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銀河鉄道の父



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銀河鉄道の父

銀河鉄道の父の評価: 4.51/5点 レビュー 116件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 81~100 5/6ページ
No.24:
(5pt)

父と子の関係

本著は直木賞受賞作品で宮沢賢治の父親である宮沢政次郎の視点で宮沢賢治を書いている。
宮沢賢治と言えば、「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」「雨にも負けず」、また岩手県をモチーフにした「イーハトーブ」という美しき理想郷。
地元の名主でお金持ちの家に生まれた事がコンプレックスであり、県下一の学府盛岡中学校、そして盛岡高等農林学校卒業の頭の良さ。愛嬌があり色んな人から慕われる人望ある青年。貧しい者・困ってる人を放っておけない優しさ。
そんな彼は家業の質屋を継がせようとする厳格な父親とは反りが合わず(宮沢家は浄土真宗だが賢治は父親の大反対を押し切り日蓮宗に改宗する程日蓮宗に心酔していた)何度も家を出る。ですが、その自由奔放さが返って彼の幻想的で我々読者の想像力を駆り立てる作品に繋がった。

詳しくはかきませんが、本著はこの私が抱いて居た「宮沢賢治観」を大分違った物にするものである。父親目線だとこう捉えられるのか、なるほどと。
賢治と政次郎は対立とまでは行かなくても、分かり合おうとしてもお互い分かり合えない心の蟠りみたいなのがあり、それを読んでいてチクチクするほど各所で感じる。
が、賢治の事を最初から最後まで心配し、賢治が亡くなる所から最後までの10pは読んでいてスッーと納得がいく終わり方になっており、久しぶりに本を読んで泣いた気がします。

賢治が生前出版したところや、草野心平や高村光太郎など当時の著名人との交流についてもう少し記述しても良かったのでは?と思わなくもなかったですが、読んだ感想は良かったです。
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4062207508
No.23:
(5pt)

日本の精神知れる本

宮沢賢治の人間性、成長、苦悩を父視点から、親子の葛藤を交えて描かれた作品。この主題を軸に、昔の家族、人生のあり方が伺え、何かに打ち込むことができなくなっている現代人には、立ち返る場所を教えてくれるような作品。
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4062207508
No.22:
(5pt)

そうか、宮澤賢治は恵まれていたのだ。

宮澤賢治の父、政次郎を中心として、宮澤家を描く。
家業を継ぐものとして、向学心を抑えて、家を継いだ政次郎。
家長としてどう振る舞うべきかと悩む政次郎。
従来の「男とは」、「家長とは」という概念が彼の行動や思想を縛る。
長男賢治の、家業への拒否感を、自分への反抗ととらえきれない政次郎。

経済的に恵まれていて、父の愛は、その経済力に裏付けられていたのかもしれない。
賢治の幸せも、不幸せも、「家」、「父」を抜きにしてはなかったのだなあと思った。
父の悲哀がそして幸福感が、行間から透けてくるようないい小説だった。

映画化するとしたら、
父親には浅野忠信さん。
賢治には、三浦春馬さん。
妹のトシには二階堂ふみさんもしくは門脇麦さん。
なんて感じはいかがでしょうか?
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4062207508
No.21:
(5pt)

かなり面白い。

宮沢賢治の父親の視点とはかなり面白い設定。中身もなかなか面白い。賢治がらみだと、どうも熱狂的信奉者やファンのしてんで書かれているようなものが多く、批判的なものが少ない感じだけど、父親の目という冷静な視点で書かれているのが気に入った。本当の賢治像に近いのではないかとも感じた。
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No.20:
(5pt)

父親としての心

生活の金を稼ぐための質屋という商売と子供たちや社会のためにと思う心や行動が対比的に書かれている。ある意味、現代社会の縮図でもある。父親とは、それほどまでに、子供のために、身も心も尽くすことができるのだろうか。長男ということもあって、質屋を継がせることと子の思いに添いたいこととの葛藤が、頻繁に書かれる。 宮澤賢治記念館で抱いた賢治像とは、いささかずれているような気もするのであるが、結局は童話作家としての賢治を導いた父の生きざまが、このような小説になっていることだとも言え、小説の力をじっくり味わえた。もっともっと長編にしてくれてもよかったのに、とさえ思う。
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4062207508
No.19:
(5pt)

日本語とは、こんなにも美しいんだ❣️

とにかく、文句なしの直木賞です
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4062207508
No.18:
(4pt)

明治の父親像

今までの宮沢賢治のイメージが、大きく変わる作品でした。明治時代にしては、比較的裕福な家庭に育ちながら、進学に理解のない厳格な祖父や、父親とのやり取りは、天才詩人の意外な一面を知らされたような気がした。
家業の質屋の店番を任された時のエピソードが、彼の優しさを物語っているような気がする。
当時の教師として、その優しさがわざわいしていたように思う一面もみられる。
子供に愛情を注ぐ父親の姿は、現代人のそれにつながるようで、時代をこえて感動が伝わってくる。
読み終わって、ますます残念な生涯であったと思うのは、私だけではないでしょう。
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4062207508
No.17:
(4pt)

子供の才能と試練を腹に収めていけるかどうか

子供のころの自宅には世界少年少女文学全集があり、小学生の時に古今東西の文学を一通り読んだのだけど、宮沢賢治はそこで読んだ記憶がない。世界文学全集といっても、日本文学については近世以後は対象外で、漱石も鴎外も宮沢賢治も、載っていなかったのだ。
それでも彼の本を読んだ記憶がある。中学生の時の読者ノートに担任教師が「最近宮沢賢治を読みふけってますね」と書いてくれたことがあった。当時は銀河鉄道の夜など2~3冊を続けて読んだのだと思うが、読み進みつつもよくわからないもどかしさがあったことを覚えている。わかりにくい岩手弁、天と地を直接的に捉えた世界観。童話と言いながら説明的ではないので、読者には共感か解釈かのどちらかを迫られる。
宮沢賢治は数え十九で質屋の帳場に立つも、大人たちの世知辛さに直面し、客をうまく捌けなかった。大人の客を捌くことはできなかったが、岩手の石や星とは対話することができた。どちらが絶対的に正しいということはないが、子供の才能と直面する試練を腹に収めていけるかに親としての器量が問われる。この問い難い問いを正面からぶつけたところに、本作が直木賞を得た価値があるのだろう。
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4062207508
No.16:
(5pt)

共感

父親として、共感の連続!
息子への愛情、そして父親としての威厳。両立できないことへの葛藤。
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4062207508
No.15:
(5pt)

「あめゆじゅとてちてけんじゃ」、と「どっどどどどうど」、に懐かしさを覚えた

これは宮沢賢治の話であるが、主人公はその父親である。宮沢賢治の童話は子供の頃の愛読書で、何度も読み返していたが、生い立ちについてはまったく知識が無かったので、面白くて前のめりになりながら読んだ。賢治が妹・トシに誇らしげに朗読する「風の又三郎」の書き出し、「題名は、風野又三郎だじゃい。どっどどどどうど、どどうど、どどう。ああまいざくろもふきとばせ、すっぱいざくろもふきとばせ。どっどどどうど、どどうど、どどう・・・・・」には子供の頃の、こころが弾むような気持ちになり、「あめゆじゅとてちてけんじゃ」には、もの悲しい思いが重なる。

 話は、宮沢賢治の父親・政次郎の眼を通しての息子、賢治像であるが、それはとりもなおさず作者が父親と言う媒体を借りて賢治の生い立ちや生き様を述べたものである。これによって、作者は政次郎の親心と子供である賢治の両方の性格を表現することができたのであるが、その試みは成功している。読者は知らずのうちに父親の気持ちに同調しながら賢治を俯瞰しているのだった。この本の後半部分、賢治が東京で貧乏暮らしをしているときつぶやいた、「お父さん・・・・おらはお父さんになりたかったのす」などは賢治の父親感を素直に表していると思った。

 作者、門井慶喜氏の著作はこれが初めてではなかった。昨年、2017年3月に「屋根をかける人」という、アメリカ人宣教師の日本での数奇な人生を描いたものを読んでいる。興味深い話ではあったが、表現がところどころ雑で、もう少し文章に磨きをかけてもらいたいと思ったものだった。

 ところが、この本では文章が格段にうまくなっていることと、表現の多彩さが印象深かった。例えば、政次郎が出張から帰って生まれたばかりの賢治と対面したときに、「(あっ)政次郎は、目の奥で湯が煮えた」とか、賢治が物書きになろうとしたきっかけをつかんだ時の、「あっ、声が、家々の壁にひびいた。胸腔内の熱い岩漿(マグマ)がガスを吹き出し、頭蓋を割った。」などは、その場の情景を表現するに的確で、政次郎の、そして賢治の湧き出るような感情を正確につかむことができた。

 若い頃に、家族で岩手県や東北地方で暮らしていたことがあったので、岩手の方言が懐かしく、人々の温かさや素朴さにも触れることができて、楽しくそして心に響く内容だった。
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4062207508
No.14:
(5pt)

感動の一冊です。

感動の一冊。
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4062207508
No.13:
(4pt)

明治の父親が今どきとは

今年の直木賞受賞作。イシグロカズオやおらおらでひとりいぐもなどの文学作品を読むのに集中力がいる事に少し疲れを感じていたので、直木賞を読んでみる。最近銀河鉄道の夜を読んだばかりなのと、「おらおら」の中にも宮沢賢治の詩が出てきたので、買うことに。こんなに若くして亡くなっていたとは知らなかった。また生前の生き様や仕事は順風満帆ではなく、自分の子供だったらどうするだろうと父の気持ちに寄り添うことができた。また、明治の父親という表現が進歩的な今どきの父親という意味で使われているのに感心する。
これはノンフィクションなのだろうか。それとも宮沢賢治を題材にした、事実に基づく壮大なフィクションなのだろうか。どうもイシグロカズオの白熱教室を見てから、小説を見る観点が変わってきた気がする。
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4062207508
No.12:
(5pt)

人生の機微に触れる描写が面白くて悲しい

『銀河鉄道の父』は,宮沢賢治との心の交錯を父の視点から描いた作品である。父の愛情は,子に対する溺愛か。親子の葛藤,父の苦悩と希望,人生の機微に触れる描写が,面白くて悲しい。賢治の妹・トシの死を前にした,父・政次郎の「肉や骨はほろびるが,ことばは滅亡しないのである。」という思いが胸を打つ。賢治の三回忌を前に,政次郎ふと,改宗しようかと思いついたという。<ありがとがんす>。
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4062207508
No.11:
(5pt)

是非とも映画化してほしい

政次郎は是非とも遠藤憲一さん
トシのイメージからすると剛力彩芽さんかな
そして賢治は誰でしょう
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4062207508
No.10:
(5pt)

改めて賢治の作品に触れたくなりました

ずっしりと読み応えのあるものでした。
当時の病に倒れる子どもたちと父。
涙が溢れました。
女性が読むと今にも残るやも知れない父親像の中に揺れるものが文章から感じ取れて腑に落ちるところがあります。
宮沢賢治の作品をまた手にしたくなります。
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No.9:
(5pt)

あの人の父の苦悩が赤裸々に語られる

銀河鉄道といえば宮沢賢治だ。本作は宮沢賢治の父が主人公である。父の視点で宮沢賢治の一生が語られる。宮沢賢治については知っているつもりだったが、幼少期などは知らなかったし、(個人的に)聖人君子のような人だと思っていたので、イメージと異なる賢治像を知り得た。そして決して表に現れない宮沢賢治の父が、賢治の父としての、明治大正の父としての葛藤や苦悩が臨場感豊かに描かれる。病気との闘いで我が子が死んでいく様など、涙なしでは読めない。そして物語の最後に登場するあの有名な「雨ニモマケズ」の全文。このタイミングでこれを出されたら、もう鳥肌を立たせるしかない。明治大正の父の中にある人間本来の優しさや喜怒哀楽が、宮沢賢治を育てたとも言えるし、宮沢賢治の父として普通の父として普通に苦労しているところは現代の父とリンクしているとも言える。自分は宮沢賢治の父のように立派に生きてきただろうか。自省の念が起きた。
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No.8:
(5pt)

起承転結がはっきりしていて素晴らしい作品です。

明治の男は、私の父もそうだったが多くを言わずただ黙々と自分の仕事に打ち込む。「男は黙って・・・」である。父とどこそこに行ったとかの記憶はない。作品の中で宮沢賢治が赤痢に罹って父親がつきっきりで看病する場面があるが、私も11歳のころ同じような体験をして、父がいなかったら今の私はない。今は抗生物質という薬があるがあの当時はなかった。そこを読んだとき父を思い出して涙が止まらなかった。父と子の絆をこれでもかこれでもかと読者を虜にする。ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品である!!感動の作品である!!
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No.7:
(5pt)

敏と賢治

やはり童話は敏子のために書いた、と思わざるを得ない。
「わらしこさえるつもりで・・」といっても、敏との子供のように思える。

確かに史実通りのストーリーで、意外性は無いが、
賢治のことをより深く考えるきっかけになりました。

羅須地人協会での食生活が結核を招いてしまって残念です。
栄養学も勉強して欲しかった。でもまあ仕方ない。

賢治ファンの方にはオススメです。悪い本ではありません。
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No.6:
(5pt)

我々一般人にとっては新鮮だった

宮沢賢治は、少年期にかなり好きな作家だった。特に「グスコーブドリの伝記」が好きだった。大人になって読み返しもしたし、わが子に何冊か絵本を買って読んでやったりもした。花巻の宮沢賢治記念館にも行って、観光旅行をしてもいる。だが、これまで彼の伝記を読んだことはなかった。断片的な資料を見たことがあるくらいだった。だから、宮沢賢治がちょっと変人ぽくて若くして病死したくらいのイメージしかなかった。「あめゆじゅとてきてけんじゃ」といって死んだ妹は、もっと幼くして死んだと思いこんでいた。一般人なんて、そんなものでしょう。ところが、石好き、天文学好き、農業指導ができるなどの知識の破片が、この物語でハッキリ一人の人間に焦点を結んだ。
 物語の力は偉大だ。宮沢賢治と彼の家族についての姿は、これ以後この本に描かれたものがスタンダードになるだろう。
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4062207508
No.5:
(5pt)

父でありすぎた、賢治の父

宮沢賢治の父・政次郎の視点で、賢治の生涯が描かれている。

父(賢治の祖父)のように厳格であろうと思うものの、どこまでも子どもに甘い政次郎。賢治が入院すると妻を押しのけ付きっきりの看病をしに行き、もれなく自分も病気になって入院する。しかも2回も。賢治が学生の間は言われるがままにほいほい送金してしまう。賢治の詩が新聞に載ると100部購入し配り歩く。賢治が山に行くと聞けば鞄にこっそり甘いものを忍ばせる。
愛情たっぷりのお父さんに守られていたから、賢治は自由に物語を作れたのだろうな。賢治亡き後は、あの世で賢治に再会するために改宗しようと考える政次郎が可愛い。
宮沢賢治の作る物語は多くの人に愛されているが、彼は聖人のようなすごい人だったわけじゃなく、父親から見たらこんな息子だったんだな、とわかって面白かった。賢治が一人で畑を耕していたから、食べ物を植えるのかと思えば「パンジーを植える」と言った時には父と一緒にずっこけた。
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4062207508

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