■スポンサードリンク
ヘヴン
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ヘヴンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
うーむ。これは不満。どうも波長が合わなかった。 これは、いじめられている中学生を書いたものではなく、 中学生の形をしたハリボテを使って、作者の意図を語らせたようにしか思えない。 あえてそうした、という気もするけれど、そうした手法は僕には響かなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
空想に近い現実で、持論をリズミカルに勢いとノリで吐き出すのがウリであったと思うけど、(わたくし率〜、乳と卵しか読んでいませんが)いじめというドシリと逃げ場のない現実を題材にしたことでただ屁理屈をごねた内容になってしまった。 しかも正直それは今一度言われなくても…みたいなわかりきったいじめの考察。 そしてこう言うんだったらこういう考えもあるでしょ。って作者自身が泥沼に入っていくような救い難さがあった。 セリフのシナリオっぽさも不快だった。 登場人物は人生一回生きてるような悟り感あるし。 いらない描写や不十分な設定も気になった。 それを感じさせないほど圧倒する内容であったように思ったけど(多分暴力シーンがあまりにも濃かったため)それは刹那的なもので、あとからじわじわ疑問となって浮かび上がってくる。 とにかく持ち味の説明的なくどさが、この作品にはマイナスにしかならなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元々日本人作家さんの本はあまり読まないけど、以前から取り上げられていたので、読んでみました。 ラストはすごくもやっとしました。もうちょっと描写してほしかった。何を言いたかったのか全然分かりませんでした。 百瀬は悟りすぎてるし、コジマは自分で選んで虐めにあってるし、よく分かりません。 最後の公園のシーンで、結局二ノ宮はホモなのかとても気になりました。ホモと虐めとは関係ないから、そこは別に書かなくても…みたいな。 しかも、何もかもが中途半端で話のまとまりがないように思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女優もこなせる芥川賞作家の川上さんの長編ということで 読んでみました。 中学生の苛めがテーマですが完全に人称と語りの失敗ですね。 以下のような詩的(?)な表現も効果としてはハマっていない気 がします。 「僕はうすっぺらい紙でできた文字を目のまえの空間にひとつ ひとつ貼りつけていくようにして、ゆっくりと声をだした」 テーマ自体がとても現実的で微妙なものなので、この作品のような 中途半端なイメージと結論しかないのであれば、あえて手を出さないほうが 賢明なのではないかと思います。 ただ、関西出身で音楽もなさるようなのでテンポはいいと思いました。 Sex and the cityのような女性を中心とした軽妙な物語であれば 是非読んでみたい作家さんですね、私には。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テーマが重厚な割に、綺麗にまとまりすぎているという印象を受けました。 場面場面の描写にはハッとさせられるものがあり、 詩的で、情景が目に受かぶようではありましたが、 ストーリーに芯がなく、 他の方も書かれていたとおり、この作品は”習作”だと思いました。 「乳と卵」での粘りつくような言葉遣いは、関西人の私にも読みにくかったですが、 ヘヴンは逆に言葉が淡白で、川上さんらしい我の強さが感じられませんでした。 川上さんの個性が秘められたまま終わってしまったこの作品は、 次の作品へのステップの一作であるという位置づけです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全体的な印象としては、川上さんが新しい表現方法へとうつっていく過程での 「習作」といった感じです。 「上手い小説」を書くぞ的な気負いが、やや、目立って感じられました。 あくまで私の主観によるものですが、 そもそも、川上さんの作品の最たる魅力というか、主幹をなしていたのは 語られる思想そのものよりは、彼女の持つ言葉への感性であり、 例の文体で、何となく実は深いコト言っているような、なんて感じさせられつつ ケムに巻かれる心地よさでした。 「ヘヴン」はそこから一転、いわゆる「文学」への試みです。 言葉によって酔わせるのではなく、思想によって酔わせるということへの試みです。 その飛躍の過程を見た、という意味で、一読の価値はあったと思いました。 川上さんがこの作品で描こうとしたのは 「苛め問題」それ自体ではなく、もっと観念論的なものなのでしょう。 ある対峙するふたつの関係… 善と悪、強者と弱者、受容と拒絶あるいは否定あるいは克服などを 「苛め」という舞台で<僕・百瀬> あるいは <僕・小島> に具体表現することを試みたのでしょう。 観念論。ああまたコムツカシイ事を…というその辺りが、川上節だなーと思いました。 物語の後半での、コジマの痛切な叫び、そして百瀬との対話。 どちらも物語において非常に重要な役割を担うところですが、 どうにも、百瀬が単なる口達者な詭弁家、ペシミストを気取った中二病との印象が拭えず、 コジマにしても、どうしてか特に後半において、 あくまで「受容」の体を一貫させているにも関わらず、 頑迷な思い込みに凝り固まった傲慢な…僕のみならず周囲の全ての人間に傲慢な…「独善家」に感じられてしまい、 コリャいじめたくもなるわ、と、うっかりした事を思ってしまいました。 そのふたりの精神の未成熟さを(←あえてそう描いたのならば) どちらも妙に達観した物言いをしているがために、ありのままに受け止めることができませんでした。 川上さんが小説家として劣っているということではなく、きっと、 この小説のテーマというものが、ちょっとした知識やエスプリ程度では捌ききれない、 哲学者達が何世紀もの間、人生をかけて考え続けてきたようなものだから、なんだと思います。 こうした観念論的なテーマを<物語> として完成させうるには 書き手が小説家としても、人生家としても、相当熟練されていなければ難しいのでしょう。多分。 人生の裏付けを持たない哲学は、ただの屁理屈になりかねず、 また、頭の中で繰り広げられるとめどない哲学思考を エモーショナルに人に届けるには、大変な苦労と力量を要するかとも思います。 (他の多くのレビューで「評論を読んでいるよう」との声がありました) 本作は、その途方もない道のりへの第一歩、なのでしょう。 ただ、前半部分、僕と小島のデリケートなつながり方は 今にも壊されてしまわないかという漫然とした心細さの中で 綺麗なガラス細工を見ているような感じで、読ませるものがありました。 ところで、物語のクライマックスともいえる最後の2ページ。 初期の岡本かの子を彷彿としたのは、私だけでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、帯が煽りすぎだと思う。 驚愕と衝撃! 圧倒的感動! うーん…どちらもない。感動する場面はどこか。 百瀬君が言っていることは屁理屈にしか聞こえないし、何かを亡くしてしまっている感じがする。 何の話だったんだろう・・・。とりあえず、楽しめなかったし、もう一度読もうとは思わない。 いじめってこんなにサラサラしたもんじゃないと思う | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
帯をみて、物語としての素晴らしさを期待して読んだから余計にがっかりした。 この本は最初から延々と読み進める時間はもったないくらい 中盤の会話劇である 「主人公と百瀬のいじめについての考え方」 だけ読めばいい。 それがこの小説のすべてだと思いました。 物語としては何も読ませるところは無いんじゃないでしょうか。 全体としても会話で説明するだけで進んでいくストーリー、 最初の主人公と女の子との手紙のやりとりから、実際に会いたくなって、 ひとつひとつの事に思いをめぐらせながら待ち合わせをしヘブンを見に行くあたりまでは 物語に対する期待感も少しはありました。 しかし、最後まで読んで「なんじゃこりゃ」というのが感想です。 途中の百瀬の意見にしたって、特に目新しいことは何もない。 エンターテイメントではない、小説でもない、キャラクターに魅力もない 本当にただの「イジメに対する考え方を登場人物に言わせてるだけ」の本だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ノンフィクションではない。 小説であれば、作者の意図なり、立ち居地があるはず。 それを読み込むことが私には難しい。 物語はどうすればいいのかわからない未熟な子どもたち【一応に主張はある】の袋小路の中の長いお話に 最終的に大人が介入して解決する。あえて言えばその方向性に意図があるのか? 読み手としてラストで初めてほっとした。 コジマの未成熟な思い込みは 現実的には、もう少し揉まれて、変化がみられるはずと思えてならない。とても危険な気がする | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめ問題を扱っているので予想はしていましたが、読んでいていい気持ちはしなかったです。 主人公はひたすらいじめを受け続け、逃げることも、抗うこともせず、同じ立場のいじめられている生徒との交流を支えに毎日をやり過ごす。 そこに何の救いも無く、暗い出口の無い闇をずるずるとさまよっているような世界観を好きになれませんでした。 ここで多くの方のレビューを拝読し、様々な捉え方があることを知ったのがせめてもの救いでした。 読ませる文章を書く作家さんだと思いますが、当分は作品を手に取ることはなさそうです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品は初めて読んだのですが この作品から本質を読み解く事は私の能力では無理でした 「で?」というのが読後の率直な感想です コジマと主人公の深層心理とかどうでもいいけど 二ノ宮は百瀬が好きなホモなのか?ということが最も気になりました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一年にミステリーを中心に多くの本を読むが、僕個人としてはストーリー展開に自分の好みを押し付ける傾向は持たないようにしてきた。 それは各作者の意見が一番反映するものだからだ。 川上未映子の「ヘヴン」は本を読むという僕自身のそのポリシーを久々に覆させる本であった。 結論を先に言うとこのストーリーには嫌悪感を抱いた。文体、表現描写などは作者の上手さを感じるところもあったが、中盤における「人間サッカー」、この部分はななめ読みせざるを得ない残酷描写である。この本がミステリーのカテゴリーでない分より痛みが伝わるのだ。これをして筆者の描写力が優れているとは思わない。ここまでのことを書かないと筆者の意図を読者に伝えられないのかという疑問がわくのだ。現実にはもっと過酷な運命にさらされている人たちもいるのだろうが、「いじめ」をテーマに描く以上メッセージとしてはなんらかの希望をその対照にさしのべねばならないと思う。「いじめ」は本の商売に安易に使う類のものでない。誠心誠意考えたうえで取り組む問題だと思う。少し論点がずれるがそれは今、放映されているドラマ「泣かないときめた日」についてもいえる。センセーショナルに描写をエスカレートしていいものではない。 物語のラストで主人公は本来のヒトの見え方をとりもどすわけだが、筆者はこれをもってこの主人公への贖罪としているのだろうか?この問題は目を治したからといってラストにすべきものではない。とりわけいじめの加害者にたいしてのペナルティなど読者のある意味期待するカタルシスへもいざなっていない。純文学はエンターテイメントと違いその辺はあいまいにしてもいいのか? この作者が一番言いたかったことは案外百瀬がさりげなく(作者としては渾身の力をこめた論点)ぶったいじめ論にあるのでは。他の方も書いているがどうもいじめを肯定しているようにしか受け取れない。これが物語というだけで各方面から傑作と祭り上げられる風潮に僕は危惧を感じる。泣けるというヒトなど理解できない。この本はそんな表面上の読みで済ませていい本でない。僕は問題作だと思う。 ひょっとしたらこの作者は以前いじめをしていたのではないだろうか?救いがあるようにみえて主人公の今後、コジマの今後を思うと暗澹たる気分にさせられた小説であった。いろんなことを考えてみたい方は読まれるといいのでは。 2.19にNHK「トップ・ランナー」を観ていたら何週か後に川上未映子氏が出演する旨の予告があった。 この作品のことを司会者にどう語るのか注視してみようと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
結論から言えば、この作者は 「善悪を相対化するためにこの話を書いた」のではない。 いじめを肯定し、奨励し、加害者を擁護するために、 この書物を著したのである。 もし善悪を相対化するというのなら、主人公が幸福感を味わう瞬間などで 話を終わらせはしない。 被害者も加害者も等量に書く。 主人公が手術を受けようといじめは消えず主人公は自殺し、 その後も加害者らはまったく反省せずへらへらしているというところまで 描写するであろう。 そういうラストを読んでなおも、善悪とは何ぞやなどと 考えていられる読者がいたらお目にかかりたいとも思うが。 出てくる中学生の像がリアルでないという指摘は、ある意味的外れであろう。 なぜならこの作者は、 いじめのリアルを書くつもりなどさらさら無いのだから。 斜視を直したところでいじめは止まないとか、 あるいはいじめの被害者が加害者に向き合うと怯えて 何も言えなくなってしまうというような実態を反映した描写は 読者にいじめへの反感を起こさせてしまうから 作者としては都合が悪いのである。 もっとも、実在感のある展開を書く技量などこの作者には無い。 以上の考察の正否を判断するには、作者の次の発言で充分であろう。 「善悪を書くに当たって、戦争や犯罪では善悪がはっきりしてしまうけど、 いじめはそうではないからいじめを題材に選んだ」 作者にとって、いじめは悪ではないのである。 追加:2010年10月、小学生の女の子がいじめを苦にして自殺するという 悲しい事件が起こってしまいました。 そして今11月にも、中学生の少年がいじめを苦にし自殺という報道がされました。 教育現場は何人子供を殺せば気が済むのでしょうか……。 こういう事件にあける被害者の最後の瞬間の心境を思いやると、 文学って何の意味も価値もないなと思ってしまいます。 いや、文学に価値はあるのかもしれないが、このヘヴンにはないですね。 この本の作者、出版を許可した編集者、この本を褒めた評論家や読者はみな、 上の事件について、また自殺した子の霊に対して何かいう義務があると思いますよ。 「こんなもんただインテリ感にひたるための言葉遊びだ、現実の世界なんて関係あるか」 というのがいちばん欺瞞でないと思うのですが。 それとも「死んだ子は心が弱くて勝手に過剰反応して勝手に死んだだけ」 とでも言うんですかね? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
TVで川上未映子さんの特集のようなものを見て、彼女に興味を持って読んでみたのですが... 全く伝わってきませんでした。正直がっかりです。 言っていることはわかるし、おもしろいとは思うものの、いじめに対する評論のようにしかイメージできませんでした。 中学生の主人公が語る内容にしてはどの台詞も理知的で大人の言葉にしか感じられず、 物語としてリアリティが欠如しているように感じました。 どいつもこいつも賢すぎる。悟りすぎてる。こんな奴らがいじめられたりするかと・・・ どれもこれも作者の口から発せられているかのような台詞ばかりで、どうもしっくり来ませんでした。 物語として役を与えるならその物語の中で主張を展開して欲しかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
芥川賞受賞作の「乳と卵」は独特な文体とリズム感が印象的で、 いい意味でも悪い意味でも記憶に残る作品だったけど、今作には正直「これが川上未映子?」と思ってしまいました。 「乳と卵」に比べると読みやすくなったけど、川上さんの場合はこれがいいこととは思えない。 彼女の素敵なセンスが・・・個性がなくなってしまった(泣) 単純に中学生のいじめを描いているだけじゃない。 もっと精神に訴えてくるようなメッセージも発しているような気がしつつも、それが何なのかきちんと伝わってこない。 だからきっとこの本は長く記憶には残らないだろうなぁ。 百瀬という同級生を、あの病院での場面だけでなく、もっとしっかりと描いてくれたら違っていたかもしれませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
きっかけは新聞の広告で、とても評判が良さそうだったので読んでみました。 正直、星一つだってあげたくないです。 何が面白いのか、どこが名作なのか、さっぱりわかりません。 一体何がしたかったのか?この小説は何を伝えたかったのか?考えてもわかりません。 いじめっ子達に何の制裁もくだらなかったのも不服です。その不条理さが伝えたかった事なのかもしれませんが。 皆さんのレビューも星が多くてびっくりしています。 名作だなんて、一つも思えません。駄作だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
広告のコピーを読んで読みたくなり一気に読みました。 感想としては、ごめんなさい、普通の本と思いました。 いじめが何故起こるのか、なぜいじめる側はいじめることを悪いと思わないのか、いじめられる方は何故従うのか、そんなことを客観的に考えてそれを登場人物に語らせて話を展開させて、ありそうな話に仕立てているという感じでした。 登場人物の主張するところには40代の私としては、何と言うか衝撃を受けたり、 新たな感動とかわいてきませんでした…。 もう感性が若くないのかもしれませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前半三分の一くらいはとてもよかった。 主人公がコジマに髪を切らせるシーンまではぐいぐい引き込まれた。 説明っぽさがなく、説教臭さもなく、行間から登場人物たちの息吹が伝わってくるような豊かな世界が描き出されている。 後半はこれとまったく反対の理由でつまらない。 理屈や説教が多い。登場人物にだらだらと語らせすぎ。読者に頭で理解させようとする下手な小説になってしまっている。 ラストにいたっては、興ざめすることはなはだしかった。 途中から、作者が自分の脳みそを制御し切れていない印象を強くうけた。 前半の抑制が続かず、息切れしていると思う。 緻密に制御された「緊張感のある疾走感あふれる世界」と、収拾のつかない混乱をご都合主義によって終わらせることとはまったく別。 酔うのは作者ではなく読者でなければだめでしょう。 この作家には長編を書ききる力量は(まだ?)ないのでは。 悪という悪について、善という善について、本当に掘り下げて人の心を打つものを書きたいのなら、もっともっと勉強し人生経験を積むべき。 これで何かを書いたと思うのはまったくお門違いだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
そもそもこのひとの面白さは、ことばの選び方とリズムにあったのであって、普通の文体にしてしまうと、瑕疵が目立つ。 哲学的、なんて評価もあるらしいけれど、自分の言葉になっていない受け売りを垂れ流しているだけ。 とくに百瀬との問答部分は、哲学を囓ったことのあるものなら、聞き飽きた議論でしかなく、寒々しい。 最後の場面が書きたかったらしいけれど、表現力の貧困さで、かえって引いてしまった。 このひとは、「哲学」から離れて、まず自分の言葉を獲得する努力から始めなければならないだろう。 こんなものが評価されるなら、もっと評価されていい作品は、ごまんとある。 本を出す毎につまらなくなっているのが、気になる。次回作がましになってなければ、僕はもう、彼女の作品を読むことはないだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の大半は陰湿で執拗な苛めのシーンに費やされ、読み進めるのに覚悟がいる。 最後には劇的変化と美しいシーンになるものの、それまでの比重が簡単に切り替えてくれず重く残り、最後の数行では内容と同じく読んでる気持ちも劇的には晴れないのだ。ある月刊誌で絶賛されてたので期待して読んだが、どうも納得できない読後感。けっして誰にでも「おすすめ」とはいいがたい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!