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われらが父たちの掟
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われらが父たちの掟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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40代後半になりある程度の社会的地位を得た嘗ての顔馴染み達が(判事、弁護側、ジャーナリスト、容疑者、加害者)として法廷で争うという内容に、彼等の学生運動時代の回想と親世代の出自から確執をからめて物語は進んで行く。 司法関係に籍を置きながら小説の執筆を行っているアメリカ人作家は多いが、現在の物語と並行して60年代の追想を描くというのも多い。 スティ―ヴン・ハンター、マイクル・コナリー、リチャード・ノース・パタースン等・・・ 彼等の小説の中では60年代=ベトナムでありそこで体験した事が現在進行形の物語の中で重要な要素になるのだが、この小説では従軍せず戦争を忌避した立場の人間が描かれている。アメリカ版団塊の世代、反体制の側で戦っていた登場人物達の日常~25年経過の現在、時の経過と共に変化したそれぞれの人生(結婚、出産、離婚、肉親との死別)は各々の思想や生き方に醸成と変革を齎すがミステリ的な要素も法廷劇の醍醐味も殆ど感じられず時の経過を跨いだ男女間の痴情的なエピソードを延々と読まされた印象。特にソニーとセスの件は冗長でうんざりした。4作目という事で実験的な試みをしたのかもしれないが尻切れトンボの公判とくどい文章に疲れ、濃密な人間ドラマと言えば聞こえはいいが上下巻にする意味が果してあったのか? 事件の真相と結果さえ、精読しないと分かり辛いのだがそこに何らかのカタルシスを得るこの作家特有の読後感は今回感じられなかった。 長い物語を読んだ唯一の収穫はセスの父親のバックボーンは出自に於ける変遷にあり、彼の死後セスとホビーが葬儀で捧げた頌徳文内容が圧巻で心に響いた。 | ||||
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