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連環
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【この小説が収録されている参考書籍】
連環の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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状況証拠が積み上げられる後半の描写は、主人公の心理描写と相まって見事である 松本清張は私の最も好きな作家である | ||||
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キンドル版だと全体の長さが分からず、レビューを見て600ページ相当と分かってびっくり。 実際は250ページくらいの小説を読んだような読後感。 1960年代の風俗や雰囲気が分かって面白い。言葉の規制が緩い頃なので今なら一発でアウトの単語が遠慮なく登場してくる。 最後の論理は微妙に破綻していると思う。特に早苗は選考で選んだというが、最後の方では自ら接近したとある。選考に漏れる可能性は考えなかったのか? | ||||
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東京で職を失った笹井は、北九州の小都市で印刷屋に職を得た。薄給の上に社長はワンマンで、あまり良い職場ではない。 笹井はまとまった金を掴んで人生をやり直すため、ある計画を実行する。 清張は市井の小人物を描かせては天下一品である。本作も小悪党の笹井が実に生き生きとしている。 ほかの作品では男に比べて女の扱いが類型的なこともあるが、本作では女の描写が冴えまくっている。 無気力な社長の妻滋子、放埓な愛人藤子、小悪魔的な美女早苗など、目の前に姿が見えるようだ。 滋子の息子一郎は、知能の発達が遅れているが、物陰からじっとりと笹井の策謀を観察しているようで、薄気味悪い。 零細出版社を立ち上げたりするくだりは、とても興味深く読んだ。 印刷業は作者の昔の仕事で、出版は言うまでもなく身近な業種だ。60年代の業界が見事に活写されている。 犯罪サスペンスとしては一級品だが、ミステリとしては欠点が多い。というか、破綻している。 悪だくみを暴かれ、笹井はすべてを失う。その過程があまりに唐突なのだ。 悪が悪を食う世界ではあるが、笹井を潰しても一円の得もない。正義感なんかで動いたわけはないし、動機がわからない。 どこか重要な個所を読み逃がしたのかと思ったが、解説に私の感想と同じことが書いてあった。ううむ、結末を投げたのか。 読んでいる間は夢中になったので、星4個で。 | ||||
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分厚い長編なのに、自分でも意外なほどすらすらと読めました。 「連環」は文庫本530ページ余り。しかも、活字が大きくなった今の文庫本には珍しく、 昔のままの小さな活字。これ、新潮文庫など、現在の文庫本の活字の大きさに換算したら、 ページ数は、おそらく600ページを超えるのではないかと思います。 ネット通販で購入し、手元に届いてみて、本の分厚さ、文字の小ささを知った時、 「わっ、読み終わるのに、時間かかりそう」と感じました。 ところが、読み始めてわずか20ページくらい進んだところで、もうやめられなくなりました。 ちょうど、主人公笹井が、就職した九州北部の印刷所の主人、豊太郎の妻滋子と肉体関係を結んだ辺りからです。 この作品、女性との性的関係を描写する場面が、頻繁に出てくるんです。 豊太郎の妻滋子、それに豊太郎の2号さん藤子と、女性を我が物にし、彼女らを利用し踏み台にして 自らの出世栄達を目論む主人公笹井の心理と行動と、踏み台にされた女性たちの心理と行動とが相俟って、 どうしても先を読まずにはいられなくなります。 滋子といい藤子といい、女の人たちが本当に可愛そうなので、この先はどうなるんだろうと気になって気になって しかたがない分けです。 東京に出てから、エロ本出版社を立ち上げて独立した笹井が雇用した社員の宇都宮早苗(さなえ)の個性は、これまた 痛快ですね。早苗と、そして九州の印刷所時代に同僚だった笠山、この二人が最大のキーマンというか、 物語上のトリックスターですね。 他にも東京で知り合った出版業者の和久田や、セックス研究家兼エロ小説作家の小柳と、こんな性豪を 夫に持ったおかげで、精気を吸い取られ、魂の抜け殻のようになった青柳の妻などなど、個性的な登場人物が これでもか、これでもかと出てくるのも、この500ページを超える長編を面白くしている要因です。 最初、こりゃ読破するのに何週間もかかるぞ、と思ったのに、けっきょく3日くらいで読み終わりました。 おまけに、また再読してみたくなりました。 | ||||
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犯人の目線で物語が進行する破滅モノとして、同じく清張の「落差」と並んで好きな作品。清張の素晴らしさは人間描写にあり、特に犯人の一人称で進行する中篇モノに秀作が多いですが、本作品は中弛みすることなく一気に読ませてしまいます。女性を至近距離からなめるように描写するシーンはまるで皮膚が透けて見えるかのリアリティがあります。 | ||||
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清張氏の青春体験を活かした社会派推理もの。著者には珍しい私小説的な色合いが強い作品。時代背景が昭和のおよろ半ばぐらいまでの世相のお話です。前半~中盤ぐらいまでは大いに盛り上がるのですが、終盤で息が切れてしまい、余韻はイマイチですが、読んで損のない面白い作品です。 | ||||
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清張作品もかなり読んだつもりだったが、この作品は、知らなかった、本屋でたまたま見つけて、読み出したら、止まらないぐらい面白く著者の作品の中でも、ベスト10にはいるのではないか。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算25作品目の読書完。1973/04/20 | ||||
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松本清張の作品を買い集めて、いま、夢中になって読んでいます。 どの作品も面白いのですが、これは、なかでの特筆ものです。 人を手玉にとっているつもりが、すこしづつ破たんが始まります。 この辺りの恐怖感がたまりません。 こういう心理を書かせると、清張の右にでるものはないでしょう。 よくできた作品です。 | ||||
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ストーリーテラーという言葉は 松本清張のためにあるのではないかと痛感した作品。 中でもこの作品はエンターテイメント性に優れ、 今ではサスペンスドラマの定番となった「断崖」のシーンも この小説の影響なのでは、とも思えます。 タイトルの「連環」は環をつなぐように 嘘を積み重ねていった主人公が 最後に自分の首に環をかけることになる、ということでしょか? どんでん返しにさらにオチがついて一ひねりしてある奇抜さ。 情事の場面を多用していても、 純文学のカテゴリに入っても充分なほどの 豊かな表現力が作品の質を高めています。 ミステリを再読することは愚かなことかもしれませんが、 レビューを書くにあたって再読しました。 時を経ても面白さは失わないと改めて実感しています。 | ||||
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ストーリーテラーという言葉は 松本清張のためにあるのではないかと痛感した作品。 中でもこの作品はエンターテイメント性に優れ、 今ではサスペンスドラマの定番となった「断崖」のシーンも この小説の影響なのでは、とも思えます。 タイトルの「連環」は環をつなぐように 嘘を積み重ねていった主人公が 最後に自分の首に環をかけることになる、ということでしょか? どんでん返しにさらにオチがついて一ひねりしてある奇抜さ。 情事の場面を多用していても、 純文学のカテゴリに入っても充分なほどの 豊かな表現力が作品の質を高めています。 ミステリを再読することは愚かなことかもしれませんが、 レビューを書くにあたって再読しました。 時を経ても面白さは失わないと改めて実感しています。 | ||||
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虚言妄言がぐるぐる巡り巡って、結局自らを滅ぼしてしまうと言う良い見本がこの物語にはある。周到に準備されているはずの計画犯罪は、実は隙だらけであり、この隙をとりつくろう主人公の心理描写が良く描けていて、手に汗握る展開になっている。 重要人物である早苗と和久田、一郎の描写は全編を通して非常に精巧で優れている。こういう物語を欠かせたら清張の右に出るものはいないだろう。 主人公の文書告白は情けなさで溢れていて、怒りさえ覚える。すべては自身の責任なのだが、この情けなさは誰にでもあるものなのだろう。 紙やインクの匂いが漂ってきそうな秀作である。 | ||||
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虚言妄言がぐるぐる巡り巡って、結局自らを滅ぼしてしまうと言う良い見本がこの物語にはある。周到に準備されているはずの計画犯罪は、実は隙だらけであり、この隙をとりつくろう主人公の心理描写が良く描けていて、手に汗握る展開になっている。 重要人物である早苗と和久田、一郎の描写は全編を通して非常に精巧で優れている。こういう物語を欠かせたら清張の右に出るものはいないだろう。 主人公の文書告白は情けなさで溢れていて、怒りさえ覚える。すべては自身の責任なのだが、この情けなさは誰にでもあるものなのだろう。 紙やインクの匂いが漂ってきそうな秀作である。 | ||||
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虚言妄言がぐるぐる巡り巡って、結局自らを滅ぼしてしまうと言う良い見本がこの物語にはある。周到に準備されているはずの計画犯罪は、実は隙だらけであり、この隙をとりつくろう主人公の心理描写が良く描けていて、手に汗握る展開になっている。 重要人物である早苗と和久田、一郎の描写は全編を通して非常に精巧で優れている。こういう物語を欠かせたら清張の右に出るものはいないだろう。 主人公の文書告白は情けなさで溢れていて、怒りさえ覚える。すべては自身の責任なのだが、この情けなさは誰にでもあるものなのだろう。 紙やインクの匂いが漂ってきそうな秀作である。 | ||||
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虚言妄言がぐるぐる巡り巡って、結局自らを滅ぼしてしまうと言う良い見本がこの物語にはある。周到に準備されているはずの計画犯罪は、実は隙だらけであり、この隙をとりつくろう主人公の心理描写が良く描けていて、手に汗握る展開になっている。 重要人物である早苗と和久田、一郎の描写は全編を通して非常に精巧で優れている。こういう物語を欠かせたら清張の右に出るものはいないだろう。 主人公の文書告白は情けなさで溢れていて、怒りさえ覚える。すべては自身の責任なのだが、この情けなさは誰にでもあるものなのだろう。 紙やインクの匂いが漂ってきそうな秀作である。 | ||||
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