腰ぬけ連盟
評判
腰ぬけ連盟の評価:
3.83/5点 レビュー 6件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
30年代のアメリカで生まれた名探偵ネロ・ウルフは、その特異な巨体を一旦脇に置いたとしても、読者にはかなり衝撃的だったことだろう。
彼は自分のエピキュリアン的生活を支えるために、高額な報酬を必要としている。そしてそのためには、積極的に潜在的依頼者を見つけて駆け引きすることも厭わない。そんなところにも――謎解きの興味とは別に――本シリーズの魅力がある。
彼の特異なキャラは十分了解しているが、本作では、自らウルフ宅を訪れて高額支払いを申し出た女性を追い返してまで、行方不明になった最初の依頼者のグループ全員を依頼者とすべく交渉する。
当然その方がトータルの依頼料が増えるからだが、素早く彼らのメンバー構成と財政状況を調べて、各々に見合った請求額を決めて提案する。必要経費はウルフ持ち、最終的に報酬額の支払いの可否は、メンバーの多数決で決めてもらう……。
いやもうこの強烈な自信がまたたまらないw
昔はじめて御手洗潔に接した時に、彼の強烈な自信にたじたじとなったが、彼の登場よりはるかに早く、戦前からこんなキャラクターの探偵がいたとは……。彼の作品を読むのは本書で三冊目だが、あらためて感じた。
また訳者は、ポール・チャピンのキャラ付けが優れていることに触れているが、わたしは彼以上に妻のドーラ・チャピンの個性が、それほど登場シーンは多くないながらも、印象的だった。
シリーズの基本フォーマットに関しては、『毒蛇』の感想に書いたから繰り返しは避けるが、本作でアーチーがほんの自宅のすぐ先までウルフを連れ出そうとした際、「なぜ君が、私をそうした気ちがいじみた出撃にかり立てようとするのか、わからん。そういう考えは放棄しなさい。実行できることではない」(No.2065)とまで回答するwような極端な出不精である。その彼が自宅を離れる瞬間があるというのが、本書で特筆できることのひとつ。
全体的に言って、本作は本格謎解き小説というよりも、探偵捜査小説の色合いが強いけれども、「名探偵、皆を集めてさてと云い」趣向もしっかりある。
そして、そんな揶揄した川柳があるくらいの手垢のついたシーンにも拘らず、一旦は参集した依頼人集団のブーイングを浴びるように進んだりと、なかなか一筋縄ではゆかない。
正直言って、30年代黄金期の名探偵の中で、日本ではネロ・ウルフの知名度がやや低い理由が解らない……。