絶対城先輩の妖怪学講座 十一
- 絶対城先輩の妖怪学講座 (11)
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前の人がとても良いレビューを書かれているため、そんなに挙げることはないんですが、表紙と口絵も最高です!絶対城先輩が珍しい格好してるなと思ったら…あとがきにも書かれてましたが、イラストレーターさんがクライマックス感を出せるように頑張ってくれたようです。読み終わった後に見ると印象が変わって、いい仕事してるなと納得でした。 後、絶対城先輩の本名がいつ出るかと期待してましたが、エピローグ巻で明かされますよね…?期待してます! | ||||
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シリーズの中ほどからその姿を見え隠れさせていた「白澤」の正体に近付きつつある中、 主役である絶対城と礼音の周りにも危険が迫り、これからどういう展開になるのかとハラハラしつつ次巻を待ってたら 前巻からの間隔が一年以上、13か月とは蛇の生殺し。それでも出たら読んでしまうのが人の性。 物語は……と、いつもの様に序盤の展開をご紹介しようかと思ったのだけど止めておく。 今回序盤から「えっ、まさか」という展開が続くので序盤を紹介する事すら野暮になってしまうのである。 動いたと思った次の瞬間にアクセルを床までベタ踏みするかの様な「急発進」には些か面食らった。 今回の物語の中心となるのは「裏切り」である。 10巻以上になる長期シリーズの中で絶対城や礼音に対する協力的だった筈の登場人物が次から次へと現れては 二人を窮地に追い込もうとする展開に。 それこそ平野耕太の「HELLSING」で序盤から頼れる執事として活躍してきたウォルターが裏切り者の顔を見せたのと 同じ様な衝撃が、「まさかこの人物まで白澤側に回るなんて!」という衝撃と絶望感が主役二人だけでなく 読者をも包囲していく様な形で押し進められる。 今回は「白澤」との全面抗争。 「高い地位にある者に妖怪に関する完全な知識を授けてくれる」という中国の伝承に登場するだけで、 凡そ正体という物が全く掴めない奇妙な妖怪「白澤」が最後の最後に登場するというのは 「妖怪」に関するあらゆる文献や言い伝えを知り尽くそうとして、「妖怪学」なる学問を打ち立てようとする 学級の徒・絶対城先輩の知識を求める姿を描いた物語としてはクライマックスのエピソードにこれ以上は無いかと。 「白澤」との戦いが単純な殺し合いではない所がミソな訳で、彼らが仕掛けてくるのは「誘惑」。 上にありとあらゆる人物に裏切られる、と書かせて頂いたが自分が追い求めてきた妖怪に関する知識、 なかんずく井上円了が著した伝説の書籍「真怪秘録」の存在までチラつかされて心が揺れるのは誰よりも絶対城先輩。 いつもクールな絶対城先輩の唯一の弱点が「人並み外れた学究への意欲」にあるわけで、 ここに「白澤」はつけ込んでくる事に。 お陰でこの「悪魔の囁き」に揺れる絶対城を傍で支える礼音の献身と健気さがこれまでになく光っている。 同時に周りから孤立した状態に追い込まれていく展開だからこそ二人の仲が急接近するのもこの巻の大きな特徴。 一応は既に彼氏・彼女の関係になった二人ではあるのだけど、絶対城の不器用さと礼音の女子力不足もあって やっている事はそこらの中学生よりも奥手という読者が「お前ら早くやる事やれよ」と言いたくなる状態。 そんな二人が追われる立場となった事で結果として「手に手を取り合っての愛の逃避行」みたいな形に。 物語の中盤で遂に絶対城先輩は「陥落」してしまうのだけど、 その直前に礼音と激しく粘膜同士を擦り合わせるシーンまで挿入されているのだから峰守先生超頑張った! (誤解は招くかもしれないが、嘘じゃないぞ?) かくて礼音は一人ぼっちで戦う羽目に陥るのだけど、ここからの展開が非常に燃える! 個人的に好きな王道展開は幾つもあるのだけど、その中の一つが長期シリーズの終盤が原点に回帰する展開。 例えば成長して幾つもの必殺技を身に着けた主人公がラストバトルで使うのが序盤で使った技、というのは超燃える。 その意味でシリーズ第一巻で軸となった礼音の「覚」としての能力がこのラストバトルで再び軸となる展開に 胸を熱くしない理由がどこにあろうか? 「負けて終わるのが常となっている妖怪・覚」が唯一勝って終わる物語に辿り着いた事で 真正面からやり合っても勝つ要素がまるっきり無い「白澤」相手に立ち向かえる様になる辺りに 一巻では自分の能力に振り回されるだけの女の子だった礼音の成長ぶりがよく出ていた。 絶対城と礼音の出会いに始まった物語が最後の最後で礼音の物語に戻ってきたような感動があった。 そして例によって「白澤」自身の正体はビックリ生物学で終わるのだけど……そう来たか。 流石ラスボスだけあって「生物かどうか微妙な存在」を出してきましたか。 知識というか「情報」を巡る物語だけに、これはこれで正解なのかもしれないが……意外過ぎ。 しかも古代中国に端を発する「白澤」が現代中国の一つの特徴となってる「アレ」を武器に使っていたりと 本当に毎回よく思い付くな、と峰守ひろかずの発想の豊かさに驚嘆するばかり。 ただ、今回ちょっとばかり引っ掛かったのは物語の語り手である礼音が登場しないシーンの処理。 これまで基本的に礼音の一人称で語られてきた物語に礼音不在の場面が描かれて、そこは三人称になってるのだけど、 この三人称の部分がえらく説明臭いのである。 状況を説明する為に登場人物が不自然な会話を交わす「説明台詞」もそれなりに引っ掛かる代物ではあるが、 地の文で説明が延々と続くと「これはちょっと」と読者としては一人称部分との落差に違和感を感じざるを得なかった。 ここはもう少し上手に処理して欲しかったところ。 ともあれ、最強の敵である「白澤」との戦いも集結し、「真怪秘録」も登場し、全キャラ再登場も済ませて 主役である絶対城と礼音の関係も今までになく深まった……平和な日常に立ち返った場面が最後にやってきて 「はー、全11巻、5年半に及んだ長期シリーズとも遂にお別れかー」と感慨に耽っていたら……終わりじゃない??? 後書きによるとなんとまだ一冊出すとの事……ここまでやってまだやる事残ってたっけ??? うーん、気になる……気になるから次は一年とか読者を待たせずになるべく早く出して頂きたい所。 | ||||
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