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絢爛たる流離
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【この小説が収録されている参考書籍】
絢爛たる流離の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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古くなっていない 哀しい話の数々を楽しみました | ||||
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清張さん力業の連作短編集。一篇一篇がトリックが仕込まれたミステリーになっている。全篇にわたって切れ味が鋭いかと言えば、そうも言えない。しかし、昭和前期から戦後昭和の時代背景が土台になっており、読み応えは十分だ。各篇のタイトルの付け方もいかにも清張さんだ。薦めます。 | ||||
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期日どおりに到着。品質良好。 | ||||
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手元に届いた時に驚きました、あまりにも奇麗なので、 これって本当に古本なの?が正直な印象です。 | ||||
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12話の連作短編。 第一話に、家政婦の川野さんが登場。 彼女は、家政婦協会の同僚たちと雇先の噂ばなしをしゃべってしまうような人で、 「家政婦は見た」の原点かと思い、二話目以降も登場してほしかったのだが第一話だけのエキストラだった(笑 昭和*年、昭和十*年、昭和二十*年…と、十年越しで宝石は様々な持ち主の手に渡っていく。 第三話から第六話あたりの、終戦前後の混乱期の話は、ザ・清張って感じ。 朝鮮からの命からがらの引きあげ、モノ不足期の成り金の話、最後は高層ビル建築ラッシュの昭和三十年代末。 監視カメラも携帯電話もDNA鑑定も無い時代の昭和な小説、たまに読むと楽しい。 | ||||
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3カラットのダイヤは、数奇な運命をたどり、ついに消滅した。・・・ | ||||
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ダイヤモンドを中心に、例のごとく、男女の愛憎劇と、それにまつわる殺人を描く。 12編。ダイヤが人から人へと渡っていく。 戦中~戦後が舞台。朝鮮半島を舞台にした第3話と、最後第12話のどんでん返し的な終わり方が印象的。 他の作品に比べ、ストーリーにあんまり無理がない | ||||
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松本清張の作品の中ではあまり知られていないようですが、私はこれが一番好きです。昭和初期に九州の大金持ちが娘に買い与えたダイヤの指輪が持ち主を転々と変えながら、周囲で常に事件が起こる・・・という、映画でいえばオムニバス形式の作品です。 第二次大戦中と戦後の混乱期の話が多いですが、“戦争の悲劇”を感傷的に持ち出したりはしていません。にもかかわらず、状況にいやおうなくからめとられていく人間の姿を見事に描き出しています。一体だれが本当に悪人だったのかを思わず考えさせられてしまったり、殺人事件の被害者のほうが悪人だったり、清張の人間観察の鋭さには脱帽します。 | ||||
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一気に読みきったぐらい面白く、その後も度々読み返しています。プラチナ一匁目台リングに収まった三カラット純白無疵、ファイネストホワイトの丸ダイヤが、昭和初期に、九州の炭坑主の令嬢の指を飾ってから、持ち主を転々とし、タイトル通り「絢爛たる流離」を重ねます。このダイヤの持ち主となった女性たちは、何らかの形で殺人に関与したり、あるいは持ち主の関係者などに殺されてしまったりで、まるで殺人リレーのような感じです。 考えてみたら、ダイヤは何にも悪いことしてないのに、何だか「呪われたダイヤ」みたいな感じになっちゃってますね(笑) 清張先生は、未知の方からの手紙で、この連作小説のヒントを得られたとか。小説の中で、宝石商は、宝石の売り先をメモにつけていて、売り先に不幸事があると、売り先に訪れて安く買い取り、また別の人間に売っているとあったが、まさか現代ではそんなことはしてないのかもしれないけど、昔は、宝石店って質屋さんみたいな売り方もしていたんだと、そのあたりも興味深かったです。このダイヤのように、美しいもの、価値のあるよいものはそうやって、時を経て大切に受け継がれていくのかもしれませんが、殺人がらみの出来事まで受け継ぎたくないなあ(笑) 最後のエピソードはちょっとほろ苦さのある、切ない感じがしてニクいですね。ダイヤも「絢爛たる消滅」をし、炭素となってしまったし。次郎くん、やっぱり捕まってしまったのかな。 | ||||
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大変面白かった。個人読書履歴。 一般文学通算15作品目の読書完。1973/01/10 | ||||
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苦節十年と言うけれど、松本氏の苦節はもっと長かった。(半生の記 (新潮文庫)) しかし昭和33年(49歳)、「点と線」「目の壁」「ゼロの焦点」を相次いで発表するや、雌伏の時は終り氏は一気に社会派推理小説家のトップに躍り出る。本作は昭和38年(54歳)「婦人公論」に連載。この年8月には日本推理作家協会理事長となっている。 女性読者を意識してか、タイトルはそれにふさわしく「絢爛たる流離」。プラチナ・リングにおさまった絢爛豪華な三カラット・ダイヤが様々な持ち主の間を流転していく。流転するのはそれを身につけた女性が何らかの悲運にみまわれるからだ。 物語はダイヤの指輪で繋がってはいるが一本の長編小説ではなく、いくつかの中編ストーリイで構成される。その分変化にとみ密度が高い。松本作品といえども長編の場合、時に叙述が冗長で緊密を欠く部分が無いではない。 時代背景は戦前から60年安保闘争の頃まで、昭和史がスッポリ収まる。登場するのは炭鉱で富を築いた事業家、戦地での軍人、悪徳弁護士、戦後の闇市商人、銀座の高級クラブのママなど。良かれ悪しかれこれが昭和世相の移り変わりであり私たちの国が辿ってきた道なのだ。 松本氏は衛生兵要員として召集され、終戦を朝鮮全羅北道井邑で迎えた。第3話「百済の草」が最もリアルで迫力があるのはその土地カンと実体験がもとになっているからであろう。 読者はそれぞれの事件の推理を楽しむと共に、辿ってきた昭和の世相を今一度感慨深く振り返ることになるだろう。 | ||||
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単に「昭和世相」「社会派」というに止まらない、やはり清張さんはストーリーテリングが上手だなあと唸らされること請け合いの、傑作連作集です。 子供向け世界○大ミステリーのひとつに「呪われたダイヤ」というのがあるでしょう。持ち主を転々として、なぜか持ち主には不幸が訪れるというあれです。本書は、あの日本版、昭和版に清張さんの見事な味付けがされたものと思えば話が早いと思います。 それにしても上手です。男女のドロドロした情念は僕は苦手ですが、清張作品だけは別です。「或る小倉日記伝」から脈々と流れる、美しいことが災いして不仕合わせになる女性の姿が、美しく、切なく、印象に残ります。お勧めします。 | ||||
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