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夢も定かに



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【この小説が収録されている参考書籍】
夢も定かに
夢も定かに (中公文庫)

夢も定かにの評価: 4.00/5点 レビュー 13件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

平安朝の「ショムニ」

平安朝(聖武天皇の御世)を舞台に、采女(現在で言えばノンキャリア組の女性官僚)の視点で後宮やそこに勤める女官達の人間模様を描いた作品。時代が変わっても、変らぬ男と仕事(出世)に関する女性の悩み(女性同士の嫉妬が一番怖い)を綴ったものと言える。視点は悪くないと思うのだが、本当に単に時代を平安朝に移しただけで、「この時代ならでは」と思わせる書き込みが少な過ぎる。あるインタビューで、作者自身が本作を「ショムニ」と語っていたが、まさしくその通り。

せっかく藤原四兄弟や長屋王を登場させているのに、さしたる事件も起こらなければ、心に残るエピソードもない。ヒロインの采女には3名の朋輩がいるのだが、ヒロインを含めた4名の内、3名が天皇(!)と藤原四兄弟中の2人(!)と関係を持ってしまうのは余りと言えば余りだろう。女性読者に夢を与えようとしたものだろうが、却って求心力を殺ぐ結果となっている。また、朋輩の1人が男勝りの能筆家という設定は光明皇后を想起させ、作者の創造力(想像力)の源泉が透けて見える。平安朝という時代設定を活かして、もっと創造力(想像力)豊かな奔放な作品を描けなかったのであろうか。
夢も定かにAmazon書評・レビュー:夢も定かにより
4120045315

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