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銀河鉄道の父



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【この小説が収録されている参考書籍】
銀河鉄道の父

銀河鉄道の父の評価: 4.51/5点 レビュー 116件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 21~40 2/6ページ
No.84:
(5pt)

父と子のコンプレックス

宮沢賢治の父親を主人公にした小説です。賢治の誕生から死までの、父子の距離の伸び縮みが描かれています。それには、いろいろな側面があり、読者の対人関係に重なるものもいくつかあるでしょう。

 「賢さんは、きかねぇ」「議論に勝つのは弁の立つ人間ではない。話を聞かない人間なのである」(p.73)。
 
 ぼくは子どもたちと議論をすることはありませんが、子どもたちはこちらの言うことなどろくに聞いていない、と思うことはよくあります。だから、子どもたちの方が最初からぼくに勝っているのではないでしょうか。

 「子どものやることは、叱るより、不問に付すほうが心の燃料が要る」(p.83)。

 子どもたちが大学生になってからは、叱ることがなくなりました。疑問に思うことも、不問に付し、何も言わないようになりました。ぼくの心の燃料はかなり消費されているのでしょうか。

 「父親であるというのは、要するに、左右に割れつつある大地にそれぞれ足を突き刺して立つことにほかならないのだ。いずれ股が裂けると知りながら、それでもなお子供への感情の矛盾をありのまま耐える」(p.95)。

 ぼくは、子どもにこうしてほしい、ああなってほしいという欲望と、子どものすること、今の姿をそのまま受け容れよう、という自己抑制の両方を持ち合わせていますが、それによって股が裂けるというよりも、後者があきらめに変わっていくように感じています。

 「この子はこの家に生まれて幸せだとつくづく思った。自分ほど理解ある父親がどこにあるか。子どもの意を汲み、正しい選択をし、その選択のために金も環境もおしみなく与えてやれる父親がどこにあるか」(p.111)。

 ぼくもそれなりに子どもたちを理解しようとしているつもりです。子どもたちの意を汲み、時にはお金も出しているつもりです。

 「自分の命の恩人であり、保護者であり、教師であり、金主であり、上司であり、抑圧者であり、好敵手であり、貢献者であり」「尊敬とか、感謝とか、好きとか嫌いとか、忠とか孝とか、愛とか、怒りとか、そんな語ではとても言いあらわすことのできない巨大で複雑な感情の対象」(p.337)。

 これは、ぼくの父に対する関係にはあてはまるように思いますが、ぼくの子どもたちは、こんなふうに思うほどに、ぼくと近いところにいるでしょうか。ほとんど無関心なのではないでしょうか。ただし、「抑圧者」「嫌い」「怒り」を感じているようにも思いますが。

 「妹の死すら、賢治にはおのが詩作の、(材料に、すぎんか)(p.412)。

 これは相当に厳しい批判ですね。父は子どもたちのそういうところを見抜いてしまうのでしょうか。それとも、父は子どもたちをそのように決めつけてしまうのでしょうか。

 父と子どもたちの関係は、複合体、コンプレックスである場合が少なくないのでしょう。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.83:
(5pt)

宮沢賢治。教科書で取り上げられるからこそ、それ以上の作品はあまり読もうとしない作家のひとりだと思う。この本は、賢治が主人公ではなく、その父に光が当てられている。とはいうものの、賢治についても、父政二郎を鏡として、しっかりと描かれている。宮沢賢治に興味を持ってこなかった人も興味をもち、宮沢賢治を読んでみようと思わせる作品。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.82:
(5pt)

賢治を知りたいならこれを読め

デクノボーを主人公にした『虔十公園林』と合わせて読みたい。虔十の父親も登場している。
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4062207508
No.81:
(5pt)

流石に直木賞を取っただけあって

宮沢賢治の詩や童話を読んで、想像する宮沢賢治と大違い。この作品では、宮沢の家族の視点から見た生身の人物が良く描かれていてたいそう面白い。「出来の悪い子ほどかわいい」という親の視点がうまく描かれていて、想像していた宮沢賢治とのギャップがすごい。
 「フィクション」と後付けに記してあるが、限りなく、宮沢賢治の実像に近い「ノンフィクション」かもしれませんね。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.80:
(5pt)

100点。父親の視点、賢治の生涯。

先日、家康江戸を建てるを読んで、門井さんの作品をもう少し読んでみたいと
この作品を手に取りました。

 舞台は花巻。岩手県。質屋を営む家族、四人兄弟の長男として生まれた賢治。
お父さんは政次郎。お母さんはイチさん。妹はトシさん、その妹のシゲさん。
弟は清六さん。
 お父さんは質屋で財をなし、花巻の市会議員。四人の子供の成長を見守ります。
賢治が赤痢になっても、賢治が盛岡に旅立っても、トシさんが生意気になっても、
清六さんがちょっと成長が遅くとも。
 とても優秀なトシさんが病気になっても、看病の末トシさんがこの世を去っても、
見守ります。
 賢治が不遇に囲われても、賢治が文章を書き出しても、賢治が他宗の信者と
なっても見守ります。
 そして賢治がトシさんの後を追うように、咳をして、痩せていっても見守って、
やがて賢治とわかりあう。

 100点。
 私、妹のトシさんに作った詩は、子供の頃のお話だと思ってました。その
壮絶な経過と、たぐるような賢治の生涯を父親の視点から描き切った。
 他のレビューアーさんが、面白かったけど、とか母親の視点とか書いて
いらっしゃったけど、ちょっとねえ。全部最後まで読んだのかしら。
 死後評価が高まる賢治の作品、賢治の名声。政次郎さんと清六さん、ご家族の
集いの様子があったかく伝わってくるようです。
 お勧めします。
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4062207508
No.79:
(5pt)

新しい観点

賢治の近親者の苦しみが身に沁みる。そう思っていたが、かなり勝手な人生。でも、大好きな賢治の作品。親の大変さに涙ぐみそうになる。
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4062207508
No.78:
(5pt)

親には頭が上がりません

本作の内容が全て正しいのなら、世間でもてはやされるのべき人間は宮沢賢治ではなく、その父や母です。親の愛の深さに脱帽です。
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4062207508
No.77:
(5pt)

銀河鉄道の父は「母親」⁉︎

宮沢賢治の父親・政(まさ)次郎は、かなり「母親」的ですね。
 賢治が病に倒れたときは、付きっきりで看病する。わが子がおカネを必要としているらしいと見てとるや、ためらうことなく融通する。この濃厚なかかわりは、きわめて「母親」的ではないでしょうか。
 祖父・喜助は彼に「おまえは、父でありすぎる」と苦言を呈します。親として子どもにかかわりすぎる、という意味でしょう。
 この父親像にふれて、わたしは河合隼雄『母性社会日本の病理』( 講談社+α文庫)という本を思い出しました。日本は母性社会である。父性がいたって希薄とか。
 母性の原理とは「包含する」機能を意味します。包みこんで、とことん守る。そのため子は、なかなかひとり立ちができない。母親は、子ばなれができない。
 いっぽう、父性の原理とは「切断する」機能を意味します。切りはなし、厳しく鍛えて、子の自立をうながす。
 どんな親にも、母性的なところと父性的なところがあると思います。母性60%+父性40%とか、父性90%+母性10%とか。人それぞれでしょう。
 賢治の父親は母性が濃厚なのです。結果、賢治も、ひとり立ちすることに困難を覚えていたように思われます。家業の質屋を手伝うため番台に座っても、客とうまく応対できない。向こうの言いなりになりやすい。きちんとした一対一の交渉が苦手。つまり「大人」になりきれない。かたや童話の創作は「子ども」の世界に没頭できるから苦にはならない。
 賢治も、河合隼雄さんいうところの「永遠の少年」だったのかもしれません。
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4062207508
No.76:
(5pt)

宮沢賢治を見守るオヤジの視点

子ども達に翻弄されつつも、体当たりで対応するオヤジの苦労をしみじみ感じながら読ませていただきました。有名作家の父親に焦点が当たった小説はなかなかないと思いますが、一気に読み切ってしまいました。とても面白かったです。
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4062207508
No.75:
(4pt)

相反する父親の愛情

宮澤賢治が好きで、ふと購入しただけだったが、宮澤賢治の父、政次郎の愛情を繊細かつ丁寧に描いた良作。家業を継がせたいという気持ちと、息子の意思を尊重したいという相反する気持ちで揺れ動く父親が、とても誠実で子煩悩で好感を持った。父親の視点から、見た宮澤賢治は、不器用でシャイで無邪気。宮澤賢治を聖人の様にしていないトコロも良い。父性をテーマにした作品は珍しいと思う。読者は、宮澤賢治が短命で有る事を知っている。父親は、娘トシと息子賢治を失う。子どもに先立たれた親の悲痛と共に、何処か、高い次元に突き抜けた様な、ラストも素晴らしい。
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4062207508
No.74:
(5pt)

お勧め

読む価値あり
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.73:
(5pt)

宮沢賢治の生涯

宮沢賢治の父、宮沢政次郎から見た、宮沢賢治の生涯、という感じでしょうか。
父子共に苦難の連続です。
何処までが正しいかは不明ですが、大筋はこんな感じだったようです。
宮沢賢治が生きている間に受け取った原稿料は数円だったとか。
良い作品は後になって評価されるということでしょうか。
ゴッホ、ゴーギャン、カフカしかり。
面白く読みました。
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4062207508
No.72:
(5pt)

傑作です

父親の話です。
そこを読み間違えると中途半端な宮沢賢治本になってしまいます。

親ではなく父親の話です。
そこを読み間違えると盛り上がりに欠ける物語の本になってしまいます。
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4062207508
No.71:
(5pt)

父親の葛藤

宮澤賢治の父である政次郎が、息子である賢治をどう見ていたかという話ですが、子への愛情と、父親として威厳を保つことの葛藤が見事に描写されています。

以下、印象に残った文です。
・子供のやることは、叱るより、不問に付すほうが心の燃料が要る。

・父親であるというのは、要するに、左右に割れつつある大地にそれぞれ足を突き刺して立つことにほかならないのだ。いずれ股が裂けると知りながら、それでもなお子供への感情の矛盾をありのまま耐える。

・父親になることがこんなに弱い人間になることとは、若いころには夢にも思わなかった。

・父親の業というものは、この期におよんでも、どんなに悪人になろうとも、なお息子を成長させたいのだ。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.70:
(5pt)

愛しい物語。

「愛しい」という字はふたつの読み方がある。
多くは「いとしい」と読む。この物語は父が子を愛しむ光景が散りばめられている。
もうひとつは「かなしい」。
いとしいもの、大切なものが儚くなった時に生ずる、温もりと痛みが交互におしよせる「かなしい」。
この物語をいっぱいに満たすのは、父親と見守られる子らの、いとしいと、かなしい。
ふたつの「愛しい」がいっぱいに満ちている。
そして「愛しい物語」は、読了後も胸のうちにたぷたぷと満たされている。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.69:
(5pt)

切ないけど心温まる物語。

どこまでか実話でどこまでが創作なのかと思いながら読みましたが、どちらにしても子を持つ父親の気持ち、子供達に先立たれる親の悲哀を見事に表現した、心に残る小説でした。親もまた子供ともに成長する生き物なんだな、と改めて感じました。賢治の死後とはいえ、息子の残した文学が世の中に認められたことは、読んでる自分も嬉しくなりました。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.68:
(4pt)

父の日の贈り物

既に自身は、読了済みですが、とても良かったので、宮沢賢治が好きな父へ、父の日の贈り物として購入。きっと、気に入って貰えたはず。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.67:
(5pt)

前方視的な父親の視点から描かれた「巨人」

昨年、筆者は仕事で花巻市に行く機会があり、合間に市内を散策した。古いデパートの一つもあるような街のそこら中が「宮沢賢治」のアイコンや意匠であふれていた。一個人が街一つを覆い尽くすようで圧巻だった。これに匹敵するのは境港市の水木しげるロードぐらいではないか。石巻市の石ノ森章太郎アイテムはここまで行かない気がする。
 筆者はどちらかというと宮沢賢治は得意ではないのだが、それでも子供の頃から国語の教科書だけではなく図工の時間の「物語の絵」の課題や、ますむらひろしによる漫画化とそのアニメ化、高畑勲によるアニメ化や作中での引用など、あるいは精神病跡学の本など、様々な機会と場所でその存在感を刷り込まれてきた。最近はどうか知らないがある一定の年代の日本人は皆そうだろう。そういうわけで、魚之目三太氏による「宮沢賢治の食卓」 (思い出食堂コミックス)などを買って、そこからちくま文庫の宮澤賢治全集の書簡集の巻を読んだりして、前述の花巻行も大いに堪能したのである。「藪や」に行って賢治セットまで注文してしまった。まさに「巨人」だ。
 それでいて本書の単行本が刊行された際に読まずにいたのは、実は著者の門井慶喜氏を門田隆将氏と勘違いするという大ボケのためだ。はっきりと「右寄り」の門田氏が「巨人」の父ちゃんの何を書くのか?と訝しんでいたのである。それでも気にはなっていたので文庫化されたのを機会に購入。とんでもない間違いに気づいた。こちらは「家康、江戸を建てる」の人だった。歴史小説寄りの時代小説という感じか。
 それで読み始めたらすごく面白い。面白いのでまだ半分も読んでいないのにレビューを書きたくなってしまった。本作品の主人公は宮沢賢治の父親の政次郎だ。その視点を通して生後直後からの賢治の姿が描かれる。確かに父親の目から見れば後の「巨人」は甘っちょろい金持ちの倅だ。さらに浪費家でもある。そういうエピソードは魚之目三太氏の漫画にも登場していたし、彼のそういうところは様々な研究書によって明らかにされている。本作品の登場人物でもある弟・宮沢清六氏もそういう本を出版した人の一人だ。もちろん後の「巨人」は自分が「甘っちょろい金持ちの倅」であることと深く葛藤したのだと思うが、やはり現象として生前の「巨人」は「甘っちょろい金持ちの倅」以外の何物でもないない。
 そのような将来の「巨人」の父親としてベタベタな愛情と超自我的な社会化の役割との間で主人公は葛藤する。その内容は天保生まれの父親(「巨人」の祖父)と明治生まれの主人公の間の葛藤であったり、強固なジェンダーロールとの葛藤もあったりする。そのような葛藤の在り様は現実を生きる我々の誰にでも当てはまる=普遍的なものだろう。人間が生きて何者かを愛するということは、このような相反する感情のせめぎ合いの層理を現すのかと感心してしまう。本書をここまで読んで、筆者は後世から「巨人」を振り返る形式のどのような書籍でも観たことのない、同時代から一人の人間の将来を懸念する視点からの「宮沢賢治」を発見した。これはコペルニクス的転回である。しかも父ちゃんは自らの息子への愛情に溺れそうだ。「巨人」の高等農林卒業時点での主人公の心情には実に身につまされてしまう。これから起こることに主人公はどのように対するのか。

6/16追記 通勤の車中と昼休みに一気に読了。久しぶりに気合が入った。主人公の長女の死から「巨人」が死ぬ場面まで一気に駆け抜けた印象。そのためにいろいろ省略されているのだろうが、作品の緩急として適切に感じられるし、「巨人」の父親である主人公の視点に立てばより一層整合的だ。加齢により時間は早く過ぎるのだから。
 本作品に描かれた情緒は通俗的であるが、それ故に普遍的でもある。多くの評者が共感したり反発したりするポイントもその辺なのではないか。それにしても本作品では主人公の視点から「巨人」の作品への解釈がなされる。その解釈の中身も物語の流れに沿ってスムーズに納得できて面白かった。「巨人」そのものの解釈という点では以下の一文が最も印象的で傍線を引いてしまった。主人公から見た「羅須地人会」時代の「巨人」の様子。

 どこかの雑誌やポスターから抜け出してきたように健康な、定型どおりの農夫像だった。文庫版428頁

 シュミラクールとか言いだしたくなるような「巨人」の虚構っぽさ。本作品においてはそれが揶揄にならずに却って主人公の目を通して「巨人」が生きる切実さを表現している。これはそのまま20世紀の終わりから21世紀の前半にかけての父子関係になぞらえる。そのあたりが本作品が通俗でありながら普遍である要諦だろう。巻末の解説で作者の言を引用しつつ内藤真理子氏も述べている通りである。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.66:
(5pt)

終始一貫して明るい雰囲気

コロナ禍でしたので、Kindleで購入。紙の本だと素敵な表紙のイラストがよく分かるのですが、Kindle版だとそうもいかず、そこが残念。宮沢賢治って東北の方で、残っている写真の雰囲気から言ってもあまり冗談とかを言わなさそうと思っていたのですが、ふと人の気持ちを軽くするような冗談を言うシーンがあり見方が変わりました。弟の清六さんも最初は存在感がなかったのですが、宮沢家にはなくてはならない方ですね。妹のトシさんもなかなか味のある魅力的な方でした。若い時に読んでいたら、清六さんやトシさんの良さに気が付かなかったかもしれません。再読したい良書でした。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508
No.65:
(5pt)

おもしろいけど、何とも切ない……

父・正次郎は息子が愛しくてたまらまいのに、その気持ちをストレートには伝えられない。一方息子・賢治は父親の期待に押しつぶされそうになりながら、立派な父を超えられない自分が歯がゆくてたまらない。父と息子のすれ違う思いと愛情、賢治のダメっぷりがなんともおかしくもあり、切なくもあり。病の床に伏し、小説家としとも目が出ないことをなげく賢治に「諦めるな!」と正次郎が帳面と鉛筆をわたすシーンには胸が締め付けられた。天才・宮沢賢治の人間としての一面を知り、ますます好きになった。
銀河鉄道の父Amazon書評・レビュー:銀河鉄道の父より
4062207508

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