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阿修羅ガール



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【この小説が収録されている参考書籍】
阿修羅ガール
阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガールの評価: 3.44/5点 レビュー 94件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全54件 21~40 2/3ページ
No.34:
(5pt)

阿修羅=神への発展途上にある存在

読んだあと「ウンコパ〜ン、デ、デレッデ」が頭から妙に離れませんでした。女子高生文体もおもしろいけど、引きこもり魔人の脳内も独特の味わいです。
某巨大掲示板のことを「便所の落書き」と言った人がいましたが、その巨大掲示板は便所の落書きの「集積」とも言えるでしょう。バラバラにされた子どもの体の集積である「森の怪物」のように、それ自体がまるで意志をもって暴れまわるような存在です。
ネット時代の新しい神、あるいは神への発展途上にある存在、がテーマなのではないでしょうか。某掲示板しかり、おそらくアイコしかり。
私にとっては初舞城でしたが、饒舌でグイグイ引きこまれる文体、隋所にちりばめられた笑えるネタの数々など、ほかの作品も読んでみたいと思わせる作家さんです。
阿修羅ガールAmazon書評・レビュー:阿修羅ガールより
4104580015
No.33:
(4pt)

舞城王太郎の代表作

『阿修羅ガール』です。
第16回三島賞受賞作ということで、舞城王太郎の代表作といえるでしょう。
女子高生の一人称、文章全体が口語です。改行も少ないですが、勢いよく読めます。本はそこそこ厚いのですが一気に進みます。ただし、クセが強いので好みは分かれそうです。
展開は色々事件がめまぐるしく起きて退屈しません。
荒唐無稽な事件の連続の中で、2ちゃんねるを髣髴とさせる天の声が、妙に生々しかったです。
終盤の森のシーンが、なんとなく浮いて感じます。でもここがあるからこそ、本作はエンターテインメントではなく純文学というカテゴリになんとか入っているのではないでしょうか。
まあ、好き嫌いは読者次第として、舞城という作家が良くも悪くも特異な才能の持ち主であることは間違いないのではないでしょうか。舞城作品の中で、その独特さが端的に表れているのが本作だと思います。
短篇「川を泳いで渡る蛇」が併録されています。
阿修羅ガール (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:阿修羅ガール (新潮文庫)より
4101186316
No.32:
(4pt)

読点の少なさはトパーズの村上龍並

舞城の文体は饒舌だ。
密度が濃いというか肺活量が多いというか、とにかく饒舌。
息継ぎせず一気に喋ってる感がある。
初の女子高生一人称語りだが違和感は全然感じなかった。
主人公・愛子の豪快さとナイーブさが隣り合わせの暴走っぷりは痛快だし
バスタブの中でイマジナリーフレンドと会話し際限なく妄想膨らませるのが笑える。
(おま、刑務所で出産までいくのかよ!と)
ネットの書き込みを延々抽出していくシーンなどは臨場感たっぷりで引き込まれる。
この時愛子がとる一見矛盾した行動も「ありそうだなー」と実感。
阿修羅ガールには奇妙な生々しさがある。
グルグル魔人を名乗る猟奇殺人鬼に三つ子の子供を殺された夫婦が
白昼堂々公園で性行為に及ぶ場面を目撃した愛子はこう思う。
「あの夫婦の間に、三つ子を無残に失ったことで、新しい形の性的関係が生まれたのかな、と。深い哀しみを包み込むような形で。子供の死を前提とするような形で。言葉はやな感じに響くけど、子供の殺害という辛さを利用するような形で」
「最悪だ。
人間の性欲なんて、ホント最悪」
しかしその最悪なものから自分たちが生まれてくると愛子はちゃんとわかってる。
また愛子の片思いの相手である陽治は、失踪した同級生の情報を積極的に求めながら心中を吐露する。
「エチオピアの難民助けるためにとかは俺、汗かく気になんねーけど、同じクラスの奴が誘拐されてなんか酷い目に遭ってるなら、俺、心配するし、なんか動くよ。普通じゃん?」
こういうのってだれもが思ってても悪者扱いされるのが嫌で言わないことだよなー
うやむやに流しちゃうことだよなー。
けれど舞城は直視するのが忌まわしく醜悪な人間の側面や欺瞞偽善をこれでもかと抉り出す。
そして「この最悪なものがあるからこそ俺たちは生きてけるんだ!」と叫んでるようだ。
えぐい。
でも面白い。
だからやめられない。
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4101186316
No.31:
(5pt)

おもろ

ためしに好きでもない人とやっちゃう主人公の女の子は頭の回転が速くて本質的なことからどうでもいいことまで雑多な思考が湧き出てきて、それらが整理しきれてなくそのままの状態で表現した文がメイン。ぐちゃぐちゃな思考もスピード感があるから読みやすくて一気に最後まで読みました。
現実と妄想のつなげ方がすごく上手だと思った。
というよりは、現実の描写部分でも十分に感じるリアリティよりも妄想部分のリアリティを強く感じた。三途の川にリアルもなにもあるわけないのに。
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No.30:
(4pt)

ぶっ飛び続ける舞城王太郎

2003年度三島由紀夫賞受賞作。
やっぱすげーよ、舞城。
マジぶっ飛んでるよ、舞城。
舞城の何がすごいかって。
その文体、文章、言葉。
小説に全く似つかわしくない。
例えば…
「私の素早い応戦にもマキが怯んだ様子はちっともなかったが、剣道とテニスで鍛えた私のムチムチの右足のスーパーキックがわりと効いたらしくて「いってーなこのビッチ〜」とか言って足をさすってて、私はすかさず「うっせーなおめーに何の関係があんだよ!」と言いながら私はマキの頭を上からぐいと押さえ込んで体重乗せて屈ませてそこに右の膝を思い切り上げてうつぶせたマキの顔にガツン!と当てた。」
こんな感じ。
これずっと続くから。
物語りもぶっ飛んでるけど、こんなカジュアルな文体で始まり、そのまま完結させる舞城はやっぱすごい。
さらにこの作品に三島由紀夫賞あげた人たちも凄いと俺は思う。
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No.29:
(5pt)

ぶっとんでる

べつにこの作品は難解なものではなく、文体の疾走感と展開のキチ○イぶりを楽しめばいいものだと思う。
映像が頭に浮かんでくるのだが、その映像がまた変でちょっとしたトリップ感が味わえる。その映像はどことなくデヴィッド・リンチの作品ぽさも感じる。彼の映画が好きな人が読むと楽しめるかも。しっかりしたストーリー展開を求める人は楽しめないと思います。
一昔前の言葉で言えば、分裂症、スキゾ的な作品だと思う。好き嫌い分かれると思うが、私は好き。
これを三島賞に選んだ人たちも偉い。
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No.28:
(4pt)

わからない

ぶっとんでいて面白い。が、生理的に受けつけないところがある。狙いより一歩はみでてきもちわるいというか。女の子のあざとめの語りとか併録の作品のちょっとナイーヴなところとか。いい小説は読んでるだけで快感てとこがあるけど、そういうものもこの作品では自分はあまり感じられなかった。ラノベってあまりそういう快感のある作品はないけど、その意味ではやはりラノベ的なのか……。
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No.27:
(4pt)

視覚、それもアニメの。

無粋を覚悟で書きますが、アニメの映像がちらつくのです。だから面白くなかったというつもりは全くないのですが、たとえば、文庫本P29L1「責任とってよー!」とアイコが叫んで、「飛んだ。つーかズルッと足滑らせて落ちた!」は、押井守の名作「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」のラスト近く、DNAに乗ったあたるが、ツバの広い帽子に隠れて顔の見えなかった幼い女の子が顔を見せ(実はラム)、「責任とってね!」の言葉を合図に落下していくイメージをどうしても連想してしまいます。P214L3からのヤギのチーズをパンにのせるのは、「アルプスの少女ハイジ」。P264L2からの森の怪物は「デビルマン」に同じような怪物が出てきたように(うろ覚えですが)記憶しています。そのせいか、P182L2からはじまる「崖の壁面」の「大きな文字」は「崖を削って書いてある」とあっても、アニメとしてならイメージが容易に浮かびますが、実写でならどんな感じなんだろうと、イメージが茫洋としてしまいます。繰り返しますが、だから悪いと言っているのではありません。不思議なのです。上に挙げたアニメはいずれも僕が10歳くらいから高校生くらいにかけて見たアニメばかりです。作者と同世代くらいの読者には、これらの連想を促すようなシーンがどんなふうにうつるのか、どんな効果があるのかがわからないのです。
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No.26:
(4pt)

アイコタソ…

本作も、全体的に、日常において、「目に見えないもの」を説明する為に、比喩的なフィルターの張り巡らされた作品になっています。単に活字を読み進めるだけでは理解に難しいのも仕方ありません。以下は蛇足です。言うに及ばぬ事ですが、普通男性作家の書く女性キャラというのは、女流作家の書くそれには、リアルな心情表現という枠内においては到底適うはずのないものです。本作の主人公もこれまで同様、舞城版ガールとも呼べそうな、弾けた感じの、前向きな性格を持っています。本作を読むにあたり、主人公のアイコちゃんは、無論男性受けをするはずです(まぁ、舞城氏の覆面の下が男性であると断定するならば)。が、女性読者に受け入れられるか否かはわかりません。私は次は是非違うタイプの女性主人公を書いてほしいと思っています。それにより、さらに多くの方(読者)に支持される作家さんになられるんじゃないかなぁという、拙い観測をするばかりのこの頃です。
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No.25:
(5pt)

勘違いされやすいかもしれない

語り口は「今風」だが、思えば第一線の作家は明治の昔からずっと「今風」の文体で書いてきたのだ。話の展開も行き当たりばったりで書いているように見えるが、読み終えた後で、確実に全てがしっくりくることに気付く。日常と壮大な想像力が結びついた傑作だ。
表面的には見えないかもしれないが、この作家は、書きながら非常に悩んでいる印象を受けた。口語の使用や価値観の表出の仕方など、確かに意図も意識も持ってやっているのだろうが、それさえもどこかで迷っているような、そしてその迷いを勢いで押し切ろうとしているような感じを受けた。その点も含めて良い作品だ。
阿修羅ガールAmazon書評・レビュー:阿修羅ガールより
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No.24:
(5pt)

純文学

タイトルからは想像もできない冒頭です。
一体全体どこが or 何が「阿修羅ガール」なのか?
最後まで読んで下さい。
この作品は賛否龍論あるかと思いますが、
私は「賛」です。
文章全体が主人公「愛子」の口語調で書かれているので、
なんとなく「バカっぽい」印象を受けますが、
「愛子」の心情を余すところ無く吐露していて
内容はしっかりしていると感じます。
2回ほど読みましたが私は好きな作品です。
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No.23:
(4pt)

初舞城。ビックリ。

少し前に読んだ本を、忘れないうちにレビュー。
ハードカバーの表紙の方が好み。何でこのまま文庫本化しなかったんだろ。ちと残念。まあそれは良いとして、舞城王太郎初読み!すごい世界観ですね。面白かったです。第二部「三門《森》」にて作家としての実力も垣間見れた。冒頭文での掴みもオッケー。「減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。返せ。」
この作品の世界観や現代語文章についてこれないひとは結構多いと思う。「はあ?」「なんだこりゃ。」と思わされること多数回。好き放題書いてるなあ。この奔放さ、独創力には嘆息した。
登場人物とモノの考え方で合わない、というかむしろ腹が立つところもあったのだけど、それは「現代の女子高生」を書いてるってことになるのかな。ならんか。
三島由紀夫賞受賞作。
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4104580015
No.22:
(4pt)

すがすがしい

英語のタイトルは(なぜか英語のタイトルがある)"An Ashura-Girl in Love" となっている。タイトル通り、恋する阿修羅乙女アイコ大活躍の一篇。
はじまりは、こう。
<減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。
返せ。>
といっても、誰も自尊心なんか返してくれない。だけど、魔界に行ったり自分の心の森を冒険したり(「森」の章はほんとうにすごい)するうちに、なんかアイコはどーでもよくなってる。結局、こーうなる。
<楽しいよ。
相変わらずバカなことばっかりだけど。>
ほんとにバカみたいな殺人事件がたくさん起こったあとで(相変わらず作品中ではたくさん人が死ぬ)、こんなことを言えるやつはなかなかいない。女子高生が言うにしてはちょっとかっこよすぎる気がしなくもないけど、このすがすがしさは格別だ。舞城王太郎はやっぱりこういう方がいい。
阿修羅ガール (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:阿修羅ガール (新潮文庫)より
4101186316
No.21:
(4pt)

疾走感

読み始めると止まらない。止められないとも言えるかも知れない。
恐くて非情に気分も悪くなったところもあった。
だが、入り込ませて、手を止めたくても止められず、一気に読ませる疾走感のある作品だと思った。
正直、表題を見て適当に手に取りました^^;
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No.20:
(5pt)

最高傑作近い

 舞城王太郎の真価が発揮された作品。 女子高生的な文体は非常にリアリティがあって、とにかく、文章がめちゃくちゃ上手い。 二章目以降はついていけない、という人は一章だけでも読む価値があると思うのでどうぞ。  携帯のメールを打つ音をニチニチと表現するだけで才能あると思う。 表紙はどうかと思うけど。
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No.19:
(4pt)

訳もなく何だか爽快。

高校生アイコは全然好きでもない男佐野と関係を持ってしまう。翌日学校に行ったらその男佐野、消えてしまったらしい。冒頭からあの独特のリズムの文体に引きつけられました。ネット上も街もなんだかめちゃくちゃで、その上何だかよく分からない世界にとばされてしまったり。(途中の「森」の話では一瞬別の話になってしまったのかと思った。)それでもアイコはいつもアイコでそれが何だか爽快です。後悔したり立ち直ったりビビったり浮かれたり、喧嘩して相手の鼻潰したりそんなこと行ってる場合じゃないよって状況の中「好き」って告白してふられて落ち込んでもみたり、あり得ない状況ばかりだけれど何だか等身大で共感できる・・・筈。きれい事なんて言わない。滅茶苦茶な世界を疾走。自分の進むべき道を行く!といった感じがもう気持ちよく感じられました。何が何だか分からなくても、読み終わったら得体の知れない満足感とため息。やっぱり話の中に貫いている物があってそれが何だかは明確ではないけど、何かあるってのは感じさせてくれるところがやっぱり舞城王太郎らしいなぁと思いました。最初から最後まで一気読み・・・私は途中でとまどいましたが、でも飽きたりはしないと思います。やっぱりくせはあるけど、面白い、と感じます。嫌いな人は嫌いかもしれませんがこういうジャンルもあるという事で読んでみて損はないのでは。舞城作品を読んだことがない人もこんなんあるんか!ってな感じで新しい境地が広がるかも。文庫本になってお求めやすくなっております。
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4101186316
No.18:
(4pt)

うーむ現代文学

なるほど、これが現代文学かと考えさせられた作品。いい意味でも悪い意味でも。装丁に惹かれて購入したのだが、思いの他おもしろかった。立ち読みした程度だと文学作品を読みなれている人には「なんだこの文章は」と思えてしまうかもしれないが、芯のしっかりとした文体なので読み進めるうちに案外こういうのもいいじゃないかと思えてくる。肝心の内容もなかなかいい。ありえない設定なのだが世界観が一貫しているので特に疑問に思うことはない。ストーリーの流れは古典文学のようにひたすら回りくどく進行するのではなく、一直線に進んでいくので飽きることなく一気に読める。全体としてみるとかなり完成度の高い作品に仕上がっているので、パッと見の文章で敬遠するのではなく一読してみるのもいい読書経験になると思う。
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No.17:
(5pt)

阿修羅ガール、愛の文庫化。

小説を読むときに、いつも感じていた違和感。例えば物語のヒロインが、「私、~だわ」「~なのよ」なんて口調で話す。それはそれで別にいいんだけど、今どきこんなしゃべり方する女いねえよ!と、思ってしまうのは俺だけだろうか?「阿修羅ガール」の主人公アイコは、今どきの女子高生で、ちゃんと今どきの女子高生語で話す。しかもそれが、いかにも~な感じじゃなくて、すごく自然。舞城王太郎は、現代の女子高生の言葉遣いを、文学として破綻をもたらさないぎりぎりのところで再現している。これってすごい。絶妙なバランス感覚。その文体だけでもおおいに読む価値アリなんだけど、内容がまたいい。三島賞受賞しただけあって、小説としての完成度は舞城作品の中でもピカイチ。特に、「第2章三門」の「森」が素晴らしい。これだけで短編にしてもいいくらい。あ?こんな小説、10年後には古臭くって読めなくなるって?そんなの関係ないね。俺は「今」の小説が読みてえんだよ!焦って単行本買わなくて本当に良かった。こんな小説を580円で読めるなんて。みなさん、絶対に買いですよ!現在進行形の文学が読みたいのなら。
阿修羅ガール (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:阿修羅ガール (新潮文庫)より
4101186316
No.16:
(4pt)

不規則に炸裂する語り

西尾維新を読んで「メフィスト系」なるものに出会い、舞城にも手を広げてみました。西尾維新の文は全編に渡って一定の濃度で語っていきますが、舞城王太郎の文は時折唐突に語りが炸裂する感じで、その時に感じられるカタルシスの量が半端じゃねえって感じですね。それはかなり気持ちがいい。研ぎ澄まされた言葉の洪水を浴びたいって人には大変お勧めだと思います。
阿修羅ガールAmazon書評・レビュー:阿修羅ガールより
4104580015
No.15:
(4pt)

なぜか納得

まずは表題の『阿修羅ガール』から。好きな楊治への思いを抱えながら、好きでもない佐野と関係を持ってしまった愛子。だが、翌日、その佐野が行方不明になって身代金が要求されていた。一方、街では「グルグル魔神」を名乗る者が3つ子を殺害する事件が起き、また、WEBサイト「天の声」を中心にしたアルマゲドンと呼ばれる「祭り」が横行していて…。う~ん…ストーリーは読み終ってからも、わけがわからん、としか言い様が無い。『土か煙か食い物』を読んだときも、「なんだったんだろう?」と思った部分が多かったのだが、今回はそれ以上だ。何も解決してないし。でも、なんか納得できてしまう。その文体と、この内容と、ハチャメチャではあるんだけれども、映像的で圧倒的なインパクトの前に、何かこれで良いんだ、と納得してしまう。これはこれで綺麗にまとまっているように思えてしまった。なんか、不思議な感覚だった。一方、「川を泳いで渡る蛇」は、わずか26頁の短篇なのだが、上手くまとまっている。勿論、こちらもいつもの舞城節が炸裂しており、喧嘩であるとかのシーンはあるわけだけれども、全体的に落ちついたトーンで描かれており、しんみりとした後読感があった。舞城氏の作品は、まだまだ殆ど読んでいないのだが、奥の深さを感じる。
阿修羅ガール (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:阿修羅ガール (新潮文庫)より
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