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吸血鬼
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吸血鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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いきなり全否定して何ですが(他レビュアーの方を否定してるわけではありません)、この本について知りたいならば、ここにUPされる素人の「かんそうぶん」なぞ読まず超大御所、皆川博子先生による帯文を読むのが一番です。何が書かれているのかを知りたい方は今すぐワンクリックするか、書店で直接手に取ってそのままレジに持ってゆきましょう。関係各者みんなが喜びますし、貴方を失望させることもないと断言できます。 それを踏まえた上で で、このお話はいわゆる「ヴァンパイア」物なの?それともいつぞやの「エステルハージケラー」みたいな話なの?と質問なされるジャンルファンの方に対しては、 そのどちらでもありません。ただ、主要キャラである「男爵」様のお姿に世のイケメン吸血鬼のイメージソースであったバイロンの姿を見出される方には、あるいはジャンルに対する作者の挑発と受け取られるかもしれません。 ですが、全編に横溢する「血」の源泉が何なのか。実際の中・東欧の伝承に幾度となく姿を現している(何故「胞衣を被って生まれた」などという表現がされるのか)にもかかわらず、どうしても「伯爵」の影を追ってしまう我々の目から抜け落ちてしまう「存在」に目を向ける為だけでも本書に目を通して損はないと思われます。 惜しむくらいは、あまりにも精緻に作られすぎて、ギレルモ・デル・トロ的ハッタリに欠けている点でしょうか (まあ、あのミレー対ロセッティの「ウルトラファイト」が良いものかどうかは謎ですが)。 と、いうわけでそのあたりを期待する方には代わりといっては何ですが、本書最大の萌えキャラ、かのヨアヒム・ディートリヒシュタイン君の魂の親戚とも言うべき、「今となっては目も当てられない元イケメン」クワルスキ男爵様の歩くゴシックの廃墟っぷりを堪能されることをお薦めします。 ラストにはちゃんと屋台崩しもありますよ。 | ||||
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一流の海外文学を、一流の文学翻訳家が訳したらこうなるでしょう、という品位を感じました。これが日本語を原語として書かれたのだから凄い。 読書中よく、私はホーソーンの『緋文字』を思い出しました。時代設定が放つ黴臭さ、土地設定が醸す土臭さ、泥臭さが、世界文学を読んでいるかのような感触でした。それでいて詩情で、美しい。 「吸血鬼」を題材に選ばれたこと、またそれに二重の意味(ダブルミーニング)を持たせたことはお見事です。 その時代、その土地に対する知識、造詣の深さだけでは書ける物語ではなく、まさしく佐藤亜紀さん一流の才気の面目躍如というところでしょう。一体何をどうしたらこんな小説を書けるのでしょうか。 | ||||
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