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人間に向いてない
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人間に向いてないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21~40 2/3ページ
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ここまで書いてくれてありがとう、というのが私の感想です。 私は私立中学に入学後、中学2年生の夏休み明けから不登校になりました。 それからほとんどその学校に登校することはなく、通信制の高校に進学し、受験を経て四年制大学を卒業しています。 その後就職し、社会人になってから今年で10年が過ぎました。 学校に行けなかった時に一番苦しかったのは、親からその苦しみを理解してもらえなかったことでした。 私は何度も体調が悪いことや、学校で辛い目に遭っていることを伝えたのですが、特に母には全くと言っていい程、私の苦しみが伝わりませんでした。 母が私の事を見ていないことは前から分かっていました。 しかし、ある日母から「一緒に死のうか」と言われ、それ以来、母に期待することをやめました。 母も苦しかったのです。 けれど、目の前で苦しんでいる子供に対して「一緒に死のうか」と語りかけ自分の救いを求めるような人間に、何を伝えても無駄だったのです。 この本のラストにある長い独白には、私が当時言いたかった事や上手く言葉に出来なかったことが全て余さず書かれてありました。 私はこれを読んで救われました。 ここまで書いてくれてありがたいと感じました。 人の話を聞く力は、読解力に通じる力です。 他人の心で物を見られる力です。 この本がただの荒唐無稽のお伽噺などではないと言う人間がここにいるのです。 もし不登校のお子さんがいらっしゃるなら、どうか人の心に寄り添う余裕と優しさを忘れないでいてください。 また、不登校児の親御さんがこの本を酷評されておりますが、この本はリアルを追求しているのではなく、物語に仮託された「家族であることの苦しみ」を描いているのです。 この本をコテンパンに批判することで自分は間違ってないとでも言いたいんでしょうか? 子育てに失敗した自分をどれだけ正当化したところで虚しいだけじゃないですか。 「変な感動を感じないように」とその方は仰ってはいますが……子供の立場としては「この本に救われた」と感じたこと自体が間違いだなどと言われる筋合いはありません。 | ||||
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子どもとして読めばまた別の感情を引き起こされるだろう。どちらの立場で読むとしても、覚悟してから読んだ方がいいと思う。 人はそれぞれ興味も得意不得意も価値観も違うのに、家族となると過剰に自分を投影し、導こうとしてしまう。悪意はないだけに、その「おためごかし」は真綿で締めつけられていくような苦しさがある。 この物語が全然無関係と言い切れる親子などいるのだろうか。 | ||||
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人間失格を平叙文化したようなタイトルに興味を持ち手に取った。引きこもりが虫になっちゃう設定やその生態描写、アメリカのAAAみたいな家族会でのエピソードなんかはすごく面白かったのだけど、最後はこの奇妙な設定を活かしきれない凡庸な家族愛で終わってしまって、そこが残念だった。自分に子供でもいたらまた感じ方は異なって、何があっても子供!家族!感涙!みたいになったのかもしれないが・・・ | ||||
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自分の価値観で読んで気持ちよくなれなかったとはいえ作品全体を悪く言うのはナンセンスにも程があります。不登校を1年以上経験した者ですが、一個人としては凄く前向きになれる作品だと思いましたよ。 | ||||
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本屋で購入しました。 人間には良い所も嫌な所もありますが、それを受け入れられない親子はどうやって生きていくのでしょう。 私は長い間親と不仲でした。大人になり良好な関係を築けるようになりましたが、未だ心に蟠りはありました。 冷たくされた、暴言を吐かれた、叩かれた…そうやって傷付いた人間は案外多いと思います。 この本はじわじわと、その麻痺した傷口を焼くように、進んでいきます。次第に痛みを感じ、傷を無視することはできなくなるでしょう。 でも化膿した傷を治してくれます。 傷を持ってる人は読んでみて下さい。傷つけたことがある人も。 膿み続ける家族がこの社会にいるなら、この本の存在意義はそこでしょう。 | ||||
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初めて読む作者。宮部みゆきが絶賛!と買いてあったので躊躇なく借りたのだが…。 さすがに最初の入りは驚いた。 引きこもりの子供がある日突然、昆虫とか犬とか植物に変体してしまうわけだ(笑)。親が子供の様子を見に行ったら,部屋に子供がいなくて,得体のしれないクモのような生き物とかに変態しているという。これが日本中で流行り出す。 主人公の母親が,おぞましい姿になった息子とどのように過ごすかを考えるのだが,法律ではその時点で「死」と判定され人権も何もなくなる。父親は全く興味が無くなり「捨ててこい」的な対応。 近所に,その変異した家族の集まりがあると聞き,参加したら色々な情報は入ってくるのだが,派閥争いや金銭的な不信感も。ただ同時に入会した母親とは仲良くなった。その娘は,犬のような物に変態している。顔が娘のままの犬なのだ。犬とクモを連れて二人で色々情報交換するのだが,ある日突然犬の娘が事故で死んでしまい,せっかく仲良くなった奥さんは遠くに引っ越してしまう。 何とか家族でもう一度うまくやれないか…と動くのだが,父親は実家の母親にも知恵をつけて何とかクモ息子を殺そう・捨ててこようとするので,同居をあきらめて自分の実家に帰る…。 こんな感じで,虫になった息子を取り巻く,家族・親,親戚,世間,社会の動きの葛藤を描いてあり,それはそれで面白い。ドロドロの人間関係,利害だけの付き合い,結局は他人の夫婦の行く末…と盛り上がるのだが…。 ネタバレなので書かないでおくが,あっけなく終わってしまう。おいおい…という感じ。せっかくの奇想天外のフィクションなわけだから,最後も華々しく散って欲しかった。消化不良。 | ||||
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あらすじやタイトル、帯の惹句から、社会的弱者となってしまった子を持つ親の葛藤の生々しい心理描写を期待してしまっていたため、本作で描かれている主人公美晴の「普通の人」による共感性はまったく求めていなかったので、読みたい話とは少し違っていました。 ですが、親が子供を思うがゆえに犯してしまっている間違いや、息苦しさを抱えている子供たちの悲鳴には、ぐっとくるものがありました。 | ||||
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自分に重なる部分があったからか、今までの読書経験の中で最高に涙が出ました。 | ||||
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カフカ「変身」のザムザの如く、"引きこもり"やニートの青年を中心に"異形の者"が日本中に現れるという設定の物語。この異形化は「異形性変異症候群」と病気扱いされ、この病によって人権を失う危険性がある等、死刑を宣告されたのと等しい。「変身」と異なるのは本作が「異形性変異症候群」(変異者)の息子を持った家族小説である点である。 まず、両親の態度が全く異なる。父親はアッサリと息子の優一の死亡届を出すのに対し、母親の美晴は変わり果てた優一を尚も溺愛する。従来通り、食事を中心とする世話を熱心に焼くし、頑迷な夫の反対を押し切って「みずたまの会」という変異者「家族の会」にも参加する。そして、美晴と同期入会して美晴と仲良くなる女性の津森は「みずたまの会」は怪しいと言う(実は正しい指摘で、アチコチでその陰惨な実態が描かれる)が、その津森も変異者の娘の事故死をキッカケに会を辞めてしまう。美晴の義母も優一を「始末しろ」とゴリ押しする嫁姑問題も描かれる。そして何と、夫は感染症の疑いがあるからと優一を山に遺棄したと言う。当然、美雪は山を捜索するが、その際、「『人並み』とは何か」、「自分は本当に優一の事を考えた事があったのか」と自省するが、山での捜索は困難を極める。そこへ、優一が子供の頃に可愛がっていた犬(の化身?)が現れ、美雪を優一の元へと導く。そこで、美雪は「事実をありのままに受け止める」という悟りを開くという大団円。「みずたまの会」を政府の監視機関とすれば社会小説としても通用したろう。 更なる大団円として、優一が「自身の選択次第で現実は幾らでも変容する」という前向きな姿勢を持つ事で変異者から「生還者」へと文字通り生還するというオチが付く。「異形性変異症候群」という設定の割には後の展開に起伏が足りないとは思ったが、「変身」風の出だしで家族小説を執筆するというアイデアが光る佳作だと思った。 | ||||
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これは褒め言葉なのですが読んでてとても苦しくなる作品でした。 今の時期に必要な作品だと思うし、誰でも抱えている感情をめったざしにしてくる感覚に病み付きになってしまう。 | ||||
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虫と過ごす、という意味ではグロテスクだけれども、とてもほのぼのとして子育てエッセイでした。ニートの責任は親にあるのか、子供にあるのか、という話でした。それぞれの葛藤が、生々しくてイタい。まるで自分の中学生の頃の日記を読んでいる痛々しさ。とてもよかった。 | ||||
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正直、かなり安かったので期待はしてなかったけど、新品同様キレイでした | ||||
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古典作品カフカの『変身』の現代版的な作品です。 虫嫌いな方にはオススメ出来ませんが、家族が『引きこもり』や『うつ病』等で変容し、変わりゆく関係性を異形に転ずる病としたアイデアは秀逸で、終盤~ラストの結びも見事! 家族の在り方に関して、様々考えさせられつつ、やはり毎日のコミュニケーションの取り方の大切さを改めて強く感じた名作でした(^-^*)/ | ||||
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ハンセン病問題ですでに起こっている事実。事実は小説よりも奇なりの言葉どおり、小説は事実を凌駕できない。 | ||||
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フェイスブックで紹介している人がいて、ピンときて購入。 読後はもうちょっとフィットするタイトルがあるように感じた。 最初の2ページに難しい言葉が多くて馴染めず、3日ほど放置。 で、数時間前にパソコンの挙動がおかしくなり、再起動の待機時間に再度本書を取り上げたら、そこから最後まで一気に読んでしまった。 私は16歳の一人息子を持つ父親45歳。 妻とも割合と仲良くやっていると思う方。 仕事は医療系なのだけど、 「優一を異形にしたのは美晴なのではないか」 の一文に作者の考察の深さを感じた。 人は自分自身や誰かを病気にも健康にもできるからね。 しかし、こんなに冷え切った夫婦関係ってありうるのかしら? 美晴はもっと早くにキレた方がいいと思った。 あ、だから優一が異形になったのか。 美晴がああいう人間になったってことは、やっぱり美晴の親にも原因があったわけで、世代間でいらん原因が引き継がれてきたのだと思う。 清美は「子育てに正解はない」なんて言ってるけど、年を取った今だから言えること。 美晴が小さい頃にはやっぱりキツイ母親だったと思うんだ。 その結果が優一に対する美晴の態度だもの。 美晴が勲夫みたいな男と結ばれるのも必然だよ。 端的に言えば、全部感情の扱い方の問題。 これは優一の独白からも明らか。 ケガしたら手当をするのは誰でも知っている。 でも、感情について私たちは何も教わらない。 ヘタしたら、心の傷口を広げるようなことを平気で繰り返したりする。 そりゃあ、芋虫にでもなった方がラクだわな。 それでもまあどうあったとしても、虫にしか見えない優一を信じぬいた美晴はあっぱれだと思う。 子育てなんて植物を育てるのと一緒じゃないかな。 その子を 日に当てるのか 日陰に置くのか もっと栄養をやるのか 別な場所へ植え替えるのか 水を与えるのか 音楽を聴かせるのか 涼しい場所に置くのか 間引くのか 土を換えるのか 優一が物言わぬ虫になったからこそ、美晴は賢明に優一の声を探ろうとした。 今までは優一が人間だったからそれをしてこなかったのだね。 だからホント良かったよね。 親子の物語として、自分の人生を振り返る物語として読んでも良い感じ。 作者の怒りや悲しさの独白とも言えると思う。 さくらい病院で、美晴と同じ境遇の女性たちがそれぞれに異形を連れているシーンは印象的。 作者が現実で着想を得たシーンを作中で再現したのかしら。 例えば、小児科の待ち合いなんかは、見た目こそ人間の子どもでも、一向に親の言うことなんか聞かない子どもたちで溢れているもの。まあ、子どもはそんなんでいいけどね。 少なくともこれを読んでいる私たちの前には今のところ異形はいない。(たぶん) 私たちは勝手に相手に過度な期待をしているから、自分の意図に反する言動をされると、思わず「カッ」となったり、「何で分かってくれないの!」なんて怒り狂ったり、なんとかコントロールしようとしたり、悲しんだり、ひねくれたりする。 だからさ。 「限りなく人に近い異形」が周りにいっぱいいるんだなー、と思うといいかもしれないよね。 で、なんだ、あなたも私も異形じゃん、って思えると明日から気持ちがラクかも知れない・笑 「どう在ってもいいのだ」 私にとって作者からの最大のプレゼントがこれ。 | ||||
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最後に、ひきこもり側の気持ちの一人語りがでてきます。必読。 どう向き合ったらいいのか、母親が自分なりの解を見つけるところがクライマックスでしょうか。 ぜひ映像化(アニメ化、映画化)してほしいところです。 読んでてあまり気持ちのいいものではありませんでした。大丈夫な人は大丈夫なんでしょうか。 | ||||
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2018年9月にAmazonで購入。 数ページ読んだ時点で後悔。 それでも一応全部読んだ。 ふと思い出して検索したら、星4つ以上ついてたので、これじゃあイカンと滅多に書かないレビューを書くことにした。 他の人も書いてるけど『人間じゃなくなる話』としては、カフカの『変身』が超有名。 この作者、まさかカフカの『変身』を知らんわけ無いよね? パクリまがいの二番煎じで、このレベルの仕上がりで恥ずかしく無いのかな? 色々と、ものすごく『雑』だと感じた。 不登校とか社会的不適応、原因不明の病気とか、『虫になる』ことを、現実に存在する問題として具体的に提示してるんだけど、仮想現実の『リアル感』っぽいつもりかもしれないけど、雑すぎて全然リアルじゃない。 登場人物の行動や感情に必然性を感じない。 『虫になった』ほうが、よっぽどリアル。 私はもと『不登校児の母親』で、不登校の保護者会での活動経験もある。 この本で書かれてる『みずたまの会』みたいなもんじゃないよ。 うまくいく人もいかない人も、みんなそれなりに必死でもがいてる。 もがくのがしんどくて諦めちゃう、受け入れちゃう人もたくさんいるけど。 そういう葛藤とかは全然感じなかった。 ものすごく薄っぺらい。 不登校とか引きこもりに悩む人やその家族が、こんな本読んで、お金を無駄にしたり、変に感動したりしないように… との思いを込めてこのレビューを書きました。 | ||||
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オチが微妙かなと思いましたが、それが作者の書きたかったことなんでしょう。 しかしそれを除いても読了感の余韻は凄まじく、時折自分と重ねて見てしまう場面も見受けられました。 起きていること自体はかなりぶっ飛んでいますが、そこからの展開は暗く、ヒューマニズム的です。 それを地味と捉えるかどうかは読み手の好みでしょう。私は好きでした。 | ||||
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表紙とタイトルに惹かれ購入しました。 育児の合間に読んでいましたが、非常に読みやすかったです。同じ母親として考えさせられる箇所もあります。 ネタバレになりますが、父親が虫になるのは何となく、想像の範囲内だったかな。 | ||||
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親と子、両方の立場から読みました。そして日本の現在の社会状況について考えさせられました。 私は2人の小学生の娘を持つ父親です。 人並な期待を親から受け、それをそれなりに消化して今まで生きてきました。 しかし、これまで生きてきた中での無理がたたり、心身が蝕まれ職を失ったこともあります。 日本は、一度トラックから外れた人間に対して非常に厳しい。 再チャレンジの機会などほとんどなく、非正規で働くしかない。 私は幸運にも何とか復帰することができましたが、今でも失職した時の恐怖はココロとカラダに刻まれ、繰り返してはならない教訓として残っています。 非常に苦しい日々です。 今度失敗したら家族(妻)にすら、見放されるかもしれない(いや、すでに見切りをつけられているのかもしれません)。その恐怖感で何とか職場に踏みとどまっているようなものです。 他方、親の立場としては、自分のような道は辿ってほしくないと思います。 しかし、それがかえって子供を誤った方向に導くとすれば… いつも子供を信じ切っていかなる我が子も受け入れるというのは耳触りはいいですが、実際には焦ってあれこれと口を出してしまいます。逆効果だと感じつつも。 そんな親子の葛藤がグロテスクな形で描かれています。 ここまで親子を追い詰めているのは日本の社会です。 不寛容で冷たい日本の社会です。 『異形』になってしまったのは日本そのもの。 大いに考えさせられます。 最後の部分、カタルシスを得るには迫力不足ですが、壮絶な内容からするとちょっとほっこり来ます。 | ||||
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