■スポンサードリンク
かにみそ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
かにみその評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 41~42 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作である本小説。浜辺でふと拾ったカニを育てていたらどんどん成長し、なんと連続殺人鬼になって主人公と同居するという奇想天外なお話です。 主人公は最初は「カニ」の行動に同調し、「カニ」の捕食行為を手助けしていたりしたのですが、やがて罪悪感に目覚め始め、「カニ」と同居することにすら限界を感じるようになります。 この主人公の心情の変化は文学的には評価できます。特に冷凍倉庫でのアルバイトで人生に絶望していたがゆえに、「カニ」の捕食行為にもなんら気に留めなかった主人公の心の変化がつぶさに描かれているところは、芥川龍之介の小説のようです。 この小説で注目すべきはやはり殺人鬼を「カニ」にしたというところでしょう。そしてこの「カニ」は現実に生息するカニではありえない「カニ」なのです。人間同様の生活を行うことや(テレビを観たり新聞を読んだり、主人公の心情に共感したり挙句の果てには、主人公のまくれた掛け布団をかけなおす(!)というところまで!)自分の体の大きさを自由に変化させたりと、かなりファンタジックな要素を盛り込んでいます。 その「カニ」の非現実的要素をファンタジーとしたこと、それに加えて「カニ」の言動がいささか子供っぽいがゆえに、虐殺シーンから現実性がそぎ落とされたことで、大量に殺人シーンが登場する小説にありがちな血なまぐささや暗い雰囲気を一掃しています。 しかし同時にそれは、この小説がホラー小説としての魅力を減少させているのです。 つまり、「カニ」の行う捕食行動が読者の恐怖を喚起できないわけです。恐怖を喚起する現実性=臨場感に乏しい。それにこの主人公は、「カニ」をあっさりと退治してしまっているわけですし、「カニ」の方も主人公を捕食する気はないと断言してしまっている。つまり親しくなった存在から急に命を狙われるといった恐怖もまったく描かれていないわけです。「カニ」が捕食するのは人間ではありますが、市井の匿名の人物ですし殺害の描写もあっさりしすぎているのであまり怖くありません。 つまり、この小説は、日本ホラー小説大賞の受賞作でありながら、最初から読者の恐怖を喚起する仕掛けが最初から完全に骨抜きにされている。つまりこれはもう「ホラー小説」とは呼べないものになっているのです。 そういった意味では、★は3つが妥当だと思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的には大賞にしても良いと思える作品です。 何事にも無気力だった主人公がなんでも食べる蟹を飼い始め、 とある事件をきっかけにどんどん人間らしさを取り戻していく部分はリアルで感動すら覚えました。 もう一作の百合の火葬も親子の絆を感じさせる作品でとても感動しました。 文章も上手く今後も期待したいです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!