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殺人交響曲
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殺人交響曲の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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一応の代表作といえる「戦艦金剛」、1967年徳間書店版と違う原型中篇版を収録してくれて嬉しい。 誰からも嫌われている軍曹の艦内密室死を描くこの作が一番ズッシリくる。長篇版と中篇版、キャラとあらすじはほぼ変わってないようだ。 既存の蒼社の単行本の中で私は読んだことがなかった「殺人交響曲」は楽譜に纏わる暗号などそのタイトルどおり音楽ミステリ長篇といえようが、 比べる相手が悪いが例えば「蝶々殺人事件」ほどに本格調な組み立てはなく、絡み合った人間模様スリラーを超えるものではない。 もうひとつの長篇「紅の殺意」。戦後の黒く汚れた川口工業地帯、こちらも車の轢死を発端に泥臭い刑事達が九州・広島までも謎を追う。 以前読んだ時にはもっと面白かったがあれは古本の魔力だったか、唯一猟奇な秘密を期待させる「紅い色」狂の意味があまり効いているとはいえず、 最後の犯人発覚にはそれなりの意外性はあるとはいえ、探偵小説と名のつくもの全肯定する人以外には目鼻立ちが少なく地味に受け取られるだろう。 そしてSF短篇×4。これが近未来社会で大気が侵され人間が地下生活を送るというものがあったり、 まるで70年代迄の手塚治虫や松本零士でも描きそうな、古本での蒼社廉三とは180度真逆の印象でどうにも違和感がありすぎて。 100以上短篇を書き、「戦艦金剛」のような戦記ものはその内2割だという。最低限の作風の方向性がないと大衆はわかりづらいので、 この1冊だけ読んだ限りでは、蒼社を器用な作家というふうに受け取る人はいないと思う。 ところで、本全集他巻での私のレビューを言葉尻を捉えて悪意があると言い罵倒ツイートしている日下三蔵の信者と思しき人間がいるようで、 (どういう人間なのかはTwitterキーワード検索欄で私のネームで検索すればすぐにわかる) 私程度の場末のレビューなどにいちいちキレて何が得られるのかわからないが、私は関係者がAmazonに仕込んだサクラなどではないし、 身銭を切って本を買い最後まで読んで、良かったものは手放しで褒め、そうでないものはそうでないと書く。人間、右も左も全て満点とは限らない。 新しい/若い読者が探偵小説を読んで、良い感想も悪い感想もガンガン出てくるようにならなければ本の売上だって伸びるはずがない。 | ||||
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