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勝手にふるえてろ



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【この小説が収録されている参考書籍】
勝手にふるえてろ
勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろの評価: 3.45/5点 レビュー 102件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 41~50 3/3ページ
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No.10:
(4pt)

幼稚といってしまえばそれまでだけど・・・

わたしは面白かったです。

脳内で温められた好みの男の人物像は、
現実で生きている本人とはなんら関係なく
どんどんイメージだけが膨らみ、
「絶対にあたしのことも好きなはず」と
その人のこころまで自在に作り上げてしまいます。

それは妄想なんだけれど、
実際に会って話してもなおイチは自分に気があると、
2人でもっと話せば分かり合えると思い込んでいる
「思い込み」が主人公を支配しており、
読者である自分にも身に覚えがあることだっただけに
冷静に主人公を俯瞰していました。

イチは言うならば主人公の「理想」であり
現実には存在しえない王子様である。
一方でニは、あまりに理想から遠い、見たくない現実。

人は理想を追いつつも、
結局は現実を受け入れ、
それによって幸せを積み重ねていくものなのだと思います。

結婚というリミットを考えながら
恋をしなくてはいけない微妙な年頃の心の迷い、
親友のうらぎり、一生を捧げるにはあまりにも興味のなさすぎる仕事など
夢見るばかりでは何もつかめない20代後半の女子には
何らかの示唆をあたえる一冊ではないでしょうか。

ライトな文章は読みやすく、
1時間程度で読了してしまいました。

著者には、
もっとたくさん新刊をだしてほしいです。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
4163296409
No.9:
(5pt)

ストーリーは度外視

文章のセンスは好きです。ひらがなの使いどころとか。

ただ,読んでいると,選び抜かれた言葉たちばかりなのが伝わってきて,『息の詰まる思い』がする。 それが良さでもあるんだけど。

『チゲ鍋』と書かれていた時点で,作者=主人公ではないと感じました。

それでは作者はなにを伝えたかったんだろうと,考え込んでいます。

術中でしょうか・・
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4163296409
No.8:
(5pt)

綿矢節全開

前作の「夢を与える」は、まったく平板で面白味のない小説でしたが、今回は芥川賞受賞作である「蹴りたい背中」の路線に戻って、綿矢さん独特の観察、比喩に溢れた作品となりました。中学時代の教室風景やインターネットの成りすましといった、この作家のトレードマークともいうべきシチュエーションも復活しています。現代の人間模様とは、こんなものなんだろうなぁという情景が巧く描けていると感じます。

というか、他の作家さんの作品を読むと、自分の日常とはあまりにもかけ離れていることが多く、自分の人生はなんてつまらないんだろうという気になりますが、こういう作品は 「まっ、現代の人生、こんなものだろう」 と安心させてくれます。「蹴りたい」でも思ったのですが、この人の文章は、一文一文が鋭く突き刺さるものを持っており、そう簡単に読み進められる作品ではありません。作品全体を覆う、澄んだ淡青色を思わせるトーンと相まって、「小説」というよりも立派な「文学作品」になっていると感じました。

この作家さんの作品は、ストーリーを楽しむものではなく、絵画を鑑賞するように、言葉から立ち込める雰囲気を鑑賞すべきなのではないでしょうか。一時間程度で読み終えたとおっしゃる方もおられますが、私は読み始めて3カ月経っていますが、まだ読み終えていません。この作品を「陳腐」と感じる人は、綿矢さんの発信する電波を全く感じとれない人、綿矢作品に無縁の人と言うべきでしょう。何気ない会話のやり取りに込められている切羽詰まった感情の起伏を読み取れないと、退屈に感じるかも知れません。

ところで以前、あるサイトに「りさ」を名乗る人物が登場し、かなり言いたい放題言っていたが、「太宰治の一体どこがそんなにいいのか?」と書き込んでみたところ、「愛に飢え、女性を求め続けた生涯に、あなたはこころ打たれないのですか」という返事が返ってきた。このような文章が返ってきたことに驚くと同時に、誰にせよ、このような書き込みのできる人は、只者ではないと思った。
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4163296409
No.7:
(5pt)

持ち味が出ている

蹴りたい背中の独特の書き方がパワーアップした感。
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4163296409
No.6:
(5pt)

これこそ現代社会の恋愛のかたちです!

読み始める前と読み終わってから本書に関する他の方々のレビューを読んでみて、このさして長くは無い小説から読み取るものが読者によって随分違うことに興味を覚えました。唯その多くのレビューは、どうも作者の真に言いたいことを読み取れてはいないのではないかと思います。
 それに「恋愛しないとだめですか?」とか「賞味期限切れの片思いと好きでもない彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。」などという出版社が作った宣伝文句も、読者を惑わす釣り文句のようです。

 たしかに多くのレビュアーが言われるように、この小説は大変技巧的であり、また私も読んでいて見事な文章の割には、主人公の「私」にも「イチ」にも「ニ」にもあまり好感がもてないまま読み進みました。しかし、それが最後の最後になって、思わず「あっ」という驚きと感動に包まれました。

 これはまぎれもなく見事な恋愛小説だと思います。現代社会の日常の中に「恋愛」と言うものが依然として存在し得るとするなら、このような形でしか存在し得ないじゃないですか!きっと作者が言いたかったことはそういうことではないかと思います。
 それに恋とは時に、自分が恋していると気がつかない人にこそ、実は本当に恋していることもあるのです。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
4163296409
No.5:
(5pt)

一気に読んでしまいました!

「蹴りたい背中」を読んだことがあったので、本屋に平積みにされているところを買いました。

恋愛経験は本当に人それぞれだとは思うので、この恋愛に対する評価も様々になるとは思うのですが、
私はすべてすべて、ストンと心に落ちました。

気が付いたら、最後まで読んでいました。
集中して読んでいることにも気がつかなかったぐらいです。

主人公を始め、登場人物一人一人、どの人の気持ちも分かります。
特に、主人公からニへの気持ちは、とても共感できました。
分かってくれる友達を見つけた気分で、嬉しいです。
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No.4:
(5pt)

やっぱり読みやすい。

初めてのレビューです。

綿矢さんの作品は好きで、今までにも出版された3冊を読みました。
今回、新刊が出版されたということですぐに買いに行きました。

若い作家さんだからか、やっぱり読みやすいです。
難しい言葉もまったくなくて、ページ数も少ないので
ペロリと読破することができます。

内容は26歳のOLが2人の男性に対して思い悩むといった話でした。
悩んでいる様子が細かく書かれていてよかったと思います。
個人的には主人公であるヨシカ、ちょっと勝手すぎるんじゃないの?と思いましたけど。

レビューでこんなこと書くのもなんですが、
作品の最後の最後でニの名字が出てきました。これってなんででしょうね。
読んだ今でも不思議に思っています。

綿矢さんは好きな作家ですし、この本もおもしろかったので
☆5つとさせていただきます。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
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No.3:
(4pt)

読者が勝手に決めつけた彼女の魅力が彼女を振り回したか?

前作は読者が勝手に決めつけた彼女の魅力がなくなってしまったので、若干たたかれました。

なので今作は「蹴りたい背中」のあの何とも言えない感じを故意に復活させています。

綿矢さんも大人になってしまったのでしょう。

無理をしてひねり出されたような文章と感じた。

綿矢さんが綿矢さんを手本としてしまった作品と言えるでしょう。

純粋に書いてくれていいですよ。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
4163296409
No.2:
(4pt)

また書いてくれてよかった

まずまずの中編です。
最後までリズムを保っていて、一気に読める。
比喩や五感描写が冴えていて、やっぱり感覚の人なのだなと思う。
もう少し細部を掘り下げて長編も書けたような気もする。

前作が飛翔に失敗したような出来で、そのままずっと単行本の発表なし。
このまま寡作になっていって文学界から忘れ去られていくのかな?
と思っていた矢先の出版だったので、「また書いてくれたんだ」、
とファンとしては嬉しい限りです。

瞬間の心のさざなみをどこまで実際に感じたように書けるか、
そんなフィールドで勝負する人なので、社会派ドラマには挑戦しなくていい。
デビュー当時を彷彿とさせる原点回帰な作風には賛成です。

ただ、物語のテーマである「いちばん好きな人と結婚しないとダメですか?」
に対してですが、

「いちばん好きでなくても嫌悪感を感じる人とは結婚しない方がいい」
でしょう。匂いにすら嫌悪する男性にすがろうとする最後の場面は、
結構な無理くり感を感じてしまいました。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
4163296409
No.1:
(4pt)

インストールからのアップデート成功

発売初日にレビューが殺到すると思ったのだが、丸一日経っても音沙汰なし。まさか自分が一番乗りのレビューになるとは思いもしなかった。世間の評判が気になるところ。
さて、賛否両論あった夢を与えるから実に三年ものインターバルを経て、待望の新作がいよいよ登場した。初めて三人称で書かれた前作から、今回はデビュー作のインストールを思わせる饒舌ながらもリズミカルで、時に音楽的とも感じる言葉選びの妙による一人称の語りが復活しているのが嬉しいところ。
正直なところ、内容は高齢処女というコンプレックスを抱えるヒロインが、脳内で理想の彼氏として培養した元クラスメイトと現実の彼氏を両天秤にかけるという、ある種、陳腐なものと受け取られかねないものだ。けれど、前作が、凡庸なテーマを凡庸な文体で書いてしまったのに対し、こちらは凡庸なテーマを、あくまで非凡な文体で書き切ることによって非凡な作品となりえている。若き芥川賞作家の面目躍如。
勝手にふるえてろAmazon書評・レビュー:勝手にふるえてろより
4163296409

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