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(短編集)
君が降る日
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君が降る日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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せつない、としか表現し得ない。淡くて脆い表現に、さるきちの胸はくっと詰まる。つきあっていた彼、降一の事故死から物語は始まる。その時点でもう、明るい話ではないと悟るものの、なんとか主人公に救いの手がさしのべられることを読者は祈りながら読み進めていく。さるきちもすっかり虜となり、壊れそうな志保のココロを、生まれたばかりの雛鳥を手のひらに乗せてるような気持ちで見守ったのでした。 降一は友人の五十嵐とドライブに出かけ、事故に遭遇した。ドライバーの五十嵐は助かった。五十嵐は繰り返す「すみません」と。その五十嵐の心中を察してもココロ苦しい。志保の行き場のない怒り、悲しみ。「アナタが代わりに死ねばよかったのに」 そんな、決して言ってはならぬ言葉さえ、口元からこぼれそうになる。でも、彼も苦しんでいるのだ。そう、それがわかっているから、志保は怒りの矛先を見失い、いつまでも彼の死を乗り越えられずにいる。事あることに降一を思い出す、彼のセリフ。 しぐさ。笑い声。嗚呼、せつない。どうしたら、いなくなった愛しい人を、悲しすぎる過去を、忘れることができるのだろう。 死んだ隆一を接点としてつながる志保と五十嵐。二人の関係はどうなるのか。彼らは悲しみを乗り越え、“生きて”いくことができるのか。 どこまでもせつないお話でした。 | ||||
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恋人を亡くしたことから、ゆっくりと立ち直っていく志保。 自分の不注意で友人を失い、その痛みを抱えて生きていくことになる五十嵐。 悲しみの種類は違えど、そのことで距離を縮めていく2人・・・。 志保には幸せになってほしい。・・・・でも、降一のことも忘れないでほしい。 五十嵐にだって前を向いて、降一の分も生きて欲しい。 でも、降一が私の大切な人だったら、何があっても私は五十嵐を許すことはないだろう。 大切な人を失ったことのある人は、100%立ち直れるなんてことは絶対にない。 前を向いて生きていても、悲しい記憶は忘れず、自分を形造る要素としていくべきだと思う。 いちばん好きなのは「野ばら」です。 祐と佳乃は恋には発展しないものの、仲が良すぎる2人。 最後の一文がズシンと重たい。 「私達は、あの雪の日から、別れると言えない関係を紡いでいたのだと、初めて気づいた。 ただ一つの、好き、だけが欲しい思春期にとって、それがどんなに棘だらけの野ばらだったか、私は知らなかった。」 “別れると言えない関係”・・・・・これってすごーい適切で切ない表現。 どのお話も、もう少し先が知りたいようなお話でした。彼らはどんな未来を歩くのでしょうか。 | ||||
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