若き日の哀しみ
評判
若き日の哀しみの評価:
4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1〜6 1/1ページ
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若き日の哀しみの評価:
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独り言のように、少年アンディ(=ダニロ・キシュ)の日常が19編のショートショートとして詩情豊かに語られていく。
その中でも『少年と犬』が、アンディの一番の友達で彼の言葉を理解し、世話をしていた牛がいなくなった時、一緒に家出をしようとまで考えてくれた愛犬ディンゴとの別れと死が、一番悲しかったです。
この短編集を読むために知っておいた方が良いと思われる若干の予備知識をまとめると次のようになります。
ダニロ・キシュは1935年にユーゴスラビアのセルビア北部の町に生まれ、戦争中はユダヤ人である父の故郷、ハンガリーで暮らす。母親はセルビア正教徒のモンテネグロ人で母方の祖父はモンテネグロで生活していた。二歳年上の姉がいる。父親は1944年にアウシュビッツ収容所に送られ、そのまま二度と帰ることはなかった。
キシュが4歳の時、第二次大戦が勃発、6歳の時には、第三次反ユダヤ法が施行されて、ユダヤ人とキリスト教徒との結婚が禁止される。キシュは反ユダヤ法が施行される前にセルビア正教の洗礼を受け、それが彼の命を救うことになる。
幼かった日々、哀しみだけを感じながら生きた人は、大人になっても同じ哀しみを抱きながら生き、そして年老いてもなお変わることなく、その同じ哀しみを噛みしめながら生きていくのかもしれない。
たとえその哀しみを表す術を持たないとしても、あなたも、もしもそうしたお一人なのでしたら、ぜひ一度読んでいただきたいと思う一冊です。