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(短編集)
大きな熊が来る前に、おやすみ。
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大きな熊が来る前に、おやすみ。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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短編を書いてみたかったと島本理生さんのあとがきにあります。 | ||||
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焦がれていた明るい場所に出られても、ずっとそこで暮らしてきた人とは分かり合えず、また他の暗くて狭い穴蔵へと戻ってしまう。自分と同じような闇を抱えているひとといると安心した。こんな場所にいるのは自分だけじゃないと思えるから。外にあるたくさんの「普通」は、手に入らなければないものと同じだった。私たちにしか見えない、不安定ななかにあるささやかな幸福を食べて生きていく。 あなたが羨ましい。あなたに認められたい。それがどうやっても叶わないなら、あなたが消えて。 読後からずっと、胸につっかえた何かが取れない。 | ||||
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装丁がとっても可愛い | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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初めての島本理生。 3篇に出てくる女の子たちの気持ちがなんとなくわかるなぁ、うまいなぁ、とふんふんと頷きながら読みました。 『クロコダイルの午睡』の地味な霧島が、ズバッとものを言う都築と出会って、男性の求めるものが自分にはない…という葛藤が、わかるなぁと思いつつも、無理におしゃれをして出掛けるシーンでは、無理すんなー!って声掛けたくなるような(笑)こういう女の子、結構多い気がします。 最後の『猫と君のとなり』の荻原くんは好青年すぎますね。胸きゅんv(--*) 機会があれば他のも読んでみようかなぁと思います。 | ||||
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「そういう荻原君はどうなの、すごい自然に我が家に居着いてるけど」 「僕は……てっきり始まりってこういうものなのかと思って」 表題作の『大きな熊が来る前に、おやすみ。』は、他の二編よりも好みではなかったため、印象が薄いです。 このお話のラストは、ハッピーエンドなのか、否か。 『クロコダイルの午睡』は、言動が無神経なため最初は苦手だったけど、だんだん惹かれていった男の子に、乙女心を粉々に砕かれてしまう女の子のお話。 そこで彼女がとった行動は…。 デートの直前にマニキュアをしたり、髪を巻いたり、似たようなことをしたことのある身としては、男のほうの自業自得だと思う。 悪気がないことほど有害なことはない。 男性読者は、これを読んでどんな感想を抱くんだろうか。 また三編中、『猫と君のとなり』が最後にくる順番で本当に良かったと思う。 これがあるから、後味が悪いだけじゃなく終わることが出来ます。 このお話に登場する荻原君は、『リトル・バイ・リトル』の周を思わせるような、素敵な年下の男の子。 平凡な恋愛かもしれないが、こういうハッピーエンドは読んでいてほっとする。 | ||||
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島本理生の小説を読んでレビュー書くときって、いつも決まって興奮して、手放しでべた褒めしてしまっている気が…でもそれも仕方がないのだわ。この人の書くものはすごい、本当にすごい、と毎回唸ってしまうのだもの。 本書も、文庫化を待っていた一冊だった。どういった内容の本か、全く事前情報に触れずに、とにかくいきなり買って読んでみた。だって島本理生でしょう、ハズレがあるわけがないと確信していたので。 で、これまたやられてしまった…三編の短編(中編?)から成る一冊だったのだが、三編全てにぐっときてしまったのだ。それぞれ読み終えてから、胸が熱くなっていたり、ぎゅうっと締め付けられるような感覚を覚えていたり、涙ぐんでしまっていたり。 三編とも明るく軽い作品では(全く)ない。読んでいて重苦しさ、息苦しさを覚える作品ばかり。けれど、以前にもこの人の別の作品のレビューで書いた記憶があるのだが、「場面場面で主人公が感受したものを描き出す解像度がものすごく高い」のだ、手触りのなまなましさがとにかくすごい。読んでいてはっとしたり、ぐっと胸が詰まったりする場面に繰り返し遭遇し、その感覚を覚えるたびに「ああ、やられたなぁ」と思わずにはいられない。 いずれも秀作で甲乙つけがたいところなのだが、個人的には二編目「クロコダイルの午睡」に強く同調した。最後の場面のせつなさといったら。 しかし今日読んでいて、今更ながら、この人の本を全て文庫ではなく、ちゃんと単行本で揃えたくなってきたぞ…。 | ||||
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気楽に読み始めましたが、一気に引き込まれました。 テーマは暴力と恋愛ですが、切ない恋の物語りになっているし、同時に現代社会の描写にもなっていて・・とてもリアルでした。 この作者の本では「ナラタージュ」を最初に読み、何度も読み返し余韻に浸るほどハマりましたが、その後期待して読んだ「クローバー」や「リトル・バイ・リトル」などの他作品で、軽すぎて少々がっかりした経験があります。 久々に何気なくこの人の本を読みましたが、またファンになりました。 進化してると思います。初期ではなく最近の他の作品を読んでいこうと思います。 | ||||
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「ナラタージュ」を1年以上前に読んで以来の、島本理生2冊目です。 「ナラタージュ」より、格段にいいと思いました。 著者のあとがきにもありましたが、「ある1つのテーマに沿った短編集を作ろう」という、はっきりと目的を持って 書き始められた、そこがいい方向に出ていると思いました。 「主題」ありき、だからぶれていない。 ただ、この3つの短編の中でも、一番「等身大」な感じがする、「猫と君のとなり」が、やはり一番作品として、まと まっているのではないでしょうか。 「ナラタージュ」は、言葉や表現など、表面的なことにこだわるあまりに、一番大切な「これを伝えたい」という作品の 核となるものが、ぶれてしまっていたような気がします。 だから、読んでいる時は、「みずみずしい」という「感じ」はしても、後には何も残らない。 無理に設定で人を引き付けようとせずに、20数年(?)自分が生きてきた中で、手の届く範囲の物語を書いた時に、 この人の文章力がよく分かると思います。 「クロコダイルの午睡」も、部分部分惹き付けられる表現がありました。 やはり成長しているんですね。 | ||||
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初めて島本理央氏の作品を読みました。 題材は悪くないんだけど、文章・表現が少々幼いような気が。 と思ってプロフィールを見たら若い人だったので、 こんなもんなんだろうか、とも。 でもやっぱり少し素人くさいような気がします。 気になって物語りに没入できませんでした。 他の作品も読んでみたいと思います。 でも次も同じような感想なら、もう読まない。 | ||||
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短編というよりは中篇三本。描き方は短めの長編という感じ。いわゆる短編らしくシーンを切り出すという感じではなく、短いながらも物語を語っている。「熊」は島本世界の既視感が強く読みづらかった。まだ表現すべきものの核心をつかみきれずにもがいている感じ。「クロコダイル」はちょっぴりミステリー感がいつもの島本世界に加えられていて新鮮。「猫と君のとなり」もほどよい緊張感が良かった。今までに培ったものをゆっくり反芻しながら、少しずつだが新しいものに挑戦している感じがある。 | ||||
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ひとつのテーマで書いた3つのショートストーリー。 何らかのトラウマを抱えた主人公たちがそれぞれの方法で その傷と向き合っていく。 しかし、いまひとつ物語に乗り切れなかったのは、 そこに深みが感じられなかったから。 彼女たちを傷つけた存在にまつわる描写がすくなく、 彼らのアイデンティティを示すものも十分に提示されていないため、 物語が平面的になってしまっているのだと思う。 | ||||
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この短編集に登場する主人公の女の子たちは、マスコミがショーバイ的に造形し、彼女たちと接点のないオジサンが勝手に夢想する“今どきの若いコたち”の規格からは外れている。例えば主人公は、「彼女に代表されるような、苦労もせずに与えられた平和の中で平気で文句を言える、そういう育ちの子たち、すべてが憎いのだ」なんて世をすねたようなことを独白しちゃうような女子なのだ。一方で「他人から必要とされたり求められることに、どうして私の心はこんなにも弱いのだろう」なんて言いつつ、カノジョのいる男にきまぐれに呼び出されると、慣れない化粧をしたり、似合わない服を買ったり、閉店間際のディスカウントストアに自転車を走らせ、ホットカーラーまで買っちゃうような面もある。このかっこ悪さ、トホホぶりが鬱陶しくも、いとおしいんだよな(いや、逆か)。でも、このイタい感じに読者は共感とか反感とか何らかの感情を触発される訳で。表向きはひとり生活に価値観を見出そうとしている主人公だけど、人一倍、人とのつながりを求めてるんだよね(ファザコン的幼児体験も起因)。しかし、こういう地味めでまじめでモテない女の子の造形って昔も今も変わんない。野暮ったくて、料理はうまくて、その実、すっげー恋愛に飢えていて(そういうコたちの男趣味ってのも昔と変わんない)。結構、そこら辺の、綿矢りさ的でも金原ひとみ的でもない、実はもっともボリュームゾーンであるだろう女の子たちの最大公約数的な心情、風俗を掬い取ってるってとこが、島本理生の評価できる点である(文学としての優劣とかじゃなく)。 「煉瓦造りのパン屋は、小さいけれど良い仕事をしていて」なんて年長者からするとかなり恥ずかしい表現も散見するけど、その若気の至りっていうか、本人の自覚しないところで色々さらけ出しちゃっているあれこれが読んでいて楽しい。著者と主人公が等身大なんだよね。 | ||||
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「大きな熊が来る前に、おやすみ。」、「クロコダイルの午睡」、「猫と君のとなり」の3編がまとめられた島本理生さんの初の短編集です。 3編とも、ストーリーの奥深いところに「暴力」というものがあって、読後感がすっきりとしない、暗くて重いものがあります。 それは装丁の酒井駒子さんの絵にも象徴されているように思います。 「大きな〜」は、父親の威圧的な態度と恋人から受けた暴力に、常に恐れを感じている女性の話です。 暗くてあまりいい印象を持ちませんでしたが、この本のタイトルになっています。 「クロコダイルの午睡」は、相手の気持ちを全く考えずに無神経に他人を傷つける、言葉の暴力に苦しむ女性の話。 女性の衝動的な行動が原因で、男性は意識を失い病院へ送られることになりますが、これもやむなし・・・といったところでしょうか。 でも、冷静に考えるとこの女性、怖いですね。 「猫と君のとなり」は、前の2作に比べるとまぁふつうという感じです。 それでも、元カレの子猫を虐待する描写にはやはり嫌悪感を抱かざるをえません。 それにしても、本のタイトルに句読点がついているものって、珍しいように思うのですが・・・ | ||||
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私も「よるくま」大好きです(この本の表紙を描かれている酒井駒子さんの名作絵本)。が、こちらの本は「よるくま」のようにほんわりしていません。かなり厳しい内容の作品です。全体的に思いムードですが、どこかにきらりと著者の感性が光っているように思います。「ナラタージュ」以来、久しぶりに島本さんの作品読みましたが、これからも注目したい作家です。 | ||||
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新しい恋が始まりそうな予感はあるものの、 それを素直に受け入れることのできない3人の若い女性を描く短編集です。 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」の主人公は、 普段は優しい恋人から暴力をふるわれます。 「クロコダイルの午睡」の主人公は、 言葉で自分を傷つける同級生を好きになりかけています。 「猫と君のとなり」の主人公は かつて、恋人から飼い猫を虐待された過去を持っています。 本の内容を知らずに読み始めたので、 まさか島本さんが暴力をテーマに書いたなんて驚きでした。 地味で、自分を見せることが苦手な女の子たち。 他人から求められ、必要とされることに不慣れだから 愛情を素直に受け入れることができない。 島本理生は地味だけどまじめに生きている女の子の心理を描くのがうまい。 私は男の人にこんな悲しい痛みを与えられたことはないけど、 地味な女の子の一人として、彼女たちの心の痛みがわかるような気がしました。 | ||||
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