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絶対城先輩の妖怪学講座 十



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【この小説が収録されている参考書籍】
絶対城先輩の妖怪学講座 十 (メディアワークス文庫)

絶対城先輩の妖怪学講座 十の評価: 4.25/5点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

くだんの話は面白い

とりみきの「パシパエーの‥」以来くだんネタは大好物。淫靡さとオカルトの絶妙なバランスがよかった。本作もウイルス説を提唱しながら、怪しげな牧場というお膳立てで楽しませてもらった。敵組織の強大さが分かってきたがリアルにすると、恐怖が減る感じ。次巻も楽しみ。
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No.3:
(5pt)

お気に入り

絶対城阿頼耶先輩も、どんどん主人公の女の子を好きになっていますよね、絶対。
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No.2:
(5pt)

絶対城先輩とその友人と礼音大好きです。

いよいよぎこちない二人が、どんな風に発展して行くか?又「白澤」が今後、どうするのか。
次回が楽しみです。特に礼音の合気道、もっと活躍するのを待っております。
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No.1:
(3pt)

付き合い始めた絶対城先輩とユーレイの関係にはニヤニヤさせられるが、終盤の展開がいささか強引。やはり十巻となると色々厳しい。

いよいよ「白澤」という敵の存在が明確化され、モヤモヤした関係だった絶対城と礼音も互いを彼氏彼女と認めたことで
物語がクライマックスに突入するのかと思ったら、そこから待つこと9ヶ月。
巻も重ねて十巻目という事もあり、そろそろ巻きに入って欲しい所。

物語は詐欺師を専門的に狙う天才マジシャン詐欺師「狐」に白澤の調査を依頼したものの、
「狐」たちの乗った車が焼かれるというニュースを表示したパソコンを絶対城たちが眺めている場面から始まる。
白澤が明確に脅しをかけてきた事をいやでも自覚する絶対城たち三人組だったが、
このニュースをパソコンに表示させたのは誰だ、という疑問が持ち上がった所で当の「狐」が姿を現す。
ギリギリの所で脱出したという「狐」は相手が悪いと調査を降りる事を告げてくる。
去り際に絶対城に告白した事を「狐」にからかわれる礼音だったが、絶対城との関係は…さっぱり上手く行ってなかった。

同級生の友香に「自然体で付き合う事の難しさ」をぼやく礼音だったが、
そこへ通りがかったのは「こそこそ岩」事件で詐欺に引っ掛かる寸前を助けられた後輩の若林。
同じ農学部の先輩の兄の嫁さんがやはり詐欺に引っ掛かりかけているので何とかならないか、と礼音に頼み込む。
礼音から話を持ち込まれた絶対城は「なんでそんな赤の他人の問題に首を突っ込む」と苦々し気な顔を見せるが
「キャパをオーバーしない限りは人を助けたい」という礼音の態度に「それでも俺はお前のそんな所が」と
結局は予言を告げる妖怪「クタベ」を名乗るその予言者もどきへの対応を引き受ける羽目に。

予言者の元に乗り込んでバーナム効果を駆使した典型的なインチキ予言を見破った絶対城と礼音だったが、
やっぱり関係はさっぱり進まないまま夏休みに突入、どこにも出掛けようとしない絶対城を残して
礼音は一人、トラブルを解決して貰った若林の紹介で牧場での短期バイトに泊りがけで従事する事に。

潰れた体験牧場付のペンションを買い取り、若いのに勘の良さで順調な経営を続ける社長の元で
牛の世話に取り組む礼音だったが、休憩時間に通いの職員から
使われていない筈の裏の倉庫にわけの分からない機材や薬品を持ち込んでいるという話や
山にUFOが出るという奇妙な話を聞かされるが、その翌日件の倉庫の二回に子供の様な顔を見る。
元は獣医だという社長の奥さんからはこの家に子供はいないし、近所にもいないと言われるが…

うん、見事なまでのイチャイチャ回。
コミュ力がゼロの絶対城と女子力がゼロの礼音だから難しいとは思っていたが、ここまでとは!
素直にバカップルしてればまだしも「付き合い方がわからない」と中学生カップルみたいな姿を読者に延々と見せ付けるとか
…呪われてしまえ、というやっかみの言葉が読者の口をついて出てもおかしくないな、これは。

話の方は「予言獣」をテーマにしたいつもの短編連作形式。
「クタベ」「神社姫」「磯女」「アマビコ」と人の前に現れては豊作になるとか悪い病が流行ると予言を与える
そんな妖怪たちの噂を軸に展開されるのだけど…話の中心にくるのは小松左京ファンには嬉しい「アレ」ですよ。
そう、終戦間際の昭和20年頃に目撃談が相次いだ「×××」。

そんな予言を残していく物の怪たちの成り立ちを通じて
「バーナム効果と半分ずつ切り捨てていく予言の手紙」みたいな詐欺の手口を取り上げてみたり、
「予言獣ってのは表立って言いにくい事を妖怪の仕業として口にしたい庶民の願望」という流言飛語の
成り立ちみたいなネタを掘り下げていく展開はネタの豊富さを武器とする作者らしさが出ており、これ自体は期待通り。
そういった江戸期以降に増え始めた「予言獣」と対比してメインとなる「×××」の特異性に目を付けたのも悪くない。

でもいつもながらの「ビックリ生物学」よりも目立つのが絶対城と礼音の関係。
序盤では「何をどうしたら良いかわからない」といいつつもぶっきら棒な絶対城が礼音の良さを認める所を見せたり、
事あるごとに赤面させたりというのは普段の絶対城のクールキャラとの落差でかなりニヤニヤさせられる。
あれこれ理由は言うけど、一人で牧場のバイトに出掛けた礼音を追いかけてきたりと、まあ可愛らしいw
そりゃ登場人物がことごとくからかいたくもなるってもんで。
「自然体で付き合いたい」という問題を話の舞台となる牧場の経営者夫婦が危機を乗り越える姿を通じて
「好きな相手の前では格好いい所を見せたい」という自覚にまで持っていった事で問題にも答えを出した感が。

…とはいえ、やっぱり十巻ともなるとネタ的にも色々ときつくなるのか終盤の展開がかなり強引だったのは否めないかと。
尺が厳しいのは分かるけど、敵があまりにもおバカ過ぎるというか「絶体絶命の危機」を演出するには些か言動が間抜けすぎるかと。
これでは窮地を脱してもカタルシスが得にくい。
しかも今回絶対城が窮地を脱する為に使った方法がある種の「ドーピング」みたいな方法なのでいつもの知恵と知識を駆使した
解決シーンに比べるとご都合主義臭く「なんだかなあ」と微妙な気分になってしまった。

あとがきによれば、絶対城と礼音の関係と白澤の問題をいっぺんに描けば話が過密になるので二巻に分けたとの事。
確かにラストシーンは非常に気になる「引き」となっているし、その点の判断は正しかったと思う。
ただ、やっぱり終盤の演出が強引だったり、過去のキャラがいささか強引に顔を見せて話を展開させるのも
十巻を超えて、色々とネタを用意するのがきつくなってきたのかな、という裏事情が透けて見えた気がする。

次は敵である白澤との決戦となる様なので、これ以上話が薄まる前に完結までもっていって頂ければ、と
作品の長期化を感じた一冊であった。
絶対城先輩の妖怪学講座 十 (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:絶対城先輩の妖怪学講座 十 (メディアワークス文庫)より
4048932926

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