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日本沈没 第二部
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日本沈没 第二部の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全63件 41~60 3/4ページ
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「異変」が起こるまでの日本国、日本人・・・それが日本沈没 (上巻) (下巻)だった。 あれから30年余り。 なんとしても異変以後の日本人を書きたかった筆者、小松左京氏。谷甲州氏、森下一仁氏のサポートを受けながら「世紀の巨編を完結」。それが日本沈没 第二部〈上〉〈下〉 ストーリーは「異変から25年」の設定から始まる。 内容は更に世界的に広がりを見せ、気がつけば「地球規模」の展開を見せていた。 国土を失った日本人達。・・・私の頭をかすめたのは、今現存している「イスラエル国」「イスラエル人」。何世紀にもわたって生きてきている流浪の民たち。思った通り「さまよえる日本人達」に、大きな影響を及ぼしていた。一つあきらかに異なる点・・それは、神、仏、なんでも拝んでしまう日本人の特性。それが他国との摩擦を小さくしていた一方で、むしろ「勤勉な人種」であることが、他国の民との摩擦になっていたりしている。 国家は何処へ?? 「終章・竜の飛翔」・・・・には夢と絶望が同居していた。 日本沈没・全4冊。地球規模の政治や社会に関わりながら進む、大いに読み応えのある作品だった。 | ||||
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「異変」が起こるまでの日本国、日本人・・・それが日本沈没 (上巻) (下巻)だった。 あれから30年余り。 なんとしても異変以後の日本人を書きたかった筆者、小松左京氏。谷甲州氏、森下一仁氏のサポートを受けながら「世紀の巨編を完結」。それが日本沈没 第二部〈上〉〈下〉 ストーリーは「異変から25年」の設定から始まる。 内容は更に世界的に広がりを見せ、気がつけば「地球規模」の展開を見せていた。 国土を失った日本人達。・・・私の頭をかすめたのは、今現存している「イスラエル国」「イスラエル人」。何世紀にもわたって生きてきている流浪の民たち。思った通り「さまよえる日本人達」に、大きな影響を及ぼしていた。一つあきらかに異なる点・・それは、神、仏、なんでも拝んでしまう日本人の特性。それが他国との摩擦を小さくしていた一方で、むしろ「勤勉な人種」であることが、他国の民との摩擦になっていたりしている。 国家は何処へ?? 「終章・竜の飛翔」・・・・には夢と絶望が同居していた。 日本沈没・全4冊。地球規模の政治や社会に関わりながら進む、大いに読み応えのある作品だった。 | ||||
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「異変」が起こるまでの日本国、日本人・・・それが日本沈没 (上巻) (下巻)だった。 あれから30年余り。 なんとしても異変以後の日本人を書きたかった筆者、小松左京氏。谷甲州氏、森下一仁氏のサポートを受けながら「世紀の巨編を完結」。それが日本沈没 第二部〈上〉〈下〉 ストーリーは「異変から25年」の設定から始まる。 内容は更に世界的に広がりを見せ、気がつけば「地球規模」の展開を見せていた。 国土を失った日本人達。・・・私の頭をかすめたのは、今現存している「イスラエル国」「イスラエル人」。何世紀にもわたって生きてきている流浪の民たち。思った通り「さまよえる日本人達」に、大きな影響を及ぼしていた。一つあきらかに異なる点・・それは、神、仏、なんでも拝んでしまう日本人の特性。それが他国との摩擦を小さくしていた一方で、むしろ「勤勉な人種」であることが、他国の民との摩擦になっていたりしている。 国家は何処へ?? 「終章・竜の飛翔」・・・・には夢と絶望が同居していた。 日本沈没・全4冊。地球規模の政治や社会に関わりながら進む、大いに読み応えのある作品だった。 | ||||
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一作目の「日本沈没」に比べると若干スケールが小さくなったようにも感じられますが、日本という故郷を失った日本人がたどる厳しい運命はリアリティがあります。最近、日本に対する世界の風当たりが強くなってきているようですが、そういった中でこの作品を読む価値はあると思います。 | ||||
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一作目の「日本沈没」に比べると若干スケールが小さくなったようにも感じられますが、日本という故郷を失った日本人がたどる厳しい運命はリアリティがあります。最近、日本に対する世界の風当たりが強くなってきているようですが、そういった中でこの作品を読む価値はあると思います。 | ||||
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第一部のカッパノベルス版のあとがき?で小松左京氏が日本沈没の影響による気象の変化や、 流民化した日本民族の今後を続編で描くと書かれていたのを読み、心待ちに思っていたあの頃から はや30年以上の月日が流れ、今回第2部が発表されたと知り、わくわくしながら読み始めました。 小松氏を含むプロジェクトチームが構想したという背景は良く出来ており、 登場人物も第一部でなじみの名前が所々で登場し、せりふにも旧作を読んだ人には、ニャッと思わせる 所もあるのですが、いかんせん小説としての出来が今ひとつ。各エピソードが小さくまとまって しまっており、感情移入しきれませんでした。紙面上の制限があったのでしょうか、もう少しページを 割いて書き込んでくれたら小説自体の印象もずいぶん変わったものになったかもしれません。。。 この作品には思い入れが強かっただけに残念です。 勝手な事を言えばやはり、この作品は小松氏自身の手で、完結して欲しかった。 | ||||
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小松左京氏の著書はあまり読んだことがないので大きなことは言えませんが、良くも悪くも”日本沈没”の続編だな、という印象を抱きました。前半は散見的な描写で膨大なバックグラウンドの解説するために費やされるため非常に進行が緩やかで、ともすれば退屈に感じるところもあります。主に4人の視点から物語は描かれますが、いずれの人物も人物としての重要性よりも、あくまで”カメラ”役に終始します。このため物語りは淡々とし、政治を書くことに重きを置かれているようです。 内容は、日本列島沈没から25年、世界中に散逸し、ある国では難民化し、ある国では高い技術力で独自の地位を確立しつつある日本民族の未来を問う、というものです。日本列島消失による気象変化や世界の食糧難に言及するなど、架空の設定を土台にしているにもかかわらず非常に高度な展開を見せています。だだし、上にも書いたように基本的には政治を描いた作品です。個人的には鳥飼外相に同調できたので比較的楽しめましたが。 前作を読んだ人には一応お勧めですが、過度な期待は禁物だと思います。ただし、前作の人物の登場に期待している人は少しは期待してもいいかと思います。死んだと思っていたあの人まででてくるし…。 | ||||
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期待が大きすぎたせいか、正直な感想としては、残念ながら時間とお金の無駄でした。 ありきたりなストーリー、各エピソードがどれもこれも中途半端で、盛り上がりにも欠けるし、ラストの薄っぺらさには超がっかりでした。 | ||||
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小松左京の発想力、構成力、情報収集能力、ドラマ性、人間性描写、主題提示能力、文章力は世界最高レベルだと思う。これら能力の内、谷甲州は文章力を除けば全く劣っていないことに驚いた。アジアについての情報収集は小松より上だとすら思う。谷の文章力は、歌で言えば「カラオケが上手い素人レベル」であり、ネット上の掲示板のネタ文章のような稚拙さがあるが、これは変に小松の作品を模倣しようとした弊害であると認識して、目をつぶれば十分楽しめる。 | ||||
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第一部を読んでいない人は、まず第一部を読むことをオススメします。日本沈没の時にプロジェクトリーダーだった中堅技術者の中田氏が沈没後25年を経て、首相として登場することに感動しました。領土を持たない国が、どうやって国民を統治していくのか、諸外国と伍してやっていくのか、国という存在を思いっきり考えさせる作品です。 一方で、小説のストーリーとしての面白さという点では物足りなさを感じました。登場人物であるワタリ、桜、中田首相、篠原、山崎、小野寺(小野田)、玲子のそれぞれを前半では非常に詳しく描写していて、いつそれらが繋がるのか、そしてポスト日本沈没の話に止まらず、とんでもないことが起きるという展開は素晴らしく、期待が大きく膨らみましたが、後半で登場人物間が繋がる場面、最後の展開はあっさりし過ぎてがっかりしました。特に、小野寺と玲子の再開は「これだけで終わり?」という感じで、山崎や篠原は何だったの?という思いで残念です。総じて言えば、読んで良かったとは思っていますが… | ||||
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第一部を読んだときは,その構成力に圧倒されたのを思い出します。今回国土がなくてもなお残る日本とは何かという問に正面から答えようとしたことにまず敬意を表します。ユダヤ人と日本人の違いがまず念頭にありましたが,その問いかけに留まらず, 最後に人類の未来を問いかけたことに構想の大きさを感じます。ここで取り上げられたような構成が適当なのかどうかは,評価を避けますが,久しぶりに自分の問として考えるいくつかの宿題を貰いました。しばらく推敲していきたいと思います。 | ||||
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良い出来です。 ちょっと前まで世界一の演算速度だった例のスパコン、メガフロート、スノーボール・アース説などうれしいガジェットてんこもり。 しかし…この第二部の末尾で旅立った皆さんの末裔が、いずれ「果てしなき流れの果てに」で、アイ・マツラに出会うんでしょうね。なんか無情。 | ||||
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日本が沈没して二十五年後、世界各地にちらばった日本人はさまざまな境遇にあった。たとえばパプアニューギニアの入植者たちが成功しつつある一方、たとえばカザフスタンの入植者たちはエスニック・クレンジングの犠牲となっている。国土を持たぬながらも存続する日本政府は、日本の沈没しさった旧日本海における利権争いが本格化するなかで、漂流する日本民族をあらためて再結集させるプロジェクトを進行させるのだが。 第二部が出版されたので、十数年ぶりに第一部も読み返しました。記憶のなかの印象との違いにある種の感慨を抱くとともに、小松左京氏と谷甲州氏の作家としての資質の違いと、執筆された時代の違いを感じずにはいられませんでした。 第一部の小松左京氏は、さまざまなデータを駆使して荒唐無稽な舞台装置をつくりあげることが得意だった半面、データの列挙に淫するところがあり、また人物描写もあまり得手ではなかったようです。キャラクターはやや劇画調で、政界黒幕の長老が登場するなど、今となっては苦笑してしまう設定もあります。日本から人々が脱出するシーンもほとんど描かれていませんでした。 一方、第二部の谷甲州氏は、技術者やエージェントなど現場にこだわり、きめ細やかで散文的な描写によってリアリズムを作り上げます。しかしその分、情緒的には素っ気ない。ていねいにディテールを描きこんで場面を盛り上げるのですが、いざクライマックスに達そうとする直前でぷつんと断ち切ってしまい、その後の経緯はこれまた素っ気なく、別の場面のしばらくあとの地の文で説明するのです。妙に煽ろうとしない分、私には読みやすいスタイルでしたが、しかし、これが映画だったら喜んで映像化したがるであろう決定的なシーンの描写を、なんだか避けているかのようにも感じられました。また旧日本海における中国の記述は、現在の国境情勢に影響されたところでしょう。 本作(第二部)は、まず前半部はさまざまなディテールから始めて、やがて「日本政府のプロジェクト」に焦点を結んでゆくという構成なのですが、ストーリィ中盤でこの焦点がねじれてしまいます。そして後半部は、新たな焦点がうまく結びきれぬまま、性急な説明がつづき、ていねいに描かれてきた要素があっさり捨てられてしまいます。たとえば中国のエージェントもそうですが、結局なんだったのだ、なにをしたかったのだ、と言いたくなるくらい、キャラクターや伏線がとり残されてしまいます。 話のねじれを料理できぬまま執筆され出版されたのは、やはり第一部の再映画化(2006年)にともなって「映画公開に合わせる」というマーケットの要請でしょうか。そもそも映画公開がなければ第二部が書かれたかどうかもわかりませんが、正直やはり残念です。 ともあれ、なにを書いても第一部と比べられ、小松左京氏の熱狂的なファンに批判されるであろうことが予想される中で、谷甲州氏があえて執筆に踏み切ったことだけは、賞賛したいと思います。 | ||||
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日本が沈没して二十五年後、世界各地にちらばった日本人はさまざまな境遇にあった。たとえばパプアニューギニアの入植者たちが成功しつつある一方、たとえばカザフスタンの入植者たちはエスニック・クレンジングの犠牲となっている。国土を持たぬながらも存続する日本政府は、日本の沈没しさった旧日本海における利権争いが本格化するなかで、漂流する日本民族をあらためて再結集させるプロジェクトを進行させるのだが。 第二部が出版されたので、十数年ぶりに第一部も読み返しました。記憶のなかの印象との違いにある種の感慨を抱くとともに、小松左京氏と谷甲州氏の作家としての資質の違いと、執筆された時代の違いを感じずにはいられませんでした。 第一部の小松左京氏は、さまざまなデータを駆使して荒唐無稽な舞台装置をつくりあげることが得意だった半面、データの列挙に淫するところがあり、また人物描写もあまり得手ではなかったようです。キャラクターはやや劇画調で、政界黒幕の長老が登場するなど、今となっては苦笑してしまう設定もあります。日本から人々が脱出するシーンもほとんど描かれていませんでした。 一方、第二部の谷甲州氏は、技術者やエージェントなど現場にこだわり、きめ細やかで散文的な描写によってリアリズムを作り上げます。しかしその分、情緒的には素っ気ない。ていねいにディテールを描きこんで場面を盛り上げるのですが、いざクライマックスに達そうとする直前でぷつんと断ち切ってしまい、その後の経緯はこれまた素っ気なく、別の場面のしばらくあとの地の文で説明するのです。妙に煽ろうとしない分、私には読みやすいスタイルでしたが、しかし、これが映画だったら喜んで映像化したがるであろう決定的なシーンの描写を、なんだか避けているかのようにも感じられました。また旧日本海における中国の記述は、現在の国境情勢に影響されたところでしょう。 本作(第二部)は、まず前半部はさまざまなディテールから始めて、やがて「日本政府のプロジェクト」に焦点を結んでゆくという構成なのですが、ストーリィ中盤でこの焦点がねじれてしまいます。そして後半部は、新たな焦点がうまく結びきれぬまま、性急な説明がつづき、ていねいに描かれてきた要素があっさり捨てられてしまいます。たとえば中国のエージェントもそうですが、結局なんだったのだ、なにをしたかったのだ、と言いたくなるくらい、キャラクターや伏線がとり残されてしまいます。 話のねじれを料理できぬまま執筆され出版されたのは、やはり第一部の再映画化(2006年)にともなって「映画公開に合わせる」というマーケットの要請でしょうか。そもそも映画公開がなければ第二部が書かれたかどうかもわかりませんが、正直やはり残念です。 ともあれ、なにを書いても第一部と比べられ、小松左京氏の熱狂的なファンに批判されるであろうことが予想される中で、谷甲州氏があえて執筆に踏み切ったことだけは、賞賛したいと思います。 | ||||
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このテーマと構成、主要登場人物の多さでこのボリュームでは少ない。 すでに物語りの構成とキャラクターはあるのだから、 谷甲州氏はもっと物語をふくらまして、現在のボリュームで上下巻くらいにするべきだった。使われなかった伏線やエピソードがたくさんあるし、各キャラクターも掘り下げかたが浅い。 全体的に言えばまるでダイジェストのような感じがする。 特に物語りの終盤に向かっては駆け足でバタバタ終わらせた感がいなめない。玲子と小野寺の再会シーンなどはこの物語の一つのクライマックスになるはずなのに余韻もなにもなく。通りすぎていく感じでせっかくの感動場面なのにもったいない終わらせ方だ。もっと紙面の枚数をかけるべき場面だと思う。、もう33年も待ったのだから無理矢理映画の公開に合わせなかってもよいのでは?少し残念である。谷氏はやはり小松御大に少し遠慮したのかもしれないが、今後完全版とか完本とか定本とかで再度出ることを望む。 | ||||
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今時、国家の財政基盤を書き込むのはリアリズムを出す手段として必須だと思う。なのにそれがない。 国土を失って国民が世界中に離散した日本政府の政府の財政基盤はどのように成立しているのか? 国家予算は世界各地からどのように徴収されているのか? 沈没前に日本が国際社会から借金した国債はどのように返還されているのか? あるいは日本政府が海外に避難させた資産はどう管理されているのか? 国土がない状態で、日本政府はどうやって成立しているのか? 議会や法や裁判所がどういう風に機能しているのか? 日本国憲法との関連はどうなっているのか? 小松左京が描くSF小説はそういう思考実験的なエッセンスこそが味であるのに、そうした根本的な国家のメカニズムを描かずに、世界に散った日本人が、国土を失ってもまだ政府があるという状態を全く何の疑いもなく既定のものとして描いていて不満。 | ||||
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国土を消失した国民と国家のかかわり方、国家と移民先国との国交のあり方、開発にあたっての移民と既存住民との連携の仕方、移民を余儀なくされた個人の思考と感性など、いくつかの観点から、思考を触発される。 国土をもたない国の機構が各地に分散された国民とどうかかわるのか、国家の役割と範囲はどうあるべきなのか、国土を持たない設定であればこそ、描くことのできる世界だ。 根岸毅著『政治学と国家』で説かれた、国をひとつの仕組み・機能として捉える世界観に共通するものがある。 海外に滞在した経験のある方、二重国籍の方、外交人との交流の多い方、国か民間化によらず組織論に関心のある方に、是非お勧めしたい作品です。 | ||||
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国土を消失した国民と国家のかかわり方、国家と移民先国との国交のあり方、開発にあたっての移民と既存住民との連携の仕方、移民を余儀なくされた個人の思考と感性など、いくつかの観点から、思考を触発される。 国土をもたない国の機構が各地に分散された国民とどうかかわるのか、国家の役割と範囲はどうあるべきなのか、国土を持たない設定であればこそ、描くことのできる世界だ。 根岸毅著『政治学と国家』で説かれた、国をひとつの仕組み・機能として捉える世界観に共通するものがある。 海外に滞在した経験のある方、二重国籍の方、外交人との交流の多い方、国か民間化によらず組織論に関心のある方に、是非お勧めしたい作品です。 | ||||
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第二部は執筆が谷甲州さんに任されたということで期待して購入しました。日本人が避難したのは多くは地理的に近いアジアになるはずですので、アジアに強い谷甲州さんを選んだのは正解でした。 導入部分は、さすが谷甲州さんというべきで、ぐいぐいと読み進んでいきました。中盤以降は、ちょっとペースが落ちてきました。最後の方はちょっと尻切れトンボになったような気もします。 日本が消滅した後の世界を描いた谷甲州さんの作品としてとらえれば、あまり不満は無いと思います。 | ||||
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第一部は日本列島が海没するストーリー。その日本列島を竜に見立て、のた打ち回りながら海に没する課程は、多くのメディア、映画、漫画、TVドラマになり、大いに高度経済成長期に日本を沸かせたものでした。 最近、この「日本沈没」の映画がリメイクされましたが、原作とは程遠いストーリーだったので、旧作ファンとしては些かがっかり・・・ そして、今回絶妙なタイミングで「第2部」が刊行! 早速購入して噛り付くように読みましたが。 国土を消失し、世界に散っていった日本民族の「その後」を現在の世界情勢も含みつつ描写されています。 各国で入植した日本人の成功や苦悩、迫害など実に丁寧に描いております。 「第一部」でのお馴染みの登場人物の活躍(中田、小野寺、玲子・・・)も読み応え充分。 しかししかし、惨劇は日本に止まらず、世界レベルに達しようとしていた。 氷河期の襲来です。北半球は氷河に閉ざされるとあって、大国のエゴや駆け引きが展開されていく中で、海に国土を消失し難民となった日本のみならず、今度は氷河で国土を失う国が続出という何とも皮肉な結末。 単なるSF小説と思う無かれ、非常にリアリティに満ちた傑作です。 最後の「竜の飛翔」で残された日本民族が大挙して新天地を目指すくだりは、鳥肌もの。拍手喝采です。 これがドラマや映画になったら面白いだろうなぁ・・・ このラストシーンは次回作にも繋がりそうな気がします(是非第3部を !)。 | ||||
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