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夜蜘蛛
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夜蜘蛛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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例によって「父と子」「戦争」といったテーマで書かれた作品。たしか芥川賞受賞第一作だった気がする。 田中文学のうちでも、夜蜘蛛は筋を楽しめる小説だと思う。つまり「週末の葬儀」や「第三紀層の魚」といった作品(これらも良作だが)とはちょっと違った読み方、楽しみ方ができる。実際、息子にとって絶対的な存在である父親の、徐々に衰えていく様が凄まじかった。特に、これはネタバレになるかもしれないが、父親の切断された片足が赤ん坊向けの棺に入れられてて燃やされた場面、ここでは鳥肌が立ち、しばらく読むのを止めてしまった。 ともかくこれは佳作であり、田中作品の入門としてはちょうどいいのではとも思った。 | ||||
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気持ちが良く、すらすらと読める純文学の王道だと思いました。今の時代にこのような文体で表現出来る作家は、田中さんの他いないのでは?などと思える作品です。ハラハラドキドキする物語では無いにしろ、表現の豊かな描写 文章には、毎冊安心して読める事が、素晴らしく思います。 | ||||
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どこがどう、と説明出来ないのだが、田中慎弥氏の作品は、読み終わった後、何故か涙がでる。自分にとっては、琴線に触れる作品。 | ||||
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「夜蜘蛛」は、著者がとりあげ続ける父と子という題材を、読者を引き込む持ち前の文章で編み継ぐんだ田中慎弥ファンを納得させる一品である。 現役日本人小説家の作品を、私は長い間読むことがなかった。何か読みたいという気持ちから、話題の本を書店で見てきたが、残念ながら最初の数行で失望するということが続いた。一つの小説に魅せられると、その著者の小説すべてを読みたくなるのは当然であり、私もかつて酒見賢一氏の作品をそのように読んだことがあった。 田中慎弥氏の「共喰い」は、芥川賞受賞のテレビ映像と書名が印象に残っていたので(注目発言を私は知らなかった)、休日の空いた時間に書店で1ページ目を確認した上で購入しましたが、迫力ある文章で見事に人間達を描いており、私は即刻魅せられてしまいました。そして発行されている6冊の文庫小説を立て続けに読んで、この最新刊の「夜蜘蛛」に行き着いたわけです。 評価4としたのは、私個人としては他も含めオール5なのですが、田中慎弥氏の作品はやはり万人向けではない、という評価がなされるのではないかという気持ちからです。すぐれた小説というものに万人向けなどあるはずがないと私も考えます。ドストエフスキーの小説と同様、私には比類ない作品群ですが、まったく受け入れない人達が少なからず存在するのではないか。逆に評価5のお一人がコメントされているように「ますますファンになりました」という著者ファンも数多くいるのではないでしょうか。 ましてや、この作品に登場するような父と子の関係を自らも経験した読者にとっては(まったく同じではないが、その一断面と重なる葛藤を経験した読者は少なくないはずです)、二重の感慨が胸にこみあげてくるに違いないと思われます。私もそのような読者の一人でありました。 田中慎弥氏の新たな長編小説の一刻も早い発行を期待しつつ、「夜蜘蛛」の評を終わりたいと思います。 | ||||
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芥川賞で知り、 他の作品も少し読み、 何て上手な作家さんだろうとファンになったところで この小説。 素晴らしかったです。 個人的に(お父さんが衰えていく様子など)グッとくる場面もありつつ、 相変わらずステキな文章で、 おそらく、私にとっては今年一番良かった小説です。 ますますファンになりました。 今後の作品も楽しみにしています。 | ||||
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これまでの作品と同様に、父と子という題材ではありましたが、物語の射程が『時代』というものまで広がったようであり、そのため従来作よりも読みやすい、読者が感情移入しやすい仕上がりになっています。 これから親の介護を考えなければいけない世代として、いろいろな思いが湧き上がってくると同時に、今は亡くした祖父母にも思いを馳せることができ、分量も長くないので一気に読めてしまいました。 従来作のような刺々しい、身近な人との関係性を否定しながら逃れられないような感情は直接は表現されていませんが、このような関係性への客観的な距離感を持つために、直接の書き手ではなく手紙というギミックを用いて、自分の作風からの脱皮を図っているように思えました。次回作も楽しみです。 | ||||
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