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復讐者たち
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復讐者たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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単純で感情的、かつ涙もろいという絵にかいたような凡俗である筆者、罪もなく存在しているだけで殺戮されねばならなかったユダヤ人が復讐を遂げていくのはまことに当然、かつ公平な「罪と罰」、と共感して読み進めた。 その復讐者たちが個人的、或いは組織的に復讐を執行している手を止めさせたのが「イスラエル建国」というのはまことに前向きな展開だった。 どれほど怨念に燃えていても、国家がないユダヤ民族が、イスラエルという国家を持ったことで否応なく国際政治に登場し、建国のために復讐者たちが本国イスラエルに召喚され、復讐から建国へ(具体的にはイスラエル軍を構築する国家的事業や、対中東戦争)ベクトルを変えていくパラダイムシフトは、個人の怨念を現実世界で炸裂させることができる限界を示唆するものだった。 それは、サイモン・ヴィーゼンタール(ジーモン・ヴィーゼンタール)という、アメリカでユダヤ人追求の団体を作り上げた人物は生涯を掛けてナチス追跡を続けたが、それは個人としての活動であり、それが団体となっていった水準で、国家というレベルでは虐殺も報復も、全体では取り扱うなかでの一部門にすぎなかった。 もう一つ意外なことがある。 アーリア人至上主義の筈のナチスは、誰が見てもラテン系の南米で巨大なネットワークを作り上げた世界的構想を持っていた。 本来は世界大戦に勝利したあとのドイツが南米を支配するための下ごしらえだったらしいのだが、戦後も長く南米諸国でナチスが潜伏した土壌となったのは、アーリア人至上思想とやらも第三帝国のビジネス上の必要性からで、しょせん思想なぞ支配のための道具か、と美学の下のありふれた現実にま、そんなもんですよね、という覚醒効果がありました。 大日本帝国はこの種の国際的なネットワークの構築には失敗しただけに、ドイツの視野の広がりは感じさせられた。 全般に、これほどのジェノサイドをされたのだから、この人たちの反応は当然だよね…という感想でした。 そして2020年代、ガザ地区を支配するハマスとイスラエル軍が民間人虐殺の応酬を展開している惨状を見ると、中東側の政権担当能力、統治能力の拙劣さはともあれ、絶滅など不可能であることをイスラエル以上に知悉している国家はあるまいと思われるのにこの状況は、人と同じく、国家も原体験から逃れることは出来ないのか、という複雑な感慨を催させる。 後世という別な視点からもその歴史を検証させる、さながらユダヤ人という民族、イスラエルという国家の精神分析のようなルポルタージュだった。 | ||||
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ナチスドイツの敗北だけで終われない、家族親族民族を殺戮されたユダヤ人達の復讐の記録。 その名の通り『復讐者たち』である。 著者はこの本の為に15か国以上の関係者に取材している。 一つ一つを丁寧に書いてある印象を受けるし、わかりやすかった。 又、ホロコーストの書籍と違い、迫害および殺戮、大虐殺のような生々しい部分ではなく、ナチに対する憎しみの上に、その復讐にかける信念のような部分や計画的な作戦など知ることができた。 復讐者たちは多くのユダヤ人の気持ちを背負って、自分たちは犯罪を犯しているのではなく、二度とこのよな事が起きないようにとの道義づけもしている。 ナチスドイツが敗北したことで、唐突に起きたことではなく、迫害を受けている間中、ユダヤ人たちがそれぞれの立場や考えで何かを起こそうとしていたことも取材からわかる。 非常に興味深い本で読みやすい内容である。 | ||||
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筆者の気持ちは痛いほどよくわかる。イスラエルが過激なのはナチスによるユダヤ人へのジェノサイトからくるものなのか。素晴らしい本。 | ||||
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なかなか語られることの少ない、WWⅡ終結前後のユダヤ人によるナチへの私的復讐がメインストーリー。作者の最新作「ベルリン・コンスピラシー」を読んでこの”復讐者たち”に関心を持って入手しましたが、内容は想像以上でした。ただ、情報がかなり古く、未だに全世界で高齢者となった元ナチの発見と逮捕が続いている状況ではいくつかの齟齬を含んでいます。あと、作者のバックグラウンドを考慮すれば当然なのですが、細部の描写に感情的なところがあるため、内容を完全に信じきれるかというと難しい面が。よって☆一つ分だけマイナス。 | ||||
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good good good good good good good good good good good good | ||||
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