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終焉の日
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終焉の日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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20世紀スペインの市民戦争からフランコ独裁、ナチスドイツの対ソ戦争への加担、フランコ死去後の民主化とクーデター未遂事件を背景に、テロと陰謀を多数織り込んだ長編小説だが、とにかく陰惨で読んでいて気が滅入る。 冒頭からして主人公の女性弁護士が癌で死の床にいる場面から始まり、一挙に物語が市民戦争時代に遡り、さらにフランコ時代、民主化時代と何度も前後しつつ展開する。ユーモアやロマンスを楽しむ要素はほとんどなく、主要登場人物が暴力と無法に巻き込まれ、次々と悲惨な死に至る。人間関係の意外なつながりを解き明かすミステリーの要素はあるが、親の因果が子に報いる式の不条理な展開である。 スペイン現代史の陰惨さ、軍事独裁政権下の人々の過酷な状況と心理的歪みに関心のある人には、理解がより深まると思うが、ミステリーを楽しみたいという人には全く勧められない。 なお、物語の小道具として日本刀や武士が引用され、挙げ句の果てに切腹まで登場するが、このような武士道の引用は誇張されたジャポニズムであり、感心しない。また、20世紀前半のスペインで日本刀を作れる鍛冶職人がいたとも思えない。 | ||||
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ダイバーシティにはいろいろな本があってよい。だんだん少なくなってきている厚い翻訳ミステリにケチはつけたくない。また、この本を読んで感動したという読者もおられるかもしれない。 しかし、「サムライのトリステサ」を原題に持つ、この500頁以上のスペインミステリを最後まで読んだので、率直なレビュー1編を書きたい。 ア、本書での現在は1976年から1981年、過去は1941年から1945年と、1955年である。フランコ時代のレジスタンス圧殺と、戦後民主化後の極右軍人クーデター計画を題材、背景としているが、どちらも、登場人物を残酷に殺すための口実に使われているにすぎないような感じもする。 イ、ともかく、登場人物を残酷に殺すことによって、読者の興味をつないでいくタイプの小説で、殺人以前、殺人以外のサディスティックな行為も執拗に描かれていて、読み通すのがかなりきつい。「サムライ 」という題名のためか、現代人の切腹まで出てきて、いい加減にしてほしい。 ウ、1980年という現代に近い時代なのに、どの登場人物も余裕がなく、過去を背負い、現代を背負って憎み合い、陰謀を企み、陰謀の犠牲になり、死んで行くばかり。ユーモアはなく、ロマンスもなく、体と体の愛すらない。(あるのは肉体の暴力。唯一の肉体愛はマリアとクレアのレズ愛で、それも壊れていく) | ||||
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