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愛の領分
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愛の領分の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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この本は読みたいと思っていたのですが書店では入手できず、アマゾンで購入できたので大満足です。これからも書店で求められない本は、アマゾンで探します。 | ||||
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週末にふとこの小説に出会った。 都会の片隅で慎ましやかに暮らす仕立て屋が主人公。突然、久しく会ってない旧友が訪れ、2人の女性を巡って平穏な毎日に波紋が起きる。 二十代の余韻を引きずり慌ただしく落ち着かない三十代を過ぎ、ようやく生活がひと段落した五十代手前で、昔を振り返る時間ができる頃合いの初老ではない中年最後のおっさん読者に、きっと若かりし日の残火を思い出させる小説である。 精神的には過去を過去とするにはまだまだ若く、しかし突き進むほどにはもう若くはない主人公、淳蔵。が、体力だけは元気過ぎるのは50代手前のもう一つの青春の描写なのか。 結局、淳蔵は誰とも和解できていないように見える。まだ彼には後に続く時間があるからこそか。 | ||||
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主人公である五十過ぎの仕立屋の、若い頃駆け落ちまで考えた不倫相手の女性との再会、かつての使用人の娘との現在進行形の恋愛などを、肌理細かい筆致で描かれている。男女の愛とは何かと考えさせられる名著である。 | ||||
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時間を忘れるほど引き込まれる作品。藤田宜永を友人に教えてもらい感謝しています。 これからも小池真理子の作品と共に愛読したいと思います。 | ||||
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レビューに記入した通りで気に入らない事はありません。 | ||||
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即納していただきありがとうございました。 本は汚れもなく良品でした。 | ||||
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ハードボイルド作家が描く男女小説とでもい言おう。あえて恋愛小説とは書かない。 50代の主人公はこの時の著者の年齢と被らせて書いているのだろう。後書きでもあるが、著者の若い頃の女遊びを少し投影してしまっているという。 疑問なのは主人公が別にイケメンでもなく、金もあるわけでもなく、会話がうまいわけでもないのに女遊びができたのが謎。 50代の人が読んだら今から俺も新しい恋を!って思ってしまって溝にはまる気がするので読まない方がよいかも? 30代前半からの意見です。 | ||||
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最初から最後まで淳蔵の視点でストーリが進行していくが、淳蔵以外の登場人物の、内に秘めた葛藤や悩みや欲望といったものが透けて見えた。登場人物が皆、なまなましかった。 | ||||
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2001年第125回直木賞受賞作。 洋服の仕立屋を営む淳蔵の元に、若い頃ともに放蕩を尽くした高瀬が現れる。約三十年ぶりの突然の訪問に戸惑う淳蔵。淳蔵の故郷で旅館の主となった高瀬は、病床の妻 美保子を見舞うように懇願する。躊躇する淳蔵。なぜなら、美保子は、往時、淳蔵と不倫関係にあり、高瀬を裏切って一緒になろうとした仲だったのだ ・・・ 昔の愛した男、昔の愛した女。その当時の人間模様が、老境に入りかけようとする今、蘇り、男と女を雁字搦めしてしまう。 過去の男である淳蔵に、すがりはじめた美保子。美保子の容色の衰えを目にした時、憐憫と嫌悪とももいえる感情が沸き起こる。 淳蔵は、高瀬の元を訪れたときに出会った女性と、新たな愛が芽生え始めるが、美保子、そして高瀬の目が気になるのだった。妻を亡くした淳蔵だから、気兼ねは無用なのだが、そこはかとなく後ろめたさを感じてしまう。このくだり、激しく共感してしまった。長らく恋愛から遠ざかっていた男の熾火のあらわし方も良い。 淳蔵と大学生の息子の気持ちのすれ違いといった、登場人物それぞれの今の事情が語られる。大人の恋愛には必ず制約がつきまとうのだ。これまた納得。タイトルの意味も深いなぁ。 淳蔵、高瀬、美保子は50を越しているから 、大人極まった人のための恋愛小説になるだろうか。本作品は、若い頃に読んでもピンとこなかっただろう。ただの、色ぼけした年配者のすったもんだにうつったかもしれない。本作品に感銘を受けたということは、それだけ自分も歳をとったということだね。 | ||||
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二度買いをする本は少なくない、途中できづいても、二度目を最後まで読んだ本はそう多くない。其ほど惹き付ける本でした。 | ||||
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酸いも甘いも噛み分けた大人の最上の小説である。 この物語の登場人物たちは、人並み以上の経験をした人生の強者ばかりである。この様な人々の思考や背景、情念などをここまで迫真に深遠に描き出すことが出来るのは、豊富な実体験に根ざした、やはり人生の強者である作者のな成せる技だろう。 主人公の淳蔵が仕立てるジャケットの様に、何時までも色褪せることなく渋い光を放ち続ける名作である。 | ||||
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直木賞受賞作とのことで拝見しました。 大人の恋愛、と評すべき物語がこの本には詰まっています。 過去の自分の恋愛と今の恋愛を重ね合わていく。そんな経験は誰しもが持っているはずなのに、この本ほど真摯に向き合ってくれるものは無いと思います。 | ||||
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中年テーラー淳蔵と昔馴染みの恋のライバル昌平との深い物語、 ストーリーは現実から過去、それから現実にと二人の個性ある 女性との難解な大人の恋愛小説という感じがする。 淡々と物語は進んでいくが人間の身勝手さ、愛しさが、しっかり 描かれており面白い展開である。 | ||||
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若い時の友人の妻に横恋慕した主人公 その友人との28年ぶりの再会から物語ははじまる・・・・ 歳をとってくると不完全に終わった恋愛の記憶を美化してしまったりしたすることは誰にでもある経験だろうし 50を過ぎた年齢になっても、自分に再び恋の季節がやってくると考えてしまうこともあるだろう・・・ そんな気持ちをくすぐる物語で楽しく読むことができた・・・ しかもこの作家は世の中の裏側もよく見てきた人だとも思う そういった描写がいくつも見受けられて、この物語の完成度を高めている・・・ | ||||
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想定していたものと違いはありません。今後も期待しております。 | ||||
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直木賞受賞の恋愛小説。美と醜があっていいよね。えぐさもドキドキ。おぞましさにもドキドキ。静寂すらドキドキ。冒頭からものもの しくて一気に読ませる。そのストーリー展開の妙がきらめく。でもやっぱ一番いいのはそこで踊る登場人物だよ。そりゃそうだ。 でも、このたてつけを度外視したような感覚が何より欲しい。第三者には理解できないのが愛。よって、好みこそあれこの感覚に優れた 裏付けがなきゃ面白くもなんともない。 それにしてもこの人が描く女性は真に迫ってる。極論で言えば母性の描き方がだ。それが描けたとき対照的に男の生きざまも出てくる。 男はさ母性という絶対的なものを持ってないから、自分で創造するしかないの。でもそれは付加の総計か破壊の総計になりがちだ。 シビアだから矛盾が欲しい。それが母性。淳蔵みたいに知性へ逃げこんでも孤独だよ。昌平みたいにスポーツ感覚でやっても虚しいさ。 もっと素直になればいいのに。でも虚勢張りたがる。だからバランスが必要。母性。でもその母性もバランスを欠くと大変。美保子 みたいになっちゃうよ。いやいるんだよ。それが強烈すぎるが故に、往々に頼りない男に惹かれて、晩年に苦労しちゃうのも。 で、結局ウダウダ書いてたら何が言いたいかさっぱりわからんくなったけど、結論として言えることは愛の領分なんて四次方程式の答えは ないわな。が、結局それは男も女も謙虚に求めるべきなんだ。使われたり、反対に使ったりするもんじゃないことは確かなんだから。 | ||||
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愛の領分 藤田宜永 文春文庫 2004 単行本2001文藝春秋 藤田さんの直木賞受賞作品 男と男の出会い、別れ、そして当然そこにある男と女の出会いと別れ。 それは運命なのかそれとも偶然なのか。別れは必然なのか、そして男と女のどちらかに責任があるのか。 仕立屋の淳蔵を取り巻く世界、そこには運命にも似た人生が用意されていた。 東京白金と信州との間で繰り広げられる男と女の少し悲しい物語。 果たして、愛に領分があるのだろうか。愛の領分を分け合える二人だけが幸せになれるのだろうか? 文庫の後書きの後ろに、自伝エッセイ、母親の顔として、藤田さんがご自身をアダルトチルドレンだと告白し、お母様への想いを書き綴っているのが興味深い。また小池真理子さんのとの出会いにも触れている。 | ||||
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妻の小池真理子が「恋」で直木賞を取った後、旦那の藤田宜永がこの本で直木賞を取った。 「恋」よりこちらの方が、いろいろなタイプの男と女の心の陰影が深く描かれていて、心理劇を見るように読み進んだ。文庫版では本編終了後に「自伝エッセイ−受賞者が語る直木賞受賞までの軌跡 母親の顔」が所収されており、これを読むと「パーフェクトでなければ褒めてもらえない」母親へのトラウマが藤田氏の人格形成に陰を落とし、実に様々な経験と女性遍歴を繰り返したことが了解される。そんな藤田氏自身の心象風景がこの小説の登場人物全て、それは男も女も、に投影されている。だから深い。 NHK TV「今夜は恋人気分」でこの直木賞夫婦が出演しており、「外ではトキメキ、内では情愛」というタイトルだった。番組を見ていると小池の方がワルで藤田の方が純情なように見えた。「愛の領分」を読んで感じたのは、藤田はいわゆる「ワル」と後ろ指さされるようなことは若い時代に殆ど経験しているが、そういうワルをおもしろ半分とかカッコつけの為にやっていない。母親へのトラウマから脱するための必死な営みであり、女性遍歴を重ねながらも女性を信用できない(母親へのトラウマから)ジレンマに純粋に埋没したのだろうことだ。そういう意味での純情さが感じられる。 この「愛の領分」に主人公の淳蔵がわが子に言う言葉に、死んだお母さん(自分の妻)には情愛を感じていた、と。ああ、これがTVの「外ではトキメキ、内では情愛」ということなんだなと合点した。ちゃんと数えていないがこの本には「情愛」が2度出てくる。小池の「恋」には一度も出てこなかったと思うが。 | ||||
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表紙がとても重い感じなので、買ったまま少し眠らせて置いたのだが、一度読み始めたらはまってしまった。作者の登場人物に対する間合いの取り方や、時間の流し方などとても新鮮でいい。読んでる間とてもいい時間をすごせると思う。 | ||||
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一人息子を育てながら静かに仕立て屋を営む男、友人、その妻でかつての不倫相手、そして友人の元愛人の若い絵描きの女。この4人の愛憎を細かに綴った直木賞受賞作。 紳士服の仕立てという孤独な仕事が丁寧に描かれているのにも注目。 かつての恋愛相手が病気になり、外見のみならず、心もいびつになっているのが残酷で、作者の容赦ない筆致が「痛い」ほど。 「大人の恋の物語」であると同時に、「老い」に差し掛かるときの冷静と情熱の狭間で揺れる人たちの描写が見事。 | ||||
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