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復讐者たち
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復讐者たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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落合信彦がフリードリヒことエルンスト・ズンデルの「ホロコースト否定論」を元にして書き飛ばした「20世紀最後の真実」のタネ本。 巻頭にある「ユダヤ人問題の最終的解決」についての要約が現実ならば、ブルガリアにいたバー=ゾウバー自身が、誰かに匿われるか、何かの幸運か偶然にでも巡り合わない限り、どこかの強制収容所に移送される途中の列車の中か、強制収容所のガス室で死んでいたはずだ。1つ年下のツヴェタン・トドロフの「善のはかなさ」で書かれているように、少なくとも1941年時点のブルガリア王国の国境内のユダヤ人は強制収容所には送られなかった。著者は自分自身の運命に関わっていた事なのに、何故事実に反する事を書くのだろうか? 「ホロコースト大事典」にニュルンベルク郊外の捕虜収容所での出来事を例外として書いているから、「復讐物語」は何らの事実の反映はしているかもしれない。しかし、本当に殺したとすれば、生き残ったゲットーのユダヤ人評議会の関係者かユダヤ人警察官、ゲシュタポに雇われた通訳や密告者、強制収容所のカポーのような気がする。それなりの地位にいたSS隊員が戦後のドイツやオーストリアでは実名を名乗って娑婆で暮らせるわけではないし、南米なり中東なりに逃げる途中の面々ならば他人の事までは知らないだろうし。「おおエルサレム!」にドイツ人の命令を拒否して短期間ながら強制収容所に送られた事があるアラブ人が経歴を生かして?パレスチナに帰るのにユダヤ人の帰還船を利用する話しがあるので、あるいはドイツにいたハジ・アミン・アル・フセイニーに近いアラブ人か。 「エルサレム〈以前〉のアイヒマン」にフリッツ・バウアーを初めて紹介した本として紹介されているので、「ナチ・ハンター」については、書かれたとしても問題にはならない範囲での事実を書いているだろう。まだボルマンの遺骨がベルリンで見つかる前とはいえ、彼がベルリンで死んだという目撃談があるにも関わらず、安っぽい冒険小説かスパイ映画まがいの「ボルマンの逃亡物語」はせいぜい伝聞を元にしたフィクションというところだ。まだスコルツェニーは生きている時期に刊行されているので知っていても書けないだろうが、著者自身の「モサド・ファイル」に書かれているように「ヨーロッパで最も危険な男」は免罪と引き換えにしてエジプトのミサイル開発の情報を収集する為のエージェントとしてモサドが雇用していた。 ドイツ人に対する復讐物語はイスラエル建国に際して故郷を去る羽目になったパレスチナ人がイスラエルに対する報復と重なるはずだが、「イスラエルの安全に対する邪悪なテロリスト」としてモサドの暗殺対象になった本を書いたのだから思い浮かばないだろう。この本が出た時期ならばPLOのゲリラ闘争だ。 | ||||
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