世界で一番かわいそうな私たち 第三幕



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初公開日(参考)2019年05月
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長編小説

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世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)

2019年05月22日 世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)

フリースクール〈静鈴荘〉に通う岩瀬知香は、中学校への復学を強要する母親との問題に悩んでいた。彼女が学校に行けない「本当の理由」を告げられた新米教師の佐伯道成は、先輩教師の舞原杏と救済の道を探す。そして明らかになる杏に隠された「世界で一番かわいそうな夫婦」の秘密。戦後最大の未解決事件が起きた十年前に時計の針は巻き戻され、すべての罪は白日の下にさらされる。シリーズ完結巻!(「BOOK」データベースより)




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No.3:
(5pt)

リズム感がある本

心の深いところに染みてきます。
世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)より
4065156025
No.2:
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

詩葉の想いを知りながら時効を前に佐伯が取った行動は……読者を蛇の生殺しみたいにして終わるとは……

劇場型犯罪「瀬戸内バスジャック事件」を切っ掛けに人生が狂った人々が運命に導かれる様にして集まるフリースクール「静鈴荘」を舞台に描かれる人間模様・三巻目……というかやたらと早い完結巻。

物語は瀬戸内バスジャック事件発生から10年目を迎える1999年の8月から。通学組である岩瀬姉弟がそろって遅刻してきたある日、佐伯は杏から姉弟の様子に注意して欲しいと依頼される。弟の泰斗が「失読症」で通常の学校での学習が難しい事からフリースクールに預けられる事になり、姉の知香は弟が一人だけ家族と離れるのは可哀そうと付き合って静鈴荘に入学した事情があるという。しかし佐伯は泰斗が「サヴァン症候群」の持ち主である事を見抜き本当は泰斗ではなく知香にこそ静鈴荘に移る理由があるのではと泰斗に問い質すが……

なんという「蛇の生殺し」……ここまでスッキリしない完結、いや打ち切りも珍しい。後書きで作者が「ひょっとしたら一年後を舞台にした話を書くかも」とは言ってるけど、この作品もっと大きな構想で始めたんじゃなかったんだろうか?いくら何でもぶつ切り感が酷すぎる。いや、こう書くと駄作を読まされたかの様に受け止められるかもしれないし、実際に「ここはちょっと」と思う所もあるけど基本的には面白いんだよ、この作品。だからこそこういう書き手も読み手も納得できない形で終わる事にどうしようもない「やりきれなさ」を感じる。

話の方は前巻で静鈴荘の同居人である医者の千桜瑠伽が触れた詩季と杏の奇妙な夫婦関係が軸となっている。冒頭がフリースクールに通学生としてやってきた姉弟の話なのに、そこからどうして舞原夫婦の話になるのか繋がりが見えないという方も多いと思うけど「罪」と「告白」という部分で確かに前半で描かれる岩瀬姉弟と佐伯の話が繋がり、時効の迫る中で佐伯の下した決断が舞原夫婦の過去が明かされる流れに無理なく繋がっているのは流石と言うべきか。

この巻の最大の見所は遂に明かされる舞原杏、旧姓千桜杏の過去かと。綾崎隼作品では最早欠かせない要素の様になっている新潟に地盤を置く二つの名家「舞原」と「千桜」だけど、過去作で散々エグい部分が描かれてきた舞原家に負けず劣らず千桜家もエグい。身内での権力争いでも容赦がない千桜の政略結婚の道具として使われる事を自らの夢の為に受け入れた杏の姿にそのエグさがよく表れている。

ただその政略結婚で婚約者となった小説家志望の少年を杏が愛する様になる展開は読者に多少なりとも救われた様な気分にさせてくれるのだけど、その「救い」を一旦与えてから、より深いどん底に突き落とすから読者としては読んでいて絶句するほかない。こういう突き落とし方の上手さは流石綾崎作品と言った所だろうか?素晴らしい才能の持ち主が怪物みたいな才能の持ち主に運命を狂わされるという意味では作者の「君を描けば嘘になる」に通じる部分がある。

その過去を通じてこれまでミステリアスなキャラとして描かれてきた杏のどうしようもない「壊れっぷり」が読者に突き付けられる。同時に静鈴荘の生徒に対する一種異様なまでの使命感と思われてきた杏の献身が放っておけば完全に壊れてしまう杏自身を守るための「共依存」みたいなものだと明かされるのでますますやり切れない。

「瀬戸内バスジャック事件」の犯人として自分が人生を狂わせた相手が詩葉だけではないと知った佐伯が時効ギリギリで一つの決断を下す所でこの物語は幕を下ろすのだけど……ああ、勿体ない。こんな中途半端な終わり方があって良いのだろうか?ぶっちゃけここまででようやく「第一部・完」みたいなものじゃないかと、ここからようやく詩葉や杏の物語が始まるんじゃないかと個人的には思っている。

「敗因」を挙げるのであれば第一巻で描かれた「瀬戸内バスジャック事件」の一部始終がちょっとご都合主義過ぎた様に時々説得力に欠ける展開が挟まってくる綾崎隼の悪い癖があるかと。今回の杏の過去を描いた回想シーンでも杏が政略結婚の婚約者である少年を深く愛する様になる過程が「自分は小説を書くために生まれてきた」と宣言されただけってのはどうにも説得力が欠けている様に思われて「え、それだけで惚れちゃったの?」と首を傾げる部分があった。
打切りということもあってページが足りなかったのか詩季が杏を愛する様になった理由みたいな物もほとんど触れられなかった事もあり少々ここいら辺は「雑」と感じられる。

また各巻で静鈴荘の子供たちが巻き込まれるトラブルを描く部分と佐伯や詩季・杏の夫妻を軸としたこの作品のメインとなる部分のバランスにも少々難があった様に思われる。特に今回の岩瀬姉弟の話なんかは完全に尻切れトンボみたいなオチが付いたのか付いてないのか分からないまま終わってしまったし。この辺りのバランスが難しかったのか本来であればヒロインである筈の詩葉がやたらと影の薄いキャラになってしまったのも頂けない。

「一年後の話」が刊行されるかどうかは分からないけど、読者の一人としては「また随分中途半端になってしまったなあ」と非常に無念に感じる次第である。どうにも遣り切れなさが残ったシリーズ完結巻であった。
世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)より
4065156025
No.1:
(4pt)

シリーズ完結

フリースクールを舞台にしたミステリー、いよいよ完結です。
瀬戸内バスジャック事件の時効日を迎え、期待していた結末ではありませんでしたが、
まずは一件落着ということで、なかなか面白かったです。
あとがきによると、物語終了後、1年後のお話が出るかもということで、
期待した結末はそちらに委ねようと思います。
メディアワークス文庫から出ている著者作品と同じ世界設定なので、
あちらから出ている大量のシリーズを読んでおくと、より楽しめると思います。
登場人物も増えたことですし、改めて人物相関図が欲しかったですが、
そこはさすがにレーベルの壁ですかね。
世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:世界で一番かわいそうな私たち 第三幕 (講談社タイガ)より
4065156025



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