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ドミノin上海
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ドミノin上海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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前作が20年前という事実にいちばん衝撃を受けた。20年ぶりのシリーズ第二作か……ぶっちゃけ場所を変えていくらでも書けそうな話ではあるので、上海をやったらニューヨーク・ロンドン・ソウルと世界の全首都制覇してほしい。 なにせ前に読んだのが20年前なので記憶が不確か。「この人だれだっけ?」としばしば首をかしげてページをめくる手がとまる。そんな時は冒頭の人物紹介に戻ればいいのだがkindle購入だとちょっとめんどい。 登場人物は半数新顔。中には人外(パンダ!)も含まれる。 ぶっちゃけ前作より奇想天外な要素が増えているので、この悪ノリにのりきれるかどうかが境目。 厨房に紛れ込んで調理されたペットの霊視点や、動物園から逃亡を企てるパンダ視点のパートはツッコミどころ満載。パンダに至っては完全にきぐるみ着たおっさんの思考回路である。 そこで「いくらなんでも非現実すぎる……」と素に戻らず、「これはこれでいいんだ!」と思い込んで読めれば楽しい。 | ||||
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ドミノシリーズ、19年ぶりの発売。 ※少し長くなりますが、ネタバレは無しでレビューします。 まず、前作を見ていなくても本作だけでも全く問題なく読めます。 前作「ドミノ」は「東京駅を舞台に27人と1匹」が入り乱れ、タイトル通りドミノ倒しのように全ての事象が繋がる圧巻のパニックコメディだったが、 今作「ドミノin上海」は「上海の街を舞台に25人と3匹」がドミノ倒しとなり、大暴れする。 20人以上も登場して、覚えられるのか?と思うが、そこは恩田先生の圧倒的な手腕、多種多様なキャラ(動物まで!)を丁寧に描き分けするすると頭の中に入ってきます。 さらに、巻頭には表紙と同じタッチの絵付きの人物紹介もあり、読書が苦手な人でも一息つきながら確認できるような優しい作りになっている。 この登場人物紹介や、そもそも表紙の雰囲気、タイトルのフォント(単行本のみ、文庫は異なる)は19年前の前作と同じ試みで、時を経ても、しかとシリーズであることが分かり本当に嬉しかった。 実際には25人+3匹なんてもんじゃなく、ざっと振り返っても登場人物は50人近く居る。 (そこそこ登場して、名前もあるのに冒頭の登場人物紹介には居ない…なんて登場人物も存在する。) 名前の無い登場人物もいて、でもその登場人物にも「ドミノのピース」として重要な役割は与えられていて、 でも 「この青年はここにしか出てこないので、申し訳ないが名前は端折る。」 「それは本件とは関係ないのでこちらも端折らせていただく。」 それぞれ122、123ページより などの他の小説では中々見ないこういった書き方は、ある意味では省いても良い文章を残すあたりに、実に恩田さんらしいなあ、遊び心があって良いなあとニヤリとしてしまう。 amazonの画像紹介、内容紹介では出てこない帯の惹句が非常に秀逸なので一度書店で見てみても面白いかもしれない。 一見、意味不明に(本当に意味不明に)見える書きっぷりも、読了して見てみると、 「何一つウソを書いていないにも関わらず、ネタバレはせず、さらにはドミノの時系列になっている」 という、編集者さん本当に良く考えて、読み込んで書いたんだなと思われる素晴らしい惹句。 そして、表紙イラストのはいやに目立つパンダをはじめ、今作の登場人物や登場する建物、小物がそこかしこに押し込まれていて、こちらも、読みながらも読了後も、これってあれかあ!これってなんだっけ?と楽しめる作りになっていて、何から何まで丁寧に作られていることが分かる作品。 前述の通り前作未読でも全く問題は無いがやはりそこは続編。 半数近いキャラが続投しており、そこかしこにニヤリとする仕掛けがあるので前作を見ていると面白さは倍増する。 前作を見てから本作でも良いし、本作を見てから前作に戻るのも面白いかもしれない。 最後に。本作は2001年の「ドミノ」発売に続き、2008年から連載が始まるも、度重なる休載や連載雑誌の廃刊に伴い個人的には発売は絶望的かなと思っていた。 最終ページにある「初出」として連載の履歴と、「単行本化にあたり、加筆・修正しました」の文字は、発売に至る過程を思い描いて、なぜか涙が浮かんだ。 だから、今こうして本作を読めたことを心から嬉しく思うし、発売に向けて尽力してくれたであろう編集者の方と、ファンの期待に応えようと書き切ってくれた恩田先生に心から感謝したい。本当にありがとうございました。 いずれにしても562ページ!息もつかせずノンストップでドミノ倒しになる上海の街の阿鼻叫喚! 稀代のエンターテイナー・恩田陸渾身の一冊、帯の言葉を借りるなら「圧巻のエンターテインメント」本当におすすめです! (最後の最後に、前作を見ている人にほんのちょっと少しのネタバレ。とあるシーンで 「風になる」という、前作笑いを誘った一文が今作も登場します。あっと言うところで登場するのでぜひ、お楽しみに。) | ||||
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