■スポンサードリンク
銀河鉄道の父
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
銀河鉄道の父の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 101~104 6/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮沢賢治の生涯を父政次郎の視点から描いた物語。 勤勉で優秀、地元で質屋を営み信頼も厚く頼りになる父の政次郎。そんな父の期待を一手に背負った長男賢治の生き様が、政次郎の視点から鮮明に描かれていて読み応えがあった。 賢治のために一家の主が自ら病院へ行って泊まりで看病をする、子どもの意を汲み選択を支持しお金も環境を惜しみなく与えるといった「父でありすぎる」きらいがある政次郎。そこには賢治に対する惜しみない愛情が詰まっていた。 一方、賢治の目からは、命の恩人で、保護者で、教師で、上司で、抑圧者でなによりも絶対者であり、大きな存在である父のようになりたいという想いをもちつつも、そうなることはできず、経済的にも精神的にもひとり立ちができない。そんな苦悩と葛藤が痛いほど伝わってきた。 様々な生き方を模索し、苦悩し、考え続けた賢治だからこそ他の誰にも描けないような詩や童話を描くことができたのだと思う。 絵本や国語の授業などでしか読んでことのない宮沢賢治の苦悩を知ることができる一冊だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
帯のコピー「天才の父は大変だ!」を真に受けて、 これは宮澤賢治と父親のハートウォーミングな 若干コミカルな、井上ひさし風の物語であろう・・・ と読み始めたが、思いの外どっしりとした内容に やや意外な感じがした 賢治の父親、政次郎の目から見た息子賢治が産まれ、育ち、 進学し、成長し、宮澤賢治となってゆく過程を 切々と語ってゆく本であった。 質屋として経営者としての自分、 明治世代の家長としての自分と かわいくてしょうがない男子の父親としての自分、 そして溢れる才能を持つ天才のパトロンであり 庇護者である自分 読者は、自分はこの本を読みながら自分は 賢治側の天才ではなく父政次郎側の凡夫であることを しみじみと実感するだろう 一般の賢治ファンは彼の教師や指導員としての献身や 童話から優しくて聖徳な印象をまず第一に持つ そして次に修羅の詩をはじめとする彼の激しい創作や 宗教的情熱を知ることにより彼の人間的山峰が意外に険しく 孤高であることにひるみつつ引き付けられてゆく そのまま賢治熱が信仰とか崇拝に過ぎてゆくと、 賢治を天才とか偉人とか持ち上げるあまり、彼を華美で 上等な箱入りの装丁本にしまい込んでしまう恐れがある そこで、そんなタイミングでこの父親目線からの賢治本を 読んでみてはいかがだろうか? あの天才 (天才という言葉はややニュアンスが違う気がする、 才能や創作の資質に恵まれた人、みたいな表現が近いかな) は父親から見ればあやうく、放埓で、だらしなく、 現実に適応できてない放蕩息子賢治なのだ だけれども、それらのマイナスを埋めて余りある才能と天稟に溢れるアーチスト宮澤賢治でもあるのです そうか、 賢治とはアマデウス・モーツァルトであったのだな・・・ とアンハッピーでありながらハッピーエンディングな 不思議な味わいの最終章読み終えて、嘆息とともに本を閉じた | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
賢治死後の父政次郎の生涯がずっと気になっていました。 私の読んだこれまでの様々な評伝や伝記からは断片しか伝わりませんでしたので、本書は賢治作品理解に新たな光が当てられたと思います。 賢治の評価は現在に至るまで高まっています。 さらなる政次郎さんの生涯が知りたいと思います。続編を期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
辛くもあり、楽しくもある充実した読後感でした。 宮沢賢治が好きで東北の大学に進学し、花巻のすぐそばに2年ほど就職し、毎週のように花巻を訪れていた時もありました。 さまざまな研究本なども読んだりしましたが父政次郎が「こうだったらいいな」と思うような心の流れを綴ってくれている、と感じました。 様々と言われていますがそもそもは本人も嫌っていた父親の仕事がなければこんな生活は出来ないという矛盾、父から離れようとし、近づこうとする息子。それに反対はするものの見守る父親。 賢治も「金持ちの道楽」と言われることもありますが、考えてみたらあれだけ道徳に厳しい父親がただ息子可愛さに放蕩を援助するのだろうか? 本人の信条が確信した援助だったのでは?と考えると話の筋は入っていくし、自分は「そうであってほしい」と願うところです。 父親のことについてはそれほど知らないため新しい話は入っていないのかもしれない。しかし私には素直に入ってくる話でした。 もしかしたらこの数十年の間に自分が父親になった事とも関係しているのかもしれません。 ビジネスだけで見ても父の投資はその何万倍、何十万倍?(笑)にもなって宮澤家、そして岩手県にリターンとして入り続けています。 子供に先立たれることは身を切られるより辛い事ですが、その魂が少しでも癒されることを期待してます。 この方の他の作品も読んで見たくなりました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!