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守教
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守教の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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まだ読書中なので(上)に限ってのコメントです。 百姓たちそれぞれの思いのこもった手製ロザリオを持たせる描写が、彼らの素朴な信仰を表しているようで秀逸でした。南島原には火縄銃の弾で作られたロザリオも実際あるくらいですからロザリオは象徴的です。 しかし、ひらがなと漢字で印象深く繰り返し記述されたキリシタンたちの祈祷文については、その時代考証に疑問が残りました。 つまり、村でのミサの中で「無原罪のマリア様」とカブラル神父が呼びかけますが、マリアを無原罪 Immaculata Conceptio とする難解な教えは19世紀後半まで教義に明確にされておらず当然ミサの文言にも入りません。 また百姓たちに初めて教えるロザリオの祈りの中に「ファティマの祈り」が加えられていますが、それをロザリオに加えられるようにと聖母からお告げがあったのはつい最近20世紀になってからであり、16世紀にはそもそも存在しない祈りでした。少し調べればわかることなのでなぜ作者がこの祈りを採用したのか解せません。 | ||||
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一気に読んでしまいました | ||||
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『水神』、『天に星 地に花』に続く、久留米藩三部作の最終作。前二作が実に素晴らしかっただけに本作品も大いに期待していたのだが、残念。戦国時代から明治初年までの物語を上下二巻で描くのはおよそ無理というものだ。大友宗麟配下のある武士一家を物語の基本線としながらも、一方で宣教師個人の旅程を記し、他方で大名の抗争を記し、さらにはキリスト教が政略に巻き込まれる様を描くので、集中できない。中心となる物語も章が変わるごとに三年、五年と時間が進み、最終的には百年以上を飛び越える場合もある。さながら「明治初期までのキリスト教宣教史」というタイトルの教科書を読まされているようで、その教科書の合間合間に「ある一家の物語」という挿話が置かれている、という印象。教科書なのだから没入しにくいのは当たり前である。通時的であるよりは共時的であって欲しかった。 ただし物語中のある信徒の殉教は壮絶ではある。 ところがその出来事が活かされていないようにも思うのだ。巻末に掲載された膨大な参考資料群には頭が下がるのだが、その資料が本当に「引用されただけ」であり、物語そのものには消化されきっていない、という印象が残る。 | ||||
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