■スポンサードリンク


滅びの園



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
滅びの園 (幽BOOKS)

滅びの園の評価: 4.39/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.39pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21~28 2/2ページ
<<12
No.8:
(5pt)

良い

やっぱり恒川さんはファンタジーっぽいやつ書くと最高。
雰囲気的に宇宙から来た何かはクトゥルフ下敷きにしてるのかな?
クトゥルフ神話好きなのでそこらへんも好ましかった。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.7:
(5pt)

反転する異界の地軸

恒川光太郎は「異界」の達人だ。これまで私たちは彼の描く異界が“現実”と相対するものとして、たとえば深山や街の路地裏や雪野原に立ち現れる幻想の世界として意識してきた。しかし今回描かれた「想念の異界」は、マトリックス的SF小説を思わせる世界観によって異界の地軸を大胆にも反転させ、この世こそが一つの異界であることを読者に突き付けたように感じた。

鈴上誠一の想念が作り出す魅惑的な町は言うに及ばず、それによって破滅的な危機に陥った“現実世界”もまた、数々の悲劇と冒険と人々の勇気に満ちた、すばらしく心躍るもう一つの異界だ。なかでも鈴上の想念世界への突入によって世界を救おうとする突入者たちの物語は、この世界が命のその先へと続いていることを予感させ、ことさら胸を打たれた。この世を“現実”だと思わせている常識のたがを外して、梅雨明けの夜空に浮かぶ「未知なるもの」を幻視してみるのも一興だと思う。

同時代に好きな作家がいて、その人の作品をリアルタイムで読めるのはなんて幸せなことだろう。でもひとつだけ悲しいことに気がついた。私は恒川さんよりずっと年上なので、これから世に出るであろう彼の“全作品”を、この目で読むことはできないかもしれない。それでもいつの日か私が彼岸という異界へ旅立ったとしても、きっとこの宇宙は摩訶不思議な縁(えにし)で繋がっているだろうから、そこが一から十まで“恒川ワールド”そのものだったという可能性だってある。いや変幻自在の恒川作品が産声を上げる直前の、万華鏡のような彼の脳内だったということだってあるかもしれない・・・・・・そんな妄想を膨らませながら、「滅びの園」を読了した。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.6:
(5pt)

やみくろもプーニーに比べたらかわいいものだ

最初の方を読んで、あっという間に作品世界にもっていかれて一気読みした。
現実世界と異次元の想念世界の並立という構造は、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を彷彿とさせる。ただ、村上作品ではメタファーを駆使して暗示されるにとどまっている、並立する世界(現実ー理想・社会ー個人)の対立というテーゼが、この作品では呵責無く残酷に、全面に押し出されている。つまり、主人公にとっての、希望が具現化した想念の理想郷は、現実世界に対して恐ろしい作用を及ぼし、災厄をもたらし破滅へと導く存在として描かれている。
泣いた。日々の小さな幸せを大切にしなくては、とつくづく思う。それらは儚く失われていくものだから。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.5:
(5pt)

私個人の事だが

私個人の事だが、孤独感に絶望しかけていた。
読んで良かった。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.4:
(4pt)

面白かった

今回も何とも言えない空気感,恒川先生の作風を堪能させてもらいました.
また「スタープレイヤー」でのファンタジーの要素もこの作品には活かされて冒険性とか物語性が非常にあったと思います.
読了後,心に風が通り過ぎていくのもこの先生ならでは.
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.3:
(5pt)

恒川先生の長編がまた読めて嬉しいです

文芸誌掲載時から読んでおりましたが、単行本になるに従って大幅な加筆修正が行われており既に一部を読んでいた人も新鮮な気持ちで読める一冊となっていると思います。

想念の世界の、夢の中のような妙にそそられる平和で穏やかな町の描写は毎度の事ながら住んでみたいと思わされます。恒川先生の架空の世界や国や町並みの描写がとても好きなので今作にもそれが描かれていて良かったです。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.2:
(5pt)

説明し尽さないところが好き

面白かった!
恒川欲が満たされました。

夜市の「静謐な美しさ」とは違うけど、
確かに常川さんらしい異世界の美しさが感じられる作品。

読み終わってから
この人にとってはこうだったのではないか、
だけどこの人から見たらこう思えたのではないか、
自分なら・・・と色々と想いを巡らせて、世界観に浸っています。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325
No.1:
(4pt)

見事な一作

まだ1回しか読んでいないため、詳細な評価は出来ていないが、嫌な印象は無かった。
1年前の「無貌の神」では恒川流が鈍ってしまったのではないかと落胆したが、今回は恒川流のキレが健在であることが確認できた。扱うテーマの都合なのかも知れないが、「夜市/風の古道」、「雷の季節の終わりに」、「秋の牢獄」、「竜が最後に帰る場所」などのような、かつての美しさ・透明感は後退している。また、今作の「プーニ―」自体は感情などが無いせいか、過去の作品(「秋の牢獄」の北風伯爵など)を思い起こさせるようにも感じた。今回は現代(未来?)をイメージした日本(と地球)が舞台なのだが、地球にまとわりつく物体や「次元転送」、時間差などSF要素も強い。登場人物の鈴上の立場を考えてみると、インターネットなどの仮想現実世界を扱っているようにも考えられる。こういう作品も良いと思う。

なお、本作は短編集ではなく、プーニ―について各主人公からの視点で描かれており、ひとつの物語として完結している。

恒川作品は、やはり美しく透明感ある古風さや瑞々しい純和風が似合っていると思う。しかし、キレのある本作に出会えたことは心から嬉しい。今後もキレ以外にも美しさや透明感を兼ね備えた恒川作品に期待したい。

amazonでは2018年5月31日に発売であるが、書店ではそれよりも数日前から発売されているため、今回は書店で購入した。
滅びの園 (幽BOOKS)Amazon書評・レビュー:滅びの園 (幽BOOKS)より
4041064325

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!