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無垢の領域
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無垢の領域の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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期待通りでした | ||||
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読了した後にモヤモヤが残る書籍であった。このモヤモヤは後味が悪いものでなく、「余韻」という心地良いものであった。書籍の中で最も印象に残ったフレーズは「嫉妬とは、終わったとみせかけて何度も寄せる波である。百人いれば百様の本人にしかわからぬつよさで、ひとりの時間を苦しめ続ける」。嫉妬とは言わば自身の中にあるモンスターであり、怪物であり自己愛が生み出すもの。そのことについてまた今日もモヤモヤと自分は考え続ける。相変わらず良い作品を生み出す小説家。ありがとうございました。 | ||||
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生活能力には欠けるけれど書道の天才である林原純香が、民間に運営を委託されその館長となっている兄の元にやってきて起こす、周りへの人々の心のさざ波をえぐり出した問題作。書道家の秋津龍生はなかなか書道界で力を認められず、妻であり養護教員の怜子に経済的に支えられていたが、純香の件で林原館長に相談を受けてから男女の関係を持つ。秋津は純香の天才さに衝撃を受けつつ、そばに置くことを望んで自分の書道教室の教師として迎え入れる。林原館長には純香も馴染んでいる里奈という彼女がいるが結婚までは考えていない。秋津の母は、もうろくしているのか正気なのか定かではない状況。こうした人たちが抱える静かな嫉妬と羨望を、林原純香はそれぞれに気づかせていく。無垢である恐ろしさはそこにある。そして純香の急死。そこで人々の心のさざ波は薄らいでいく。 章ごとに主人公が違ったりして話の深みに入りにくいが、読み進めていくとざわざわとした心持ちになっていくところがこの小説の怖いところか。一度読んだだけでは、その深みに存在する「何か」を読み取るのは難しいかも知れない。自分も、その「何か」を探りあぐねて読み終わった。ジャンル的にはサスペンスらしいが、この作家の作品としては必ずしも成功作とは言えないのかも知れない。 | ||||
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物語それ自体の評価は [★★☆☆☆]。 悪文の典型としての材料としては、最高のテキスト [★★★★★] で、大学での文学の授業の材料としては最適です。おそらく、女子大学などでは、学生がピュアーなだけに、その評価が分かれると思います。 最初に、この小説が読者に集中や解釈を要求するような内容や要素を含んでいるわけではありません。ずいぶんと無理のある荒っぽい筋立ての物語で、ヘンテコな比喩や、気取った表現や意味不明の文章が満載であっても、概要の理解には何の困難さもありません。 ≪文章以前の根源的問題≫ *:書の天才、林原純香の設定: 高校に入学でき、卒業もできた? 他人の作品の模倣が天才的に上手ということ?―――それはないでしょう。 *:祖母の振る舞いとして、認知症の詐病で自身の糞尿を部屋中にばらまく。医者や家族を長期間騙すのは、ほとんど不可能です。 作者の、これでもか、これでもかという心配症的過剰設定で、かえって物語がウソになる。 確かに、小説という枠組みの中で、物語を語って多くの読者に有効に感銘を与えるには【比喩】や【言い換え】は必須のテクニックです。 ただ、彼女に言いたいのは「借りもの言葉は、しょせん借り物。自分の言葉で文章を紡ぎましょう」ということです。 貴女がやろうとしている表現方が完全に自分の血肉になってから・・・・、あるいは、平易な日本語で物語を書く方が読者に、それなりに何かが伝わります。 | ||||
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本の面白く読めましたが、家から頼めるのが良いですね。 | ||||
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バッチリ | ||||
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プロの作家様に言うのもなんですが、文才がありますね。 下手するとわかりにくい文章になるのかもしれませんが、私は好きです。 この人の感覚なんでしょうね。 私にとっては二作目の作品として読ませていただきました。 内容としてはいまいちもりあがりにかけるという形で終わってしまいました。 さて、三作目をどうしようかと迷っている所です。 | ||||
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主人公秋津がどうにも魅力に欠けるので面白くないこと夥しい。これのどこが野心家なのかさっぱり分かりません。第一覇気がない。ただのうじうじ嫉妬男でしょう。対する林原がまたよく分からん性格でこれまた面白くないこと夥しい。お前ら生きてて楽しいのかって叫びたくなる小説でした。 | ||||
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無垢の存在純香が核となり、そこに吸い寄せられるように周囲の者達が旋回し始める。 周囲の者達は、「無垢」である純香を愛おしく思いながらも、疎ましく密かに憎む。 お前が来るまで、私達は平穏だった。 どうか放っておいてくれ。 私達は今まで通りでいいんだから。 私を見ないで。 その目で見ないでくれ。 やがて純香は消し去られる。 周囲の者達には、純香は耐えられない重荷だったのだ。 旋回は止まりバラバラと散って、皆また元どおり自分の周りに高い壁を作り、閉じこもる。眠るように閉じこもる。その方が安心だから。楽だから。何も考えずに済むから。 他人を見ることを止めた者は、自分をも見なくなる。 そして最後に大きな破綻が‥。 秋津は母親を殺さなかったが、自分自身をそっと殺したのだ。 脇役の中で良かったのは、まずは秋津の母。食事の世話も下の世話も人任せの認知症と思われる寝たきりの老女だ。ここまでの状況にありながら息子に向ける執着の凄まじさが、この老女を際立たせている。 そして里奈。愛している相手が高い壁を作っても、何度も何度も手を差し伸べる。彼女だけが唯一、純香と通じ合える存在だったのかもしれない。 | ||||
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北海道 釧路 を舞台とした物語。 白い世界 湿った空気、どこかから取り残されたような。 鬱屈たる風景。そこには あまり希望もない。 わずかに 生きる期待を 持とうとする。物語を組み立てる 筆力は 十分にある。 読んでいても その重い空気が漂う。とても『クライ』のだ。 40歳を過ぎた 書道家/秋津龍生。 寝たきりで 認知症の 書道家の母。 高校の養護教師の妻/怜子。 夫婦が 母親のおかれた状況から、重苦しく、現実を支えながら生きているが どこかに負い目がある 夫。うだつが上がらない 書道家。 図書館の民営化 ということをになう林原。 独身であるが、妹/林原純香のもつ 症状が、重くのしかかる。 そして、林原兄妹も 書道家の家に育った。 兄は 反撥し 妹は 忠実だったが、母親は 自殺してしまい妹は祖母に育てられる。 秋津に純香は、天真爛漫に 指摘する。 『この幅からでてこないの、この字。 紙の大きさに負けているの。飛び出したいのに飛び出せない。 怖がって書いている。紙のことも。墨のことも』 秋津は その指摘に驚き、そして、爽やかな感じを受ける。 林原は 怜子を見た瞬間に 『誠実そうな瞳で心から嘘をつけるオンナだとおもった。 彼女から漂ってくる気配は虚と実を手のひらで転がしているオンナたちに似ていた。』 秋津に 純香。林原に怜子 が交差する。そして、物語は 淡々と進んでいく。 つねに オトコは 惑い 決断できず 相手まかせ。 オトコは 待っているだけで、オンナは そんなときに どうしたらいいのか。 それも、決断しているようで 決断できない。 君島沙奈 だけが 目標がはっきりしていて、 決然と決断して ひとりで 道を切り開いていく。 スピンアウトで『沙奈』の物語の方が おもしろそうだ。 | ||||
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物語が大きく動く直前。空に大きく穴が空いた弊舞橋でのシーン。純香の呟き。ボロボロと涙が出てしまった。馬鹿のままでいい。 | ||||
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読みすすむうち多少の予感はあったが、唐突な純香の死(殺害)による物語の展開は不自然過ぎる。今までの描写を台無しにしてその後は斜め読みをした。結構読める作家だけに、このような安直な展開は残念だ。ってか「無縁」「儚さ」「死」が目立つ作家ではあるが。行ったことはないが道東の自然のような作風なのだろうか。北海道のイメージとしては異なるが。 | ||||
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「起終点駅」を読んで作者の情景描写や心理描写、そして比喩や形容表現の巧みさに感嘆しすかさずこれを読みました。 元々「起終点駅」も物語としては標準程度かなと思っており、ストーリーテラーとしての資質はさほど感じておりませんでした。今作も上記ように表現方法は巧みなのですが、それが行きすぎた部分も多分にあり、対象人物が誰であるかしばし考えないと判らない場面も多数ありました。 加えて、登場人物がそれぞれ抱える『悩み』の割には表現が少々大げさで、なかなか感情移入できない作品でした。 勿論私の国語力の拙さが原因かもしれませんが。 | ||||
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店頭で見つけましたがあまり期待もせずに購入しました. 読み始めて,幾つか新鮮な表現に驚きました. ストーリーとしてはある程度読めば予想がつくでしょう. しかし,最後まで飽くことなく読ませたのは著者の力だと思います. いくつか,気になった表現を書き出させていただきました. 私にとっては非常に新鮮な本でした. | ||||
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桜木紫乃の作品は初作から全て読み続けているが、この作品だけは気に入らない。 そういう結末だろうと途中で予測出来るし、もっと燃えるような男女の関係と人間関係の機微が描かれるものかと期待したのだが、見事に裏切られた。 まったく普通の通俗小説というレベル。 一体、どうしたんだろう。 | ||||
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途中で放棄するほど詰まらない訳でもないが、先を知りたい感覚も発生せず、読み終えるまでちんたらと時間がかかった。 終始、全員が全員、陰の方向性に葛藤の最中で、1段も上がらず踊り場で顔見あわせて困ってる感じ。 単純に嗜好的に好みではなかったんだと思う。 | ||||
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ありえるかどうかということでなく、人間とはいかなるものかということを深く考えさせる作品。 | ||||
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良かったと思うけどこれ以上にどうこう書く内容はない。 強制するなよ | ||||
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それよりも、登場人物の細やかな心情が描かれているとても上質な小説だと思います。 人はそれぞれの立場でいろんな事情にからめとられ、抜け出せそうにも抜け出せずもがく。 結局皆過去を背負って生きつづける。 そういう普通のなんでもなさそうな生活に、犯罪や死が潜んでいるのを丹念に描いているのだとおもう。 桜木さんの小説は読めば読むほど、北海道という広い大地のそれぞれの地方色が、状況描写からにじみ出てきて面白い。 この小説も「こうオチをもってくるか。 」と唸らされました。 | ||||
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『嫉妬』という言葉だけをテーマにするには、あまりにも心に関する情報量の多い書物。 人の心の多面性を無駄なく見事に描ききったこの作品には脱帽である。 昼ドラのような剥き出しの嫉妬合戦やドロドロの人間模様を期待する方には この書物は不向きであると感じる。しかし、芯からゾッとする心の奥底に潜む 冷たさが北の風土と相まって克明に書き出された とてつもなく怖い本であることは断言できる。 心理描写に長けた作家というのが近頃持て囃されているが そんな世の風潮下においてもこの作家の洞察力と筆力には舌を巻く。 しっかりとした文体と構成。それだけでもありがたいがさらに私自身との相性の良い感性。 この著書にて、桜木紫乃という作家に出会えた事は実に幸運である。 | ||||
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