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護られなかった者たちへ
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護られなかった者たちへの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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読書録「護られなかった者たちへ」3 著者 中山七里 出版 宝島社文庫 p130より引用 “ 理由の一つは、悲しいかな財源を詐取しようという輩が いるからだ。エセNPOに被災者詐欺、生活保護不正受給。いず れも緊急性と善意で集まったカネだ。不法に使ったとなれ ば、普段より風当たりが強くなって当然だろう。” 目次より抜粋引用 “善人の死 人格者の死 貧者の死 家族の死 恩讐の果て” 大震災後の仙台で起きた殺人を巡る、人を支える社会制度 の難しさを描いた長編ミステリ小説。他社刊行作加筆修正文 庫版。 ご近所からの苦情を受けて、所有するアパートを確認しに 行く男性。普段から口うるさく苦情を入れてくる相手にうん ざりしながらも、現地へ赴いたところ…。 上記の引用は、市民からの不正に対する通報について描か れた一節。 生活できないふりをして、余分な贅沢品を持っていられたり したら、まあ穏やかな気持ちではいられないのではないで しょうか。そういう人がいることで、本来貰わなければ生活 できない人に保護が行き渡らないのは、問題です。 まさしくこの問題を描いた一冊となっていて、考えさせられ る部分が多いのではないでしょうか。 途中も読後も、ずっと気持ちが乗らなくて、スッキリとし ないままな作品。楽しく読書したい人には、全く向かない作 品であると思われます。 映像化もされているようなので、読書するのが苦手な人は そちらに当たられると良いかも知れません。 ーーーーー | ||||
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読み進むうち何となく展開は読めますが、最後まで面白く読めました。 ただ、生活保護における保障制度の問題提起として誇張して描いたかもしれないけれど、仕事上生活支援課や受給者の方と接する事のある自分は、申請時のそんな話聞いたことない。 対応の仕方は人それぞれとはいえ、日々仕事に取り組んでおられる職員の方々を思うとフィクションとしても、少しモヤモヤしました。 第一、被害者は当初「善人」として描かれていたけれど、申請者に対しての態度を見る限りそんな奴は同僚に対しても「嫌な奴」に違いない。 | ||||
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生活保護の問題点を描くのに多くの時間が割かれてすぎていて、だんだんと食傷気味になってはくる。謎解きパートは少ない。公務員批判と受け取れる程に市民側寄りの描写なのに、批判ではないよとおためごかし程度に主人公にフォローさせたりも鬱陶しい。主人公があるとんでも主婦が不正受給して子供を塾に通わせる詭弁に同情さえしたりする場面も。余りの偽善ぶりに辟易してくる。 | ||||
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それを言うならもっと頑張ってほしいところです。個人的にはトリックや仕掛け の類は大好物ですが、本書のそれは「だからどうした?」のパターンです。とい うか、いりますか?こんな取って付けたようなどんでん返し。むしろ蛇足では? しかもこの手の宣伝文句があることで、ならこの人は犯人じゃないから……と、 早い段階で犯人の目星が付いてしまい、中盤には確信に変わります。そうなると 後はわかり切っている展開をただ確認するだけの退屈な時間になってしまいます。 物語の筋も、組織や制度に虐げられた弱者が云々といったもので、特に目新しさ はありません。刑事犯人被害者らもシンプルで記号のような人物描写しかなく、 つまらないとは言いませんがそこまで惹き込まれるようなお話でもなかったです。 結論としては、序盤での期待感がどんどん薄れていくタイプの小説でした。この 作者の本はどれも、どんでん返しを描きたいのか、社会派ミステリーを描きたい のかがよくわかりません。どっちつかずで中途半端になっている気がします。 | ||||
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日本の社会福祉には多くの問題がある。本当に困っている人間が保護されず上手くやった人間はお金を掠め取り笑っている。そういう事を作者は訴えたかったのはよく理解できます。 ただサスペンス小説と考えた時に少し物足りなさを感じました。かなりの高評価だったのでハードルは上がっていましたがもう少し緊迫感が欲しかったです。 | ||||
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まずこの小説の題材の一つでもある東日本大震災と社会保障について、僕は十分な知見を持っていない。なのでそれらについて少しは知る良いきっかけとなりました。 しかし登場人物がステレオタイプに感じてしまって、個人的には肌に合わなかったです。オチもいい感じだけど、読めてしまった感もある。 | ||||
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映画化もされた社会派ミステリー小説。48歳で遅咲きデビューした多作作家・中山七里の単発作品であり、仙台を舞台にしてくださいと依頼されたらしい。 期待していたほど面白くなかった。他の中山氏の著作にも言えることだが、登場人物の名前が覚えにくい。主人公の刑事からして笘篠(とましの)である。 主要登場人物を印象付ける目的ならまだわかるが、数十行で出番が終了するモブキャラですらレアな難読苗字だったりする。 瀬能英助、郡司典正、上崎岳大、渡嘉敷秀子……以上は作中特に重要ではない人々。サラッと読めるかこれ……? 上崎岳大に至っては利根がネカフェのパソコンで検索するんだが、沖縄から北海道まで膨大な数ヒットしていた。 いやいや「上崎」ならわかるが「岳大」と合わせた読みでそんなヒットする?と本筋と関係ない所で引っかかってしまった。 生活保護を扱った作品は「悪い夏」「希望が死んだ夜に」「あの子の殺人計画」「健康で文化的な最低限度の生活」「ルポ川崎」他、ノンフィクションやルポルタージュを読んでおり、個人的にも関心を寄せるテーマ。 以上の書籍と比べ、本作が突出して優れているとは感じなかった。むしろ上記作品群の方が生活保護を受けざる得ない人間とケースワーカー、窓口の職員に真摯に向き合っていた。 豪胆さの中に謙遜も持ち合わせる遠山けいの造形で読者の心を掴んだものの、被害者である三雲や城之内の二面性は安っぽい。 悪役として、否、人間として書き方が薄っぺらく、遠山けいをアレだけ生き生き描けるのに何でこっちのリアリティーは出せないんだ……ともどかしい。 小悪党の五代や保護司など魅力的なキャラはいたものの、「役所の人間も組織と個人の間で苦悩している」というなら、肝心の被害者に肉付けしなけりゃ重厚さは生まれない。 三雲に関しては誰からも慕われる善人としてミスリードしていたにもかかわらず、けいの申請却下に纏わるエピソードの落差が凄いというか、「全然善人じゃなくね……?」といかにも取って付けたように感じ戸惑った。 彼自身けいの餓死に思うところあって多少改心したのかな、と思ったが円山は否定してるし。 もうすこし葛藤や内面を描写して人間味を持たせた方が、行政のシステムに縛られた公務員の解像度が深まった。 百パーセント完全な悪人、ないし善人は世の中存在しない。 さらにひっかかるのは笘篠が東日本大震災で妻子を亡くした設定。この過去が利根への共感の源になっているらしいのだが、その割には妻や息子の名前すら出てこないし、思い返す頻度が極端に少ない。 最愛の妻子と過ごした思い出たくさんあるでしょ?なのに遅くにできた息子の名前や、死んだ時何歳だったのかすらわからないぞ……。 それが作中で描写されていたら、もっと笘篠への感情移入が捗ったのだが、良くも悪くも捜査の進捗や福祉事務所・警察・裁判所の裏事情の描写に終始するので、ろくに語られない絡んでこないこの不幸な過去本当に必要?とひっかかる。 利根の犯行動機が震災に関係してたら共感を抱くのもわかるがそういうわけじゃないし。組織人、刑事としての特性に寄りすぎて感傷的な過去とバランスを欠く。 あとは保護司の篠田の「チョンガー」発言。 自分の勉強不足は恥じるのだが、えっ差別用語?在日の方?と誤解してしまった。後でぐぐったら独身男を意味する古いスラング(方言?)と判明。 「独り身」とか「やもめ」とか他にいくらでも言い換えられるのに、わざわざこんなわかりにくい表現採用しなくていいのでは……。 けい・カンちゃん・利根の疑似家族パートは面白かった。ただミステリーとして読むと、割とすぐ真犯人に気付いてしまうので物足りない。円山の動きが怪しすぎる。 中学生なら一人で留守番させてもいいのでは、わざわざご近所に、それも高齢者の独居世帯に預けるなんて過保護だな……と思っていたが、ちゃんと理由があった。年齢を合わせる為か、納得。 作中けいが腹を膨らませるためご飯に調味料かけて食べてることを察し、利根が泣くシーン。自分もたまにやるので、えっ、割とおいしいぞバター醤油ごはん……と心があとじさったのは否めない。今まさに窮乏してる人間と、一応は足りてる人間を比べるはの想像力のない行いか。 生活保護打ち切り対象のヤクザを訪問した時、「ベンツは見栄で買った」と円山は説明していたが、ヤクザは銀行口座を持てないので、現金を入手したらすぐ車や腕時計など貴金属に変換するのが常識。その指摘がなかったのも残念。 丸山ゴンザレスとかYouTubeの裏社会系ゆっくり解説動画でも得られる知識なんだが……。 生活保護や社会保障の在り方を考えさせられる興味深い話だったし、買って後悔はしてないのだが、一部登場人物の描き方がチープで血肉が通っておらず、この手の人間性が問われるテーマと、その手の底の浅さが嚙み合わなかったのが評価を下げている。 現地取材せず資料に当たって書く作者の主義も関係あるのか、社会派テーマの作品で活字からのみ知見を得るのは、ダビングを繰り返したテープを見てるようで、痒いところに手が届かない残尿感を残す。 なんというか、音や匂いや温感のある現場に生身で立ち会った気がしない。レイヤーを何層か通して見てるような解像度の低さ。 利根が最後の標的に接触すべく徘徊するパートは、思考が横道に逸れすぎて冗長。けいやカンちゃんとの回想シーンを挟んで盛り上げるならまだしも、挿入されるのは刑務所学校の豆知識とか生来の真面目さ故に貧乏くじ引きまくってる事への自虐なので、「いいから先に進めて……」とだれてくる。カプセルホテルの快適さに驚く場面要った? 自分は泣けなかったが、この小説で感動する人もいるはず。どちらかというと「考えさせられた」って感想がしっくりくる。 終盤の利根が実は……などんでん返しは面白かった。 映画の方は生憎未視聴だが、利根が空港で逮捕されるシーンは結構シュールだったんじゃないだろうか……。 社会派作品に泣けると感想を述べたり感動を求める風潮はぴんとこないが、本作で感動した、泣いたというひとには天祢涼の仲田蛍シリーズをおすすめしたい。あっちの方がキャラクターとテーマが噛み合っていて心に響いた。 | ||||
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途中までミステリになってない、なんだかすごい小説。叙述トリックがでてこないと、ミステリにならないから、叙述トリックがくるんだろうなあ…じゃないとミステリじゃないもんなこれ…って思いながら読んでいくという…。「ミステリであること」がねたばれなんだが、商品説明に書いてあるから、なんだこれ。相棒のボーダーラインの真似をやろうとして失敗したのかな。生活保護問題を真剣に考える場合、不正受給者はパーセンテージを踏まえてもとりあえず「無視」するほうがいいんじゃ、ともおもった。 | ||||
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前に読んだ「さよならドビュッシー」がもう一つ乗れなかった(コバルト文庫みたいで)のでおそるおそるだったが、これの方がまだよかった。「どんでん返しの帝王」というのはそういうことね、 「ナマポ」と呼ばれる「生活保護」に纏わる問題を取り扱っていて、題材にも扱いにも悪いところはない。ただまあ・・・何か薄味な感が否めない。「誰も悪く言う人がいない」ほどの人が「実はワルい人だった」ともっていくには描写が通り一遍で不十分だ。61年生まれということは56,7で書いた作品だから若書きとも言えない。映画版は演出力と演技力でよいものになっているかもしれないね。 | ||||
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大切な人を失った者の復讐劇の中で、社会福祉のシステムや現状について考えさせられる一冊でした。 | ||||
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社会保障システムが軸になっているのもあり、硬く冷たい質感を活字から生々しく得た。丁寧な人間の様子と思いの描写も相まって痛く刺さる。まどろっこしいくらいの物語の紡ぎ方で、中盤をざっくりと読んでしまった私には良い悪い関係なく拾いきれていない部分もあると思い、推しすぎないよう星3つ。誰かが誰かを護ろうとするあたたかみは間違いなくあるのに、それを軽く凌駕する冷ややかで薄暗い現実にチクチクと刺された。 | ||||
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今日の文学として重宝若しくは重視される傾向として、非日常性と非連続性というものがある。 これはジョルジュ・バダイユが説いていたもので「読み手を驚かせる事を重視している。即ち非日常性と(あり得ない出来事の)非連続性」と解釈されるだろう。 この手のサスペンス、推理ジャンルは正に非日常性が重視されていると言っても過言ではない。 私はこういった推理物はやや苦手である、特に警察が絡む物は。 どうしても土曜サスペンス劇場と言った先入観が拭いきれないし、文学に求めているのが驚きではなく感動だからである。 推理物を好む人はトリックや真犯人の発見と言う驚きを共有したいという人なのであろう。 そういう意味では本書の容疑者を犯人と思わせる記述、真犯人を無実と思わせる記述は見事である。 ただラスト数十ページで事の全容が暴かれると言うのは、この手の作品に限った事ではないだろうとは思われる。 そう言った意味では何度も繰り返し読んで反芻したいという物ではなく、その他の現代文学作品同様に一度読んだらそれでお終いと言う域は出ないであろう。 これは文学に限らず昨今のメディアやモノ作りにも同じ事が言える「似たような物ばかり」と言う現象にも言えるのではないだろうか。 | ||||
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作者の小説を初めて読みました。 個人の感想として殺人の動機が弱い気がしてならない。 小説に「もしも」はどうかと思うがこの小説の中で自分が犯人であったなら 相手を恨む前に、自分を責めるのではないか。 って思ってしまい、折角のどんでん返しの「やられた感」も、若干冷めた気持ちで 読んでしまった。 出来れば、もっと犯人に感情移入できる内容であってほしかった。 評価の高いこの小説の少数意見覚悟でのレビューです。 | ||||
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読み切り直ぐに知人に渡す | ||||
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この方の作品はいくつか読ませてもらってますが トリックありきで、不自然な点がある場合がありますね。 今回でいうと事件のタイミングであるとか。不自然というか出来すぎている 作品のテーマはよかったと思います | ||||
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個人的に仙台に住んでいるので、馴染みのある地名や話題等が小説をよりリアルに感じさせてくれた。 ただ、小説内で描かれる悪役がステレオタイプ的で非常に浅く感じてしまった。 この事から社会問題を極端に単純化している小説という印象を受け、いまいち物語に没頭できなかった。 福祉の過酷な現場で働く人への配慮や救いがもう少しあってもよかったのでは…? | ||||
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震災から復興する仙台を舞台に生活保護受給の闇をテーマとした社会派ドラマとしては読ませるが、どんでん返しの帝王という異名が災いして、読者をミスリードさせようとする作者の意図が丸見えになってしまうのが残念。しかもそのどんでん返しがちょっと強引で、衝撃のラストというより個人的には白けてしまった。途中までは面白かったのに。 | ||||
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ネタバレありです レビューよかったので読んでみましたが、これ系の小説が好きな人には物足りないと思います、文章のテンポが悪いので読者に考察の隙を与えてしまい予想した通りの展開になるところが残念でした。(女装、カンちゃんが犯人の件、けいさんがティッシュ食べて死ぬ所) 罪を犯した人にもそれぞれの正義がある所が役者さんのイメージを損なわないから映画化にうってつけの作品だと思いました。 利根がやたら真面目だ真面目だと言われているのに違和感がありました、カッとなって放火しといて真面目ではないだろうと思います。知らんけど。 | ||||
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生活保護という制度がこの物語の中心になるが、フィクション故に物語の中で語られる生活保護の実態も何処か誇張されたフィクションの一部に感じてしまう。 ネタバレの可能性があるので詳しくは書かないが、犯人が殺人に走る動機や流れが雑で少し置いていかれる。 もう少し動機について掘り下げても良かった気がする。 | ||||
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もっと意外性のある内容だと期待していた分、あまり面白くなかった。 ただ、本の中に描かれている生活保護の現状はリアルなんだろうなと考えさせられた。 | ||||
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