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小説の神様
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小説の神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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只管鬱々とした主人公の心情と、如何にヒロインが美少女なのか、この2点をこれでもかと言うくらいの記述で嫌でも分からせてくる文章が続き、正直いい気分になりませんでした。 小説家志望のわたしからすれば、こんなマイナス思考な小説家の心情が書かれた小説が売れるなら、エッセイか私小説だしたら?と主人公に言いたくなりました。年齢若いし、美人近くにいるし、話題性抜群なのでは? あと個人的にはどのキャラクターも「けれど」と言ってるのが、なんとなく作者の拘りのように見えて違和感を覚えました。ヒロインの上品な言葉遣いとしてならば、しっくりきますが、やっぱり実際の若者が丁寧に「けれど」なんて言いませんから。 同著の緑目の女の子が出てくるミステリー、気になっているんですが、この作品とどう印象が変わるのかなと思ってしまいました。 | ||||
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どうもこんにちは。 感想は上記の一言、ただそれだけです。 ヘタレの主人公、まるで精神異常者のようなモラハラヒロイン、 それを取り巻くテンプレモブ、まるでひと昔前の典型的〇○ラノベそのままで、 全然進展しないストーリー、煮え切らない主人公の態度に本ッ当イライラさせられました。 一昔前のラノベなんて、クズヒロインに暴力振るわれたりモラハラ発言されることを 随喜の涙を流してされるがままという真性の変態(マゾヒスト)の巣窟でしたが(作者も読者も) そこから一歩も出てないどころか好き好んでそんな〇○に留まっているという もう情けないをも通り越した、あまりにも酷い低能さに眩暈がする想いです。 「二極対立形式」にするならば、主人公はもっと血の気が荒く(作家故の不安定さ) ヒロインの言葉をリアリズムでガンガン論破し 常に「舌戦」を繰り広げるコトを物語の主軸にするべきですが、 実際はただされるがまま、流されるだけというどうしようもない体たらく。 こんなヤツの描いた小説が面白いわけがありません。 だから売れないのは当たり前で、作中のレビューそのものがこの小説に当てはまるという事ですね。 だからはっきりいいます、「読んだ時間返せ」「作者は小説家をやめるべき」 「主人公に作者が透けて見えるので不愉快」「こんな〇○出版すんな!」 以上! | ||||
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なんで創作()する人って創作だけがこの世の一番の苦しみだと思ってるんでしょうね? アスリート、学者、いや、市井の人々の方がよほど「苦しんで」「努力」してると思いますよ。引きこもりからは「簡単」にこなせてるように見える人たちは、さらにその上にいくべく努力してます。誰も、今いる位置に安住などしていない。そういうの、リア充とかいってバカにしてるから売れないんだよ! とにかく、すべてが浅すぎて話にならない。 金返せレベルw 小説を書くのは大変だ、苦しい、消費者は楽だな、売れてるラノベはクソだ、そんなんが繰り返されるだけ。 日本橋ヨヲコのG戦場〜とかもそうですけど、この手の作品ってどうして「誰もみたことのない素晴らしい作品」を劇中劇で書かないの? 演技を見せないガラスの仮面なんて意味ないよね? バクマンは、傑作をちゃんと劇中劇で書いてたよ? 結局、この手の恨み節の作品を書く人って「傑作」は書けないんだよね。書けないんだけど、それは世の中のせいだと思ってる。だからこういうメタ的にも滑ってる作品書いて、物書きはすごい!で自己満足。 ほかのレビューにもありましたけど、売れていて、かつ良心的で、人の心を動かす魂のこもった本なんていくらでもあります。そういう真に優れた作家に謝ってほしいわ。 あと、なんか五感がどうだとか匂いがとか偉そうに書いてたけど、全然「書けてない」よね。「双眸」という単語がすごく好きなことはわかりました(笑 まあ、「モノ書きは偉い」と思いたいワナビーの慰めにはなるんじゃないですかね。 | ||||
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書けない書けないという主人公がどんなに愚痴を言っても、あ なんで周りの人が助けてくれるのか終始わかりませんでした。 | ||||
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主人公の『売れる小説』についての持論が薄っぺらい」のではなく、 「主人公がそういう持論を他人にまでぶつようになった経緯の描写が薄っぺらい」んだと思います。 まあ、それによって前者もうすっぺらくなってるわけですが。 というか薄っぺらいどころか、そうなった経緯が見当たらないんですよね…。 ある意味テンプレトラウマを流し込んだだけなんですよ。テンプレが悪いわけじゃないです。 テンプレだからこそ、何故そうなっちゃったかは説得力を与えて書くべきです。 そこがまったくといっていいレベルで無かった。 ストーリーラインはぐいぐい読ませるし、評価されるのはよくわかる面白さはあったと思うのです。 主人公の性格も許せるし、ご都合主義的展開も別に全然気にならないのですが、 上記の点だけは、はっきりとおかしく、しかもそれがストーリーに大きく食い込む設定なものですからどうにも。 「物語上の心情描写として不自然なところを放置された」感覚と言えばわかるでしょうか。 皮肉なことに、そういうところに妥協しない人物たちが書かれたはずの物語なのに、これはない、みたいな。 もっとちゃんと書けたと思うんだよなあ。大筋は面白かっただけにつらい作品でした。 | ||||
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小説好きは是非、というレビューがあったので、物書きの端くれとして気軽に買ってみました。 作中で、低評価は心に刺さるとありましたが、あえて書きます。オススメしません。 また物書きであったとしても、全く買う必要はないと思います。 ・売れてる本が何故売れてるか、という考察が浅すぎて、感心しないどころかドン引きする これは主人公の考察だけど、メタ的にいえばプロの考察でもある。こんな浅いのか? ・周りに毒ばっかずっと吐いてるのに、美人美少女がボランティアのようにサポートしてくれる、 応援してくれるという超ぬるま湯環境で、リアルさを感じない。なんこれ ・物語の7割ぐらいは、主人公がお門違いの八つ当たりと自虐をしてるだけです ・とにかく主人公が語る成功論がペラッペラなのと、そのくせ成功に執着してるので全く好きになれません つーか「底の浅いこうすれば売れる論」を延々聞かされるのがこんなに苦痛とは思わなかった ・前半の話の大半が不要です。後半3割だけ読んでも問題ないでしょう 他の方のレビューだと、U-GOさん・ざかざかさんという方のレビューが的確すぎて、 同意しかありませんでした。それも参考にすることをオススメします エピローグで、本が売れたかどうかを書かないのは逃げだ、という意見がありましたが 自分も同意します。え?って思いました。確かに売れたらご都合主義、売れなきゃ後味悪い。 そうなるかもしれませんが、それでも書くべきだったと思います。 成功論がもっと深い洞察があるとか。主人公が毒吐いたらその分ちゃんと嫌われるとか。 主人公の執筆状況と、リア充的環境がリンクしてるとか。そういうのがあればなあ。 これ最初から主人公が、欺瞞的行動とらずに、素直に売れないから辛いってやってりゃよかったんじゃないかな とにかく、主人公が相当酷いので、これから読む方は、その覚悟をもって買うことを勧めます | ||||
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この本は酷いです。 終始、主人公のひねくれた小説に対する考えだけで後半まで引っ張っていますが、そもそもその考え自体があまり感情移入ができず、というかその情景描写が薄く理解しづらい。 (この点に関しては例えば情景描写を使ったり、視覚的ないし聴覚的な描写を使うことで主人公の感情を色鮮やかに表現できるのでは?と感じました。) またそんな主人公がある出来事でそれまでの自分の信条を翻して、あろうことか他の登場人物に小説とは何たるかを説いていました。展開が急過ぎて車酔いをしているような感覚になります。 この紙面に無理にまとめず、例えば上下巻にするなどして登場人物の行動や心理を、ただストレートに表現しないで含みや様々な解釈を与えるような表現をしていくことで解消されていくと思いました。(こればっかは作者の問題ではないですが) いずれにせよ、1000円弱払って読む価値はないですね。公共図書館などに置いてあれば借りればいいくらいです。 題材は面白いのに仕上がりが非常に残念だ。 これでは「小説の神様」も泣いています。 | ||||
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作者の方ごめんなさい‥あまりおもしろくなかったです‥ 他の方もちらほら書かれているようにラノベ要素がよく見られます。 ラノベ自体は好きですから別にいいのですが、それにしても‥ すぐに主人公の印象が変わりました、物語の中で変わったというより、作者の書き方が変わった感じです。最初は冷たい落ち着いた印象なんですが、序盤で既にコメディ系というか、それこそラノベの俺ガイルの主人公のようでした。 中盤から後かな?元に戻りました笑 後作品の中でも描かれているように、主人公があまり好きではないので、内容も響きませんでした。 | ||||
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単純に何も面白くなかったので残念でした キャラもありきたりで殆ど印象に残りませんし、ストーリーも結局は何も解決になっていないのでラストを迎えてもSO WAHT?状態でした 具体的に書こうと思うのですが、もう頭から大体が抜け落ちてしまっているのでそれもできません これからこの本を購入しようと検討されている方がいましたら、まずはkindleにてサンプルを読まれるのが良いかと思います | ||||
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高評価のレビューに惹かれて買ってみたものの… 感想としては低評価つけてるレビューとほぼほぼ同意。 ・まず一つ、主人公のキャラ付け。 葛藤というか業界へのモノ申したい気持ちというか、一介の本読みとしても わからいでもない所はある。あるが、それだけで終盤まで引っ張られても… 面白い本が売れず、売れ線を抑えた本が売れる。そんな愚痴やなんなら売れ線の抑え方 の方法論程度くらいなら一介の本読みでもそこそこ語れちゃう事で、そこで停滞し続けるキャラ に魅力を覚えるのは酷く難しい。売れ線だけ抑えても売れてない本が山とあるのが現実で、 その中で売れてる本だけが持つエッセンスとは、という所まで考えが及んでいればもう少し違った気が。 どうせなら、別PNで書いた売れ線ノウハウ結集した本が売れに売れて、魂を込めて書いた本が 売れてないという現実に打ちひしがれている、というキャラ設定にした方が言ってる事に説得力 が出たのでは? 偉そうに後輩や売れてる同輩に、「売れる本を書け!」と説教する様は滑稽で、 売れたことのないお前がいう事かよ…とずっと思いながら読んでました。 ・次に主人公を取り巻く環境。 言うに及ばず、今作は「如何にもラノベラノベした売れ線の本」を揶揄し続ける構造のお話ですが、 そんな主人公を取り巻くのは病弱な妹、どれだけすげなくされても主人公に憧れる健気な後輩と、 文武両道才色兼備のスーパー美少女売れっ子作家です。これなんてラノベ? 派手な展開の無い、どちらかというと文芸に寄せた作品構造でありながら骨格はラノベとしか 言いようのないその中途半端さ。 極めつけは、主人公がどれだけ弱音吐こうが迷惑かけようがせっせと仕事を振り、悩みに乗り、 解決案を提示し、売り上げがどん底まで低迷しても次のチャンスを与え、断筆宣言した後も 私はあなたのファンだからいつでも次の作品を持ってきてと言う担当編集の存在w エロゲの甘やかし姉・ママですかね。レビューで言及してる人が居ないけど、社会人として見ると 彼女の存在が一番のファンタジーに感じます。お前そんだけ恵まれた立場で腐るとか恥を知れ恥を、 と主人公にヘイトが向く更なる要因に。 ・最後に、オチのしょうもなさ。 結局2人で書き上げた本はどういう評価を受けたの?そこを書かないのは逃げでしょう。 いやそこは重要じゃないんだ、と言うのなら、この作品は何が重要な事だったのか。 ぶっちゃけ書けない苦しみを持ってる主人公が居たら、最終的に書けるようになるだろうなぁというのは 誰でも想像がつく話な訳ですよ。だから売れ線とか気にせず自分の魂に従って書く、というのは大オチに なりえない。その先に何があるのか、です。 別に、その本が一杯売れてトラウマ払拭して妹は全快してヒロインとはよろしくやりましためでたしめでたし… にすれば良いという訳ではない。知る人だけが知ってる良本としてひっそり埋もれるでも良いけど、 結局のところ書けない二人が書けるようになりました! と言われて「お、おう…」としか思えない自分が 居たのは事実。それによって世界がどう変わったのか。勿論全世界という意味で無く二人の目に映る世界 という意味ですが、それを書かなきゃ長々と業界の愚痴に付き合わされた読者の甲斐がないというものです。 タイトルを見て、さぞかし物語への一途な愛情を込めた物語なんだろうなぁ、と期待して購入しましたが、 どうにも主人公のツンデレフェーズが長すぎるし、オチで目が覚めるような情熱の迸りも感じられず・・・ 売れ線を揶揄した割に、長々愛される名作の風格も無い、なんだか益体のない作品を手に取ってしまったなぁ というのが率直な感想。残念。 | ||||
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とにかく主人公の「現在の売れている小説」に関する認識が薄っすい。薄っぺらい。お前はあれか、自分や自分の周囲(妹)が気に入る小説=至高、自分が理解できない小説=バカの読み物とか上から目線かましてる評論家気取りか。ああうん、お前小説家向いてないわ、ネット海の隅で書評サイトに引き篭もってろよ。 そんなナチュラルに読者を馬鹿にした小説家の書く「(要約)上手く出来ない子がそれでも頑張る不器用で優しい話」とは? どう考えてもそれ、気の使い所を間違えて周囲に迷惑かけまくって嫌われてるのにそれに気付かず「どうして僕はこんなに頑張ってるのに報われないんだ(絶望)」とか自己憐憫に浸ってるナルシストの話でしょ。今時は暗い話が受けないとかじゃなくて、ひたすら自分を哀れんでる論調が鼻につくタイプでしょ。 とまあ、前半は主人公の言動から推測される主人公の性格と主人公の書きそうな話にゲンナリしつつ、それでも後半まで読み続ければそれなりに主人公も動いて、話は展開して、綺麗にまとまっているので小説としては成り立っています。 まあでも、この主人公は嫌いですw 作者がどの程度この主人公に近い人物なのかは他の著作を読んでいないので知りません。よって、作者がどのような意図でこの主人公を創作したのか(自分のアバターとしてなのか、こういう奴いるよねーwなのか)は分かりません。 | ||||
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主人公の性格が、作中で主人公自身が語る売れない魅力の無い主人公像を忠実に体現している。悲観的でうじうじと愚痴り、すぐにきれて女性に八つ当たりするその姿には終始イライラさせられる。 友情や、ヒロインの苦悩、小説への情熱も描写が浅くあまり伝わらず、主人公の青臭さと作者の業界への不満だけが際立っている。 よくあるストーリーだが好きな人は好きかもしれない。 個人的には「600円出す価値はなかった」とレビューに釣られたことを後悔している。 | ||||
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個人的にいまいちでした。 もし、自分が小説家だったとしたら、まず付けないであろうタイトル(『小説の神様』)の大仰さに購読してみました(ちなみに『マンガの神様』『ライトノベルの神さま』というタイトルのライトノベルがあります)。 作者は鮎川哲也賞という有名な日本の推理小説新人賞出身の作家です。 しかし、本作には「推理」の要素はあまりないですね。 あえて分類するなら青春エンタメ小説なのでしょう。 『エロマンガ先生』(電撃文庫)とか近いですね。 あらすじは省略しますが、おもしろいおもしろくないという以前に、「物語序盤の展開」が、つい最近レビューしたばかりのライトノベル『弱キャラ友崎くん』(小学館ガガガ文庫)に似ていておどろきました。 正直、この作品をラストまで読んでいるのに「~~~に似ている」とレビューするのはどうかとは思いますが。 まあ、しょうがないですね。・・・・・・せめて『エロマンガ先生』に似てれば良いのに、どうして違うテーマの作品に似るかなぁ。 展開を大まかに述べておくと、 いろいろ煮詰まってしまった「根暗のぼっち男子高校生」が、「その道の大家」とでも呼ぶべき美人女子高校生に出会い、彼女の指南によって現況脱出を試みる・・・・・・という展開。 ただ、読み進めていくうちに徐々に違った傾向を示します。 執筆の時期的にも(作者が他社新人賞の下読みなどしていない限り)パクリなどではないでしょう。 それに、『友崎くん』のほうの主人公・友崎くんは、本当に友達が(リアルには)一人もいない「ぼっち」ですが、 こちらの主人公・千谷くんは、学校各所に広い人脈を持つしっかり者のハンサム眼鏡文芸部部長の親友と、文芸部に(作家であることを明かさず)寄稿した短編を読んですっかりファンになってしまった後輩女子高生と、腕を見込んで他社からわざわざ原稿を依頼にきているやり手女性編集者がそばにいて・・・・・・なんだこの優しい世界は。 まあ書いてて嫌になりますが、千谷くんは今や結構リアリティのある、いわゆる「ファッションぼっち」です。 本当はリア充のくせに、失敗(?)続きですっかり目が曇って、自分を四面楚歌の「ぼっち」と思い込んでしまうタイプですね。 個人的に「現実(リアル)だとこのタイプは何らかの精神的な疾患がありそうなヤバい奴なんだよな」と思いながら読み進み、 「でもライトな様子の小説(フィクション)だから、その辺はうまいこと誤魔化すんだろうな」と予想していたら、良い方向に裏切られたので、この部分、この意外性だけはこの作品の良点といえるでしょう。 あとはちょっと・・・・・・。 まず、主人公が現況、自分の作家としての生活がうまくいかないことへの怨念の描写が、非常に読みづらいと感じました。 暗い、鬱々としている、という感じではないです。 文章が高尚で難しいという意味でもありません。 読者が薄々「それは言い争っても仕方ないんじゃないの?」と思っていることが、作品のメインテーマだからでしょう。 別にそれで良い、そういうのもあって良い、とは思っていますが、ちょっとこれは読者を選びますね。 文章は達者なのですが、「結論の出ない議論」に、二度三度と同量の紙幅を費やすのは、読むのに力がいるように感じます。 自分は小説家ではないので、彼の置かれている状況がどれだけ同情すべきものなのか、理解できるものなのか、読者の共感性の匙に訴える部分がなかなか見えてきませんでした。 主人公の父親が実は売れない作家で、家族が苦労した話、主人公が小説を嫌う理由の一つにしても、わずか一部だけ「専業にこだわった」という説明がなされていて、 「・・・・・・じゃあ、そのせいやん?」としか言えない部分が多々あります。「作家は副業にしたらええやん」みたいな。 とにかく「え? 今のどういう意味?」と聞き返したいような部分が多く、それは「文章の稚拙さ」とは無縁です。むしろ状況描写の「取捨選択力に乏しい」という言い方が正しいでしょう。 あと、通例の描写の「ゆらぎ」も気になりました。「若い読者」にはあまり関心がないかもしれませんが。 主人公は容姿、技巧ともにスペックの高すぎるヒロインのことをして「人間が書けてなさすぎるだろ・・・・・・」と再三にわたって茶化すのですが、 自分が若いころ「人間が書けていない」とは、トリック重視の推理小説などで、登場人物がほとんど「駒」「Aさん」「Bさん」にしかすぎないような描写をされるのを指すのに使われていたように思います。 しかし、今は「完璧すぎる人間」「現実にはいそうにないキャラクター」に対して使うのですね。 自分は作者と年齢が近いのですが、「どうだったかな?」と懐かしく思いました。 そして、最大の問題は、やはり主人公の想起する「小説」というキーワードの狭さでしょうね。 これが一貫して現在の「ライトノベル」「書籍化ウェブ小説」などに限られていて、つまり、そういうチャラチャラしたシリーズ&メディアミックス流行モノに推されて、ライト文芸で頑張っている真摯な作者が、作風やクオリティの弾圧を受けているのだ!みたいな主張がびんびんに伝わってきました。 ほとんど、『僕の妹は漢字が読める』(HJ文庫)のように、これはライトノベル以外の文学がすべて死滅して「ライト文芸」が最も高尚な文学とされているディストピアを描いたSFなんじゃないかというぐらい、主人公の偏った主観は徹底してます。 もう、この世界には村上春樹とか宮部みゆきとか存在しない。コアな読者を獲得したチャラい人気作家しか生き残れないし、それだっていずれジリ貧だ!! そうでしょうね(笑)。 その点はもう全面的に共感できます。 ちょっと改善が見込めないほど、状況は絶望的でしょう。 今はまだきっとバブルの途上でしょうね。 しかし、だからといって「売れている本が面白い本だ!」みたいな議論は不毛にすぎます。売れてなくともおもしろい本はいっぱいあるでしょうし、デビューできなかった投稿作の中に、既刊よりおもしろい作品もいくらでもあるでしょう。 そもそも、スティーヴン・キングやディーン・クーンツその他もろもろの海外作家の傑作エンターテイメントを一気したあと、日本で話題のエンタメ作品など読むと、 人知れず「ゴミか!」と叫んで、読んでる途中で本を壁に叩きつけてしまう人もいたはず。あるいは「パクリか!」みたいなこともしばしば。「バレんと思うて無茶苦茶やっとんな!」みたいな。 それに反してライトノベルが流行ってた90年代ころ、そこには「ああ、人知れず自由にやっとんな」という空気があって、 「どうせ海外に勝てんなら好きにやろうや」みたいな良さが確かにあったように思います。 (いや、なかったよ!と当時書いてた人から言われるかもしれないですが) まあ、個人的意見ですが、この作者の年齢で、この文化的な歩に言及がほとんどないのは、やはり「ライトに」すぎるでしょう。 もう少し、実在の書名挙げながら、「作家モノ」を展開してほしいところでした。 (あと、「血」って、そんなに頻繁に吐くようなら病院にいったほうが良いよ。もしや、比喩じゃなかろうね?) | ||||
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