絶対城先輩の妖怪学講座 八
- オカルト (136)
- 妖怪 (27)
- 絶対城先輩の妖怪学講座 (11)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
絶対城先輩の妖怪学講座 八の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
絶対城阿頼耶先輩が黒ネクタイ、黒羽織なのは、なぜ?誰も尋ねないし。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作でいい感じだった主人公たちだが、リセットされたと思いきや、ラブラブモード継続中。絶対城君がツンデレでそこらへんの描かれ方がほどよい感じ。話自体はいつもの生物ネタでフツー。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前巻から随分待たされて「まだか、まだか」と首を長くして待っていた峰守ひろかずの新刊は二シリーズ同時発売。一ヶ月でもずらしてくれれば「おお、今月も 峰守作品が読めるのか!」と素直に喜ぶのに、同時に出た事で「おお、どっちから先に読めば良いのか困るではないか!」と嬉しい悲鳴を上げつつ拝読 物語はドラッグ騒動も一段落して迎えた新年度、四十四番資料室の前で「ユーレイ」こと湯ノ山礼音が決意を固めている場面から始まる。先日の事件で 助けになってくれた友人・友香に強引にお洒落を勧められた事で購入したフリル付きのスカートに肩から胸元を半透明な生地で飾ったタンクトップという ガーリッシュな装いの礼音は普段なら気軽に入れる資料室の前で息を整えていた。やがて意を決して絶対城先輩の前に出て見せると覚悟して入室した 資料室に居たのは絶対城と妖怪学の同門といえる女性・櫻城晃だった。遅れて姿を見せた絶対城から晃が資料室で寝泊まりしていると聞かされ仰天する 礼音だったが、必死の思いで見せた服装にはまるでコメントが貰えない。それどころか晃が持ちこんだ「ダイダラボッチ神像」と書かれた箱に入っていた 古い石像の正体と、その像を持っていると大入道が現れるという噂について晃と意見を交わす絶対城の姿に割り込むチャンスを見るける事が出来ないまま 胸の痛みを抱えて寂しく資料室を立ち去る羽目に。数日後、事の顛末とその後資料室を訪問できていない状況を准教授の織口に話した礼音の他人を慮る 姿勢を誉めた上で、たまには自分の損得も考えろとアドバイスする織口。その上で最近大学内にスキンヘッドで身長は2メートルを超える、まさに大入道の 様な不審者が出ている事を絶対城に伝える様に言い付けてくる。結局資料室に向かう礼音だったが、肝心の絶対城は杵松と飲みに行っており、一人で 資料室に居た晃は礼音に像を持ったまま付いてきてくれるかと近くの砂浜に連れ出す。訳が分からない礼音を他所に晃が「もう良いでしょ、出てきなよ」と 声を挙げると樹の陰から姿を露わしたのは噂の大入道。何も説明しないまま痛い目に遭いたくなければ像を渡せと言う男だったが、礼音の合気道と晃の 空手に逆に痛めつけられて這う這うの体で逃げ出す事に… 冒頭から礼音の可愛さ大爆発。第一シリーズから散々指摘されてきた女子力不足が災いして絶対城から女の子として見て貰えない自分を変えるべく、 可愛い服に身を包むわ、自分と同じ位腕が立つ上に絶対城との付き合いが長く、しかも妖怪学の知識では足元にすら及ばない晃を前にしてすっかり 「自分の出る幕では無い」と意気消沈するわと普段のオッチョコチョイなキャラクターとのあまりの差でヒロイン度が一気に急上昇。何よこの萌えキャラ! 物語の方は顰衆絡みで晃が手に入れたダイダラボッチ像が元々祭られていた場所である火山島・御場島(おんばじま)にダイダラボ講という土着の信仰の フィールドワークも兼ねて赴く絶対城に晃の事もあって「連れて行って」と言えないまま大学に取り残された礼音の姿が描かれている。妖怪絡みの依頼に 絶対城や杵松の力を借りずに対処するなど、妖怪学関係者として成長した姿を見せながら、謎の通信障害で絶対城と連絡が取れなくなった事で御場島に 向かうという展開が描かれている。その裏に絡むのは准教授・織口の親が決めたフィアンセであり地下資源の採掘や地熱の利用で知られる真鎧鉱業の 若き常務・真鎧龍成。千年前の噴火の際に人身御供として一人の女性が身を投げた御場島の火山を巡って危機に陥る絶対城と、礼音・晃・織口という 真怪三人娘の大活躍が話を盛り上げている(…織口准教授が「娘」と呼ぶべき年齢かどうかはこの際置いておく。女性って年齢をネタにすると怖いし) 事の発端が「ダイダラボッチ神像」と名付けられた石像が何故か女性の姿を模している事に対する疑問なのだけど、今回の話はとにかく女尽くし 何をおいても語らなければならないのは「絶対城先輩に女の子として認めて貰いたい」という、これまでにない程の礼音の積極的行動と撃沈してからの 復活劇、そして人間的成長。特に物語の中盤で絶対城にも杵松にも頼れない状況で受けた依頼を解決して見せたのは凄い。これまでの冒険で得た ありとあらゆる人脈を駆使してインチキ宗教を撃退するとは!…何故か協力してくれる相手は前回礼音を大ピンチに陥れた女ライターの杉比良だったりと やっぱりここで登場するのも「女」なのである もう一人、注目するべき女性キャラは一巻では絶対城や礼音の前に立ち塞がった織口准教授。騒動の結果として実家と縁遠くなりながらも名家の宿命と 言うべきか勝手に押し付けられたフィアンセ、恵まれた身分ではあるけどそれを鼻に掛けて他人を見下す事を憚らない傲岸不遜なエリート・真鎧の前で 見せていた貞淑な顔と、文系の学問など無価値だと自分の仕事を見下した上で、我欲を剥き出しにして一つの島を破壊しようとした真鎧に対して見せた 恐ろしい顔は「二口女」の面目躍如と言うべきか。スポットライトが当たったのは一巻以来だけど、「都合の良い存在」として良い様に扱われた結果、 男が見せ付けられる「女の怖さ」をしっかりと教えてくれる恐怖の変貌劇を見せてくれる。怖いだけじゃなく、嫌味すれすれのやり取りを交わす杵松と 要所では何故か息の合った所を見せてくれたりと、ああこの人も女性なのだな、とニヤリとさせられた いつもの如く、オチはビックリ生物学なのだけど、これがまた女絡みなのである。九州から東北までほぼ同じ形で知られている「ダイダラボッチ」の正体が まさか(削除)とは!千年の時を超える女性の想いと神秘に満ち溢れた生物の奥深さを結び付ける峰守ひろかずの発想に今回も唸らされる事間違い無し スケールが全国規模でデカいです 女・女・女ですっかりと影が薄い今回の絶対城先輩だけど、今回は遂にヒロイン枠と言うか「囚われのお姫さま」ポジションというのが何ともはや…元々が 腕っ節が必要な場面では礼音に任せていたけど、遂にピンチを救って貰う日が来ようとは!で、ヒロインポジションと言う訳でも無いけど、そっけない振りを していながら、もう完全に礼音を意識している事が丸分かりな所が可愛らしい。何だこの萌え主人公!照れて礼音の顔を真正面から見れなくなったり、 逆に意地を張って見つめ合って見せたりと…もう面倒だからお前らさっさと告ってしまえよと読みながら何度思わされた事やら 活躍するのも女性キャラなら解き明かされる神秘の核にも女という女尽くしの話だったけれども、第二シリーズの黒幕とでも言うべき存在がチラチラと姿を 見せ始めるなど、話が本格的に動き始めた様子も見え始めた。礼音と絶対城の関係も一気に進んだ事もあって物語のターニングポイントとでも言うべき 印象が強かった一冊。民俗学も生物学も一編に楽しめる上に物語のどこにも弛みが無いテキパキ進行でサクサクと読めてしまう完成度の高さは 相変わらずの作者の優れた構成力を感じさせてくれた。何冊読んでも飽きる事が無い素晴らしいシリーズである事をまたしても証明した様な見事な一冊 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|