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(短編集)
日曜日たち
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日曜日たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 1~20 1/2ページ
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タイトルからしてあまりに吉田修一氏らしい感じだったので、てっきり既読だと思って、開いてみたら、まだ読んでなかった!体温や息づかいが感じられそうな描写満載の一冊。スキマ時間にぴったりな作品です。 | ||||
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小さな日常の話の積み重ねの最後の最後に涙が出ました。みんな幸せになったらいいいな…そんなお話でした。 | ||||
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それぞれの何気ないリアルな日常を切り取った五つの場面。 それぞれの物語になんら関連性はないのだけれど、唯一、同じ少年と思われる兄弟がチラリと登場する。 兄弟は、たこ焼きをおごってもらったり、寿司を食べさせてもらったり、自分が座るはずの新幹線の指定席に座っていたり、間違って自宅を訪問してきたり、といった形で登場するものの、その兄弟が各話で格別重要な役割を果たすわけではない。 少年らが登場しなくても各話は成立している。 それを最終話でしっかりまとめ上げることで、全体をひとつの長編小説のようにまとめ上げたところが本書の魅力であろう。 格別ドラマチックでもミステリアスでもない、ひとそれぞれの人生。 自分が生きていく中で、ほんの一瞬関わったような人にも、それぞれの人生が展開されている。 たとえば兄弟にたこ焼きをくれた青年は、仕事が長続きせず、それでも付き合っている彼女は医者の卵で「誰かを愛するということが、だんだんと誰かを好きになることではなくて、だんだんと誰かを嫌いになれなくなるということだ」と気づくも、仕事に追われ、無職の自分と次第にすれ違いが大きくなっていく。 銀座のクラブでボーイのバイトをする田端は、学生時代に、母親の家だと間違えて訪問した少年らに「親切など結構だと強がる人が、実はどれほどその親切を必要としているか、これまで考えたことがなかった。相手のためだと思いながら、結局自分のためにいつも引き下がっていた」と気づいて母親の住所まで少年を連れて行ってやる。 まったくなんの関係性もない登場人物らが、何らかの形で同じ少年兄弟にかかわっているが、当然、登場人物らどうしがその関連に気づくことはない。 人生というものはなんとも不思議で面白い。 | ||||
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吉田修一さんの作品を購入する度に読んで良かったとおもいますが、日曜日たちは一入。 派手な展開はないけど、言い当てられて胸に刺さったり、さりげなく慰められる優しい言葉がじわじわと響き、読了後にもの凄く心潤います。決して心晴れる作品ではないのに、そこが吉田修一さんの一番凄いところだなといつも感じます。 読んで良かった。 | ||||
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ラジオの朗読番組で聞きました。 途中になってしまいその先が気になって購入しました。 短編集でしたが、全部面白かったです。 | ||||
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五人の男女がおりなす五つのお話し。 連作短編集で、それぞれの主人公は関連性がない。どの短編にもちらちらと顔を出し、主人公と関わりをもつ小学生の兄弟が、ものがたりをつないでいく。 「日曜日のエレベーター」は医者のカノジョと別れた失業者の男性を 「日曜日の被害者」は友達からの一本の電話で過去を反芻する女性を 「日曜日の新郎たち」は恋人を亡くした男性とその父親を 「日曜日の運勢」は不倫を契機に思わぬ人生を歩んでいる男性を 「日曜日たち」はDVの被害者から支援スタッフへ転身を図った女性を 時にシリアスに、時にポップに描いている。どこかのだれかに似た若者たちのやるせない感が漂っている。謎の兄弟のことが分かる最終話では、不覚にもうるっときてしまった。 家族や恋人との関係において、何がシアワセかってことを、ふと考えさせられる一冊。 | ||||
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「日曜日」がある生活。曲がりなりにも労働をしている若者たちの、 ある日を切り取った連作短編集。 都会を舞台にしてはいるものの、登場人物は皆少し泥臭い。 そこに、全編通じて登場する家出中の小学生兄弟がミステリアスさを添え、 ほどよい読みやすさとなっている。 主人公は、男性、女性(とその友人女性)、男性(とその父)、男性、女性と並ぶ。 ラストの表題作が温かく、優しい気持ちになれる。 | ||||
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東京を舞台にいくつかのエピソードが 共通の家出小僧(幼い兄弟)たちをカメオのように登場させ 連作の形に仕上げています。 なぜこの作家はブルーワーカーの視点でいつもドラマを紡ぐのか? 過去の作品を今になってまとめて読んでいると もっと違うキャラクターも読みたくなりますね。 この作家にはもうひとつステージを上がってもらいたい。 ファンの欲ですが。 | ||||
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最後まで大事件が起きる訳でもなく、それぞれ色々あるよねえという話。見方によっては元気になれるけど、逆に夢のない人生に失望してしまうかも。 | ||||
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日曜日、金もなかったし、ヒマだったので近所のブックオフで105円で買った。 面白いのか、つまらないのか、よくわからないうちに読み終えてしまいました。 | ||||
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全五話からなるオムニバス長編で、最初の四話が良く出来た普通にヘンな人生模様スケッチだったのでいったいどうしたいのかと思ったら、どの話にも登場する幼い兄弟(実は、母の家出、父の暴力、九州から母の住所だけを頼りに新幹線で上京するが、結局追い返される)のその後と、ドメスチック・バイオレンスから立ち直る、もう若くはない女性の物語が見事にシンクロして、最初の四話の兄弟のシーンが目に浮かぶ仕掛けになっていた。さすが! 短篇としてはダントツに「日曜日の運勢」が面白かった(子供の頃から女に甘えられて、でも結局いつも捨てられて人生を棒に振り続けている男の話。そんなのあるわけないじゃんがリアルに思える吉田節が冴えてます)。 | ||||
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忘れられないものを抱えて生きる親子の話、「日曜日の新郎たち」、そして地味な感動と希望を余韻に残す最終話、「日曜日たち」は良かった。鬱屈した他の章に沈められそうになる中、この味のある二つの作品に救われたとさえ思う。 連作としてはどうなのだろう。何気ない連作なのか、何も無い連作なのか。物語の合間に味を見出せるかどうか、読み手を選ぶ作品なのかもしれない。確かに五つの物語に糸が通されているはいるが、私には残念ながら、その糸が何かを紡いでいるようには見えなかった。 余談になるが、一人称で語られる物語が三人称で描写されているような、そんな違和感が最後まで拭えなかった。 | ||||
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初めて吉田修一さんの本を読んだのが、この「日曜日たち」。 まず、タイトルに惹かれました。 「日曜日」 サザエさんの主題歌が始まる頃、私はなんとも憂うつな気分になります。 小さい頃からそうで、明日から学校が〜、あるいは仕事が〜始まると考えると、 このまま時間よ止まれ〜と思ったりします。 それは今でも。 たぶん、社会の中で生きるということは、常識やら規則やら、いろんなものに縛られて、 時々息苦しくなるものだからだと思います。 5つの短編。 もう一度読み返して、 ストーリーの中のいくつかの共通点を探してみたくなります。 〜兄弟・タコ焼き・鮨屋・鳶・事故・アパート・鳶・風呂 全体に共通してつながっているのは、 九州からやってきた幼い兄弟たちが、母親探しの家出をし、その後別々に暮らして成長して再会するというところ。 この兄弟たちの存在が、ずっと心に残ります。 子どもを助けたつもりが、逆に大人はこの子たちに救われている。 そのことに、後になってから気がついたりする。 幼い子どもたちの、とりわけおにいちゃんの描写が、繊細です。 「人生は、嫌なことばかりだけではない」という温かな見方が 話しの底辺にあるところが好きです。 | ||||
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一つ一つの短篇が非常に優れているので、無理に連作にしなくてもよかったのでは…と思ってしまいました。 | ||||
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5人の平坦な日曜日を描いた連作短編集。 大事故も殺人事件もない普通の日曜日、ということがウリの一つだとはわかるんだけど、 あまりにも中身がなさすぎやしませんかね。 「中身がないからこそリアリスティックなんだ」と言われたらおしまいですが。 短編集のそれぞれに、とある兄弟をそっと出現させてみたらどうだろう?と 作者が急に思いつき、それをとりあえず形にしてみた、という印象です。 変に技巧的な感が拭えません。 少なくとも、講談社の「青春小説フェア」なる帯につられて購入した私には合いませんでした。 ただ、最後の「日曜日たち」だけは素直に良いと思えました。 あと表紙の男性が平井堅に異常に似てると思います。 | ||||
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狭い了見なのだけれど、「寂しくない奴は本なんか読まないんだ。」と思っている。 そんな読者には、吉田修一は時々心に沁みる。 作り過ぎているところがある。パーツとエピソードがきっちり収まり過ぎているところがある。そんな欠点がとても惜しい。やり過ぎなきゃいいのに、と思ったりもする。 登場人物たちは、社会の底辺部に近い場所にいる。だらしがなくて、どうしようもない。でも、結構賢かったりする。その辺も少しだけ嘘臭い。だらしが無い奴は、嘘つきで卑怯で、どこまでも取るところが無い。その方が圧倒的に多いはずなのに、ここにいる連中は、みんなだらしないはずなのに、たくましく、どこか誠実で、頭がいい。嘘だよ、と思ったりする。 でも、社会の安定と王道と主流にいなくて、すっかりだらしなくても、誠実な人も、賢い人も、素敵な人もいる。素敵な人・・・・うん、吉田修一は、弱いけれど素敵な人、弱かったはずなのに、何だかその人の一部を信じて身を寄せたくなるような、そんな人を描いてくれる。そこが魅力なのかな。 縦軸と横軸。連作短編にそんな趣向を凝らすというのは、発想はしやすい。でも、実際に行われたものはほとんど無い。でも、この短編集は、それをやってくれた。無茶苦茶響いてくるってものでもない。正直、思い付きだけで、物語に取ってつけたような、単純な物語にそんな安直な手法で色を付けたような、そんな感じすらしながら読み進む。 でも、最終話「日曜日たち」は、僕には圧巻だった。主すじの物語も見事に書けていたし、各話を横に結ぶ横糸も、ここで見事に結ばれた。金も持たず都会をさまよう幼い兄弟がこの数日間、何を食べていたのかと尋ねられて答える場面がある。彼らは、「(兄が万引きした)パンと、たこ焼きと、すし。」と答える。変な取り合わせだ。聞いた瞬間、あり得ないとすら思う。でも、そこには真実がある。真実しかない。真実は、「飢えた兄弟は盗んだパンしか食えない」という答えしか与えないわけじゃない。でも、みんな、そんな答えがあることを思わない。 登場人物たちは、みんなしぶとい。すごく悲しいくせに、しぶとい。それに心打たれるのだろうな。「嫌なことばっかりでもなかったと思う。」というつぶやきは見事だ。青空を見ながら堂々と言うのではなく、寂しさの塊の中に包まれつつ、でも、正直にそうつぶやける。それでいいのだなと、思わせられる。読み終わって、素敵な一冊だと思った。いい作家だと思う。 | ||||
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東京で暮らす若者のやり場のない不安感や焦燥感や孤独感を描かせたら吉田修一の右に出る作家はいない。本作も、定職につかないアルバイト男の恋愛や、付き合う女に次々に人生を振り回され続ける男や、上京して就職したものの気が付けば派遣会社に勤務し何時の間にか30半ばになっていた女性の話しなど、リアルで孤独な都会の若者を描いた5編の小編の連作からなる。 最初は、盛り上がりのない「吉田ワールド」の小品がダラダラと続くのかと多少のガッカリ感を感じるものの、読み進むうちに、この全く異なった5つの物語が実は母を訪ねて九州から家出してきた兄弟の物語に繋がっていくという構成に引き込まれていく。 何といっても最終話の「日曜日たち」が良い。上京して15年、都会の生活に敗れて帰郷する女性に最後の最後にささやかな出会いがあり、「嫌なことばかりだったわけではない」との女性の言葉が胸に染み入る。 | ||||
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5人のまったく関係のない人たちのもとに訪れた幼い兄弟 関係のない人たち同士の、ほんの少しの関係 けだるくぼんやりとした日曜日の夕方 明日からの平日・日常に押しつぶされそうな憂鬱 生きていく、生きているってのは、それだけで憂鬱だって気分になりました 最後の1篇だけは何か救いというか、希望というか 大変にすばらしい作品と思います でも精神状態によっては疲れると思います | ||||
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最初の2編を読んだときは〆切に間に合わせるために書いた小説みたいだと思いましたが、読み終わる頃にはきっちり帳尻を合わせてくれていました。別々の短編が小学生の兄弟でつながっているという手法が気に入りました。ちょっと癖のある男女の話に、女医と看護師、早稲田大学、派遣社員など今の日本人が共通して持っている微妙な価値観が絡まされて書かれています。 | ||||
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言葉には表せない漠然とした不満。 何かをしようと思っても“かったるくて”何もしないこと。 今の生活を変えようと思っても、かえって悪くなること。 誰もが味わう日常を描いている。 何気ない言動が時に人を傷つけ、人を救う。 当たり前だが普段忘れがちなことが詰まった作品。 | ||||
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