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(短編集)

起終点駅(ターミナル)



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起終点駅(ターミナル)の評価: 3.82/5点 レビュー 56件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全40件 1~20 1/2ページ
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No.40:
(4pt)

大卒者ばかりじゃつまらない

映画『起終点駅ターミナル』(2015年制作)を観て桜木氏に憑りつかれた私は、本を漁りはじめているのだが、映画の原作となったこの本は、桜木作品にしては少し趣向が違うと感じた。その理由は、社会の底辺にいて、問題は自分に学歴がないからだと諦観して、階梯思考を捨て、それでも自棄に陥らず、世間に伍して行く姿を丁寧に描いてゆくというのが、桜木文学の最大魅力と考えて来たからである。

本書は違う。この短編集に登場する主人公的な人物は、最後の一篇を除いて、エリート会社員であり、神父であり、新聞記者であり、弁護士であり、北大出の失業者であり、皆が一流大学を出ている。彼らの相方として先に述べたような人々も登場するが、なにしろ語り手が大学卒なので、相方との間に距離が生じてしまう。

大学出を眼の仇にするわけではないが、現在四年制大学への進学率が50%を超え、当然作家もその中におり、と言うことは、多くの作家の家庭は「中流」で、作家デビューする前は、執筆に時間を割ける比較的余裕のある優良企業に就職できたり、或いは親の金を当てにしたり出来る身分なので、通常それより下の階層が見えない。登場人物も必然的に大学卒となる。

勿論大卒者でも、「こんなはずではなかった」と儘ならぬ人生を悔やむ輩らはいる。だが彼らには学生時代の(あてにできる)多少の友人もいるし(いないのは大勢の学生がいるキャンパスで人付き合いの機会を意識的に避けてきた彼らが悪い)、物おじしない学歴もあるし、それに弁もたつ(立たないのは学業に励まなかった彼らが悪い)。

勿論、小説が描く、一度はこういった挫折を味わった大卒者からも大成する人物は出る。そうでなくとも非大卒者には与えられていない転運の機会は多い。

桜木氏は、そんなことはない、私の描く人物を見てもっと良く観て欲しい。とおっしゃるだろう。小説は階層を書くものではなく個人を書くものだと。当然そんな指摘は気にも留めないだろう。あえて領域を少し拡げたかったのかもしれない。だが、世の中には、依然として、半分近くの非大卒の老若男女が、余り日の当たらぬ場所で、自暴自棄にもならずに、「必死で流されて」いるのだ。目移りはしない方が良い
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No.39:
(5pt)

面白い

満足
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No.38:
(4pt)

期待を裏切らない作品だった

表題作の映画をBSで見て本書を購入、作者の作品は初読だったが期待を裏切らない秀逸な作品だった、特に表題作は過去、現在を巧みに描かれており物語にひきこまれた、ただラストシーンは映画では5歳で別れた息子の結婚式に出席するけど原作では欠席と重要な局面だけに意外だった。
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No.37:
(5pt)

うれしい限りです。

バリューブックスは丁寧にお礼のチラシやカレンダーまで入っており、うれしい限りです。
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No.36:
(5pt)

装丁が好きです

やや少女めいた表紙ですが、私はそれに惹かれて書いました。若い世代が上の世代の過去に触れながら、あるいは、上の世代が若い子を見ながら、、、日常を過ごしている。ドラマチックな内容ですが、あながち現実離れしてるとも言えない気がしました。若い時の過ち、若い故の激しい衝動。そんな過去を持ちながら今も生きている人々の姿に魅力を感じました。いろんな世代の方におすすめの本だと思います。
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No.35:
(5pt)

国選しか請けない弁護士が背負った過去

華やかさとは縁のない土地に独りで暮らす男は、弁護士である。もう高齢にさしかかっている。国選しか引き受けない。人間との深い関係を絶っているともみえるが、つつましいながら生活は乱れていない。むしろ食べ物にも、身の回りのものにこだわった暮らし振りである。桜木さんの作品にはこうした過去を背負った男と女が出てくる。舞台も同じ「釧路」。読むたびにこの地に行ってみたくなる。この弁護士のように、自分にもなにか再生のきっかけが見つかるのではないかと思わせてくれる明るさがこの作品にはある。
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No.34:
(4pt)

情緒があります

この著者の作品は他のものも読んだが、こちらの方が繊細で情緒的である。半面性的描写や官能的な面は薄らいでいるのだが。個人的にはこちらの方が好きだ。特に起終着点が良かった。映画では佐藤浩市が演じたそうだが、呼んだイメージからするともっと年取った俳優の方が良いと思う。私は北海道在住だがこの作者が描く道東は縁がないが自然描写の北海道的なものは感じ取ることはできる。良い作品だった。
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No.33:
(4pt)

やはり著者の文章力はたいしたものだと、改めて思わされました。

雑誌に「無縁」という題名で1~6話まで連載された短編集を収録した作品です。いずれも孤立と死がテーマの中心にあるようです。「潮風の家」「起終点駅」「海鳥の行方」の三作が結末の曖昧さもなく、読ませる作品群であると個人的には感じました。
 「起終点駅」に関しては、最後の展開が映画では、ハッピーエンド模様というかほのぼのとした雰囲気で終えていますが、それは映画という性格上仕方の無いことでしょう。しかし、原作の方が確かに「文学」になっていると思われます。(それにしても、確かに本田翼さんは敦子の役には合っていませんでした。どうして選んだのか?)
 他の3話に関しても、少々最後の展開に曖昧さを感じはしますが、なんにしても、この著者の文章力はいずれも大したもので、純文学の域に達していると言ってよいと思われます。短編を書かせたら、今一番の力量を備えた作家でしょう。兎も角、読ませます。
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No.32:
(4pt)

映画版とはエンディングが少し違います

映画を見て原作を読んでみたくなりkindleで購入しました。短編集なので、タイトル作も短い時間で読めます。キャラクターの設定やストーリーの脚色など原作から脚本への変化がわかり易いので日本映画が好きな人は一読してみる事をお勧めします。最も映画と原作で違っている部分はエンディング部分ですが、好みが分かれる部分ですね。
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No.31:
(4pt)

起終点駅(ターミナル)について

桜木紫乃さんが描く北海道独特の雰囲気に加えて、登場する人物の孤独とその先にある光を描いた短編で大変よかったです。
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No.30:
(5pt)

期待通りの桜木ワールド

北海道を舞台にした、脛に傷をもつ登場人物たちの短編集。
この作家の十八番ともいえる設定で、多少飽きるが、それでも、一つ一つの作品はドラマチックで、文章も美しい。

「たたかいにやぶれて咲けよ」が気になった。
ラブレスで、味わい深い詩を披露したこの作家は、この短編で、これまた、人生の酸いも甘いも知り尽くしたような短歌を。

小技が光るだけではなく、どの短編も味わい深い内容で、期待通りの作品。
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No.29:
(5pt)

映画を観て感動

映画を観て感動し、原作を購入しました。これから読み始めますが、作品の出来栄えを比較、批評したい。
ずっと大事にビデオと原作本を持っておきたいと思えるような作品であれば良いと思います。
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No.28:
(5pt)

海鳥の行方

短編が並んでいるが、「海鳥の行方」が良かった。
学生時代から付き合っている圭吾と里和は就職をきっかけに別れることになる。
新聞記者となった里和も裁判所勤務となった圭吾も就職先でとてつもなく苦労をするが、圭吾の方がうつ病と診断されそのことにどこか安堵する。
里和は新聞記者として防波堤で得体の知れない男と出会い妙な親近感を抱く。

貧しさからくる、生活の乱れや如何にもならない周辺事情、行き場のない暴力感情がありありと描かれている。

と、同時にど直球のセクハラに心が乱れる。

2017.7.25 読了43冊目
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No.27:
(5pt)

土地と人柄

映画の「起終点駅」を見てから、本書を読んだが、映画の展開と本の展開の違いに驚いた。
映画にするには、沈鬱すぎるから、シナリオを変えたのだろう。どちらがいいとは、言えないかな。
他の短編も北海道の地方の属性とからみあって、ずしりと響いてくる。この作者は短編のほうがいい。
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No.26:
(4pt)

映画を見てからです・・・

つまらないという読者もいると思います。桜木紫乃の作品の魅力が多々詰まっている作品でした。特に最後の潮風の家は、映画の原作になった起終点駅とともに、行き場のない寂しさを感じさせる話でとても良かったと思います。こんな後味の悪い作品、逆にどこ探してもありませんよね。それこそが桜木紫乃なんだと思います。
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No.25:
(5pt)

映画・小説ともに同じ世界観

昨年、表題の作品が映画化された時に映画と小説両方見ました。
映画を観た後に小説を読んだのですが、最後以外、ほぼ変わらず同じ世界観のままでした。
小説は罪を抱えた男が1人で生きていくこと貫く事を描いて終わっていますが、
映画では全く逆の終わり方でした。
かといって、小説の世界を壊している訳でもなく、最高の終わり方だったのを覚えています。
両方とも素敵な作品でした。
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No.24:
(5pt)

生き方

切ないけど暖かい心の交流が、人生を織りなす綾として、描かれている。日常に飽きた人にお勧めします。
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No.23:
(4pt)

北海道の静謐な大地を舞台に、男女の人生を冷めた眼で描いた短編集。

全部で6編収録。最初「かたちないもの」の主人公、笹野真理子以外全員が、著者も在住する北海道に住む人物を主人公に据えている。

 
 そこに描かれるのは、キラキラした観光地の生活、なんかではなく。一歩都市部を離れれば、時代に取り残され、冷たい大地の中で、ゆっくりと滅んで行く町の姿だ。

 登場人物もみんな、やるせない人生を抱えている。
 真面目で前のめりな分、融通が利かず、ギリギリで踏ん張っているような新米新聞記者の山岸里和。
 地元のホープだったのに、大手銀行を退職せざるを得なかった飯島久彦。
 そして映画版で佐藤浩一が演じたのは、女のせいで人生を持ち崩した弁護士、鷲田完治だった。

 作者は彼らの人生を、決して情を含まない様な、冷めた目線で炙り出してゆく。
 いくら頑張っても報われない、世の無情を感じるストーリーがその分、読めば読む程、染みてくるのだ。
 吉原で必死に働き、故郷に家を建てた老婆は、一生地元で心ない陰口に曝されて過ごすしかない。

 作者から染み出したような、圧倒的な哀愁に呑まれそうになりながら、夢中で読みました。直木賞作家の底力を感じた作品。
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No.22:
(4pt)

荒涼とした侘しい短編集

起終点駅 ターミナルの映画を視てからの原本を読むことになった。
この本には、六編の短編小説すべてが北海道を舞台としている。
瀬戸内に住む自分は北海道を決して陰鬱な地とイメージしない。
陰鬱なイメージを持つ地は、冬の日本海沿線だ。
薄幸な無縁社会がこの六編全ての共通のテーマだ。
侘しい、本当に侘しい殺伐とした作品の数々。
私はそんなに小説を読む方ではないが、直木賞受賞作家の表現力、構成力には脱帽したい。
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No.21:
(4pt)

いずれの短編も心を豊かにしてくれます

どの短編もずっしりと、読後残る何かがあります。
ただ、表題作は期待したほどではなかった。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
4094061363

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