ペスト

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評判

ペストの評価:

4.00/5点 レビュー 410件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全814件 741〜760 38/41ページ
No.74
(4pt)

おもしろかったです

個人的にペストについて調べていたので、ペストがいかに蔓延し、いかに人々がペストと闘ったかとても興味深く読みました。
1960年代に出版されたとのことなので、現代の軽い文章に慣れていると少々読みにくいかもしれません。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.73
(4pt)

新訳が望まれる。

言わずと知れたカミュの名作だけれど、いかにもの翻訳文体で、読んでて会話の部分さえ本当に固っ苦しい。
新しい世代に読み継がれていくために、こなれた文体の新訳がそろそろ出てもいいかと思う。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.72
(4pt)

新訳が望まれる。

言わずと知れたカミュの名作だけれど、いかにもの翻訳文体で、読んでて会話の部分さえ本当に固っ苦しい。
新しい世代に読み継がれていくために、こなれた文体の新訳がそろそろ出てもいいかと思う。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.71
(5pt)

感動しました。

21世紀世界の逆境という文脈の中でこそ再び輝きを放つ小説でしょう。「不条理」という手垢にまみれた言葉で捉えてしまうと若い読者には余計なバイアスがかかるかも。驚くほどイマジネーション豊かに書かれているが、これはおそらく著者が戦争を経験しているからだろう。遅れること数十年のサラマーゴの『白の闇』の評価は、『ペスト』読後の今ではどうしてもカミュに一歩譲る感じだ。どちらもノーベル文学賞をとってはいるのだが。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.70
(5pt)

感動しました。

21世紀世界の逆境という文脈の中でこそ再び輝きを放つ小説でしょう。「不条理」という手垢にまみれた言葉で捉えてしまうと若い読者には余計なバイアスがかかるかも。驚くほどイマジネーション豊かに書かれているが、これはおそらく著者が戦争を経験しているからだろう。遅れること数十年のサラマーゴの『白の闇』の評価は、『ペスト』読後の今ではどうしてもカミュに一歩譲る感じだ。どちらもノーベル文学賞をとってはいるのだが。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.69
(5pt)

電子版もいいね

平成の初めの頃に文庫本で買って読みました。kindleに電子版もあったので、久しぶりに読みました。ペストの翻訳者の異邦人もあったらいいな。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.68
(5pt)

電子版もいいね

平成の初めの頃に文庫本で買って読みました。kindleに電子版もあったので、久しぶりに読みました。ペストの翻訳者の異邦人もあったらいいな。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.67
(5pt)

対応が良い

ポストに投函されることを知らず、こないなと思い返品しようとしました。その時の対応が早く、とてもよかったです。
ちょっと届いたのは古いタイプの方でしたが、綺麗にしてあるのでよかったです。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.66
(5pt)

対応が良い

ポストに投函されることを知らず、こないなと思い返品しようとしました。その時の対応が早く、とてもよかったです。
ちょっと届いたのは古いタイプの方でしたが、綺麗にしてあるのでよかったです。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.65
(5pt)

しかし、その抽象がこっちを殺しにかかってきたら、抽象だって相手にしなければならぬのだ。

1940年代、フランスの港町オランが舞台。
 発生したペストによって町が隔離されその隔離された街の中で住民たちの行動が語られます。
 医師、判事、外の街からやってきた新聞記者、過去のある男、司祭、役場の非常勤職員、といった人たちが病気の発生時から終息するまでどのように行動し発言したかかを報告者は伏せられたまま一人の人物の視点で描写されていきます。
 病気によるパニックの話かと読み始めたのですが、淡々とした落ち着いた文章で物語が語られます。
 町の人々の思いの他静かな反応、そして病気にかかった家族に対する愛情あふれる離別への抵抗などが、病気の診断のために対応した医師リウーの同情の視線で描かれます。
 また、取材旅行の最中で隔離されてしまった町にとどまることになった新聞記者ランベールが、「自分はよそ者で関係がない」という認識から「町にかかわったのだから病気の撲滅を手助けしないと良心が痛む」と心情の変化が起こる様も語られます。
 それらが落ち着いた文章でつづられていて、会話も感情的なものがあまりないのですが、病気の蔓延していく様子や、町の人々の悲しみの描写の生々しさに物語にひきこまれ、また少しでも病気に抵抗しようと、一生懸命に働く登場人物たちの様子にページをめくる手が止まりませんでした。
 とても面白い本でした。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.64
(5pt)

しかし、その抽象がこっちを殺しにかかってきたら、抽象だって相手にしなければならぬのだ。

1940年代、フランスの港町オランが舞台。
 発生したペストによって町が隔離されその隔離された街の中で住民たちの行動が語られます。
 医師、判事、外の街からやってきた新聞記者、過去のある男、司祭、役場の非常勤職員、といった人たちが病気の発生時から終息するまでどのように行動し発言したかかを報告者は伏せられたまま一人の人物の視点で描写されていきます。
 病気によるパニックの話かと読み始めたのですが、淡々とした落ち着いた文章で物語が語られます。
 町の人々の思いの他静かな反応、そして病気にかかった家族に対する愛情あふれる離別への抵抗などが、病気の診断のために対応した医師リウーの同情の視線で描かれます。
 また、取材旅行の最中で隔離されてしまった町にとどまることになった新聞記者ランベールが、「自分はよそ者で関係がない」という認識から「町にかかわったのだから病気の撲滅を手助けしないと良心が痛む」と心情の変化が起こる様も語られます。
 それらが落ち着いた文章でつづられていて、会話も感情的なものがあまりないのですが、病気の蔓延していく様子や、町の人々の悲しみの描写の生々しさに物語にひきこまれ、また少しでも病気に抵抗しようと、一生懸命に働く登場人物たちの様子にページをめくる手が止まりませんでした。
 とても面白い本でした。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.63
(5pt)

しかし、その抽象がこっちを殺しにかかってきたら、抽象だって相手にしなければならぬのだ。

1940年代、フランスの港町オランが舞台。
 発生したペストによって町が隔離されその隔離された街の中で住民たちの行動が語られます。
 医師、判事、外の街からやってきた新聞記者、過去のある男、司祭、役場の非常勤職員、といった人たちが病気の発生時から終息するまでどのように行動し発言したかかを報告者は伏せられたまま一人の人物の視点で描写されていきます。
 病気によるパニックの話かと読み始めたのですが、淡々とした落ち着いた文章で物語が語られます。
 町の人々の思いの他静かな反応、そして病気にかかった家族に対する愛情あふれる離別への抵抗などが、病気の診断のために対応した医師リウーの同情の視線で描かれます。
 また、取材旅行の最中で隔離されてしまった町にとどまることになった新聞記者ランベールが、「自分はよそ者で関係がない」という認識から「町にかかわったのだから病気の撲滅を手助けしないと良心が痛む」と心情の変化が起こる様も語られます。
 それらが落ち着いた文章でつづられていて、会話も感情的なものがあまりないのですが、病気の蔓延していく様子や、町の人々の悲しみの描写の生々しさに物語にひきこまれ、また少しでも病気に抵抗しようと、一生懸命に働く登場人物たちの様子にページをめくる手が止まりませんでした。
 とても面白い本でした。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.62
(5pt)

カミュの心の傷の美しさ

私は学生の頃、美術を勉強していたのですが、この小説を読んで、絵画や彫刻ではなく文字という世界で、これほど美しいものを創造できるものかと、大変感動しました。眼から鱗がぼろぼろと落ちました。カミュ作品の中では読みやすく、ドラマチックなので、初心者向けかと思います。その美しさを、多くの方に知って頂きたい珠玉の名作です。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.61
(5pt)

美しさ

私は学生の頃、美術を勉強していたのですが、この小説を読んで、絵画や彫刻ではなく文字という世界で、これ程美しいものを創造できるものかと、大変感動しました。眼から鱗がぼろぼろと落ちました。カミュ作品の中では読みやすく、ドラマチックなので、初心者向けかと思います。その美しさを、多くの方に知って頂きたい珠玉の名作です。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.60
(4pt)

新訳が必要。内容は名作とは思うが、人物の描き方がやや大時代的にも思えた。

どなたかも書かれていたように、個人的にはあまり訳がよくないと感じて、
名作のはずなのに、読んでいてそこまで入り込めなかったのが残念だった。

展開などから、ある人物や場面が重要であるのは明らかだと思えるのに、
描写や会話を読んでいても、どこかピンと来ないということが何度かあった。
訳文が日本語として賞味期限切れになっている場合と、原文の意味合いを
うまく捉え損ねているように思える場合の双方があったが、翻訳はもう
半世紀近くも前のもので、さすがに新訳が必要だろうという気がした。

内容は、オランの街の数十万規模の住人たちが、ペストという根源的に
無慈悲で無目的な暴力に翻弄され続けるという、本書出版の2年前に
終わったばかりの第二次大戦を連想させる寓意的なもので、ペストとの
戦いの過程で登場人物の何人かが変化するところには感銘を受けたが、
同時に、この描き方はやや大時代的ではないかという印象も持った。

リウーやタルーは、時に人間的な弱さを見せることはあっても、おおむね
理想的な人物として描かれているが、そのせいか、時々理念そのものが
語っているように感じられることがあり、その分だけ小説としての面白さが
殺がれているようにも思えた(とはいえ、二人が泳ぐ場面は感動的なのだが)。

最後に蛇足ながら、新聞記者のランベールが脱出の手立てを講じる過程で、
スペイン人のラウルとゴンザレスに会い、サッカーの話をする場面があるが、
このくだりは、スペイン人FWのラウル・ゴンザレス(77年生まれ)の登場を
予告していたのかと、サッカー好きならつい思ってしまうところだろう。
(まあ、ラウルもゴンザレスも、スペイン人にはよくある名前なのだろうが。)
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.59
(4pt)

新訳が必要。内容は名作とは思うが、人物の描き方がやや大時代的にも思えた。

どなたかも書かれていたように、個人的にはあまり訳がよくないと感じて、
名作のはずなのに、読んでいてそこまで入り込めなかったのが残念だった。

展開などから、ある人物や場面が重要であるのは明らかだと思えるのに、
描写や会話を読んでいても、どこかピンと来ないということが何度かあった。
訳文が日本語として賞味期限切れになっている場合と、原文の意味合いを
うまく捉え損ねているように思える場合の双方があったが、翻訳はもう
半世紀近くも前のもので、さすがに新訳が必要だろうという気がした。

内容は、オランの街の数十万規模の住人たちが、ペストという根源的に
無慈悲で無目的な暴力に翻弄され続けるという、本書出版の2年前に
終わったばかりの第二次大戦を連想させる寓意的なもので、ペストとの
戦いの過程で登場人物の何人かが変化するところには感銘を受けたが、
同時に、この描き方はやや大時代的ではないかという印象も持った。

リウーやタルーは、時に人間的な弱さを見せることはあっても、おおむね
理想的な人物として描かれているが、そのせいか、時々理念そのものが
語っているように感じられることがあり、その分だけ小説としての面白さが
殺がれているようにも思えた(とはいえ、二人が泳ぐ場面は感動的なのだが)。

最後に蛇足ながら、新聞記者のランベールが脱出の手立てを講じる過程で、
スペイン人のラウルとゴンザレスに会い、サッカーの話をする場面があるが、
このくだりは、スペイン人FWのラウル・ゴンザレス(77年生まれ)の登場を
予告していたのかと、サッカー好きならつい思ってしまうところだろう。
(まあ、ラウルもゴンザレスも、スペイン人にはよくある名前なのだろうが。)
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.58
(5pt)

不条理に立ち向かう人間の無力さと偉大さのコントラストが胸を打つ

「外観も活動も享楽さえも、すべて取り引きの必要によって律せられているような」(38~9頁)オランの人々を襲ったペストの惨劇。何も出来ずに斃れ逝く人々の傍らで、自らの義務を誠実に果たそうとする一群の人間がいた。人間存在の卑小さと偉大さを対比的に描いて雄渾なカミュの代表作にして、現代の古典。

「確かに神は存在しないに違いない。なぜなら、そうでない場合には神父などというものは無用だろうから」(172頁、喘息病みの爺さんの言葉)
「もし自分が全能の神というものを信じていたら、人々を治療することはやめて、そんな心配はそうなれば神に任せてしまうだろう」(185頁、医師リウーの言葉)
「僕が心をひかれるのは、自分の愛するもののために生き、かつ死ぬということです」(244頁、新聞記者ランベールの言葉)
「今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです ・・・ 僕の場合には、つまり自分の職務を果すことだと心得ています」(245頁、医師リウーの言葉)
「僕はこれまでずっと、自分はこの町には無縁の人間だ、自分には、あなたがたはなんのかかわりもないと、そう思っていました。ところが、現に見たとおりのものを見てしまった今では、もう確かに僕はこの町の人間です。自分でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のあることなんです」(307頁、新聞記者ランベールの言葉)
「しかし、おそらくわれわれは、自分たちに理解できないことを愛さねばならないのです」(322頁、神父パヌルーの言葉)
「われわれはみんなペストの中にいるのだ」(375頁、自由人タルーの言葉)
(心の平和に到達するためにとるべき道についてリウーに聞かれ)「あるね。共感ということだ」(379頁、同)
「人は神によらずして聖者になりうるか-これが、今日僕の知っている唯一の具体的問題だ ・・・ 僕が心をひかれるのは、人間であるということだ」(379~80頁、同)
「人間のなかには軽蔑するものよりも賛美すべきもののほうが多くある」(457頁)

登場人物から誰か一人選べと云われれば、やはり理性の人である医師リウーである。それにしても、最後の一文(458頁)には、何か映画のエピローグでも観ているような錯覚を覚えさせられた。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.57
(5pt)

不条理に立ち向かう人間の無力さと偉大さのコントラストが胸を打つ

「外観も活動も享楽さえも、すべて取り引きの必要によって律せられているような」(38~9頁)オランの人々を襲ったペストの惨劇。何も出来ずに斃れ逝く人々の傍らで、自らの義務を誠実に果たそうとする一群の人間がいた。人間存在の卑小さと偉大さを対比的に描いて雄渾なカミュの代表作にして、現代の古典。

「確かに神は存在しないに違いない。なぜなら、そうでない場合には神父などというものは無用だろうから」(172頁、喘息病みの爺さんの言葉)
「もし自分が全能の神というものを信じていたら、人々を治療することはやめて、そんな心配はそうなれば神に任せてしまうだろう」(185頁、医師リウーの言葉)
「僕が心をひかれるのは、自分の愛するもののために生き、かつ死ぬということです」(244頁、新聞記者ランベールの言葉)
「今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです ・・・ 僕の場合には、つまり自分の職務を果すことだと心得ています」(245頁、医師リウーの言葉)
「僕はこれまでずっと、自分はこの町には無縁の人間だ、自分には、あなたがたはなんのかかわりもないと、そう思っていました。ところが、現に見たとおりのものを見てしまった今では、もう確かに僕はこの町の人間です。自分でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のあることなんです」(307頁、新聞記者ランベールの言葉)
「しかし、おそらくわれわれは、自分たちに理解できないことを愛さねばならないのです」(322頁、神父パヌルーの言葉)
「われわれはみんなペストの中にいるのだ」(375頁、自由人タルーの言葉)
(心の平和に到達するためにとるべき道についてリウーに聞かれ)「あるね。共感ということだ」(379頁、同)
「人は神によらずして聖者になりうるか-これが、今日僕の知っている唯一の具体的問題だ ・・・ 僕が心をひかれるのは、人間であるということだ」(379~80頁、同)
「人間のなかには軽蔑するものよりも賛美すべきもののほうが多くある」(457頁)

登場人物から誰か一人選べと云われれば、やはり理性の人である医師リウーである。それにしても、最後の一文(458頁)には、何か映画のエピローグでも観ているような錯覚を覚えさせられた。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033
No.56
(5pt)

「際限なく続く敗北」の内にある自由・連帯

20世紀フランスを代表する小説家・劇作家アルベール・カミュ(1913-1960)が第二次大戦直後の1947年に発表した長編小説。アルジェリアの都市オランがペストに襲われて封鎖されてしまいオランの人々が病禍に抵抗するさまを描いた本作品は、発表当時、第二次大戦中ナチス・ドイツの支配下にあったフランスに於けるレジスタンス運動の比喩として読まれたが、カミュ自身はこうした固定的な読まれ方をよしとはしていなかったようだ。ひいては、自らの作品を「実存主義文学」として括られることも拒否していたという。

物語の叙述は、舞台となっている北アフリカの都市の気候のように重苦しい暑さと、困憊した不安な陰鬱さと、そこで登場人物たちが自らの生をその都度創っていこうとするところの「絶望」と、そうしたものによってべたりと貼りつかれているようだ。ペストという〈悪〉に反抗する人たちは、決して〈善〉の奥行きの無さを以ては描かれていない。カミュは、〈善〉を定型的に実体化することを意識的に拒んでいる。

「今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです」「どういうことです、誠実さっていうのは?」「一般にはどういうことか知りませんがね。しかし、僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」

「英雄」など現れることはない、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。「特効薬」など無かった、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。「奇跡的救済」など起こり得べくもない、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。



「不条理」と「反抗」、これはカミュの文学に於ける最も切実な主題であると云っていい。

では、カミュ云うところの「不条理」とは如何なる事態を指しているのか。彼の哲学的エッセイ『シーシュポスの神話』(1942年)によると、彼の考える「不条理」とは、一応は以下のようなものであると云える。人間には世界を理性(logos)に基づいて意味付けしようとする本質的な志向性があるが、世界の側は人間の理性を一切受け付けずこの志向性を常に裏切る。このように人間と世界とが相対立した状態、人間と世界を結ぶ唯一の関係性が、「不条理」である。

生は、生の前には、何も無い。全て在ることどもは、生の後に続くものである。生それ自体以外に在り得ないという事態にあって、我々が我々自身以外に在り得ないところで、全てを選んでいくのだ。まず初めにあるところの生、そこでの生による選び。そうした、人間存在のそれ以上遡及することが不可能な突端・縁とでも呼ぶしかない次元を、カミュは何とか描き出そうとしたのではないか。この次元に於いて問題になることだけが真の問題なのだと、それ以外は擬似的・副次的な問題に過ぎないのだと、そのことがこの作品の中で反復変奏されている。そしてこの次元に於いてこそ、≪連帯≫が可能になるのである。

不条理のなか、「何か」であることを選び、以て際限無く反抗する、際限なく敗北し続けながら。そこに人間の自由がある。そして自由であるがゆえにこそ、他者との連帯の可能性がある。この生の自由こそ、連帯の可能性こそ、カミュが手放すまいとして何とかして表現しようとしたものだろう。
ペスト Amazon書評・レビュー: ペストより
B00G45R5CG
No.55
(5pt)

「際限なく続く敗北」の内にある自由・連帯

20世紀フランスを代表する小説家・劇作家アルベール・カミュ(1913-1960)が第二次大戦直後の1947年に発表した長編小説。アルジェリアの都市オランがペストに襲われて封鎖されてしまいオランの人々が病禍に抵抗するさまを描いた本作品は、発表当時、第二次大戦中ナチス・ドイツの支配下にあったフランスに於けるレジスタンス運動の比喩として読まれたが、カミュ自身はこうした固定的な読まれ方をよしとはしていなかったようだ。ひいては、自らの作品を「実存主義文学」として括られることも拒否していたという。

物語の叙述は、舞台となっている北アフリカの都市の気候のように重苦しい暑さと、困憊した不安な陰鬱さと、そこで登場人物たちが自らの生をその都度創っていこうとするところの「絶望」と、そうしたものによってべたりと貼りつかれているようだ。ペストという〈悪〉に反抗する人たちは、決して〈善〉の奥行きの無さを以ては描かれていない。カミュは、〈善〉を定型的に実体化することを意識的に拒んでいる。

「今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです」「どういうことです、誠実さっていうのは?」「一般にはどういうことか知りませんがね。しかし、僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」

「英雄」など現れることはない、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。「特効薬」など無かった、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。「奇跡的救済」など起こり得べくもない、【にもかかわらず/それでもなお/それゆえにこそ】、彼らは抗った。



「不条理」と「反抗」、これはカミュの文学に於ける最も切実な主題であると云っていい。

では、カミュ云うところの「不条理」とは如何なる事態を指しているのか。彼の哲学的エッセイ『シーシュポスの神話』(1942年)によると、彼の考える「不条理」とは、一応は以下のようなものであると云える。人間には世界を理性(logos)に基づいて意味付けしようとする本質的な志向性があるが、世界の側は人間の理性を一切受け付けずこの志向性を常に裏切る。このように人間と世界とが相対立した状態、人間と世界を結ぶ唯一の関係性が、「不条理」である。

生は、生の前には、何も無い。全て在ることどもは、生の後に続くものである。生それ自体以外に在り得ないという事態にあって、我々が我々自身以外に在り得ないところで、全てを選んでいくのだ。まず初めにあるところの生、そこでの生による選び。そうした、人間存在のそれ以上遡及することが不可能な突端・縁とでも呼ぶしかない次元を、カミュは何とか描き出そうとしたのではないか。この次元に於いて問題になることだけが真の問題なのだと、それ以外は擬似的・副次的な問題に過ぎないのだと、そのことがこの作品の中で反復変奏されている。そしてこの次元に於いてこそ、≪連帯≫が可能になるのである。

不条理のなか、「何か」であることを選び、以て際限無く反抗する、際限なく敗北し続けながら。そこに人間の自由がある。そして自由であるがゆえにこそ、他者との連帯の可能性がある。この生の自由こそ、連帯の可能性こそ、カミュが手放すまいとして何とかして表現しようとしたものだろう。
ペスト (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ペスト (新潮文庫)より
4102114033