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海流のなかの島々
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海流のなかの島々の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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上巻に比べると、なんだか硝煙の匂いがしてくる内容です。上巻の明るさと比べるとあまりにも陰鬱かも。それに著者の遺稿だったので充分に推敲されていない感は否めません。ですが、読んでいると変な表現なんですがヘミングウェイを感じさせる部分が至る所にあります。また酒好きにも堪えられない文章が具に見られます。 あと、これは活字が大きい版だったので、とても読み易かったです。本の状態も良かったし。またこの本屋さんを使います。 | ||||
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女性比率が非常に低い、男性のための作品です。詩情とストイシズムのバランスが良い!行間から潮騒や青い空が見えてくる。某有名少女漫画のキャラクターのセリフのように、「人間の孤独を描いた本」かというと、それは微妙に違うような気がしますが、どこまでも人間くさく決して成功者ではない男たちのゆるやかな連帯は魅力的です。 | ||||
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船を操縦しながら、ドイツ兵を追い詰めて行く。 そのプロセスが、面白かった。 難しい浅瀬を回避し、海中、海上の地形を読み、戦略を立てる。 それだけに専念することでいろんなことが、伝わってくる。 見えない敵との攻防が、スリリング。 仲間とのがり、微妙な関係。 死んで行った人間に対する乾いた感情。 からっとした感情。 それだけに、命への愛おしさが迫ってくる。 | ||||
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ヘミングウェーの死後家族の手で世にでることになった作品、それだけでもなにか読んではいけないものを読んでしまうというドキドキ感がある。長い文章や会話で構成された場面に少し読む元気をそがれるがそれでも推敲されたらどんな表現となるのだろうということを思うと楽しい。あまりヘミングウェーを読み込んでいなくてもパパヘミングウェーが感じられる一作だ。本で癒されたい、なにか大きな包容力を感じたいと思うとき意外とヘミングウェーという作家にたどりつくことがある。2章ビニミはまさにそれ 読後1か月たつがいまだにその章の情景が頭に強く残っているのを感じる。灼熱の太陽に照らされた甲板 大きな魚を一本の竿で釣り上げようとしている若き息子の肩 それを見守る船長である父と兄弟と仲間たち なにかその場に居合わせたような錯覚に陥る。きっと表現することの巧みさだけでなく生への強い感情とそれを抑える理性と洞察力をこの作家がもっているからだろう。映画にもなった「老人と海」よりもこの青年と魚との戦いの方が今の気持ちにしっくりくる。なぜこのモチーフを彼は老人で描いたのか。この本の中にはヘミングウェーが取り上げようとしていたモチーフが海流の中の島々のように点在している。 | ||||
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最も敬愛する人物、ヘミングウェイ。小説は特段、感動するわけでもなし。でも、媚びず、語らず、ただひたすらにドライ。海〜キューバ、トローリング、セイルフィッシュ。渓流〜フライフィッシング。アフリカ大陸〜ハンティング。酒〜フローズンダイキリ。闘牛、そして戦争。自然と死にとりつかれながら、8人の女性と離婚し、最後には猟銃自殺。こんなカッコイイ男はヘミングウェイだけだろう。この作品は、ヘミングウェイの生き様が凝縮されている。 | ||||
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この本を読む前に初期の作品「日はまた昇る」を読んでいましたのでこれとの対比で見ると、まずヘミングウェイが手をあまり加えていないせいか、らしくない長めの表現が所々に見られます(多分ヘミングウェイが生きていて出版する気であったなら大分削っただろうなと思うところがいっぱいあります)。そういう意味でも余計な表現を削り取る前の「素のヘミングウェイ」を楽しめる気がします。主人公のハドソンはそっくりそのままヘミングウェイに置き換えてもいいです(ジョイスやパウンドまで会話に出てきます)。カクテルの描写や、釣りなどさまざまな描写はやはりさすがという気がします。 | ||||
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上巻とは全く趣が異なります。 見かけ上は例によって、絵の無いブラックホークダウンとかプライベートライアンです。挿絵も写真も無しで良くここまで殺し合いの詳細記述ができるなあと感心!マングローブ林に隠れながら、逃亡ナチスの生き残りの兵隊を汐の干満を利用しながら執拗に追跡してともかく殺しまくるというお話。 民間人として狩猟用のアマチュアの武器と手作りの消火器爆弾で武装して、プロの殺し屋のナチスの重武装したエリート兵隊たちと白兵戦を繰り返す。読んでるうちは気付かないけど、何でド素人集団がプロの殺し屋と渡り合わなければならないのか後で気が付く不思議なポイントもあり。 インテリにとっての殺し合いの合理的解釈として読むと面白い。 例えば、 1) ナチスは邪悪な悪鬼だから命を賭けても殲滅する義務がある 2) 息子を殺したナチの仲間だから殺してやる 3) 無辜の島民を殺した凶悪なテロリストだからリンチで殺してやる 4) 自由と平和と民主主義を脅かすナチ野郎は皆殺しだ! 5) もう生きるのが嫌になった自分としては、弱虫としての自殺はしたくないから、擬似的戦闘で戦死して死にたい 自殺して死ぬための手段としての戦いと読むか、生きることを印象付けるための戦いで止むを得ず結果として死んでいくと読むか、どちらかは非常に曖昧のまま。多分、そこいら辺を問いかけるための論題なのでしょう。 読み方とか読む時の心境とかで全く別のお話に様変わりするから、だから巨匠の傑作なんでしょう。読まないと一生損しますよ! | ||||
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アメリカ人のヘミングウェイファンでも知らない人の多い隠れた名作です。生前は発表されずに原稿のまま放置されていたのを最後の奥さんのメアリーと版元が最小限の加工で ー 校正と本人でも切り落としたに違いない部分をカットしたものです。ヘミングウェイの勇ましくて男らしいという先入観をあまりにも強烈に塗り替えるので、勇猛果敢なパパが好きなファンは読む前に覚悟が必要。偶像破壊を畏れない人には絶対お勧め。 前半の日中は老人と海のような海洋冒険と男の命がけの勝負というおなじみのパターンですが、日没と同時に孤独感と後悔に押し潰されて鬱の奈落に沈み込んで行く神経症的な初老の男の独白となります。 日中の冒険だけ拾い読みという読み方もアリだと思います。丸っきり絵の無い海洋冒険映画です。ただし、熱帯の海や海洋生物、釣りの知識を持ち合わせていないと沢山の訳注がうるさくて本当に楽しむのは難しいでしょう。「陽の当たっている砂底の浅瀬は安全だ。遠くから鮫の影がはっきりと見えるから。」このセリフが何を言っているか実感できればたっぷりと楽しめます。 夜のシーン、社交界の話、酒場の会話はスキップもありかも。当時の風俗を知らなければピンとこないし、パパのイメージを大きく破壊する部分が多く含まれています。 構成と展開は凄い。予測を許さない。ビミニ島での子供達との楽しい宝石のような夏休みの直後にいきなり「息子が死んだ。」ですよ!しかも戦死と自動車事故で相次いで! でもご安心、この作品は自伝ではなくて創作ですから。ヘミングウェイの息子は戦死も事故死もしていません。 読み切るのに気力と体力が要ります。短い文章で多くを表現しているので、斜め読みとかさらりと読み流せませんから。下巻では更に読破への道のりは険しくなります。 | ||||
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上巻の明るさは微塵も感じられない展開に、これが続きなの?別な話であってほしいと思ってしまうほど、悲しみが胸にしんしんとしみます。人生について考えさせてくれる、心に残る小説だと思います。 | ||||
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ヘミングウェイの「表現」はすばらしい、これに尽きると思います。小説の登場人物たちの体験を、自分が五感で感じているような錯覚にとらわれます。擦り切れるまで読みかえしても、まだ読みたいと思える一冊です。 | ||||
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