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(短編集)
日曜日たち
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日曜日たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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東京を舞台にいくつかのエピソードが 共通の家出小僧(幼い兄弟)たちをカメオのように登場させ 連作の形に仕上げています。 なぜこの作家はブルーワーカーの視点でいつもドラマを紡ぐのか? 過去の作品を今になってまとめて読んでいると もっと違うキャラクターも読みたくなりますね。 この作家にはもうひとつステージを上がってもらいたい。 ファンの欲ですが。 | ||||
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全五話からなるオムニバス長編で、最初の四話が良く出来た普通にヘンな人生模様スケッチだったのでいったいどうしたいのかと思ったら、どの話にも登場する幼い兄弟(実は、母の家出、父の暴力、九州から母の住所だけを頼りに新幹線で上京するが、結局追い返される)のその後と、ドメスチック・バイオレンスから立ち直る、もう若くはない女性の物語が見事にシンクロして、最初の四話の兄弟のシーンが目に浮かぶ仕掛けになっていた。さすが! 短篇としてはダントツに「日曜日の運勢」が面白かった(子供の頃から女に甘えられて、でも結局いつも捨てられて人生を棒に振り続けている男の話。そんなのあるわけないじゃんがリアルに思える吉田節が冴えてます)。 | ||||
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忘れられないものを抱えて生きる親子の話、「日曜日の新郎たち」、そして地味な感動と希望を余韻に残す最終話、「日曜日たち」は良かった。鬱屈した他の章に沈められそうになる中、この味のある二つの作品に救われたとさえ思う。 連作としてはどうなのだろう。何気ない連作なのか、何も無い連作なのか。物語の合間に味を見出せるかどうか、読み手を選ぶ作品なのかもしれない。確かに五つの物語に糸が通されているはいるが、私には残念ながら、その糸が何かを紡いでいるようには見えなかった。 余談になるが、一人称で語られる物語が三人称で描写されているような、そんな違和感が最後まで拭えなかった。 | ||||
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5人の平坦な日曜日を描いた連作短編集。 大事故も殺人事件もない普通の日曜日、ということがウリの一つだとはわかるんだけど、 あまりにも中身がなさすぎやしませんかね。 「中身がないからこそリアリスティックなんだ」と言われたらおしまいですが。 短編集のそれぞれに、とある兄弟をそっと出現させてみたらどうだろう?と 作者が急に思いつき、それをとりあえず形にしてみた、という印象です。 変に技巧的な感が拭えません。 少なくとも、講談社の「青春小説フェア」なる帯につられて購入した私には合いませんでした。 ただ、最後の「日曜日たち」だけは素直に良いと思えました。 あと表紙の男性が平井堅に異常に似てると思います。 | ||||
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東京で暮らす若者のやり場のない不安感や焦燥感や孤独感を描かせたら吉田修一の右に出る作家はいない。本作も、定職につかないアルバイト男の恋愛や、付き合う女に次々に人生を振り回され続ける男や、上京して就職したものの気が付けば派遣会社に勤務し何時の間にか30半ばになっていた女性の話しなど、リアルで孤独な都会の若者を描いた5編の小編の連作からなる。 最初は、盛り上がりのない「吉田ワールド」の小品がダラダラと続くのかと多少のガッカリ感を感じるものの、読み進むうちに、この全く異なった5つの物語が実は母を訪ねて九州から家出してきた兄弟の物語に繋がっていくという構成に引き込まれていく。 何といっても最終話の「日曜日たち」が良い。上京して15年、都会の生活に敗れて帰郷する女性に最後の最後にささやかな出会いがあり、「嫌なことばかりだったわけではない」との女性の言葉が胸に染み入る。 | ||||
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それぞれの日曜日の景色は雰囲気があってよかったです。しかし、たびたび登場する兄弟がちょっとくどかったです。 | ||||
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日曜日TVで「サザエサン」を見ると、憂鬱な気分になった時がある この本を読んでその感情を思い出した 平日置き去りにしている個人的な問題を 明日から再び仕事という日曜日に 人は自分の過去を振り返るのかもしれない 5人の登場人物が抱える日曜日の魔力と 不思議な幼い兄弟にすぐ読めた ラストもハッピーエンドで綺麗にまとめた本 | ||||
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東京で一人暮らしする三十歳前後の男女五人をそれぞれ主人公とする五つの短編連作。五人の間に面識はないが、全ての作品に、七、八年前見かけた家出兄弟(小三と小一くらい) のエピソードがあり、主人公たちはこの兄弟に何らかの感慨を抱きながら、日々の暮しに紛れて忘れてしまっている。それぞれが、現在のそれぞれの暮しの中で、ふとこの兄弟を思い出す、というのが共通項だ。各々の主人公の、イケてないのに魅力的で、なぜか結構モテる人柄や、一人暮らしのもたらす孤独と幸福の微妙な色合いがいい。まさにスタバのコーヒーを飲む時みたいなちょっと幸せな読書の時間が味わえる。 ただ、私には親切すぎるかな、と思った。ある主人公の、兄弟への親切はこんなふうに説明される。“ たとえば、誰かに親切にしてやりたいと思う。でも、してくれなくて結構だ、と相手は言う。だったら仕方がないと諦める。考えてみれば、ずっとそうやって、自分の思いをどこかで諦めてきたような気が田端はした。親切など結構だと強がる人が、実はどれほどその親切を必要としているか、これまで考えたことさえなかったのだと気づいた。相手のためだと思いながら、結局、自分のためにいつも引き下がっていたのだ、と。” そしてその兄弟に思い切って親切を施す。家出少年への親切は大いに結構だが、この小説は、読者にとって親切すぎるのだ。最終話のラストシーンの親切な種明かしに、目頭を熱くすべきなのだろうが、私にはできなかった。 ああ、そうか。「パーク・ライフ」のラストシーンで、“私ね、決めた”と言いつつ何を決めたのか一切口にせずに街頭に消えるヒロイン(と作者) の意志ある背中……吉田修一氏のああいう不親切さに私は惹かれていたのだ。 | ||||
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病院の待ち時間に読んでいました。ぼんやりと時間が過ぎていく内容でした。でもそれだけではないんです。ぼんやりとしたなかにもどこかに何かが隠されていそうな・・・。退屈のしない内容です。 不覚にも最後は何故か涙が出てきました。アー読んでよかったときっと思えます。 | ||||
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