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天上の葦
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天上の葦の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 121~140 7/8ページ
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事情があって上巻を読んでから少し時間が経ってしまったが、下巻を中心とした感想を。上巻を読了後、太平洋戦争時の大本営発表に関連しているなとは思ってはいたのだが、予想を上回る骨太の壮大なスケールの物語には圧倒された。 下巻は主に曳舟島を舞台とした鑓水達の謎解き・冒険譚と、島の古老達の立ち振る舞い・回想談とで構成されるが、両者が次第に収斂して、作者の意匠が浮かび上がって行く過程が巧み。特に、史料を参考にした由だが、古老が語る「第15章」全体が、東京大空襲の迫真の伝記文学そのものとなっていて、本作の白眉と言って良い。「語り継ぐ」事の尊さ・重要性を見事に謳い上げているのである。その一方、島人達の素朴な人柄がともすれば重くなりがちな本作に安らぎを与えていると思う。 過去の禍根を決して忘れずに、未来への教訓として活かして行かなければならない、という作者のメッセージがヒシヒシと伝わって来た。上巻の冒頭の渋谷のスクランブル交差点で老人が指さした天空が、この「過去と未来」のダブル・ミーニングとなっている趣向にも感心した。また、本作の意匠はオーウェル「1984年」の予防策とも言えるもので、まさに報道の自由が脅かされている現代に対する警鐘となっている。全体としてはミステリ・タッチでありながら、気骨のある主張を強く織り込んだ読み応え充分の力作だと思った。 | ||||
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白昼の渋谷のスクランブル交差点で突然、老人が何もない空を指さして絶命した! 死の間際、96歳の老人はあの空に何を見ていたのか? それを突き止めれば一千万円の報酬を支払うという不可解な依頼が、興信所を営む鑓水と修司のもとに舞い込む。 そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消し、その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。 廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。 二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた! お馴染み・鑓水、修司、相馬の三人が恐るべき強大な陰謀に挑む、王道サスペンスシリーズの第3弾。 以上、そんな内容です。発売された去年の2月に、たまたま本屋で見付けてシリーズの大ファンだから狂喜乱舞で購入した作品で、 今年の本屋大賞ノミネート作品を知り一覧の一部にガッカリしつつ、今作品は本屋大賞にノミネートされるべき質はあったなと思い、確認のために再読しました。 シリーズ1作目の『犯罪者』は、権力と大企業の大掛かりな隠蔽工作に巻き込まれて、強大な権力からずっと命を狙われる世界No.1の王道サスペンスで、 2作目の『幻夏』は冤罪の恐ろしさを最高の形で切なく響かせる、世界No.1の冤罪サスペンスで、 上記2作に比べると、2作があまりにも良すぎる点と、今作品はサスペンスとしては下巻の序盤シーンはもう少し短縮してスリム化すべきと感じるので評価は少し落ちますが、 それでも『第二次世界大戦時に於ける日本国家の嘘八百の情報詐欺と、現代でも国家の情報詐欺が有り得る究極の怖さを描いたテーマ』は真に素晴らしく、 平和を考えるたい時・2度と日本が戦争に加わって欲しくないと考える時・国の未来を考える時にオススメです! 作品の質で言えば、本屋大賞2018にノミネートされないのがおかし過ぎる名作でした(^-^*)/ | ||||
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「犯罪者」、「幻夏」に引き続き、本書を読みました。 「犯罪者」は、企業隠蔽に行政と政治がテーマ。 「幻夏」は、冤罪に法曹、検察、警察と政治家がテーマ。 そして本書は、公安に政治家と国家がテーマ。 いずれもクライムアクションではらはらドキドキの展開。 三人の主人公が役割を分担し縦串になって、マスメディアが横串になるスタイル。 そしていずれも、”権力”に対して日本の世の中に一石を投じようとしている。 旬な”忖度”を課題として、戦時中にあった権力の行使に歯止めをかけていく。 何をもって「国益」とするのか。 はるか昔より、利害関係を背景に政治的および政略的活動に調略はあった。 高度情報化社会のいま、たしかな情報に如何に早く気づくべきであるか。 小さな芽のうちに摘み取っておくことを力説している。 戦時中の「国家総動員法」をはじめとし、「防空法」や「言論弾圧」や「粛清」。 そして、現在の「特定秘密保護法」、 「共謀罪」に関しても言及している。 テーマはだんだんと重々しく、難しくはなっていますが、手に汗握る攻防と推理は圧巻です。 | ||||
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午前中から読み始めて上下巻読了しました。鑓水・相馬・修司の3人は相変わらずのチームワークで三者三様の魅力を存分に振りまいてくれるだけでなく、今作は正光老人始め島のご老人や島の人々やジャーナリストの橋本がいい味を出してくれました。ともすれば暗いトーンで進みかねないストーリーを軽快に読み進めることができたのは愛すべき登場人物たちの日々の当たり前の営みの描写のおかげだったと思います。 先の大戦から今日までを通して国家の意思とそれを受けた報道に対する反省と警告は、かつてそこに身をおいて無辜の民を見殺しにしたとの自覚を持つ人物を通して語られるからこそこちらの喉元に突きつけられるような緊迫感がありました。 ただ、昨今のマスコミの報道の在り方を見るとこのストーリー展開に違和感を覚えます。もし立住が立ち上げた『国益』のような番組が現実に企画されるとして、それが内閣官房に圧力をかけられることがあるのかな?と。プレスリリースを見る限り至極真っ当な内容であり、もしこの番組が潰れるとしたら、とっつきにくいタイトルとTVに単純な娯楽要素しか求めない視聴者の賛同を得られないという理由ではないでしょうか。 また現実には政府を批判する意見が連日大手新聞に掲載され地上波ワイドショーで流れていて、国民はさして苦労もせずにそれらの情報を浴びている反面、政権側の意見は国民が積極的に情報を探さないと得られない現状との乖離が感じられます。そこは少し引っかかったものの、読後感は非常に良いです。 現代日本に生きてその豊かさを享受する私が先人たちが味わってきた辛苦に思いを馳せ、感謝を抱く貴重な機会をいただきました。 | ||||
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「犯罪者」「幻夏」と読み続けてきました。 3人の主人公が繰り広げる長編クライムサスペンスシリーズの三作目です。 それぞれのシーンの映像がはっきりと見えてきます。 公安、政治家、マスメディア、それに戦時中の出来ごとが絡んできます。 上巻はまだまだ、下巻に続けていく助走のような感じです。 マスメディアが意図して作り上げて国民の情報操作をしていくことなのか。 このシリーズは、いずれも社会に警笛を鳴らし、一石を投じています。 | ||||
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太田愛さん、ありがとうございました。 とても素晴らしい作品だと感じました。 あの戦争で国が何も知らない国民を誘導し、多くの苦しみや悲しみを与えたこと。 正光の多くの言葉が心に重く残りました。そして最後の手紙を読んで 思わず涙が出て、何度も読み返してしまいました。 今の平和は過去の苦しみの上に出来上がっている。この平和を失ってはならない。 言いたいことが言える時代がこの先も続くのだろうか… 少し危ない時代に入っているのかもしれない。 ”物語はすべて作者の創作によるフィクションである”との断りがありますが、限りなくノンフィクションに近いと私も思いました。 ぜひお読みください! | ||||
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政権批判ともとれる内容ですが話自体は良くできており面白かったです。 そして公安の恐ろしさが良くわかりました。 | ||||
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ぜひぜひ、全ての日本人に読んでほしい。 上巻はこれからどう物語が展開していくのかを知りたくて夢中で読み終えました。 主人公3人の言動の面白さや苦しい環境の中でもユーモアを忘れない様子に愛着を覚えました。 下巻に入って、深く深く考えさせられました。今まで戦争中の映画やドラマを見ても ただ”悲惨”であった事しかわかりませんでしたが、この作品を読んで”本当の恐怖”を感じました。 多分、事実に基づいて書かれた文章なのでしょう。 今年読んだ本の中で間違いなく1番で作品です。 | ||||
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全国紙の書評で非常にほめていたので、気になっていた本です。私は小説の単行本をまず買いませんが、この本は 権力による情報操作、共謀罪導入による国民監視と人権蹂躙の危険性を余すところなく描き切っていて、購入したことを 少しも後悔しておりません。あらすじの展開につれ、あまりの迫力にたびたび夜更かししました。 綿密な調査の上に、築かれた小説ですね。著者をこの本で初めて知りました。ただ欲を言えばもう1~2年 早く出版されていたら、もっと多くの人が手にとったのではと思います。個人的な感想ですが。 | ||||
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『究極のあっち向いてホイじいさん』は、日本の救世主だった‼️ ドラマ『相棒』の脚本家が描く、壮大なアクションサスペンスミステリー小説です。 大本営発表なんて嘘ばっかりだったと、今ではわかってますが、当時はみんな信じていたんですね。 今のマスコミ報道も、権力を持つ団体を忖度した物になっていないでしょうか。 とっても考えさせられる話であるとともに、読者納得の感動の結末になっています。いずれ映画化されるかも! | ||||
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久しぶりに面白い小説を読んだ気がします! ミステリーなのかハードボイルドなのかわからないけど、やめられません。 やめられなくて丸一日潰れてしまったけれど、満足です。 厚いので、本が好きでない人は苦手かも。。 本好きの人は必読です! | ||||
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私たちは新聞報道やテレ部等で現在の状況を知るわけですが、それが本当の真実を現わしているのかを吟味しなければなりません。 そういうことを思わせてくれる小説でした。今後の作品にも期待します。 | ||||
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壮大なスケールの物語で、楽しめました。物語の筋もさることながら警察組織の在り方、 メデイアの姿等知らない世界のことが興味がありました。 | ||||
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面白い。けど、ちょっと怖くなる。 この国の行方に不安を抱く人におすすめしたい。 なお、294ページに、今や国民の多くが知ることになった「忖度」という言葉が使われている。ここでは思わず笑ってしまった。 | ||||
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本当に共謀罪って危ない法律だと思いました。自由にものがいえなくなることは怖いですね。この本は、今とてもタイムリーで、ぜひ多くの人に読んでほしいとも思います。閣議決定を連発するのもおかしい気がします。今の文科省の問題はきちんととたえられるだろうか。権力によってこの問題はつぶされていってしまうのでしょうか。ここは本当にジャーナリスト踏ん張りどころではないでしょか。この本に書いてあるように小さな火種のうちは消すことができるが、大火になってしまっては消すことができなくなる。焼夷弾の嵐の中では、何もできなくなってしまう。本当に今が頑張りどころではないでしょうか。日本の未来、子どもたちに平和な世の中が続くことを願います。共謀罪が通れば、監視社会になっていく怖さを感じます。防犯カメラではありません。伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」にあるように監視カメラになっていると思います。昔は隣組で隣どうしを監視していたのが、防犯カメラが役割を担っているように感じます。何かがおかしいですね。おかしいことをおかしいと言いたい。それが許される日本の社会であってほしいです。 | ||||
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社会の現状を鋭く的確に分析しているなと思った 実際多くの読者が「だよなあ」と思ったはず | ||||
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社会の現状を鋭く的確に分析しているなと思った 実際多くの読者が「だよなあ」と思ったはず | ||||
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秘密保護法、戦争法、そして共謀罪、さらに前川前事務次官のスキャンダラスな報道(某新聞社と政府の共謀?)という現状のなかで非常にリアルな作品だと思います。「常に小さな火から始まるのです。そして闘えるのは、火が小さいうちだけなのです。」との言葉が印象的です。 「自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」多くの方々に読んでもらいたい作品です。 最後に、正光が死の直前に指差したのは・・・(ぜひお読みください)。泣けました。 | ||||
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大変素晴らしい作品です。今年読んだ本で一番面白かったといっても過言ではありません。 思えば作家としてのデビュー作である「犯罪者」については、以前にこのレビューでもケチョンケチョンにこき下ろしたことがありますが、本作での作者の筆力は比べようもないほど成長されたとお見受けします。 前作の「幻夏」を読んだ時から、成長の予感は感じておりましたが、まさかここまでとは。 デビュー作では鼻について仕方なかったテレビ臭も、本作ではむしろ良いほうに作用して登場人物たちのリアルで生き生きとした描写につながっており、TVウーマンとしての作者の面目躍如たるものが感じられました。 なお、これは余談ですが、特にデビュー作をお読みの方は読み終わってからちょっとしたあることに気づいて、アッと驚かれるかもしれません(個人的にはその辺もちょっと感動したポイントです。) 是非ご一読のほど、お勧めします。 | ||||
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是非新刊で購入し、作者にこのような素晴らしい作品を世に出したご褒美として印税をプレゼントしてあげてください。 久々にいい本を読んだ思いがします。 ここまで緻密に書かれた小説も最近見かけないような気がします。 何よりもこの本が素晴らしいと感じたのはきちんと結末をつけていることです。 最近の社会小説は結末において、その発端だけを記し、あとは読者の想像にお任せ、というのが多いように思います。 「読者に結末を預ける」といえば聞こえがいいですが、私には自分である結末をつけて、 それに対して対象の業界から反発をくらったり、結末に対する読者からのマイナス評価を受けたりするのが怖いので、 最後の下駄は読者に預けてしまおう、というように思えます。 そういった傾向が強い中、この本は最後まで描き切っており、それだけでも好感が持てると思います。 内容について触れることはさけますが、下巻の磯辺氏(登場人物)の言葉と最後の手紙は秀逸かと思います。 | ||||
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