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重力ピエロ
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重力ピエロの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全274件 141~160 8/14ページ
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| 初出は2003年4月。伊坂幸太郎が1970年代生まれとして初めて直木賞候補となった作品である。ぼくの読後感ではむしろ芥川賞受賞であるべき作品だと強く思う。これを選考から漏らす選考委員は失格だと断言してしまいたい。この作品のテーマは『家族』だ。『家族』はなぜ『家族』なのだろう。ローランド・カークの音楽を無意識に聴き、兄弟・父子・母子の間で交わされる会話が、その答えを示すかのように輝き続ける。言葉をキャッチ・ボールする春と泉水、そしてその二人を見守る末期癌の父。登場する人物の誰もがラストに向かって光を強める。 この慈愛に満ちた小説を生み出す暖かみある力に、これから生み出される作品に期待するな、という方が無理だ。伊坂幸太郎の才能は村上春樹以上かもしれない。 | ||||
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| レイプ、殺人、ストーカー 作品中で扱っている題材は少々大人向けだが、家族や兄弟の繋がりに透明感を 感じる。 弟の春には特異な出生がある。彼を思いやる兄と両親を中心にその家族の思い が綺麗に語られる。類似した作品を見たことない。 本屋さんが読んで欲しい本に選ばれているようだ。 | ||||
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| もし本気で「君は薔薇より美しい」とか「あなたの瞳は夜空の星のようだ」みたいな言葉で女性を口説ける男がいたら、そいつはかなりの凄腕だと思う。そんな寒いセリフが効くかよ!――仰る通り。でも逆に、それを決め手にもっていけるとしたら、天才的なプレイボーイ(この言葉もちょっと寒いけど)ではないだろうか。 文庫の解説には「洒脱なユーモアと緻密な構成で読む物を唸らせ、近年まれにみる資質の持ち主として注目を浴びている」と書かれている。それはその通りだが、あまりに一般論的でもある(解説だからいいんだけど)。そのことを俺なりに述べると、最初に書いた決めゼリフみたいな感じになるのだ。たとえば、その「洒脱なユーモア」も滑り落ちるぎりぎりのところにあったりする。 「仕事は一人でやるものだ」 「ビートルズは四人でやってましたよ」 「だから解散しただろ。ボブ・ディランは永遠に解散しないぞ」 この辺は外角低めすれすれのストライク(村上春樹っぽいけど)。でも、 「俺の息子たちには、この病院に花を置く発想がなかったからな」 「そういう繊細さを、親から教えてもらえなかったんだ」 「親の顔が見たいな」と父が言うので、私はすぐに父を指差した。 こっちはボール1個分外れてるかな、惜しいけど、みたいな感じだろうか。でもそれはそれでアクセントにもなっていて、伊坂ワールド全体を歩き終えると心地よい充足感につつまれる。感覚的に書いているようで、物語の先まで見通す力の高さ。たいした書き手ですわ、この人。 | ||||
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| 「アヒルと鴨のコインロッカー」で伊坂さんの面白さを知りこの作品を読みました。 他の作品と比較して、ごりごりのミステリーではなく、ヒューマン要素のある作品であると感じます。 読み終わった後に、悲しさの反面家族の絆の強さを感じました。 また、事件のトリック、所々で引用されている知識や先人の言葉が専門的であるにも関わらず、突出せずに上手く文章の中に取り入れられていました。 ストーリー、文章構成ともに唸らされた作品です。 | ||||
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| 人はDNAによって、親の遺伝子によって支配されるものなのか? そんなテーマを基にストーリーはすすんでいきます。 親子、兄弟の愛はDNAを超越していると思います。 相変わらず仙台市内の描写がたくみです。 | ||||
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| 著者の最近の作品である『ゴールデンスランバー』を読んだ時点では、 構成の上手い作家ではあるけど世でもてはやされるほどの作家ではない、という印象でした。 しかし、この作品を読んで、その考えが誤りであると知らされました。 この作家は恐ろしく小説が巧い。 文章が上手いのではありません。物語を書くのが上手いというわけでもありません。 もっと言えば、上手い、と書くより巧い、と書いた方がしっくりします。 適切な場所でそれとわからぬうちに伏線を張り、読者が忘れたような頃に再登場させる。 そのテクニックは、お見事、としか言いようがありません。 ただ、トリックや謎解きがメインのミステリとしては、少々わかりやす過ぎるきらいがあります。 が、一読の価値は多分と言ってあまりある程にあると思います。 | ||||
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| タイトルからして正にそうなのですが、微妙にズレているのにそれがいちいち快感で、細部のフレーズも感覚的に妙にしっくりくるものが多く、全体の枠組みも実はしっかり作り込まれており正にオリジナルな世界を確立しています。 こうした特長を全て受け継ぎつつ、寓意のない寓話、騙し絵、エンタメに続く本作は私にとっては驚きの大感動作でもありました。 ワンコインで文庫を買えなくなって以降余りに馬鹿馬鹿しくて日本の小説を読まなくなって仕舞いましたが、久し振りに金を出して買う価値のある小説家に巡り会ったと断言出来ます。 | ||||
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| 仙台市内で連続発生する放火現場近くには、必ず奇妙なグラフティアート(落書き)が 発見された。謎解きに乗り出す「泉水(いずみ)」と「春」の兄弟の前に、徐々に明らかになる 放火と遺伝子とのリンク。それは、弟、「春」の出生の秘密とも重なって… 「オーデュポンの祈り」の方が、圧倒的な想像と創造の力を感じたが、小説としてのまとまり はこちらの方が上。本作でファン層が拡大したというのも頷ける。 ミステリーっぽい展開だが、決してミステリーではない。 自由で軽妙な語り口で運ばれるこの話は、とてつもなく重いものを背負った家族が、 重力に逆らおうとするピエロのように、苦悩を仮面の下に押し隠しながらも、 軽やかに跳ぼうとする様を描いた家族の愛の物語である。 終章、兄弟の父が春にかけた言葉には泣かされる。 それにしても、ポンペイの遺跡から、ネアンデルタール人、DNA、ガンジー、 ジョルジュ・バタイユ、フェルマーの最終定理と、とんでもない分野から話題が引用され、 それが自然に小説に収まっているところに、単に博覧強記に止まらない伊坂の小説家として の天賦の才を感じずにはいられない。 | ||||
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| 最近作をいくつか読んで、面白かったので昔の作品を読んでいます。 本書の半ばまでは訳の分からない話が至る所で進行していきます。それが少しずつ繋がっていき。最後にどどどっと一つになるという著者ならではの手法で描かれた作品です。 テロメアの意味の謎解きなどは「やられた」と思った伏線でした。「ラッシュ・ライフ」と同じくらい面白い構成の本でした。 | ||||
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| 淡々と物語が進められているせいか、かえって重い出来事がスムーズに流れて行く感じを受けました。 登場人物がやたら文学や哲学の話を続けていますね、その会話が余計に情景を自然に受け入れていく仕組みになっています。 個人的に興味深い文体でした。 | ||||
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| 絵画、文学、名言など様々なものが引用されていますが、その使い方が見事としか言いようがありません。 中でも、芥川の「地獄変」やドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に関する記述はまさにこの本にピッタリと言ったところでしょう。 また、「オーデュボンの祈り」や「ラッシュライフ」を読んでいるとニヤリと出来るような小ネタも秀逸です。 この本を読んでからそれらの作品を読むのも一向かと思います。 欠点としては、兄弟の会話に引用が多すぎる為にわざとらしく感じるところでしょうか。 逆に言えば、その多用される引用がこの作品の持ち味とも言えますけど。 私はリアリティよりも小説としての面白さを追求した結果と解釈しています。 | ||||
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| 伊坂作品を読むのは2冊目。「アヒルと鴨のコインロッカー」が面白かったので、ミステリーランキングなどで評判の高い当作品を読んでみました。ちょっとがっかりしたというのが正直な感想です。深刻な内容を軽々としたアレンジでというのは両作品に共通していて、「重力ピエロ」という題名もそういった意味のようです。もしかしたら、他の伊坂さんの小説もそういう感じなのでしょうか?確かに人生に十字架のようなものを負っていて、どうにもならない運命に翻弄されてしまうということはありうることだと思うのですが、この作品の主人公が意志を持ってする行動が、私には了解不能でした。ただ、映画化が決定しているとのことですので、それは楽しみにしています。「アヒルと鴨のコインロッカー」を映像を見てから原作を読むという形で楽しんだので、この本を読んだあと映画を見たらどうなのかなっていう・・・だって美男美女がいっぱい出てくるはずですものね。 | ||||
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| 内容がレイプや放火を題材にしていますが作者の持ち味であるユーモアの利いた文章であまり暗い気分になることもなく一気に読めました。登場人物の会話は音楽、絵画、人類の歴史、動物などバラエティに富んでいて面白かったです。勉強になりました(笑)ラストはスカッとしました。まさに勧善懲悪。 家族の絆には血のつながりや、遺伝子なんて関係ないんです | ||||
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| ちゃんと繋がっていはいるけど、どこかショートショートちっくな話の繋がりで、 どういう結論に繋がっていくか、最初見えないまま手探りで読んでいたのですが、 泉水と春の最強兄弟コンビの繋がりが素敵でした。 泉水は弟思いの、いいにーちゃんです! この普通のにーちゃんの目から見ると、弟の春は、ちょっとというか、かなり エキセントリックなところもあるけど、筋が通っているので許せます。 美形だというのもポイント高いです(笑)。 兄弟のお父さんも素晴らしい人で、こんな人が父親だったらいいなぁ等と思いました。 ストーカーさんも探偵さんもいい味出してます! 最後がどうなるか明確には分からないけど、これをよしとするか否かは、 罪と罰についての個人の考え方によるのではないでしょうか。 私は殺し屋みたいなおじさんのところに行った事でよしとしますね。 キャラクターが重要と考える方には問題なくお勧めします! 曖昧さは絶対駄目という方には余りお勧めできません。 | ||||
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| ページをめくる手が止まらない。 春が格好よすぎて、 黒澤の活躍が嬉しくて、 DNAを超えるものを知りたくて、 ダメだ、病み付きだ。 | ||||
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| この本を読むことで自分の中で何かが変わる、というほどの衝撃はありませんが、 自分が同じ場面に直面したときにどうするだろうという問いかけを与えてくれる作品であり、 また、作品の世界観・ところどころに見られる気のきいたフレーズ・ちょっとした雑学で、 心や知識欲を満たしてくれる作品であると思います。 偉人の名言や日常の光景に対して春や泉水などが批評するシーンを見て、 伊坂流の解釈を楽しめるのもこの作品の特徴ですね。 全体的に面白い作品ではありましたが、個人的には、情景の描写に多少の物足りなさを感じたので、 評価は☆4つとしました。 | ||||
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| 伊坂作品らしく、登場人物が魅力的。 途中で犯人は分かってしまったのは、 アタシの勘が鋭いとかそういうことじゃなくて、 犯人の謎解きがこの本のテーマじゃないんだろうな。 だから、読者をそこでドキドキさせたいわけじゃないんだろうなって思った。 謎解きやミステリーじゃなく、 家族愛なんだよね。 多分。 少なくともアタシにはそう思えた。 だから、父親と春が握手をする場面で、 涙が出た。 | ||||
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| 伊坂幸太郎さんの作品を読むのは初めてでしたが、「大当たり」だと思いました。 まず最初の四行を読んだだけで世界に引き込まれる。 ただの文字の羅列なのに、痛みを感じ、質感があり、感情がわきあがってくる。 ミステリーというよりも、ある家族が自分達の過去とどう向き合っていくか、を描いた小説です。わたしはミステリーはあまり読まないのですが、ミステリーを求めて読むにはオススメしません。 最近の作家ではずば抜けた才能を持っていると思います。とにかく、この本にめぐり合えてよかったと思いました | ||||
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| いい話でした。 すれちがう人が皆振り向く美形の春、その兄で平凡な会社員の泉水。 二人が仙台を騒がす放火事件に関わっていく過程で発覚する意外な真実とは…… 伊坂さんは伏線の収拾の仕方がほんと上手いですね。綺麗です。 「陽気なギャングが地球を回す」も感嘆したんですが、ここまでくるとほんと職人芸です。 変に自己顕示欲強い作家さんだったり逆に親切な作家さんだったりすると伏線の前後は「ここ伏線ですよ!答え合わせにでますから!」ってアクセントおいちゃったりするもんですが、伊坂さんは全然それがありませんね。なんでもない会話中にするっと重要な伏線が滑り込んでる感じで、それが終盤でひとつずつ拾われ綺麗に回収されるのが凄く気持ちいい。 家族愛親子愛がにじむ会話に所々ほろりとします。 冒頭としめの一文が呼応して輪を閉じるのも憎い。 | ||||
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| 読者にとって方向性が見えないように物語を進めながら、細かいエピソードである種の共感や感慨を与えると言う高度な技巧と広範な知識で読む者を惹き付ける作品。衒学趣味と言う嫌らしさの一歩手前で読者に提供される遺伝子工学、絵画、ジャズ、原(猿)人等の幅広い話題が物語のアクセントになっている(ただし、「シャイニング」の挿話は映画と原作の取り違えだろう)。題名は「笑いを浮かべ空中ブランコを飛ぶピエロは、重力を感じない」所からの由。「本当に深刻な事は、陽気に対処すべき」程の意か。 主人公は父方の血が繋がらない兄弟。兄が語り手役で、出生の翳を持つ弟"春"の奔放かつ繊細な人生観・倫理観が主題と言って良い。二人の掛け合いはテンポが良く、読者を引き込む。そして、"春"が放つ警句は人間(生殖)への懐疑が根底にあり含蓄が深く、これだけでも物語を引っ張って行ける。癌患者の父の造詣も巧み。舞台は仙台で、兄は遺伝子関係の会社員。並外れた絵画の腕を持つ"春"は、壁にイタズラ書きされたグラフィティアート消しのアルバイト。そして仙台で起こる連続放火事件が一応の軸。"春"はアルバイト中に、この連続放火のルールのヒントを発見する。パズル好きの兄と"春"は事件解決に乗り出すのだが...。整形美人として登場する"春"の元ストーカー。相変わらず続く二人の軽快だが意味深な会話と回想談。放火ルールと遺伝子との意外な関係。不思議な存在感のある探偵の黒澤。これらを渾然一体として描きながら、読者に"ある予測"を持たせながら物語は終局に向かって行く...。 深刻なテーマを扱いながら、"桜の花がたゆたう川"の流れのように物語を展開する作者の手腕は特筆もの。物語に浸る事で、読む者の心を強く優しくする傑作。 | ||||
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