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八月十五日に吹く風
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八月十五日に吹く風の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 61~80 4/5ページ
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いつも思いますが、出版のペースが速いですね。この間新刊が出たと思ってましたが、もう新刊が出るんですね。筆の速さに脱帽です。 ガッツリ戦争物です。結構グロイ表現とか出てきます。戦争物でそこは避けられませんから仕方ありませんね。 血とか痛い描写が苦手な私には少し、読み進めるのに時間が必要でした。 でも先生の様に若い読者層がいる作家が戦争物に触れるというのは凄く意味があると思います。出版の時期も八月ということで、読んだ全員が八月十五日のことを考えたと思います。私もその一人で、恥ずかしながら八月十五日が何の日かというのを忘れかけてました。 日本にとって重要な日であり、それを思いださせてくれるこの作品は、色んな年代の人に読んでもらいたいなと思える作品です。 ただ今作は完全にミステリー要素はないですね。松岡先生のミステリー作品が好きな人には少し物足りない気がします。私もその一人です。 黄砂の籠城も歴史物ですが、少しミステリーというか謎めいた部分があったので、今回も少しはあるのかなと思ってました。 次こそは王道のミステリーが読みたいです。 | ||||
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今ではある程度知られた史実ではありますが、それを単に事実を追うだけで再現するのではなく、その当事者たちの心理にまで分け入って、見事な人間ドラマにまとめあげているところに驚嘆し、豊かな読後感を味わうことができました。さらにロナルド・キーンという人物を登場させ、アメリカ側からのドラマも組み込んでいるところも斬新だと思います。是非この時期読むべき本としてお勧めします。 | ||||
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松岡圭祐さんの作品ということで手にしたこの作品は、一言で表現できない深いものでした。 題名を見た時は終戦の日にまつわる話かと想像しましたが、それより2年前の同日に決行された救出劇。 壮絶なドラマが繰り広げられ、人としての選択があったからこその終戦の日につながっていったことを 知り、心が大きく揺さぶられました。 語り継がれるべき歴史の背景を知ることが出来、この作品に出会えてよかったです。 そして何より、こんなことがこの先起こらないようにするためにも戦争のことをもっと知るべきであり、 私にとってこの作品はその礎のひとつになったことは確かです。 | ||||
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外務省職員の筒井が上司から渡された英文の書類には、日本人を危険民族とみなし、戦後、武力による制圧を予定してたアメリカが、終戦2年前のドナルド・リーン氏の報告をきっかけに緩やかな占領計画へ変更した旨が記されていた。どのような出来事に対する報告だったのか上司から調査を命じられ、筒井はリーン氏と接触を図るもうまくいない。そんな時菊池雄介なる人物から届いた分厚い封書には、筒井が知りたかったことがすべて書かれてあった。 アリューシャン列島占領に失敗した日本軍は、アッツ島の守備隊に玉砕を命じ5200人の守備隊を残したままキスカ島も放棄しようとしていた。北方軍司令官、樋口李一郎陸軍中将は、キスカ島をアッツ島の二の舞にさせまいと海軍に働きかけ、木村昌福海軍少将を司令官とした守備隊の救出作戦にこぎつける。柔和な風貌に一見頼りなさが漂う木村少将に樋口は不安を抱くが、一切の権限を託された木村は想像もつかない奇策で作戦を遂行しようとする。 第二次世界大戦と言えば、一億総玉砕、神風特攻隊など過激で人命を軽視したワードが際立つイメージだったが、このようにキメの細かい作戦もあったのかと驚いたし、軍人と言っても様々なのだということが伝わってきた。安全な場所から無謀な作戦を命じる大本営への批判もうかがえるところもあり、百田尚樹氏の『永遠の0』を思い出させる。特に印象深かったのは短時間で救出するために兵士に取らせた行動で、それを進言した者、許可した者、説得した者、泣く泣く従った者たち、それぞれの思いの強さに熱いものがこみ上げた。 この戦争がいかに無益であったかいかにおろかであったか、作品中そこかしこで登場人物たちの声として書かれている、明らかに反戦を主張する作品だ。けれど、冒頭シーンが現代だったにもかかわらず現代目線で戦争を語ることなく終わっていることから、政治的な色は見えてこないと私は感じた。対して縄田一男氏の解説はやや節操がないように思え、それが残念だった。講談社がなぜこれを採用したのか作者がどう思ったのかは多少気になるものの、解説によって作品の評価は変わらない。けれど解説を先に読んでいたらこれを手に取ることはなかったかもしれない。 「願わくは、これが最後の戦争とならんことを。自分にとっても、日本にとっても、世界にとっても」という樋口中将の言葉が強く心に刻まれた。 | ||||
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小説としてはよくできています。☆5つあげてもいいです。その辺は他の方のレビューにおまかせします。読後は確かに日本人であることが誇らしくなりました。これは「黄砂の籠城」の柴五郎でも同じです。ではなぜ私の☆は2つか。旧日本軍が意思決定機構グズグズのいかにも日本的なお役所であったことは、いくらキスカの奇跡があっても、そのはるかな先達に柴五郎がいても、否定できないからです(本当は☆1つにしたかったのですが、映画『太平洋奇跡の作戦 キスカ』が好きなので、2つにしました)。まずは「失敗の本質―日本軍の組織論的研究 」(中公文庫)をご参照ください。小さな例外を強調することで全体の傾向を覆い隠すのは詭弁術の常道です。著者の意図がそうだと言っているわけではありませんが、そういう読み方ができてしまう本です。この本を読んで初めて戦史に興味を持った方は、ノモンハンやインパールやニューギニア作戦の本を読んでみてください。あるいは「それでも、日本人は『「戦争』を選んだ」 (加藤陽子 新潮文庫) を読んでみてください。活字の本が面倒なら水木しげる「総員玉砕せよ!」でもかまいません。そうやってある程度全体を俯瞰する知識を得た上で、なお本書が同じ評価なら、それは価値観の相違ですのでこのレビューは無視していただいて結構です。なお、レビュー上で評判の悪い縄田氏の解説ですが、縄田氏の文庫解説が解説の意味をなさない感想文なのは1970年代から変わりません。そういう「解説」しか書かない方が、あえてメッセージ性の強い文章を入れたのは、世代的に私と同じような感覚を持たれたからではないかと思っています。勝手な推測にすぎませんが。 | ||||
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途中涙で読めなくなる そんな本でした。 近くで蝉が鳴いています。 | ||||
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こんなに清涼感に溢れる戦争小説は産まれた初めて読みました。 凄惨な場面もあるのに、なんて清々しいお話なんだろう! と本当にびっくりです。もう後が無く自決しか無いような人生の終点とも思える場面において、見え隠れする家族や自分が率いる部下などへの思いやりがたくさん詰まった一冊だと思います。 島で窮地に追い込まれた全員が自決してしまいそうで、読んでいてはらはらしましたが、部隊を率いた隊長も隊員も付随してきた記者の気持ち全ての連携が上手くいったと思います。悲しい思いも背負うことになりますが、上に立つ人がとても立派だと思いました。 戦争小説といえば、酷い有様や玉砕、特攻隊など無慈悲で悲しいお話が全部と言っても過言ではありませんが、そんな戦争小説のジャンルを1つ増やしてくれたまさに明るい希望が見えるお話で、とても感動しました。 有名な戦艦や駆逐艦、作戦名などの名前も随所にでてくるので、歴史の時間軸的にもとてもわかりやすい作りだと思います。 戦争のあらゆることは次の世代に伝えていかなければならないと思いますが、そんな中、こんなお話もあるんだよとぜひ多くの人に読んで欲しいと思いました。 | ||||
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本書の題材であるキスカ島撤収作戦は過去に一度、「太平洋奇跡の作戦 キスカ」という形で映画化されており、私も子供の頃にテレビで見た記憶がある。 それ故、キスカ島撤収作戦のことはある程度は知っていた。 が、本書を読んで思ったことは、本書に基づいて、再度、映画化して欲しいということである。 本書の登場人物は一部は仮名であるが、ほとんどが実名で出ている。 仮名であるアメリカ海軍通訳官「ロナウド・リーン」がドナルド・キーンであることはすぐにわかる。 こういう史実は広く知らしめるべきだと切に願う次第である。 | ||||
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団塊ジュニアくらいの世代の人なら、 「第二次世界大戦では、軍部からの無慈悲な命令により、女子供を含む非戦闘員ですら玉砕を命じられた」 と、習ったのではないでしょうか。 恐ろしく左傾化した教育に、長らく洗脳されていました。 今こうして、右でも左でもない真ん中から事実を淡々と描いた作品が出てくることが本当に喜ばしいし、 同時に従軍した祖父が無事に帰還したことに感謝し、従軍した時の話を聞いておけばよかったと後悔しきりです。 命を粗末にするつもりではなく、家族や名前を知らぬ他の同胞(日本人、日本という祖国)を守るため、 玉砕は、自分の命を犠牲として戦った人たちの決死の攻撃だと知ってのは、ずいぶん後になってからです。 また、数年前に映画化された、「タッポーチョ 太平洋の奇跡」と同じように、「生きて帰る」物語です。 スカッとするようなタイプの話ではないけれど、命の重さ、尊さ、国を想う心などを改めて考えさせられます。 ※以下、本文とは何の関係もありませんが、どうしても気になったので。 他の方のレビューにもありますが、「解説」がどうにもいただけない。 作品を読む前、読んでいる途中、読後、読後しばらくたってから、の4度、目を通しましたが、 この「解説」と作品に整合性というか、つながりというか、とにかくこの「解説」は不要ですよね(というか「解説」になっていない)。 松岡先生が、こういう左傾化した方かと疑ったほどです。 ネットの普及に伴い、先述の洗脳教育の呪縛から逃れることができた日本人は数多く、 「私は日本人だ」と胸を張って生きている人が圧倒的に増えてきた昨今、この「解説」は何が言いたいのだろうか? 現実は、日本は平和の危機に直面している、ゆえに命の保証はない。 「日本国憲法9条」を唱えていれば、命が守られる? 外国人が作った日本国憲法は魔術や呪文の類か? >平和は、そして人の命は一度喪ったら、取り返しがつかない。 そう思うなら、憲法の改正は必須だろうに。 どうしてサヨクは思考がこうも破綻しているのか不思議でならない。 この不快な「解説」は、今後の重版時には削除してほしいし、このような「解説」を依頼し、採用した編集部には心底呆れる。 | ||||
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まさか戦時中にこんな救出作戦があったなんて知りませんでした。それだけではなく、リトアニアの杉原駐日大使がユダヤ人を助けた意外にも日本人がユダヤ人を救出していたのも新事実で驚かされました。玉砕が当たり前だったと言う認識をあらためて覆される日本史にただただ驚くばかりです。今こそこの物語のように隠された、そして語られなかった戦時中に起こった話しもこの本のように語りついでいくべきだと思います。確かに目を覆いたくなる事も多いかも知れませんが、今こそ知るべき事ではないでしょうか? | ||||
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改めて戦争のむなしさを思い知りました。 戦争とは勝っても負けても残るのはむなしさだけの物と改めて思い知りました。 それでも、鳴神島での約5200人の救出作戦は司令官、気象予報士、及び自然現象である霧の どれか一つでも不足していたら出来なかった奇跡を知りました。 こういう戦争物は今まで読まなかったけれど、これからは読んでみよう思いました。 | ||||
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木村昌福ならびに当時の状況を知らしめるという意味でまず意義があると思います。小生は木村昌福を全くしりませんでした。このような人も海軍にいたということは勉強なります。 一方、少し気になったのは戦場の臨場感が不足しているのかなと感じました。意図的なのか著者のこの分野に関する経験の不足なのか不明ですが。 内容はおもしろいです。このような分野についてももっと書いていただいと思います。 | ||||
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まるで戦場にいるように感じさせる卓越した描写と読みやすさ。特に島にいる時の空気感が凄い。 人物ほ掘り下げられており予備知識なしでも難なく判る工夫もされている。 随所で涙し最後は読んでよかったとなる 今後もこういうのを書いて欲しい | ||||
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ちょうど終戦の日に読み終えました。私は太平洋戦争についての知識がないので、このような事実があったことはこの本で初めて知りました。 私の大学の先生は「新しい歴史教科書」で日本の近代を執筆された方です。その先生は、日本の近代史、特に昭和初期の歴史を冷静に様々な角度から見直すことは大変難しい、とよくおっしゃっていました。なぜなら、あまりにも偏った見方に終始していて、事実についてもその偏見に沿ったものしか取り上げられることはなく、そこから離れて歴史を論じる立場は決して認められることはないからです。 このような状況に対して、作者はおそらく不満を抱いているのだと思います。昭和初期の日本は確かに愚かな部分があった。しかし、それはだれであっても同様であって、その存在を全否定されるものではないはずです。その思いがあるからこそ、前作の『黄砂の籠城』に引き続き、作品の冒頭に「この小説は史実に基づく」と記載したのだと思います。作者のこういった姿勢は高く評価されてしかるべきです。 私はバブル世代の人間ですが、私の同世代はほとんど戦争の史実を知らないと思います。したがって、戦前の日本人は愚かであった、という命題に対してはそのまま鵜呑みにしてきた人が大多数と思われます。そういった人たちにこそ、この本は読まれるべきと思います。 | ||||
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8月15日は終戦記念日である。満州事変やグアムの”バンザイクリフ”・真珠湾攻撃など、戦中・戦後のある意味メジャーな戦いは知識を持っていた。だが、この『キスカ島』については全く知らなかった。この作品は、史実に従った「ノンフィクション」に近い話になっているそうだ。 歴史や史実に詳しくない私が読みましたが、読みあぐねることなく、引き込まれる「松岡マジック」にかかりました。 日本兵も米兵も、みんな戦っている。ひとりひとりが考え・生きている・・・そんな当たり前のことを忘れていたことに気づかされました。 終戦の日を前に、「火垂るの墓」や「この世界の片隅に」が繰り返し放送されている(話題になっている)。それだけが「事実(すべて)」ではないんですね。今まで知らなかったこと、知ろうとしなかった史実の一端を読むことができて、よかったです。 「松岡圭祐」でなかったら、「レビュアー」しなかったら、読まなかったと思います。もったいないところでした! | ||||
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「黄砂の籠城」に続く史実を改めて振り返る感動巨編だ。かつて三船敏郎主演の映画を観たことがある。大戦中にキスカ島で実際にあった驚くべき撤収作戦。多くの日本人がこの本を読んだら感動し日本人であることに誇りを感じざるを得ないだろう。また一気読み間違いない作品になっている。ただし、著作ではなく本当に残念なことがある。それは「文芸評論家と称する」縄田一男の解説だ。その末尾の7行にはまったく幻滅する。これは文芸評論でなく左翼イデオロギーを伴った一方的な政治キャンペーンだ。世には賛否両論があるのだから。買う前にこれを見ていたらこの本を買うのを躊躇したかもしれない。作品自体は松岡圭祐氏がこういうことを言いたくて書いたのだとは思えない。再刷するときはこの解説は外したほうがいい。このいい本の販売が伸びなくなるかもしない。 | ||||
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講談社さんからのネットレビュアーに選ばれ読みましたが想像以上に素晴らしい作品でした。 あまり、この時代に関連した書籍が無く、キスカ島でのことも全く知りませんでした。 この時代のことをこれほど深く追求した作品はないと思います。 「命」と「ジャパンプライド」 このテーマは、今の日本人には忘れないでほしいその思いをくみとった作品でした。 | ||||
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8月15日というと、悲壮な物語が多くなるのは必然だが、 本書はそこをキスカ島撤退作戦と結び付けているのが新しい 終戦時の秘話をあの人のエピソードでリンクさせ一気に読ませる 戦記物で判りにくかった所もスムーズに共感できる 人物描写の深みは「黄砂の籠城」よりさらに良くなっている 木村昌福、樋口季一郎は言うに及ばず、山崎保代の粘りあってこそ 米軍側があそこまで焦ったのだろうと思った 読後感は爽やかでまさに風 感動的だった なお今年の8月15日にNHKで放送されたインパール作戦他の戦記ももちろん知っている それらで人命を尊重しないと米軍に考えられていた日本人が例外を証明した物語である | ||||
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なぜこの日が終戦記念日なのか。昔から色々と言われているけれど、この小説の解釈は分かりやすい。 北の地に吹いた風は寒かったはずだけれども、この小説の最後の部分にはほろりとさせられる。 戦争を描いた小説として何度も読み返したい作品です。 | ||||
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東宝の「太平洋奇跡の作戦 キスカ」しか知識がなかったが その陰に、これだけのドラマがあったとは。関係者がほぼ実名で 出てくるので、相当にノンフィクションよりだと想像しますが、 樋口季一郎と木村昌福の両将軍をはじめとする、誠実な軍人像は 大戦における無能な軍司令部との対局に存在した高潔なドラマとして 記憶されるべき物語です。この夏の終戦ものに、ぜひお勧めします。 | ||||
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