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最後の手紙
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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ネタバレが含まれるので、読み終えていない方はご注意下さい。 主人公「平野史子」の人生を、1956年から実際に起きた事件・事故を交えながら現代まで辿っていきます。 史子の年代は自分の親の世代なので、「こんな事あったんだなぁ」と時代を感じながら、自分もそこにいるかのように読み進めることができました。 シーちゃんこと「半田忍」は前世の記憶があるという不思議な女の子。 全ては史子がシーちゃんに恋をしたのが始まりでした。 歳をとっても様々な人にシーちゃんの面影を見つけてしまう程に史子の中でシーちゃんは特別な存在でした。 シーちゃんは、はじめは不思議な雰囲気の女の子でしたが、謎が解けていくうちに、身勝手な男に翻弄され続けた不幸な女性だったのだと分かります。 前世で誓い合ったのは、実は史子とシーちゃんだったのだと考えると(作者はほのめかしていますね)、話は更に面白くなり、そして哀しくもなりました。 少女の内面的な成長は共感する部分も多く、読んでいて楽しかったです。 同性、夫婦、家族などの様々な愛の在り方、絶望と死の誘惑、成長と希望、理不尽な世の中、、、。内容は盛りだくさんでした。 最初はただのミステリー小説だと思って読んでいましたが、反権力、反原発、責任問題、フェミニズムなど、メッセージ性の非常に強い小説でした。 特に原発の話は終始ちりばめられており、時は流れて史子たちは2011年3月11日を迎えることになります。 解説の斎藤美奈子さんが仰る通り、話がここに繋がることに一番驚きました。 ズシリと重く、胸に突き刺さる言葉が沢山ありました。 昔の小説ばかり読んでいましたが、「今」の小説を読むことは、本当に大事なことですね。 震災から5年が経ちました。 そして被災地の現状は、今ではあまり報道されなくなりました。 原発問題・事故の影響は多岐に渡り、今後ずっと続くのでしょう。 この小説が、多くの方が原発に対する正しい知識を持つきっかけになるといいですね。 向き合わねばならない現実問題はなんと多く、そしてなんと複雑なのでしょうか。 とてもとても考えさせられる小説でした。 「目がまわっても逆にまわれば治る。死ぬほどの悲しみも別の悲しみで癒える。」ウィリアム・シェイクスピア 愛しくも、哀しい世界です。 拙い文章ですが最後まで読んで下さった方がいらっしゃれば幸いです。 ありがとうございました。 | ||||
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