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金時計
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金時計の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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名探偵オーウェン・バーンズ物の邦訳第二作。 1991年の事件と1911年の事件が交互に語られる。 バーンズが登場する1911年の事件では、雪の中の足跡のない殺人を扱っていて、そのトリックの巧妙さにおいてアルテの諸作品でもトップクラスだと思う。 ただ、プロットについては、両方の事件はそれぞれ単体でそこそこ楽しめるものの、輪廻転生をテーマとした割には、両者の結びつきが弱いというか相似性が弱いと感じた。 とはいえ、一定のクオリティは確保されていると思います。 | ||||
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1991年の現代パートと1911年の過去パートから構成される。それぞれ独立した事件が起こる。過去パートの方でオーウェン・バーンズが謎解きをする。雪上の足跡をトリックにした殺人事件。既視感があるトリックであり、なんとなく途中で分かってしまう。それよりも現代と過去の輪廻転生の幻想的な要素が大きく、過去パートの素直な謎解きに対し、サスペンス的な現代パートとの対比が面白い。現代パートの展開は「えー、こうなっちゃうの!」という感想。さくっと一気読みでした。 | ||||
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アルテ、いまだ衰えず、とでもいうべき作品。2部構成には全く意味が無いが、「野生の棕櫚」と同じで、2つの中編を交互に読んでいると思えば良い。現代パートが、いささか飛躍しすぎているが、悪くは無い。過去パートは、あっさりしているが、読み応えは充分。何よりも"雪の足跡"がある。それだけで満足。ハヤカワミステリで訳された諸作品には及ばないが、訳の分からなかった「あやかしの裏通り」よりはよっぽど良い。つまりは、全作品を訳して下さい、という結論。なお。初版限定(?)の短編2作は、傑作ではないが、読んでおいたほうが良いレベル。 | ||||
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雪のうえに残った足跡をめぐる密室殺人の謎に、前作『あやかしの裏通り』にも登場した名探偵オーウェン・バーンズがいどむ1911年の物語と、ある劇作家の子供のころの記憶に鮮烈にきざまれた映画の1シーンにまつわる謎が明らかになってゆく1991年現在のストーリー。一見無関係に思える時代をへだてた二つのストーリーが、軽妙な文章で交互に描かれ、それがどう交わっていくのかという興味で、終章まで一気に読まされる快作になっている。 登場人物の行動に首をかしげたくなった箇所や、現代の物語の方が心理サスペンス的な内容なので、もう少し掘り下げた心理描写があったらと思ったりもしたが、アルテはもともとそうした方向に創作力を傾注させた人ではなく、自然な人間性を多少無視してでもトリックや構成などの人工美の面白さを追求した作家だろうから、これは筆者の無い物ねだりといえるかも知れない。 そこを除けば、雪の密室トリックも過去と現在がリンクしてゆく物語構成も、とても緻密に練り込まれ、タイトルの『金時計』などの小道具の使い方もたくみで、まさに人工美の面白さを満喫させてくれる作品になっている。また本作は、本国のフランスよりも日本で先行発売されたり、カバー画が著者の自筆であったりと、なかなかユニークな本であることも、ミステリマニアには興味深いところではないだろうか。 | ||||
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