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鵜頭川村事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
鵜頭川村事件
鵜頭川村事件 (文春文庫 く 41-1)

鵜頭川村事件の評価: 2.85/5点 レビュー 20件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.85pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(4pt)

面白かった。

全体としては面白かった。
鵜頭川村事件Amazon書評・レビュー:鵜頭川村事件より
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No.6:
(5pt)

露骨なる人間の業相

ドラマで興味を持ち、読ませて頂きました。極限状態に陥った人間の業相をリアリスティックに描き、ラストまで目が離せませんでした。
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No.5:
(4pt)

集団心理の恐怖

1979年、豪雨による土砂崩れや橋の決壊によって孤立した山村で、さまざまな因果に弄ばれた者達の狂気、それから逃げる焦りが読んでいて伝わった。
今は便利な世になり、通信手段が豊富でこのような事件に遭遇することは万が一だろうけど、一昔前であれば因習や差別によって積もった憎悪を陸の孤島で爆発させてしまう恐れというものはあったのかもしれない。
もう少し4章からの緊迫感がほしかったところ。
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No.4:
(5pt)

読まずに死ねるか?

本作は架空の県を舞台にしているが、恐らく新潟県の山村を舞台にしているのだろう。村人達の会話に出てくる方言がそれを如実に物語っている。
 豪雨災害にあった村が次第に狂気に侵されていく様は凄まじい。読み進めていく内、主人公と共に泥沼にはまっていく様な恐ろしさがある。
 作中の時代設定は携帯などなく、インターネットが世界を覆う少し前だ。
 何よりもまず、登場人物達が活き活きと描写されている。悪人にしても善人にしても、呼吸をし、三食の食事を摂って、風呂に入り、寝て、起きて、仕事をしている様子が自然と浮かび上がってくるのだ。物語の舞台となる村にしてもそうだ。
 この物語の出色の部分と言えば、緊張感である。導入部では主人公・岩森が叔父の元市に付き合って酒を飲み交わすシーンがある。酒が進むと元市は次第にその本性を明らかにしてくる。
 指先で卓板を叩くシーンがそれだ。とんとんという指先のリズム。元市が力だけで家族を手中に収め、何かあれば圧力と暴力をもって全てを傘下に収める人物である事を否が応にもわからされる。
 様々な物語が田舎というと「時間がゆったりと流れていて、自然が豊かで人々は皆優しい」と伝えている。それを真っ向から否定する仕様である。確かに都会と違って時間はゆったりと流れているかもしれない。自然も豊かである。だが人々は優しくなどない……。
 自然が豊か、というのを別の言葉にすると自然が厳しい、となる。地方によっては豪雪に見舞われる場所もあるだろうし、水害に見舞われる場所もあるだろう。
 そういった場所で暮らすと必然的に横の繋がりが強くなっていく。そうしないと生きていけないからだ。都会人が互いに無関心なのは関心を持たなくても生きていけるからだ。だから田舎の人間は互いに見ていないふりをしながら何もかも見ている。都会での生活は時間に追われているが、田舎での生活は何をするにも人間の目に晒されている。
 こういった設定が読者の眼前に提示された後、事件が起きる。豪雨災害の発生である。土砂崩れが起き、村は孤立する。さらに殺人事件が発生するのだ。誰が殺人犯なのかわからない、村の外との連絡も切断されている、その上食糧や水も限られてくる――こうした状況が村人達を非日常に放り込む事になる。
 村は事実上、矢萩という一族に牛耳られる格好となっていた。しかもこの一族には大助という問題児がいた。村人の誰もが殺人は大助によるものではないかと睨んでいた。だが矢萩の権力の前に誰も手を出せない。
 こうした不穏な空気の中、若者達が立ち上がった。自警団の結成である。
 時代の流れが色濃く繁栄されている。自警団はやがて普段から溜め込んだ鬱憤を晴らす様に暴力的な組織に変貌していく。自警団のリーダー、降谷のアジテーションがそれをさらに加速させてしまうのだ。
 終盤にさしかかると物語は岩森と一人娘・愛子の逃亡劇に変じる。ここで岩森が貧村の出身でサバイバル能力に長けていた、という設定が明かされる展開もまた実に面白い。それまで自然の壁の様でしかなかった山や森を岩森が経験や知識をしてホームグラウンドにしてしまうのだ。孤軍奮闘する父親の姿に思わず目頭も熱くなる。
 クライマックスで明かされる事件の本当の姿には思わず目を覆いたくなる。現実社会では田舎の人口流出が問題視されているが、実は自業自得なのではないだろうか。確かに都会での生活は疲れる事が多い。それでも都会に人々が集中するのは田舎に魅力がないから、ではない。絶対に嫌だと思わせる様な原因があるのに誰もそれを解決に導こうとしないから、ではないか。
 勘違いなきように語ると本作は社会問題を提起する様な小説ではない。閉鎖的空間を用いたサスペンスホラー小説の傑作である。だがそんな風に思ってしまう力をも秘めているのだ。
 この本には悪夢が詰まっている。見ず知らずの土地で男達に追われ、愛しの家族を連れている。何が何でもここから抜け出さなくてはならない。追手の男達は連日の雨で正気を失っている。読者はページを開いたら覚悟を決めなくてはならない。この本の結末にたどり着くまで家事は手につかないし、食事は喉を通らない。
 そんな一冊を読まずに死ねるか? 声を大にして言いたい。この本が売れなきゃ嘘だ。
鵜頭川村事件Amazon書評・レビュー:鵜頭川村事件より
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No.3:
(4pt)

人が怖いサスペンスを読みたい時には面白く読めると思います(^-^*)/

人が怖いサスペンスを書き続けている櫛木さんの最新作です(^-^*)/

個人的には、若者たちが結成した自警団が、洗脳されて扇動されて狂喜乱舞する様が、心底恐ろしくて見事なまでの人の怖さでした!
ラストは他のサイトのレビューにあったように、少し拍子抜けする部分もありましたが、
あそこまでの狂喜乱舞の落としどころとしては妥当だと思いましたし、大団円の形としては良かったと思います(^-^*)/

個人的には久し振りに櫛木さんできちんと面白い怖い作品でしたし、
男尊女卑の醜悪の極みが描かれていたのも素晴らしく、同様の男尊女卑は形やレベルの大きさは違えど現代にも根強く残っているので、
今作品で醜悪に感じられた方が、自身や周囲を少しでも見直していけば良いなと思う次第です!

タイトルが地味なのが勿体無いと思う程に、洗脳と扇動の恐怖に溢れているので、人が怖いサスペンスを読みたい時には面白く読めると思います(^-^*)/
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No.2:
(4pt)

ドラマ化映画化観てみたい

くらーい気分になりました
方言が懐かしく感じました。
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No.1:
(5pt)

昭和54年夏の豪雨と土砂崩れ

大雨の中読んだので非常にタイムリーな内容だった(よって星1つプラス)。
昭和54年、豪雨による土砂崩れで、山間の村が孤立する。村に多い苗字「矢萩」と「降谷」は対立しており、孤立したことで対立はさらに深まっていく。さらに大人と若者たちの間にも亀裂が入り、幼い娘を連れてたまたま村にいた主人公は狂乱に巻き込まれていく…

対立する二家系の少年が親友で、周囲の狂気に巻き込まれないよう踏みとどまり、友情を守ろうとする姿が好ましい。辰樹にも、ずっとそばに親友がいたらこうならなかったのでは?
娘のために戦う主人公の描写に、不覚にも少し涙が出た。
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