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風歌封想
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風歌封想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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ある日突然老眼になって、大好きな小説から遠ざかってしまったのだけどkindleを利用してからは毎日なにかしらの本を読むことが習慣になってます。 ワカマツカオリさんの挿絵で迷い込んだ綾崎氏の小説、久々に読み始め、途中またしても??間違ったのかな? と、錯覚させるこの感覚、楽しめました。 | ||||
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久しぶりの花鳥風月シリーズで大変楽しみにしていました。綾崎さんの純粋な文章に心が癒されました。 | ||||
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[花鳥風月シリーズ]待望の新刊!やっぱり綾崎隼にはワカマツカオリだよ。 揃えなきゃ!というコレクター魂に火がつく。内容としては、今までにないくらいいい意味で騙された...という感じ!今回も最高でした。 | ||||
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花鳥風月シリーズの6作目ですかね。 久しぶりのシリーズという事で期待していましたが、ちょっと期待外れでした。 今回は一部の章を除いて、主人公の二人が相手に向けて書いた手紙のみで構成されています。 個人的にどうもこの手の小説がダメで、イマイチ楽しめませんでした。 それでも最後まで読む事ができたのは、このシリーズ故でしょうか。 こういう小説があっても良いとは思いますが、 このシリーズに採用して欲しくなかったというのが正直な感想。 | ||||
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3年ぶりの花鳥風月シリーズだそうです。 ひさしぶりの純粋な恋愛小説でした。 主人公ふたりの手紙で物語が進んでいくため新鮮な感じがしました。 綾崎さんの優しい文章は、この物語にぴったりだと思います。 純粋な恋愛小説と思いこんで読んでいたため、後半で本当にびっくりすることになりました。 この作者の小説が好きな人にとっては、やっぱり綾崎さんの小説だと嬉しくなる一冊だと思います。 | ||||
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最近は講談社タイガの「君と時計と~」シリーズの方に軸足を移した感もある綾崎隼が久しぶりにメディアワークス文庫に登場。しかも新潟を地盤に東日本の 経済を牛耳る舞原一族の物語「花鳥風月」シリーズと来た。ノーブルチルドレンシリーズを挟んで舞原一族の構成もすっかり記憶が薄れた状態で拝読 物語は舞原和颯に宛てた一通の書簡から始まる。「風の便りであなたのことを聞きました。」という一文から始まるその書簡において差出人は新潟に住む 和颯の住所を高校時代の友人から聞き出したのだと打ち明ける。三十歳を迎えたこの夏、新潟美波高校三年四組の同窓会が進学や就職で関東に移った 人間も多い事から東京で開催され和颯に会える事を心の片隅で期待していたという差出人は、八年前に和颯と別れた事を引きずっている事を明かした上で 自分が描いた夢に指先すらも届かなかった負け犬の様な大人になった事を打ち明ける。今のみっともない姿を晒す事を恥じながらも差出人は和颯に 高校時代の沖縄への修学旅行で他人と関わるのが苦手だった自分に和颯が気を使ってくれた時から惹かれるようになったが、舞原家の人間である 和颯と単なる庄屋の末裔でありながら家格に拘り、婿を取る事を頑なに娘に期待する家の人間である自分が付き合う事が如何に困難であるか17歳の 自分には分かっていなかったと後悔の念を語るが… 書簡体の文章で書かれた作品と言うのは久しぶりに読んだなあ…正直、森見登美彦の「恋文の技術」以来じゃなかろうかと。ただし、「恋文の技術」が 京大の阿保学生である守田一郎から複数の人物に宛てられた書簡を並べた作品であるのに対し、本作は舞原和颯と藍沢瀬奈という二人の人物に 宛てられた別の人間によって書かれた書簡が交互に並べられる、という形式を取っているのが大きな違い 書簡を通じて見えてくるのは、舞原という超名門の一族との恋愛の困難さ、自分も旧家出身であり婿を取る事に拘る両親に対する反発、その反発から 産み出されたクリエイター職への憧れ、憧れだけではどうにもならず心が折れ望まぬ仕事に就いた自分に対する惨めな思い…基本的には後悔や自嘲 といったネガティブな感情を抱いた女性の想いであり、またその女性が別れた相手に対して抱き続けている未練である。そしてもう一方の男性の手に よる書簡からはネガティブな想いを抱き続けている女性を気遣いながら、交際中には相手の抱える想いに気付いてやれなかった事への悔いの様な物が 見えてくるのである。基本的にはネガティブではあるのだけど、三十路に入ってようやく若い頃の自分の未熟さや愚かさにある程度距離を置いて冷静に 眺める事が出来るようになった差出人の人間的成長も感じられる事で、陰惨なだけの話になっていないのが有難い ただ、途中から二つの書簡の内容に微妙なズレ、みたいなモノが見えてくるので「うん?」と首を傾げる様になるのだが、物語後半で迎えた幕間劇で そのズレの正体が明かされた瞬間には「うわ、やられた」と唸らされた。それまで見てきた絵がある瞬間から、別の物に見える騙し絵的な魔術的構成は 綾崎隼独特のものであり、「そうだよな、花鳥風月シリーズはこういう構成が売りだったんだよな」と久しぶりに綾崎マジックの真髄を味わせて貰った 特に今回は書簡文で綴られた前半部分が(自己検閲)だと思い込まされた事で真相が明かされた時には「分かっていても騙される」作者の構成の巧さに 脱帽させられる ただ、構成は非常に巧いのだが登場人物のキャラクターが薄く、若干構成に負けているという印象も受けた。悪く言えば構成の奇抜さにばかり目が行って 人間ドラマを見せられたと言うよりもマジックショーを見た様な印象になってしまっているのである。書簡文を使った仕掛けの為に登場人物の見せられる 部分が限られてしまうのは理解できるが、伏せた部分が多過ぎると仕掛けが悪目立ちすると言うか…。別にこれは綾崎隼が人物を描けないという訳では 無いのである。作者が後書きでありったけの知略を詰め込んだと語る「君と時計と」シリーズはあれだけの大仕掛けでありながら、登場人物が生き生きと 動きまわる事で仕掛けに負けない濃いキャラクターを見せているので、これはあくまで本作に限った問題であろうかと ともあれ、過去の花鳥風月シリーズの魔術的な(あるいは騙し絵的な)構成をもう一度堪能したい、という方には間違いなく手に取る価値のある一冊で あるし、仕掛け自体の見事さは疑うべくも無い。後書きによれば花鳥風月シリーズはまだ構想が尽きていないと言う事でファンには期待が持てるかと (なんとノーブルチルドレンシリーズも新企画があるとか!)。巻末の舞原家の系譜図は膨大なキャラを覚えきれない人間には嬉しい気配りであった 久しぶりに読んだ花鳥風月シリーズであったが、良くも悪くも綾崎作品であったな、という印象が残った一冊であった 追記 個人的に「レッドスワン」シリーズを未読だったのが惜しまれる…作中で繰り返された電子レンジネタが気になって仕方ない | ||||
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