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夫婦茶碗
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夫婦茶碗の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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町田作品はエッセイ「猫にかまけて」しか読んだことがなかったが、これは面白かった。比べていいものかどうかわからないが、筒井康隆の「敵」に雰囲気が似ている。表題作は夫婦間の微妙なずれから生じる狂気を描いて、最後にちょっとほろりとさせるあたり、上手い。同時収録作品も、かなり笑ったが、笑いながら男性の心理ってこういうものかと妙に納得させられ、なかなかいい味を出している。来年、追いかける作家の一人になるかも。 | ||||
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そういえば知人に薦められていたと思い出して手に取った一冊。面白い。 とくに「人間の屑」が好きだ。解説の筒井氏も書かれているが、狂気が作品の素晴らしいエッセンスになっている。昇華、とも言い換えられるだろう。 歯切れ良い文章も健在。ただ、私の勉強不足でたまに難しい言葉に出くわすと読みづらい。 自分に残念だ。こういう書き方がパンクかどうかは分からないが、町田氏が天賦の才を有していることは自明だろう。 | ||||
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俺の人生ダメ人生。 過去は悔いても悔いきれず、凡ては己が不義理を積み重ね、弱さと立ち向かっちゃぁ来なかったからで、ちっちゃな虫にも五分の魂アミラージ、わぎゅう俺は闘士だと、有り金叩いてきりよで四角、汚い部屋も片付けて、立ってね茶柱お願いだから。 立ててこます。 | ||||
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照れ隠しのような冗舌な文体で溢れる文学性を包みこんで実体をつかませず、気がつくとがっちり心を鷲掴みにされている。 彼の本を読んでいると、いつのまにか自分の文章も影響されてしまう。 まるで現代の太宰治だ。 毛嫌いしている方も、一度は彼の本に目を通してみてください。 | ||||
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とにかく主人公はダメ男です。 しかもあまり人々に害なないタイプです。 茶柱を立てようとする最後のシーン。 本当にダメ男だなぁと思いました。 しかし、その表現がなぜだか胸を打つ! 不覚ながら泣いてしまいました。 | ||||
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本を読むとき、人は基本的に黙読する。当然である。そうした方がテクストの内容を素早く脳みそに焼き付けることが出来るからだ。まあ、音読をずっとするのもしんどいという事情もある(笑)。 でも、多量に本を読む人間からすれば、しばしば音読したくなる文章に遭遇してしまうことがある。「あっ、なんかいいな、この文章」とかいった感じである。 で、内容に戻る。町田康の『夫婦茶碗』である。極めてよろしい。私の好きな村上春樹と全く正反対を向いているけど宜しい。実に音読したくなる文章ではないか。 また、これは舞城王太郎の文章にも言えることだが(というか舞城が町田康の影響を受けているような気がする)、一見、書きなぐっただけかのように思えるが、実は「破綻しそうで破綻しない」というアクロバットを決めている訳で、これは生半可では真似出来ない文体であると思う。というか、個人的な意見だが、町田康は絶対に上方落語に耽溺していると思う。 | ||||
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とにかく凄い。あふれる言葉のドライブ感。真剣な阿呆のめくるめく日常。町田康の本はどれもお勧めですが、私はこの本が一番好きです。特に表題作「夫婦茶碗」。些細なことが気になってぐるぐる思考が止まらない甲斐性なしのメルヘン男とその妻の噺。すみずみまで行き届いた奔放さ、ジョークのリズムに笑いが止まりません。破天荒さにぐいぐいと引っ張られてあっという間に読了間違いなし!もう一作の「人間の屑」はさらに特に終盤にかけてぐいんぐいんと話が突き進んでいきます。猫好きの人にお勧め。 | ||||
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え?町田康?って誰?何する人? なんて友人がいたら、僕は黙ってこの本を差し出す。 「夫婦茶碗」は、普段あまり小説を読まない人や、町田康なんて知らねえよ、という人に、町田康の小説の素晴しさを知ってもらうための入門書としては、最適な一冊だ。 この本に収められている二つの物語には、「愛」という共通のテーマがあって、これは他の町田文学にはあまり見られない要素である。「夫婦茶碗」では夫婦の愛、「人間の屑」では父親の愛が描かれているが、そこはやっぱり町田康。愛は愛でも、ここに描かれているのは落伍者、負け犬の愛であって、その愛情表現は悲惨なほど不器用である。 僕にとっては、「世界の中心で愛を叫ぶ獣」に似た題名のしょうもない小説より、よっぽど切ない純愛小説です。「人間の屑」の後半、主人公がビデオカメラにむかって独りでしゃべる場面は何度読んでも泣ける。 関係ないけど、町田康がこの本を出したとき、奥さんは死ぬほど嬉しかったんじゃないかな。 | ||||
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2編が収録されているのですが、現代日本文学でこういったものが登場するとは思いもしませんでした。故・中島らも氏が「今の文学で面白いと思ったのは彼ぐらいだ」と言ったのには納得できます。ページを埋め尽くした文字量に躊躇するかもしれませんが、反対に読み応えは軽く、テンポを計算された文章を楽しんでもらいたい。 | ||||
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割りと、正統派の文学から始まり哲学書・仏教・・多岐に渡り読んでいた。 ヒョンな事からたまたま町田作品を手にとる事か゜あり、読んだ。「くっすん大黒」だった。 最初、何これ?と訝ったが、読み進む内にすっかり不思議ワールドに迷いこんだ。まるで゜不思議の国のアリスみたいだ。 人生に悩み落ち込んでいる人には是非に薦めたい。(笑)お釈迦さまもソクラテスもぶっ飛ぶに違いない。彼が大阪人と知って納得。 大阪人特有の天性の吉本か? 本を片手に思わず笑いが噴出す。それから町田ワールドにドップリ。 「夫婦茶碗」より人間の屑が良い。 ハチメチャでいながら、実はその時その時を一生懸命生きている主人公か゜いとおしい。読後とても哀しかったよ・・・ただ、単に泣かせる作品は多い。 泣かせるより、笑わせる方が難しいよね。町田の作品は笑わせてあとジワーンと哀しみがくる。町田康ってメチャメチャ生真面目で、正統派の人間なんじゃないの?それを恥じと思ってるところある感じ。 とにかく、無条件ではまった。オモロイ!町田最高! | ||||
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甲斐性なしのダメ男が主人公の短編二連発。二人とも本ッ当にダメダメ(笑)。ダメ男なりに一応考えて行動を起こしたりするのだが、まあロクなことにはならない。そのナンセンスな文章と展開がおかしくって、不思議に憎めないダメ主人公に愛着がわいちゃってもっともっとつきあっていたいと思わずにはいられない。短編であることが残念で残念で・・・。 | ||||
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僕が一番好きな町田の本である。 というよりは、一番好きな本である。 なぜか。美しいから。 堕落した現状を打破しようとする主人公。 でも打破できない。堕落しているから。 そんな彼の葛藤が次から次へと展開されていく。 もちろんそんな彼の行動なんてロクなことではない。 飯屋で高笑いをあげている童話作家を見てうらやましく思い、 自分も童話作家を志し、とんでもない童話を書いてしまったり、 今時皿洗いの仕事を求め、団地を叫び歩くなど・・・。 だがこの完璧なまでの「世間知らず」が妙に美しい。 これは間違いなく町田康の力である。堕落論を唱えた坂口安吾に近いものがあるかもしれない。 いやむしろ、安吾よりも堕落の美しさを巧く表現していると思う。 僕はこの作品で町田ワールドの虜になった。町田の作品は、正直訳にはたたないかもしれないw だがしかし、僕には今までにない感性が備わったように思う。 色々な感性を持って人生を生きたほうが、楽しいでしょ? | ||||
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ほかのレビューを見てみると、絶賛もしくはゴミ扱いか、みたいです。絶賛する人には、町田はそんなに上手いわけではない、と言いたいし、ゴミ扱いする人には、あんたはパンクを分かっていない(他者がいることが分かっていない、知識が足りてないんだよ)、と言いたいところです。 特に、ゴミ扱いする人には、あまり適当なことや一般論で、町田の文学をけなしてほしくないです。 個人的には「人間の屑」を先に読んでから、「夫婦茶碗」を読んだほうが分かりやすいと思います。「人間の屑」はパンクの説明でもあるように思います。 | ||||
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夫婦間または男女間の感性の差違についてかなり述べられています。 妻は決して主人公の救世主ではない。 様々なシーンでの妻の奇行。 しかし、彼女がいないとこんなにスポイルされていまう。 男って不憫ね…と思ったりしました。 生活できなくても、ロマンを求めてしまう。 例えばの話、妻に薔薇を喰えと言うこの男。 パンを喰わせろ。 ギャグも薔薇の花束の間にあるかすみ草のようなたぐいで、いい味を出し炸裂しています。 | ||||
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私の町田康との出会いはこの本だった。 読みはじめこそ違和感を覚えたものの、すぐに引きずり込まれた。 「こんなんでいいんだ」という気の抜けた感じと、独特の言語回しに取り憑かれた。 『夫婦茶碗』は、堕落した流れの中に所々、 ひっかかっている暖かい思い出のようなものが好き。 | ||||
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いわゆるダメ人間のお話。適当な事を考えては、失敗する。些細な事で人格崩壊して、また無職。そんなすさまじくダメだけど、すさまじく素敵な人生を描いた本です。 たしかに、主人公はダメ人間だと思います。けれども、普通のダメ人間じゃない所は、ちゃんと行動に移せるということ。現実社会のダメ人間は、考えるばかり、文句を言うばかりで結局自分じゃ何もできない人が多すぎる!しかし、この主人公はとてつもなく考えることはダメだけど律儀に行動するのです!そこがこの主人公のチャームポイントでもあり短所でもある。 母親にこの本を薦めた所「つかれる」と言われてしまったので中高年の方にはあまりお薦めできませんが、若人は他の町田作品含め、是非とも読むべきです!(力説) | ||||
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働かざるもの食うべからず。しかし、そんな気にゃ到底ならん。 真面目に働く気になっても世の中が見えてしまってまたメルヘンへ。 すごいダメ人間を面白く書いてあってうわっ!なんだこの文章!って 笑えるんだけど、読んだあと気持ちはあんましすっきりしないけど、 たまにはてきとーに開いたとこから読んでみたりしています。 | ||||
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「夫婦茶碗」も良いけれど、 併録されているもう一編「人間の屑」がまた面白い。 どうしようもなく労働できない主人公。 これがまさに人間の屑なのだけれど、 屑の弱い心にも優しい部分があり、それが妙にリアル。 ラストにエアガンを連射しながら「僕は和牛だ、わぎゅう」とわめきながら、 やくざの集団に攻撃を仕掛けるシーンはまさに圧巻。 “和牛”という一言で日本人全体を象徴するかのように錯覚させられてしまう。 これは必読の書です。 | ||||
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馬鹿にはセンスのある馬鹿と、ただの馬鹿がいる。 この作品に登場する馬鹿は、センスのある馬鹿であり、 この作品に感情移入できる人もまた、センスのある馬鹿である。 パンクと同様に、社会批判的なメッセージを多分に含んではいるが、 単なるアナーキーイズムでは終わらない、清々しさが残る。 疲れた私達に、生きる喜びと活力を与えてくれる、貴重な一冊である。 | ||||
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町田康は人間の間抜けな一面を真っ直ぐに書く天才である。 語り手「わたし」は、お金がないにもかかわらず働こうとしない。せっかく手に入れたペンキ塗りの職も馬鹿馬鹿しくなり放り出してしまう。その後も質屋に行ったりメルヘン作家になろうとしたり、まともに人生を立て直そうと考えない。決して明るい小説ではない。それでも時折声に出して笑ってしまうのは、その独特で軽妙な文体のみならず、「わたし」の間抜けぶりが堂々と描かれているためである。ペンキを塗る前の「壁こすり」が何のためか分からぬと告白しておきながら、その理由が了解できた後の文章では得意になって解説する。 こうした自己防衛的でなく、無邪気に本性をさらけ出しているところは笑えるし、好感も持てる。失業中の人の気分転 | ||||
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