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変身
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変身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全293件 41~60 3/15ページ
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かわいそうなザムザ。あんなに家族のことを思い、会社にも貢献してきたのに。原因不明で突然、気味の悪い虫に変態。会社という世間からも、家族からも見捨てられ孤独に死をまつばかり。憐憫を禁じ得ない。ザムザは若くしてこのような運命に陥ったが、この本を読むシニアの読者は自分の身の上と重ねて読むだろう。 ところで、翻訳についてひとこと。各種の翻訳が存在し、その多くは東大独文系のものだが、それぞれ持ち味が違うので合わない本を択ぶとがっかりすることになりかねない。昔読んだものを懐かしむシニアは、新潮文庫(1952年、現在では、古本とkindleのみ)がよい。訳者の高橋義孝は、旧制高校の教官でありナチス時代のドイツに留学した。「へんくつの発想」という著書もがある。次に古いのは、角川文庫版で、直木賞の候補にもなった広島大学の中井正文によるもの(1952年)。無料のkindle版(1961年)は、訳者の原田義人は東大教養学部の教授昇任後、夭折した。ザムザが「おれ」と自称しているので他の訳書とは雰囲気が異なる。(ちなみに、レビューは、高橋版と原田版が混在し、しかも、無料の原田版は日本語学校のテキストになったためか外国人学生の感想が多数入っていて大混乱を示している)。 岩波文庫版は、1958年に東大教養学部教授だった山下肇の翻訳によるものだが、子息の拓殖大学教授、萬理(カフカの本の題名から命名された)が2004年に改訂・改訳しているので現代的できわめて読みやすい版となっている。はじめて読む人にはこれをお勧めしたい。 新訳に当たるのが、まず、古典新訳文庫の、首都大学教授丘澤静也によるもの。2007年。「新訳」と銘打っているため、訳に関するレビューがいっぱいある。白水社版の本書は、元東大文学部教授で文筆家、池内紀によるもの。2001年。個人で訳した各作品をカフカ小説全集にまとめた。池内の翻訳は、文章が短く、日本語として違和感は全くないが、逆に言えば、関係節が多く、一文がめっぽう長いドイツ語の原文の雰囲気は完全に消え失せており、「池内作」といってもよいように当レビュアーは思う。西洋料理を食べやすい日本の洋食にしてしまった感じ。集英社版は、ドイツ在住で芥川賞作家の多和田葉子による異色の翻訳。ドイツ語でも小説を書いている多和田の感覚が突出している。(2015年)。他の作品も多く収載されているため厚くなっており、変身だけ読みたいなら別の本がよいだろう。 「変身」のドイツ語は比較的容易なので、大学生でもアプローチできる。個々の訳語についても様々でいろんな意見がある。ザムザの姓(グレゴールかグレーゴルか)、(多和田は「変身」を「かわりみ」と読ませているが)題名の訳語、ザムザが変身したもの(毒虫、甲虫、原語のままのウンゲチーファーなど)、ザムザの職業(古典的訳では、「外交員」となっていたが最近では「(外回りの)セールスマン」など、さまざま。何に変身したかということについては、私は、オサムシ(ネットで検索して画像を見てもらえばよいのだが)がイメージにあうのではないかと思っている。気味の悪い甲虫のようなものと考えると辻褄が合う。原語には気味の悪いという雰囲気はあるが、毒があるという意味はない。訳語の混乱は、独和辞典の昆虫に関する語彙がお粗末なことに起因していると思われるが、さすがに「毒虫」は誤訳だと思う。 | ||||
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カフカは実存主義の先駆者とか言われますが、そんなことで文学論に走るよりも自分自身が読んだ 感想をありのままに述べたいと思います。私にとってカフカはどこまでも「せつない」です。この 「変身」でもその「せつなさ」は同じで、私は、もういたたまれない気持ちにさえなるのです。 朝起きて自分が大きなムカデのような虫に変身してるにもかかわらず、そのことを自身で確認しながらも主人公のグレーゴル・ザムザは、しばらくは、何時の汽車に乗らねばとか、その日の仕事のこと ばかり考えてます。その時の思考は実に明晰で論理的です。虫に変身していることを考えれば彼の すべての論理思考はその土台から崩れさるわけですが、それをグレーゴルは意にも介していない。 かえって虫の触覚の便利さに気づいたりしながら、初めのうちは夜中のひっそり静まりかえった部屋で グレーゴルはひとり今後の生活方針を熟考します。家族の自分に対する対処の仕方などから、彼はまだ 人間世界に結びつけられている自分を実感し、元気づけられるのでしたが、その一方で、異様な不安感にも襲われています。 妹のグレーテは、グレーゴルの変容に若い女の子らしく涙し、初めは献身的に食事なども運び、部屋の 掃除をします。グレーゴルの方も醜いからだを彼女に見せたら悪いと感じ、麻布で自分のからだの椅子の下からはみ出だして見える部分を隠したりします。その小さな思いやりをわかって欲しいのでしょう、 グレーゴルは妹の目にその自分の行為に対する感謝の気持ちを探すのです。どうしようもない状況においても、人としてのつながりを求める「せつない」いたたまれないシーンの一つです。 きりつめた生活の中で妹も稼がねばならずちょっとした仕事で毎日外にでるようになります。この へんから父親も、母親も、妹も、毎日のグレーゴルへの対応が切羽詰まってきます。ちょうど家族の 中に長い病(やまい)の重病人をかかえ、世話をする家族が疲労困憊(こんぱい)するという、世間には 少なからずある話と同じで、多くの読者もきっと同様に思うことでしょう。 まず母親がグレーゴルの姿を直に見て悲鳴をあげ意識を失うほどの事件があり、グレーゴルは誤解を解くことも叶わず、怒った父親にリンゴをぶつけられて、彼の死の遠因ともなるケガをします。家族は、生活のやりくりのために下宿人を自宅に入れます。そして、その下宿人たちがグレーゴルを見てしまったことからひと騒動あり、さらに父親は怒り心頭に発してグレーゴルを彼のいた部屋へと力まかせに押しもどします。その時までには、もう長い間グレーゴルは何日も食事をしてません。そして 事件が一段落着いた直後、妹は父親にグレーゴルを処理することを提案し、父もそれに同意します。 ところが、その翌朝、グレーゴルが自分のからだを埃まみれにして既に死んでるのをお手伝いの女が 見つけるのでした。グレーゴルの家族の彼に対する人情の変化の非情さが際立った終焉であります。 でも、このことを誰も批判はできないでしょう。仕方ない。グレーゴルも息をひきとる寸前は、自分は 死んでいなくならねばならぬと自覚してたのです。実にせつない。仕方なさの普遍性とでもいえるでしょうか。グレーゴル亡きあと、この家族には新たな希望がみえてくるというのも皮肉というより世の中の 現実が象徴的に表されていて、まことに衝撃的であります。その時の家族が感じる解放感に私はいたたまれぬ気持ちになるのです。 この「せつなさ」の原因は、虫に「変身」した主人公が、徐々に人間の思考や感情が弱まっていくとはいえ、また、話すことは虫に変身後、ほどなくできなくなるとはいえ、他人のいうことはちゃんと理解でき、死ぬ直前まで、人間の理性や感情を保っていたからです。これが顕在化する「変身」した虫ではなくて、心の中に潜む「怪物」であったらどうなるでしょうか。この場合は、まわりの対応という意味では、表面上日常と変わらないかもしれません。しかし、本人が人間の理性と感情を保っていても、中身が怪物のため、他者と通じ合えない、実に孤独な人間世界がまわりの現実ならばどうなるのでしょうか。そうなった場合、変わらない日常の中で起こる問題の本質は、この「変身」の中の出来事とさして変わらぬかもしれない。ここまで考えると、ことは切迫しやっと実存主義とかの世界を考えねばならぬ段になるような気もしますが、一般の読者としての私としては、この「せつない」やるせなさを、心底から感じとることだけに集中し、その普遍性をひたすらだいじにしたいと思います。カフカは私が最も好きな小説家の一人です。 | ||||
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これまで読書をしたことがなかった人におすすめの本です。 カフカって聞いたことがある名前の作家だったので気になり、変身を選びました。 読み終えて感じたことは、 主人公のように突然、別の動物に変身することが現代でもありうるということです。 現代でも家族がうつ病になったときに、本人は自分がおかしくなっていることに気づかず、頑張ろうとしてしまい、次第に疲れ果てて気づいたら倒れて動けなくなることがあります。 食べる気力も、他人への興味関心も薄れてしまい、それに違和感を感じてすらいない。 それに似ています。 家族が主人公をまるで赤の他人のように扱うことには、主人公に対する得体の知れない恐怖心があるようです。 引きこもりの家族を持つ親や兄弟は、いつかこの人が他人を傷つけるのではないか?または、自分たち家族のことを傷つける可能性があるのではないか。 そう感じたのなら赤の他人のように接して、決して刺激せずに放置しようと思う気持ちも、理解はできます。 それでも、家族がみんな一様に関わりを持つ努力を諦めてしまえば、主人公のように社会から切り離されてしまいます。 変身という作品を通じて、家族が病気になってしまったときに、自分ならどうするか。その逆で、自分が病気にぬったらどうしてほしいか。それを考えるいい機会になりました。 初めての小説におすすめな理由は、 想像しながら読み進めるのに適している文章表現だったからです。 主人公が動物に変身してしまうという、SFチックなわかりやすさもあって、入り込みやすかったです。 | ||||
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登場人物の冷静さが大変興味深いです。見た者に不快感を与える虫の姿になってしまった主人公ですが、それに伴う家族の絶望ぶりが至って普通であることに違和感を覚えました。まるで数ある不幸のうちの一つとして、可能性は低いが十分に起こりうる事象が起こったかのように感じたためです。 ある日不幸が訪れるが、先の見えない暗闇を涙を枯らしながら進み、最後は光のある未来にたどり着き、その未来は前の不幸なくしては訪れ得なかったものだと感じさせるという本筋があり、不幸をめぐる人間の態度はいつも大体決まっているのかなと思いました。 しかしそれをもたらした主人公の人生はほとんど家族によって殺されるという結末で幕を下ろしている、というのは皮肉だと思いました。 降りかかった当人には大問題である不条理も他の人間には他人事でしかないため、延々と構い続けて停滞することなどなく、適応してまた新たに生活を回し始めるのだと思いました。 一読しただけなのであまり深く理解できていないかもしれませんが、今なお読まれているのが納得できる作品でした。 | ||||
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読んでみたくて購入、ですが無料でとてもうれしいです | ||||
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主人公がただただ不憫な話でした 最後にグレゴールを除く家族全体で先に進もうとしているのを見ると、グレゴールは虫になる前も後も家族にとってはお荷物だったんじゃないかとも思えてしまいます | ||||
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カフカの「変身」といえば、とりあえず主人公が朝起きたら多数の足がある虫になっていたというオープニングで知っていた。それ以上のことは知らなかったし、凡庸な作者であればその後の展開は単なるB級ホラー以上のものにならなかったろう。本作品において虫というのは、主人公と同様の状況に置かれた人間が持つ、あらゆる属性を代表した形態であり、それが引き起こす不幸を生々しく描く。 本来主人公には築き上げた地位があり、役割があり、与えられるべき家族愛があった。しかしある日「虫」という形態が与えられ、その呪いがもつ強大な力が今まであった関係性と強烈に衝突する。そして圧倒的な現実の重みをもって、過去を征服してしまう。その形態に凝縮されている要素は大病だろうか、障害だろうか。人間には誰にも一定の確率でふりかかる可能性がある不幸であろう。その理不尽に与えられた不幸を前にして、無力にも戦おうとする主人公や家族がとても健気で、涙を禁じえなかった。 本作においては主人公の心情の動きが緻密に描写されており、注目に値する。「虫」という形態においてたとえ正常な思考を持っていたとしても、それを正常に保つことは非常に困難である。それは思考能力に異常をきたしたからではなく、自分の状態や周囲の環境、周囲との関係性の変化がそうさせるのである。例え本人が正常な思考を保ち、貢献しようと努力をしても、「虫」であることが常に重荷となり、思考を侵食し、不可逆的な変化をもたらしてしまう。この過程を見ればこの物語は悲劇である。 だが現実において、完全な悲劇などあるだろうか? この点も本作はとても上手く作品をまとめている。 文章量はそんなにないが、とても密度の高い読書体験を得られるので、一読をおすすめしたい。 | ||||
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商品の状態、包装、到着スピード、全て良かったです | ||||
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通勤往復の一冊。 高校生の時から、何回も読み返している。不思議な事に、毎回感じる事が違う。 今の時代を生きる私が読んでみると、ある日突然毒虫になったセールスマン、グレゴール・ザムザは、ストレスから統合失調症を発症してしまったように思う。彼の視点でつづられていたストーリーは、実は彼の夢で、彼が「知るはずのない」後まで、彼の辻つま合わせの視点で続いて行く感じがする。 虫になっても、現実的に起き上がることや、妹の心配や、母への慕情、父との微妙な関係など、どこか「上手くしなくちゃ」という感じで漂う。上手くするどころの騒ぎじゃない事件なのに!読んでいる私も、なんとかしなくちゃみたいな気持ちになる。虫になってるのになんとかならんけどね…。 足の様子、リンゴが背中に当たった様子、粘液の様子、一部分のみをリアルに描写しているけど、全体的な正確な大きさ、色合いとかははっきりさせず、かえって自分の想像力の中で毒虫が本当のように感じられる不思議。挿絵に虫は描くな!とカフカが言ったそうだが、それはそれで納得。 エンディングの家族の晴れやかさが残酷だけどさわやかに描かれているのが不条理でいっぱい。ザムザが必死で守ろうとしてきたものはなんだったのだろうか。でも人間とはそんなものかも。 いつの時代のサラリーマンも大変だというのは確か。 | ||||
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カフカの変身に救いはない。ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けないが、彼は他人とは違う自分にいつも苦悩していたに違いない。自分を他人に受け入れられないものとして明確に描いたその思い切りと感性には脱帽する。悲劇的な結末には身震いを禁じ得ないが、意識しないだけで、現実にはあらゆる場所で同じようなことが常に起きている。彼の残酷さだけを伝える書き振りには、徹底したリアリストを感じる。これは彼にしかできなかった偉業なのかもしれない。 | ||||
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中1の息子がカフカにはまって夢中で読んでいます | ||||
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カフカの「変身」は人間世界の不条理をきわめて写実的に描写している。この本に共感できない人はおそらく幸福で恵まれた人生をおくってきた人であろう。平等という幻想に支配され、全人生を通していささかの不条理による挫折感を味わったことがない人間であろう。現実の世界はそんなお気楽なものじゃない。この世に存在する不条理は我々の運命をも支配する原則なのだ。 | ||||
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再読しました。何十年ぶりだろうか。面白いので、一気に読み切ってしまいますね。悲しみに満ちて、混乱する主人公と最後には、いつもの日常を取り戻し、未来への重荷から解放された家族。これ¥は、変身しても主人公の心はほぼ人間のままで、外見ほど大きな変化はないこととよく合致していて、変身してもしなくても、変わらないものが貫かれているのが、今回の再読でもまた引き込まれていった所以かもしれません。 | ||||
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Good | ||||
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本編を読み終わったときは、とにかく居心地の悪い気持ちでした。家族のために尽くしてきた主人公グレーゴルは、なんの前触れも、理由もなく、醜い化物に変わってしまう。 グレーゴルは部屋に軟禁、家族はバラバラになっていきます。 グレーゴルはもういない。あの虫は家族じゃない。そう家族で決めたのと同じくらいに、グレーゴルは絶命します。 彼の死から家族の気持ちは皮肉にも上向きになります。 グレーゴルに救いはありません。むしろ、グレーゴルの死こそが家族を救います。 あまりにも冷たい物語だと思っていましたが、巻末にある解説を読むと、当時のユダヤを取り巻く社会状況やカフカの思想などが読み取れます。 難解ですので、解説を先に読んでから本編を読んでも良いのではないでしょうか。 | ||||
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現代人必読 | ||||
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チェコ出身のドイツ語作家であり、20世紀文学を代表するユダヤ人小説家フランツ・カフカの代表作として知られる中編小説。DIE VERWANDLUNGからの原田義人による翻訳。1915年発表。ある朝目覚めると巨大な虫になっていた実直な青年グレーゴル・ザムザが、妹グレーテの世話を受けつつ自室に籠もり奇妙な生活を送る。 | ||||
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日本語で一言に、変態(変体)の話です。和訳ではなく原文で読んでみたいですね。 | ||||
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全部読みましたが、全体のストーリーとしては、あんまり面白くなかったです。 何が主人公に起きているのか、 何が起きているのか、 そういった表現の仕方が独特な所は、面白く感じました。 | ||||
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『変身』の最後: > Während sie sich so unterhielten, fiel es Herrn und Frau Samsa im Anblick ihrer immer lebhafter werdenden Tochter fast gleichzeitig ein, wie sie in der letzten Zeit trotz aller Pflege, die ihre Wangen bleich gemacht hatte, zu einem schönen und üppigen Mädchen aufgeblüht war. Stiller werdend und fast unbewußt durch Blicke sich verständigend, dachten sie daran, daß es nun Zeit sein werde, auch einen braven Mann für sie zu suchen. Und es war ihnen wie eine Bestätigung ihrer neuen Träume und guten Absichten, als am Ziele ihrer Fahrt die Tochter als erste sich erhob und ihren jungen Körper dehnte. (Project Gutenberg) > こんな話をしているあいだに、ザムザ夫妻はだんだんと元気になっていく娘をながめながら、頬の色も蒼ざめたほどのあらゆる心労にもかかわらず、彼女が最近ではめっきりと美しくふくよかな娘になっていた、ということにほとんど同時に気づいたのだった。いよいよ無口になりながら、そしてほとんど無意識のうちに視線でたがいに相手の気持をわかり合いながら、りっぱなおむこさんを彼女のために探してやることを考えていた。目的地の停留場で娘がまっさきに立ち上がって、その若々しい身体をぐっとのばしたとき、老夫妻にはそれが自分たちの新しい夢と善意とを裏書きするもののように思われた。 最後の文のundは原田氏にかぎらず世界のほぼ全員が > Und es war ihnen wie eine Bestätigung ihrer (neuen Träume) und (guten Absichten), als am Ziele ihrer Fahrt die Tochter als erste sich erhob und ihren jungen Körper dehnte. と解釈しているが > Und es war (ihnen wie eine Bestätigung ihrer neuen Träume) und (guten Absichten, als am Ziele ihrer Fahrt die Tochter als erste sich erhob und ihren jungen Körper dehnte). が正しい。英語では > And it was (something of a confirmation of their new dreams) and (good intentions when at the end of their journey the daughter first lifted herself up and stretched her young body). 犬っちが英語から重訳すると > こんな感じで楽しく話をしていたが、ザムザ夫妻はほとんどいっしょに、娘がどんどん動くようになってとうとう花開き、気苦労の連続で頬が弱々しくなったにもかかわらず、美しく官能的な若い女性になるさまに釘付けになった。おしゃべりをやめ、おたがい目をやりほとんど無意識に合意して、娘によいお婿さんをすぐに見つけてやらねばと考えた。それは新しい夢を確固たるものにすべく大事なことであり、旅の終止符として、まずは体を持ち上げ若々しい胴体を伸ばす彼女への思いやりの意向でもあった。 妹はきれいなちょうちょになりました。こちらのほうが単純明快だからカフカのトリックであることは疑いの余地はありません。ナボコフも『文学講義』で > 場面X--この最後の場面は、その皮肉な単純さにおいて秀逸だ。春の陽光がザムザ家の家族を照らしている、いま彼ら三人はそれぞれの雇い主に欠勤届の 手紙を三通書いている─ ─関節、節足、幸せな脚、三匹の昆虫が三通の手紙を書いている。 ちゃんと「三匹の昆虫」と書いています。 | ||||
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