス」「魔王」あたりから見え隠れしはじめた伊坂幸太郎が社会に向けるネガティヴな視線だが「問題」を乗り越えていくために少年少女たちがとる姿勢と行動が、軽やかですばらしく、しかもクスッと笑える。何もかもが丸くは収まらず、世界は理不尽だけれども、でも、捨てたものではない。

伊坂作品の常ではあるが、すばらしい言葉もたくさん散りばめられている。何を書いてもネタバレではあるのだが、一節だけ——
『悪いことをすれば罰せられる。スポーツのルールもそうだ。だけど、その法律やルールブックには載っていないこともたくさんある。法律には載らないような、ずるいことや意地悪なこともある。そしてね、人が試されることはだいたい、ルールブックに載っていない場面なんだ』

巻末、5篇目のラストシーン、名前すら与えられていない登場人物に向けられた作者の眼差しの温かさと期待に、この短篇集に込められた思いが凝縮されている。文字どおり、珠玉の短篇集です。絶品。

蛇足
5篇目「逆ワシントン」には「残り全部バケーション」の登場人物が登場する。「残り全部バケーション」は5篇からなる連作集でその第4章は本作に通じるものがなくはない。そして、「残り全部バケーション」の冒頭は、ワシントンの桜の木の逸話で始まる。本当に芸が細かい。
逆ソクラテス (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:逆ソクラテス (集英社文庫)より
4087445321
No.93:
(5pt)

息子に読ませたい一冊。

清涼感のある作品。
小中学生に読んで欲しい。
勿論その親にも。
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4087445321
No.92:
(5pt)

僕の小さな勇気

本屋大賞ノミネートということで初めて伊坂幸太郎氏の作品を拝読しました。タイトルの逆ソクラテスの他、スロウではない、非オプティマス、アンスポーツマンライク、逆ワシントンの計5話の短編集でした。どの作品も小学生が主人公で実はそれぞれ繋がりがあるお話で奥が深いです。「私は、そうは、思いません」という言葉の力強さ。タイトルファウルの与えられ相手のビックチャンスの希望の描き方。小中学生にぜひオススメしたい一冊です。子供をもつ親世代にもひとつの考え方としてとても為になる一冊でした。
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4087445321
No.91:
(5pt)

読みやすい

ちょっとずつそれぞれの話が繋がっていてその上5章構成でとても読みやすかったです(^^)
僕は。
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4087445321
No.90:
(5pt)

すぐに着きました。

良い本でした。
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4087445321
No.89:
(4pt)

「学校では、本当に大切なことを教えてくれない」ことを教えてくれる本

この本は、5つの短編小説で出来ていますが、すべてに共通しているメッセージは、タイトルの
『逆ソクラテス』どおり、「知らないことは知らない」、「そう思わないことにはそう思わない」と
言うことと、その「逆」を知らぬ間に自分の価値観として埋め込まれてしまう小学6年生(1作品は5年
生)を登場人物にしていることです。
小学校高学年になるまでは、好奇心旺盛で、物怖じをしない子どもが結構いますので、親や先生が
辟易するくらいに「どうして?」と尋ねたり、自分の欲しいものや、やりたいことが他の子どもや他人
と違っても、「私は(僕は)これがいい!」と強く主張します。
だけれども、小学生も高学年になると、親や先生の持つ価値観、言い換えると「大人」の価値観が
正しいんだよと深層心理にすり込まれてしまうことが多く、良いところも悪いところも、とにかく
尖ったものは削りとられて、和を乱さないことには長けるけれども、当たり障りのない平均点人間に
なることを求められているのが実情です。

前置きが長くなりましたが、本書のメッセージはただひとつで、

 大人の言うことはすべて正しいと鵜呑みにしないで、疑いなさい

です。
もちろん、すべての大人が偽善者ではないし、すべて信用できないというのではありません。
こころすべきは、大人、あるいは本書が子どもを登場人物に設定した大人向けの本であるなら、
権威を盲目的に信用してはいけない、ということが唯一最大のメッセージだと言えます。

この本は、平易な言葉で、読みやすいリズムで、ストーリーの展開もシンプルですので、ストレス
なくどんどんと読み進めることができます。なにより、テーマがブレないので、迷子になりません。

星を一つ少なくしたのは、5つある物語に好みの問題もありますが、質のバラツキがあるように感じた
からです。
私がいいなと思ったのは、『非オプティマス』と『アンスポーツマンライク』です。筆頭の『逆ソクラ
テス』もなかなかです。特に、『アンスポーツマンライク』は秀逸でした。

これらの中には、次のような(ネタバレにならないように少し変えます)、大人だからこそ犯している
過ちや、不都合な真実が書かれています。

 ・大人は、自分は正しいと思っていて、考えを変えない
 ・親だって、人間だ
 ・相手によって態度を変えることほど、恰好悪いことはない
 ・ギャンブル(リスクを取ったチャレンジ)は避けろ

伊坂幸太郎さんのデビュー20周年の記念作。その期待は裏切りません!
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4087445321
No.88:
(5pt)

登場人物と言葉のパズル

しばらく本から離れてましたがタイトルに惹かれ購入しました。
「砂漠」「フィッシュストーリー」「アヒルと鴨のコインロッカー」等、元々伊坂幸太郎作品は大好きですが、今作はそれらを凌駕する程面白かったです。
ページ数が少なくなる度、残りのページ数でどうやって伏線回収するの?!と、最後までドキドキワクワクしながら読めました。
そして読み返してまた、あちらこちらに散りばめられたキーワードを、宝探しに没頭する子供の様に読んでます。
正解は無いのかもしれないけど、何度読んでも楽しめる一冊。
本当に、買って良かった。
手放したくない一冊。
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4087445321
No.87:
(4pt)

これは痛快小説兼ホラー小説だ

「久留米先生がソクラテスだ」と草壁君が言う。
「それは違う。ソクラテスさんは、
自分が完全じゃないと知っていたんだから、
久留米先生は、逆」と安斎君が答える。
「ここで俺たちが、久留米先生の先入観をひっくり返すんだ」

2つの「逆ソクラテス」バトルの始まり。
つまり、久留米先生の先入観ひっくり返すことと、
生徒の安斎君たちがその先生となることの勝負だ。
小学生と言え侮れない立ち回りに、ドキドキだ。

ただ、これは単なる痛快小説じゃない。
経験だけにしがみついて決めつけでやっていくと、
久留米先生と化してしまうという恐ろしい教訓つき。
ホラー小説でもある。
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4087445321
No.86:
(4pt)

子供時代を懐かしむ大人は楽しめる

久しぶりに伊坂幸太郎作品を読みましたが、非常に面白かったです。

五篇の短編は全て子供が主人公で、学校のいじめや偏見に悩む子供が登場して、
どの章も非常に考えさせられる話です。

いじめや偏見を取り去るために、子供たちがいろいろな行動をしていくのですが、
その中で登場する先生は優しく

「先生もどうすると一番良いのかわからないけど、一緒に考えようか」

というスタンスを持つ人たちばかりで、誠実な姿勢に心打たれます。

しかし、伊坂幸太郎作品ではかなり異端の作品で、洒落た会話や破天荒な生き様の
登場人物が活躍するお話ではないため、いつもの伊坂幸太郎の小説を期待して
読んだ人は期待外れでガッカリすると思います。

また、登場する子供たちがどうにも小学生に見えないほどに大人びた発言をしている
点も気になる要素です。

ですが、大人が子供時代を懐かしみながら読む分には非常に楽しめる作品です。
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No.85:
(5pt)

良い

良い。子育て前に読んだ方がいい。子育て中でもいい。周りにすすめまくっている。
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4087445321
No.84:
(4pt)

読んでみてください。

2編読んでレビューを書いてます。最初と最後、それから終わりにを読みました。
感情部分のみシェアいたします。非常に楽しめました。以上、読んでみてください。
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4087445321
No.83:
(4pt)

こどもにも読ませたい

特に気に入っているのは、いつも同じ服を着ている男の子が登場する話。
子を持つ親として、気を付けなきゃいけないなぁと思う内容でした。(子供に同じ服ばかり着せるな、という意味ではありません)
自分のこどもにも読ませて、理解してほしい本です。
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4087445321
No.82:
(5pt)

現実はそんなに甘くない。だからこそ得られる最高の読後感

現実はそんなに甘くない。

決めつけられた先入観を覆すのは本当に難しい。いじめっ子が更生するのは稀で、いつまでもいじめっ子のままだ。相手によって態度を変える格好悪い大人だらけ。アンスポを受けても、フリースローさえ与えられない。この世の中は可哀想な人間が多い。

現実は小説のように甘くない。
そういうことはみんな分かっている。
そして、分かっているからこそ、最高の読後感が得られる一冊です。星5では足りないくらい。
テーマを一言で言うなら、「道徳」だと思います。現実の厳しさをまだ知らない、少年少女から学ぶことは心に刺さります。

突き出された2本の指は私たちに向けられたものかもしれません。
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4087445321
No.81:
(5pt)

伊坂幸太郎は裏切らない

僕は、そうは、思わない。
おもしろい知恵をあたえてくれる伊坂ワールド。やっぱり好きだな。この感じ。
大人びた小学生も磯憲も。
たくさんの人に読んで欲しい。
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4087445321
No.80:
(5pt)

楽しかった

直近三作ほど、伊坂作品がそう面白く感じませんでしたが、逆ソクラテスはすごく楽しく読めました!
我が子もこんなこどもに育ってほしいなぁ~って何度も思いました。どなたにたいしてもおすすめです!
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4087445321
No.79:
(5pt)

読みやすい

短編集だが、話がどこかで繋がっていて本としてまとまりがあり、読んでいて楽しかった。
登場人物の言葉で心に響く言葉もあった。
読んでよかった。
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No.78:
(5pt)

最高でした

凄く良かったです。友達みんなに
みんなに推薦中・・・本当に良かった最高でした
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4087445321
No.77:
(5pt)

あっという間に読み終わりました

落ちに驚き、感動しました。みんなに読んでほしい。子供にも読みやすいと思います。
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4087445321
No.76:
(5pt)

世の中の答えのはっきりしない問題について、教師や親の視点で語られていた考え方が興味深かった

「侮られていた人が評価を逆転させること」、つまり先入観をぶち壊す5つの短編集は読み応えがあって楽しめた。短編と言いながらも、ところどころ繋がっているところがあるのも伊坂さんらしい。

今回はいずれも小学6年生が主人公となっている物語。
個人的には、何度か登場してくる磯憲先生の、生徒のことを第一に考える姿勢、生徒に寄り添う姿勢が好きだった。

先入観を壊す内容はもちろん楽しめるのだが、それ以外でも世の中の答えのはっきりしない問題について、教師や親の視点で語られていた考え方が興味深かった。

・わざと周りの人に迷惑をかける人がいたらどうやって止めさせるか。

力でがつんとやるだけでなく、「評判」という人間関係が重要。授業の邪魔をしていたずるがしこい奴ということを人は覚えている。また、自分で楽しみを見つけられない可哀想な人と思うことも抑止力になる。

・人が困るのが楽しいという理由だけでいじめをすると人生が台無しになる

いじめられた方は相手のことを忘れずに、その子が大人になって成功してから満を持して発表するかもしれない。
人生は超大変で大人だって正解は分からないし、普通に暮らしていくのだって超難易度が高い。なのに、誰かを馬鹿にしたり、いじめたりする奴は、それだけで難易度が上がる。だって、将来、いつそのことがばらされるか分からないし、どこで誰と、どういった立場で会うか分からない。

大人だけでなく、中学生くらいの子どもにも読んでほしいと思った。
逆ソクラテス (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:逆ソクラテス (集英社文庫)より
4087445321
No.75:
(5pt)

笑いながら泣きました

伊坂氏の書籍は(多分)全部読んでいますが、こんなに読後感が良く、涙が溢れたのは初めてかも。小学生の息子にも読ませます。
逆ソクラテス (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:逆ソクラテス (集英社文庫)より
4087445321

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