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夢も定かに



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【この小説が収録されている参考書籍】
夢も定かに
夢も定かに (中公文庫)

夢も定かにの評価: 4.00/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(4pt)

これまでに読んだ著者の古代物の中では、最もライトな作品(特に前半)のように思いました。

時は奈良時代の聖武の御世3年目くらいから。平城宮の後宮で働く宿舎が同室の主人公若子、笠女、春世の3人の采女(うねめ:郡司の娘。畿内豪族の娘である氏女(うじめ)からは低位、田舎者と見下されていて対立関係にある)がそれぞれ野望を抱くのだが...という感じの現代の女子社員物語を奈良時代に移した感じの物語ですが、解説によると、この3人とも、なんとモデルがいる!そうで(『続日本紀』の叙位の短い記事、『尊卑分脈』、正倉院文書、『万葉集』に載る安貴王の歌の左注など(若子、笠女、春世は、古代史などでは、「粟若子(あわのわくご)。板野采女、板野命婦とも)」、「飯高笠目(いいたかのかさめ)(Wiki によると「元正天皇の時代に采女として出仕した」らしい)」、「因幡八上采女(いなばのやかみのうねめ)」などとされるようです)。もちろん、この3人がこの物語の頃に同室の3人の采女だったかどうかは多分不明なはずです(3人とも奈良時代に実在してたのは確かなようですが、それぞれの生年は飯高笠目以外不明なようです。ともあれ、著者がこの作品を構想したきっかけは、この3人を結びつけたら、聖武朝初期を面白く描けそう!...だったような))、それに有名な歴史上の人物、藤原房前や藤原麻呂、井上皇女、海上女王などを絡めてストーリーが展開し(ただし、若子と春世の話は学説的には史実の部分もあるようです)、やや無理があるところもあると思うんですが、おおむねよく出来ていて凄く面白い!です(グッとくる場面もいくつかありました)。著者は、ほんの僅かな史料のピースと、当時の政治状況や後宮の知識などをフルに活用しながら、細かく想像して各采女たちやその状況に落とし込んで、物語を紡いでいくのがもの凄く楽しいんでしょうね(例えば、井上皇女の鶯と安宿媛の白猫の話)。

ちなみに、『日輪の賦』に出てくる河内(歴史上の人物で、普通、楽浪河内(さざなみのかわち)とされ、この物語の頃は、高丘河内(たかおかのかわち)。父親は同じく『日輪の賦』に出てくる高詠(古代史では「沙門詠(しゃもんえい)」とされる))が登場した場面は、著者の『日輪の賦』ファンとしては、懐かしく、また嬉しい!限りでした。またさらに言えば、『孤鷹の天』に出てくる高丘比良麻呂は、高丘河内の息子で、(私の把握している限りでは)澤田瞳子の作品群に3世代が登場してます。
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4122062985
No.13:
(3pt)

この作品はライトノベル?

私の認識が足りないだけかもしれないが、当時、下級の女官が皇室の血を引く人々と気軽に口を利けるとは思えない。また、女官の勤怠管理も随分とルーズに思える。 作者の澤田瞳子さんは当時の時代背景を十分に研究されている方だと思うし、敢えて気軽な読み物にしたのかな? 私にとっては期待外れでした。
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4122062985
No.12:
(5pt)

澤田瞳子さんさすがです。

まず表紙が気に入りました。澤田瞳子さんの大ファンです。主人公>宮中の女官3人のそれぞれの生き方に共感したり!楽しく読ませて頂きました。
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4122062985
No.11:
(3pt)

日本語を正しく。

「目覚めが悪い」ではなく、「寝覚めが悪い」です。(262ページ)
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4122062985
No.10:
(4pt)

漫画化を望む

もちろん山岸涼子先生のお作で、ひとつよろしく。
『日出処の天子』にハマった人なら、わくわくしながら読めるのでは。

平城京の後宮で働く三人の女の子を描いた宮廷小説というか青春小説。
当時の難しい言葉や名称が多くて読みづらいけど、頑張って読み進めると、男女平等なんて微塵もなかった時代に女の身に生まれた不運、美貌や才覚で宮中を渡って行く苦労などが身に迫って感じられます。

でもやっぱ漫画化を望む。いやアニメ化でもいいな。
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4122062985
No.9:
(4pt)

マンガチック?

「若冲」」を読み、澤田瞳子さんの作品をもっと読んでみたくなった。
本作は、マンガチック?
キャラクターは、生き生き動いていたけれども…。
この時代の女性の制限された生き方には、悲哀を覚えたが…心に響くものはなかった。
夢も定かにAmazon書評・レビュー:夢も定かにより
4120045315
No.8:
(5pt)

したたかに、そして強く

平安時代を舞台としたお話は多く存在しますが、奈良時代が舞台というのは珍しいと思います。
物語は短編集のように進んでいきます。正直なところを申しますと、前半は、それ程面白いと感じませんでした。
物語は3人の采女(後宮で働く下級女官)を中心に進みます。主人公、若子はとても頼りなく・・・と思っていたら、物語終盤はかっこいい程の成長を遂げます。

「女は非力なもの、自力で守らねばならないものが男より多い。
色恋だけを信じていられるほど女子(おなご)の世界は甘くはないのだ」

ぐんぐん引き込まれる後半の物語に、気付けばすっかり夢中になっていました。
そして、時代背景を自分でも調べてみたところ、この3人の少女達には、実在のモデルがいるではないですか!
特に、主人公「若子」がきちんと史実に名が残っていることを知り、ぐっと引き寄せられるものがあります。

奈良時代や平安時代の文化などに興味のある方にはぜひお勧めです。
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4122062985
No.7:
(4pt)

平城京の下級女官の物語

以前買った、賢子がまいる に似ている。女だらけの宮廷で、どろどろした人間関係。生まれの違い・年齢差・性格など、さまざまな要因で争いが起こる。藤原4兄弟・安宿媛妃 VS 王族(長屋王・広刀自妃など) 2大勢力のあつれき。
そんな環境で、性格の違う、若子・笠女・春世3人の下級女官が、さまざまな事件に遭遇する。つらい女官をやめ、結婚や尼寺へ逃げようか。でもしょせん下級女官、うまくいかない。がんばれ、がんばれ。
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No.6:
(5pt)

こういうのを待っていました!

舞台が奈良時代、という、ちょっと珍しい時代物。
こういうのを待っていました!

時代物が割と好きなのですが、ほとんどが江戸時代もので、主人公が女性の場合、武家の姫君か、市井のおかみさんばかり。
ちょっと飽きがきていましたので、「奈良時代もの」で「采女(女官)が主人公」というのが新鮮でした。
歴史上の人物もあちこちに登場します。
続刊を願っています。
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4122062985
No.5:
(5pt)

気軽に奈良時代を楽しめます

奈良時代の采女という下級女官が主役の話です。今で言えば平社員のような力を持たない女官が、権力争いや男性に振り回されながらも自分の生き方を見つけていきます。前向きな姿は好感が持て、良い読後感でした。語りがライトで読み易く、後宮での日常生活が目に浮かぶようで、気軽に天平気分を楽しめました。
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No.4:
(4pt)

平城京の空気に触れて

秋模様表紙が大変綺麗で手に取った本。

宮廷青春物語、という謳い文句に納得。読みやすい文体でするり、と平城京の時代が頭の中に入ってきます。そして彼女らに共感。
どんな時代でも、働く女性たちの悩みは一緒なのである。
そして、この時代に馴染みのない方々にこそ読んで欲しい。
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No.3:
(3pt)

ちょっと物足りない

奈良時代の宮廷に仕える女性のお仕事小説。

自身で道を切り開こうとするものの、見えない壁に邪魔をされ、ままならない女性達の奮闘が描かれています。
女性が活躍できる社会を目指すと言われる現代でも、やっぱり女性には厳しい風潮があるので、共感できます。
ただ、ストーリーが地味なのとヒロインたちが割と芯が強くてドライな考えの持ち主なので、いまいち盛り上がりに欠けるのが残念でした。
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4122062985
No.2:
(5pt)

古代史好きな方にお勧めします

大学院で古代史を専攻していた作者ですが、続日本紀にほんの1行出てくる記事(天平神護2年4月甲寅)を使ってこれだけの小説を書くのは流石!
奈良時代のことを詳しく知らない人でも読みやすく、
また、専門に勉強したものにとっては、さすがよく調べて、それをわかりやすい言葉に直して分かりやすく書いてるなぁって思いました。
古代史(特に奈良時代)が好きな方にはお勧めします。
夢も定かにAmazon書評・レビュー:夢も定かにより
4120045315
No.1:
(2pt)

平安朝の「ショムニ」

平安朝(聖武天皇の御世)を舞台に、采女(現在で言えばノンキャリア組の女性官僚)の視点で後宮やそこに勤める女官達の人間模様を描いた作品。時代が変わっても、変らぬ男と仕事(出世)に関する女性の悩み(女性同士の嫉妬が一番怖い)を綴ったものと言える。視点は悪くないと思うのだが、本当に単に時代を平安朝に移しただけで、「この時代ならでは」と思わせる書き込みが少な過ぎる。あるインタビューで、作者自身が本作を「ショムニ」と語っていたが、まさしくその通り。

せっかく藤原四兄弟や長屋王を登場させているのに、さしたる事件も起こらなければ、心に残るエピソードもない。ヒロインの采女には3名の朋輩がいるのだが、ヒロインを含めた4名の内、3名が天皇(!)と藤原四兄弟中の2人(!)と関係を持ってしまうのは余りと言えば余りだろう。女性読者に夢を与えようとしたものだろうが、却って求心力を殺ぐ結果となっている。また、朋輩の1人が男勝りの能筆家という設定は光明皇后を想起させ、作者の創造力(想像力)の源泉が透けて見える。平安朝という時代設定を活かして、もっと創造力(想像力)豊かな奔放な作品を描けなかったのであろうか。
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